



今夏、ケンブリッジ大学で行われた日英高校生によるScience Workshop。その「Cambridge Science Workshop特集」にあわせて本校から参加した生徒のエッセイをご紹介します。
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あぁ、いつも通りの朝。すこし寝過ごしたみたいだけど、家ではよくある事。あの刺激的で最高なイベントの翌日、心地の良い疲れをまだ体に感じる。
ここは自分の部屋、隣には幸せそうに眠っている紳士の国の友達はいないし、ベッドの横には中身が若干溢れているトランクケースなんて無い。今日はどんな実験をやるのだろう、とか、今日の朝食にはあのヨーグルトは出るだろうか、等を考える必要もないわけだ。
何故なら、あのイベントはもう終わってしまったから。
もうすこし長くても…と、参加した誰もが思っていることだろう。
やっぱり、参加して良かった。
『Smile and the world smile with you?☺』これが僕の研究グループの題。「笑顔は人を笑顔にする。」そんな誰かの格言みたいな事、本当にあったらそれはそれは素敵じゃないか?
笑顔が笑顔を生み、最終的にはその場の皆が笑顔になる。そんなお伽話みたいな事…と思うかもしれない。
でも、現実に無いと思ったらそれはハズレ…実際は、ある。
Cognitive Neuroscience Analysis Group 所属だった僕が言うからには、間違いは無いよ。
僕が行った実験は、Faceleader3.0というソフトを使い、映像を通して人の表情を細部まで読み取り、分析するというモノ。
被験者には前方に設置されたスクリーンに次々と映し出される人の顔に焦点を合わせてもらう。もちろん、何も考えずに。
この実験の結果、『人は表情を無意識に相手に合わせる』という事が解った。
つまり先述した「笑顔は人を笑顔にする。」これは証明されたことになる。
サイエンスワークショップ、これには『言語の壁』がつきまとうと思っていた。
伝えたいことをうまく英語に訳せず、会話が止まってしまう等の障害だ。確かに、初日の僕はそうだった。
誤解を恐れ、ろくに発言しなかったと思う。
しかし、このままではマズイ、と二日目からは文法等を気にせずに、とにかく伝えたいことを相手に示すようにした。文ではなく単語だけだったり、時にはジェスチャーで。
それからというもの、実験は円滑に進み、気分も相当楽になり、自分自身かなり満足した。『決意は壁を超える』これは今回のイベントで得たもうひとつの答えだ。
サイエンスワークショップで一番印象に残ったのは、英人の友達と腹を抱えて笑いながら互いの拳をコンッとぶつけた事。英国では日常的に行われる行為だとしても、僕は他国の習慣に触れることができたのだと感動した。今回の僕の目標、「同世代の人との国際交流」は果たされたように思える。これほど興味深く貴重で楽しい、一生忘れられない思い出をつくる機会を与えて下さった人々に、深く感謝します。
(高等部2年 男子)