1972年に在外教育施設としてヨーロッパに設立されてから45年目を迎え、7月8日(土)45周年記念感謝並びに終業礼拝を、ホーシャムのサウアビー主教の司式、地元ラジウィック教会のキング司祭、隣村のクランレイ教会のマスリン司祭の補佐で執り行うことができました。

多くの方にご参列いただき、鶴岡駐英国特命全権大使、地元ホーシャム市議会副議長のバージス氏、立教大学統括副総長の白石氏よりご祝辞をいただきました。また、本校理事の柏樹氏には、英語科のReading Marathon、国語科の漢字書き取りコンクールの表彰をしていただきました。

厳粛な式典の後は、リラックスした雰囲気の中、ホールでのランチョン・タイムとなり、生徒のピアノ演奏や歌と共に食事や歓談を楽しみました。

午後は、空港に向かう生徒、家族の迎えの車に乗り込むロンドン周辺の生徒、ホストファミリーの車に乗り込みホームステイに向かう生徒、高校3年生で夏期補習に参加する生徒、ケンブリッジ大学で行われるサイエンス・ワークショップやUCLで行われる英国教育プログラムに参加するために学校にに残る生徒など、それぞれに分かれました。84日間に及ぶ1学期を終えて区切りを付け、普段できない新たなことを始める期待感からか、皆嬉しそうでした。

9月18日(月・祝)に行われる下記の合同説明会に本校も参加いたします。

9月18日(月・祝)
11:00 – 15:30 NPO塾全協 私立中高進学相談会
(場所:新宿西口 新宿NSビル B1 展示ホール)
10:00 – 16:00 開成進学フェア
(場所:大阪 マイドームおおさか)
本校に関心のある方はぜひご参加ください。
その他、学校説明会・進学フェア等についての詳細はこちらをご覧下さい。

私はこの春、新入生として立教英国学院に入学しました。この学校を志望した理由の1つに、大家族としての生活があります。初めての生活では親と離れて暮らす事はもちろんですが、それ以上に友達と24時間一緒であるという事の方が不安が大きかったように思います。

もちろんとても楽しみでもありました。1学期間の学校生活を得て、自分自身に良い変化があり成長できたと思います。

私はもともと自分の思ってることを友達に打ち明けることが苦手でした。友達とは楽しい話をしたり趣味の話をするのがとても好きで、悩みや辛いことを相談したり、友人の前で泣いたりするのには抵抗がありました。人に自分の弱さを見せるの恥ずかしいことと思っていたので、何かあったときには親にもあまり相談せず、自分で解決することの方がが多かったです。

最近はその考え方が変わってきました。今自分自身困っていませんが、もし何かあったら友達に相談してみようと思います。寝食を共にすることで、ただのクラスメートではなくて、朝から寝るまでを知っている家族に近い存在ができたと思います。

また、人をその人の一部だけで決めつけてはいけないこともよくわかりました。少し苦手だなと思う部分があっても、悪いところばかりではなくてその人にもいいところがあり、一緒に生活しているうちに楽しくて一緒に笑ってしまうようになれると思います。

(高等部 女子)2017T1essay-yamada2

中学3年生の歴史の授業で、戦時下の日本の様子を学習するために「うしろの正面だあれ」という映画を皆で観ました。この映画は、海老名香葉子さんの戦争体験をもとにしたアニメ映画です。戦争に関する授業をするとき、当然時代背景や戦争が起きた理由、戦争の経過について学習しますが、それだけでは、なかなか戦争を自分に関わりがあることとして捉えるのは難しいものです。そこで、行う授業の内容を踏まえてこの映画を観ることにしました。自分たちよりもはるかに年下である当時の香葉子さんが、戦争と東京大空襲によって家族を失いながら、それでも立ち直って進んでいく様子を観て、皆どのように感じたのでしょうか。以下に各生徒が授業後に書いた作文の一部を紹介します。

私は、戦争は本当に大変なんだと深く痛感しました。
特に印象に残ったところは、最後の授業の中盤に東京が空襲にみまわれ、家族が死んでしまったという兄からの知らせを受け取るシーンでした。ただ死んでしまっただけでもつらいのに、自分だけが生き残ってしまったことを伝えに妹の疎開先に向かう兄の気持ちを考えるといたたまれません。今の平和な生活があるのは昔の人が頑張ったからだと思います。ただ悲しいだけでなく、それを次に生かして互いに助け合える香葉子はほんとうに素晴らしい人だと思いました。(女子)

戦争が皆にしたことを改めて実感しました。戦争前は家族みんなが仲良く、幸せに生活していました。
しかし戦争が始まってからは、戦争に勝つために、自分のものを捧げました。そして子供は親から離れて疎開し、寂しい思いをしました。3月9日の東京大空襲では、罪のない沢山の人が被害にあいました。それはとても残酷なことだと思います。このような戦争をもう二度としてはいけないと思います。(女子)

私はこの映画を見て、第二次世界大戦の悲惨さを改めて思い知りました。一番心に残ったのは、香葉子に喜三郎が、他の家族がみんな亡くなったと告げる最後のシーンです。喜三郎が自分が何で生きてるのだろうと言い、泣くシーンです。戦時中の豊かでない生活のなかで、全ての国のために尽くすという事は苦しいし悲しいと思うので、今もそして未来も戦争はしてほしくないと改めて思いました。(女子)

