先週の金曜日、中学2年生は、都立第五福竜丸展示館学芸員の市田真理先生による講演を拝聴しました。
第五福竜丸は、南太平洋のビキニ環礁付近で操業中の1954年3月1日、アメリカの水爆実験に遭遇し、「死の灰」を浴びたマグロ漁船です。船員たちは、自分たちが目撃した「西から昇る太陽」が水爆実験によるものであったとはわからず、雨に混じって降ってきた白い粉が放射能を帯びた危険なものであることも知りませんでした。焼津港に帰る2週間のうちに皮膚が黒ずみ、髪が抜け、体のだるさを感じても、それが被ばくによる健康障害であるとは考えもしませんでした。
その後、真相が明らかになると、第五福竜丸は立ち入り禁止となり、第五福竜丸が獲った魚もすべて処分されました。また、ほかの漁船が獲った魚は安全なのだろうか、という不安を背景に、全国で原水爆禁止を求める署名運動が活発におこなわれ、この動きは翌年の原水爆禁止世界大会につながりました。中学生も含め、多くの人々が「自分ごと」としてこの問題をとらえていました。
三輪田学園は、長年にわたり、第五福竜丸の乗組員の一人であった大石又七さん(2021年にご逝去)をお招きして、お話をうかがってきました。大石さんから学んだことをしっかりと記憶し、核兵器のおそろしさ・非人道性を訴え続けていきたいと思います。中学2年生は、本日、市田先生からうかがったお話ももとに、中3での広島修学旅行に向けて、学習を重ねていきます。