3日目(2016/3/20)の午前中、最後の実技競技「届け!光のメッセージ」が行われました。これは、事前準備が勝敗を左右する競技です。マイコン(Arduino)とブレッドボードカラーセンサ、LEDなどの電子部品を用いて、光の信号を0~9、A~Fの16種の文字に変換するための送信機を作り、さらに自作のプログラムでそれをPCに正しく取り込む(いわばA/D変換)、という高校生にとってかなり高度なことが要求される競技でした。16種類のランダムな文字を64個正しく、そして早く受信できることを競います。

科学の甲子園3日目Arduino

机の上が送信機と受信機。PCがクラッシュしたため、引率教員から急遽借りたPCを使って連携を確かめています。前日まで入念な準備がなされました。

開智チームは、開催前日まで、学校で下校時間ぎりぎりまで、事前配布された部品を用いた試作機の調整・プログラムの改良を重ねてきました。開催の数日前には「より早い送信を目指す」というチャレンジ精神で、2進法方式から3進法方式に変更し、競技日前日の夜も、練習用のPCがクラッシュするなどのアクシデントに見舞われながらも、何とかできる範囲で準備を行ってきました。本番では練習通りのベストなパフォーマンスとはいきませんでしたが、実況解説でも「早かった」と評されたように、作り上げたシステムは十分なポテンシャルを感じさせるものでした。審判の方からも「いろいろ考えた末のシンプルな構成なのだろうと感じさせる装置だった。これなら短時間で作れ、よいシステムだった。」という旨の評価を後に頂きました。高みを目指す開智らしい挑戦でした。また、30秒台のタイムで圧勝だった海陽チームの人に、回路のしくみなどを聞きに行くなど、探究心を忘れないあたりもさすがですね。

午後は特別シンポジウム。日本初の命名権が与えられた新元素に関する研究に携わった九州大の森田教授の講演の後、パネルディスカッションが行われました。4名の教授の中に、西成教授が!西成教授は、5期生大村賞東大総長賞も受賞した江崎くんの指導教官です。このように、意図しない場面で開智とのつながりが感じられるというのは、開智卒業生がそれだけ多方面で活躍しているということでもあり、うれしいことですね。

科学の甲子園3日目集合写真

表彰式直後のようす。みんなしっかり戦い抜きました!

そして、表彰式。各賞が発表され、最後は総合成績発表。開智は、全国10位入賞!会場に校名が告げられると、立ち上がったメンバーの姿がスクリーンに映し出され、大きな拍手に包まれました。

夜は「フェアウェルパーティー」。今回、全国の科学好きの高校生と交流できたことは、彼らにとって大きな財産となったことでしょう。科学の道を進んでいくと、先に述べたような「意図しないつながり」が必ずあります。探究する者同士が、そう遠くない将来に再び関わり合ってよりよい社会をつくっていく。そんな未来を感じさせるすばらしい大会でした。また出会うときに、さらに成長した姿が見せられるよう、開智の皆さん、精進しましょう!

ページ
TOP