高校3年生が古典探究の授業の一環で琵琶に親しみました。

題材は『平家物語』の「扇の的」。源平合戦の屋島の戦いで、平家の女房が舟の上に掲げた扇を、源氏方の那須与一が見事に一矢で射落とし、両軍から賞賛された名場面です。はじめは、先生が琵琶を演奏しながら物語を朗読しました。情景が思い浮かぶ素晴らしい演奏です。矢が飛ぶ音にも臨場感がありました。先生の朗読・演奏を聴いた後、生徒たちはしばらく朗読の練習をし、今度は生徒の朗読に合わせて先生が琵琶を演奏してくださいました。その後、生徒たちも琵琶に触れ、少しだけ演奏する時間をとったのち、先生が再び、琵琶を演奏しながら物語を唄ってくださいました。

『平家物語』は古典、すぐれた文学作品であると同時に音楽作品でもあります。平曲として唄われ、聴く娯楽として人々に親しまれてきました。今回の授業を通して、物語への親しみが増しました。

授業を担当する先生は、大人になってから琵琶を習ったそうです。大人もずっと勉強することが大切、とおっしゃっていました。生徒たちも、聴きながら物語の情景を想像でき、貴重な体験だったと語っていました。

大学受験を控えた古典の学習といえば、古文単語の暗記、品詞分解、逐語訳ばかりに集中してしまいがちですが、もっと純粋に楽しむことが大事。本当の意味での学習とは何か、深く考えさせられました。
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