第99回全国高校サッカー選手権大会 山梨県大会

連覇に向けて好発進!!

甲府東を退け、ベスト8に勝ち名乗り

3回戦 日大明誠高校グラウンド
日大明誠 前半 甲府東
後半

手塚秀昭のホイッスル

tezuka

第99回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会3日目は、24日(土)、4会場で3回戦が行われ、ベスト8が決定した。

今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため学校が一斉休校となり、再開後も部活動は、合宿や県外遠征、さらに9月末まで県外チームとの練習試合禁止などの多くの制限のもと、関東大会とインターハイが中止となり、3年生にとっては最初で最後の公式戦となった。

Oct_24_2020

前大会の覇者である本校は、前述の2大会が中止のため、昨年度の県予選の成績がそのまま採用され第1シード校として登場、初戦は1回戦から勝ち上がり勢いに乗る甲府東高等学校(以下、東)との対戦になった。

前半開始直後は、互いに定石通りにロングボールを多用し、相手陣内でプレーを続けることを優先的に選択した。時間の経過と共に個人技に勝る本校は徐々に試合の主導権を握り始め、8分、BK陣のパス交換からサイドに展開し混戦からのこぼれ球を⑥吉原がチーム初となるシュートを打った。直後の9分、②津田からの絶好のクロスを⑪平田がタイミング良く合わせたがシュートは大きくクロスバーを超え絶好機を逃した。押されながらも東は、最終BKラインが出足鋭くパスカットを狙い、そのディフェンスからサイドへ展開し攻撃を試みるが、前線でボールキープが出来ず孤立する場面が目立った。終始攻め続ける本校は、ワンタッチパスが小気味よく繋がり、24分のCKの後,26分、⑤橋本が自陣コーナー付近で個人技を生かしたキープから5本のパス交換を経て、クロスまで至ったが得点にはならなかった。その直後、中盤で⑥吉原からのダイレクトでのスルーパスが左サイドの平田に渡り、そのクロスをゴール前に詰めていた⑨粟生田が決め、待望の先制点が生まれた。

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後半開始直後の3分、東は中盤でのFKからのクロスをシンプルにゴール前に上げ、混戦からシュートを決め同点とした。この得点でリズムを掴んだ東は、FKやCKで本校ゴールを攻め続け一進一退の攻防が続き、試合は一時膠着状態となった。この状況を打破するため両校ベンチが動き、本校は2名、東は1名の交代選手を投入した。直後の28分、右サイドを駆け上がった津田からの低いクロスが逆サイドまで流れ、直前に交代した⑲林がゴールを決め再びリードした。反撃に転じたい東は選手をさらに2名交代させたが、32分、⑱大月の個人技を駆使した突破が東のファールを誘い、ペナルティエリア近くの右45°のFKを、③小名木が壁を作る選手の頭上を見事に超えた絶妙なシュートを左隅に決めた。この得点でほぼ試合を決定づけ、ベスト8に進出した。

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この試合本校は、第1シードとして“追われる立場”と“初戦”といった目に見えない重圧と戦いながら何とか勝利を得た。内容的に見ても持ち前の個人技を駆使したパスワークで終始試合の主導権は握り続けた。しかしながら進学校で名高い東の3年生は、大学進学とサッカーとの両立を目指し、本校のポッゼッションサッカーに最後まで戦い抜いた“頑張り”には敬意を表したい。

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負ければ終わりの一発勝負の「選手権」は単に個人技術の高い選手が揃ったチームが勝つとは限らない。先発出場選手のハードワークはもちろんのこと、途中出場選手が交代選手と比較して遜色ないプレーが出来る選手層の厚さも勝つ要素の一つである。それ以上に重要なことは、コロナ禍で各大会の中止を余儀なくされ、その逆境にも負けずに3年間最後まで部活動を続け、残念ながら出場が叶わなかった3年生の想いを、ベンチ入りの選手(特に、次大会がある2・1年生)が真剣に背負いピッチ内で躍動を見せることでチームの一体感を生み、それら全てが「高校サッカー」の真髄であることを忘れてはならない。

(元日大明誠高等学校教諭)

先発メンバー(学年)⇒交代
GK ①深 澤(3)
DF ②津 田(2) ⑬佐 藤
DF ③小名木(3)
DF ④萱 沼(3)
DF ⑤橋 本(1)
MF ⑥吉 原(3)
MF ⑦関 根(3) ⑱大 月
MF ⑧加 藤(3)
MF ⑪平 田(2) ⑲ 林
MF ⑯佐々木(1) ⑮関 口
FW ⑨粟生田(2) ⑳市 村
サブメンバー
GK ⑰片 平(2)
DF ⑫田 崎(3)
DF ⑬佐 藤(3)
MF ⑩五十嵐(3)
MF ⑭前 川(3)
GK ⑮関 口(3)
MF ⑱大 月(1)
MF ⑲ 林 (3)
FW ⑳市 村(3)
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