高校音楽科ではいま、教育実習生として母校に帰ってきた卒業生たちが、実習のしめくくりに向けて頑張っています。
コロナ事情もあり、歌ったり話したりすることに気を遣うなか、もう1週間生徒たちと一緒にいられたなら・・・
そんな思いを胸に、ある実習生が最終日を迎えました。

 その日は朝から土砂降りの雨で、午後のHRも予定が詰まっていたため、実習生をどのように送り出そうか?と頭を捻っていたところ、生徒たちが職員室にやって来ました。
「実習生の先生にサプライズをしたいんです。HR時間中に先生を教室の外に連れ出してもらえませんか?」

 HRの時間、生徒には10分休憩を告げ、仕事の依頼を装って実習生を連れ出しました。
教室に戻ると、一面の黒板アートをバックに、生徒たちの掛け声が響きます。
「2週間、ありがとうございました!」
クラス委員の生徒が、お花を後ろ手に隠して駆け寄ります。こんな事もあろうかと、雨が止んだ隙に国立駅へ走り、滑り込みセーフで調達してきた担任でした。生徒たちの行動力と団結力は本当に微笑ましかったです。
 実習生は思わず涙しながら、「Kunionで実習できて本当によかった」と、生徒たちに語りました。

 「アンサンブルのくにたち」には、このような優しさにあふれた生徒たちが集まっています。ひとりひとりが自らの音楽に懸命に向き合っているがゆえの優しさ、なのかもしれません。その成長を、大切に見守っていきたいと思っています。

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