台湾での修学旅行において、李登輝元総統にお話を伺ったなかで名前が登場した本校の初代校長である新渡戸稲造先生の名前を冠し、その志を継承している学校ということでご興味を持たれた広島県の尾道中学校・高等学校の校長先生が、①「建学の精神」及び「人格教育」を生かした教育の推進について、②グローバル教育、国際理解教育、アクティブラーニング等の取組みについて、③特色ある教育活動と教育改革についてご教示賜りたいということでご来校され、本校の吉田富雄中学副校長が対応させていただきました。
吉田副校長からは、「人格と教養」を重視された新渡戸先生の志を継承する学校として、脱知識偏重教育で未来の人財を育てるということで、人工知能社会に必要な人づくり、人格を磨いて本物の学力を伸ばすということで、本校が取り組んでいる、新渡戸先生の『修養』の現代版としての「新渡戸独自の人間力教育」、「人間学を活性化させる「7つの学習」」、「人間学を養成しながら「修養と教養」」について話をさせていただきました。
そうしたなかで、尾道中高の校長先生からは、「従来の教育と違うことをするということは勇気がいるし大変なことだ」というお言葉をいただき、現在の教育では主張することが良いとされ求められている中で、本校の「人間学」の授業で実践している「傾聴」にはご興味を持たれたようでした。
また、修学旅行で訪れた、先述の台湾では、歴史に対し、自虐的な考え方を持つ傾向がある中で、行く先々の台湾の方から感謝されたりする中で生徒たちは、とても自信を持って帰ってきたということをお話されていました。
本校では、「7つの学習」のなかで“日本文化学習”に取り組んでいますが、先月、中学3年生が宿泊研修で、出雲大社、美保神社、松江での現代の名工・伊丹二夫氏に教えていただく和菓子作りなど本物に触れるなかで“日本文化学習”を学び、美保関で、ブロークン英語で世界からホテルの予約を受けながら楽しそうに会話している支配人のコミュニケーション力と外国人との交流、ローカルな町体験で“地球市民学習”を学んできましたが、“日本文化学習”で日本のことについて知ることで日本人として自信を深めながらも、“地球市民学習”で国際感覚から市民感覚が大切で、お互いのことを尊重し合っていくことの重要性を改めて実感しました。
このように、従来の学校システムではできない、「知的体験としての人間学」と「実践的体験としての7つの学習」という基礎理論を通じて、生徒の自己の確立と人間力を高めていく教育を、新渡戸稲造博士の志を受け継ぐ学校として新渡戸文化は取り組んでいます。
こうした本校の教育活動にご興味・ご関心をお持ちいただき、実際にご遠方よりご来校いただけるということは大変ありがたいことです。