新しい年が幕を開け、本校の授業も今週から始まりました。新型コロナウィルスの感染拡大が再び進んでいますが、私たちは引き続き万全の対策をとりながら、音楽に囲まれて元気に過ごしています。

 さて、皆さんは「季節の音楽」をどのように楽しんでいらっしゃいますか。クリスマスソングに桜ソング、夏うた…があるように、クラシック音楽にも、季節に関する作品がたくさんあります。タイトルや歌詞自体がそのことを明示しているような作品もあれば、聴き手の想像力に働きかけてくるような作品もあるでしょう。あるいはベートーヴェンの「第九」のように、特定の時期によく演奏される作品というのもありますね。

本校音楽科「グレードソルフェージュ」のあるクラスでは、四季の移り変わりに合わせた教材選びを試みています。10~11月には「秋」を題材にした様々な作曲家の歌曲を集めて比較してみたり、12月にはクリスマス前の芸術鑑賞会に合わせて、チャイコフスキーのバレエ音楽に取り組んだりしました。そして今週は、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートにちなみ、ワルツ王ヨハン・シュトラウスの作品に注目しました。

このように「音楽を通して四季を楽しむ」ことを意識していると、「音楽による表現の可能性がいかに多彩であるか」ということがよくわかります。特定のキーワードがきっかけとなり、今まで知らなかった素敵な曲に出会えることもあります。また、どんなに有名なメロディでも、記譜したりドレミで歌ったりしてみることで、意外な難しさに驚かされることがよくあります。在校生たちも、「知ってる!」と頷いて口ずさみながら、いざ五線紙と向き合うと頭を抱えていましたが、理論の授業で習ったことを身近な楽曲を通して確認する良い機会になったようです。

寒さ厳しいなか、受験生の皆さんは練習や勉強に励まれ、不安な気持ちになられることもあると思います。少し休憩できるときにはぜひ、窓の外を眺めながら「冬の音楽」を探してみてください。お気に入りの曲が見つかり、嬉しい気持ちになれるかもしれません。よく知っている曲が聴こえてきたなら、ほんの一節だけでも「ソルフェージュ」してみましょう。きっと興味深い発見があると思います。

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