私は、 戦争を題材にした映画などを見るといつも思うことがあります。 大切な家族や家、大切なおもちゃまで奪われたにもかかわらずあんな結果になってしまうことはとても悲しく辛いことです。 だから戦争は絶対してはいけないことだと思います。今、私たちのまわりには住む場所や家族や友達がいます。それを当たり前のことと思わず、今あるこの環境を大切にしていきたいと思いました。(女子)

私はこの映画を見て多くの事を学びました。香葉子が疎開していく時、みんなの前で歌った歌はアメリカの歌なので皆がざわめきましたが、それを気にせず一緒に歌ってくれたお母さんの優しさがすごく心に残っています。現代の戦争は国民一人ひとりから見てもすごく怖いものだと言うことがわかりました。私はこの映画を見る前は戦争しても良いのではないかと思っていましたが、今は戦争は二度と起こしてはならないと思います。(女子)

僕はこの映画を見て戦争の辛さを感じた。香葉子が友達と遊んでいる平和な時代から、一気に戦争になっていくのがとても悲しかった。生活用品を戦争のために全部費やすのも初めて知り、第二次世界大戦において不利な立場にいたのだとわかった。たくさんの犠牲を出しても勝てなかったのは悲しいけれど、そこから反省したおかげで今の平和な日本があるのだと思った。(男子)

戦争によって多くの命が奪われ、子供から親を奪ったのでやはり戦争していけないと思いました。人間の命を軽く見てはいけないし、国民やすべてのものを捧げてまで勝つ必要があったのかなと疑問に思いました。(女子)

戦争中を必死で生きていた人たちだからこそ、その人たちに語られる戦争の体験談は、私たちの時代にも必要だと感じました。(女子)

授業で戦争の背景を学んでからこの映画を見たことで、イメージしやすくなり、戦争について考えることができました。もし自分がその状況にいたらと考えるととても怖いし、自分がどれだけ恵まれているのかを改めて強く感じました。(女子)

夢というものは実に不確かで、掴んだと思っても、手の中に残しておく事は大変難しいものだ。
寒い。冬の朝の冷たい空気によって、無理矢理に意識が現実へと引き摺り戻される。
寝ているうちに勝手に布団から飛び出た足は、うっかりと一晩を外で過ごし、凍えながらも温い布団の中に戻ってきた。
もう一度、あの心地の良いまどろみの中へと沈んでゆきたい。そう、強く思うのを必死に堪えながらもゆっくりと、まずは上半身から起こしていく。
しぼんだ目を擦りながら、辺りを見回す。
「ああ、そうか」
自分が今居る場所は、無駄にバネが強くて、少しゴツゴツとしていて決して寝心地が良いとは言えないベッドではなく、柔らかく体に馴染んだ敷き布団である事。そして、周りは僕の知っている家具で彩られている事。更に、目覚めても自分しか居ないという事。
頭では、分かっていたつもりだ。ここは立教英国学院の男子ドミトリーではなく、自分の家である事くらいは。
心の中にがっぽりと大きな穴が開いているみたいだ。
さっきまで、楽しい夢をみていたのだろうか? なんだか少し物悲しい気分で、また同じ夢をみたいと強く思っている。
しかし、いくら思い出そうとしてみても、断片でさえも手から零れ落ちるように、思い浮かばず、意識の覚醒と共に消えていってしまう。
不意に、頭の中を井伏鱒二の”山椒魚”の一節がよぎった。
山椒魚は目を瞑り、深淵の中にその身を委ねながらつぶやく。
「ああ寒いほど独りぽっちだ!」
布団の中からのそのそと抜け出し、クローゼットを開けて、適当にズボンとTシャツを引っ張り出し、ダラダラと着替えを始める。
立教英国に居る皆は今、どうしているのだろうか?
僕は高校受験の為、三学期は学校には行かずに、そのまま日本に残ることになった。独りで過ごす時間が増えたせいか、たまに、クラスメイトの事が気になってしまう時がある。そういう時、僕は皆が自分の知らない時間を歩んでいると言うことがたまらないほどに悔しく、恐ろしく感じてしまう。
けれども、今の自分はどうしようもなく、完璧なまでに独りだ。
洗面所に行き、軽く歯を磨いてから少し遅めの朝食をとった。作り置きの不恰好なおにぎりの横には、母の自分では「達筆なのだ」と言い張る、丸みを帯びたよく読めない字で、手紙が一枚添えられていた。
おにぎりを頬張る傍ら、手紙に目を通していると、「受験しようと思った君は偉い」だの、「毎日良くがんばっている」、などといった僕を褒め倒す様な、綺麗な言葉が綴られているのが見える。
口の中のおにぎりが、急に冷たく感じた。

女子バスケットボール,今学期初の対外試合が行われました。相手校Waldingham Schoolを迎えてのホームゲーム,結果は43:42,1点差で立教が勝利を収めました。
Waldingham Schoolとの対戦は,実に3年振りのこと。嬉しいことに,Waldingham のキャプテンは,立教のことを覚えていてくれました。今ではチームの年長者となった彼女ですが,3年前のキャプテンも,立教のことをちゃんと覚えていてくれました。友好的な雰囲気の中で挨拶・四方山話が弾み,ウォーミングアップが始まります。
試合は,開始早々から両チームの一進一退が続きます。どちらかが得点すれば,他方も負けじとシュートを決めます。バスケットボールの得点は,通常のシュートで2点,長距離のシュートが成功すれば3点を獲得します。1点差のシーソーゲームが繰り返され,張り詰めた時間が続きます。稀に相手チームの連続シュートが決まり,これは試合が動くか,とハラハラする場面に差し掛かると,そこは立教チームも大したものです。すかさず3点シュートを決めて同点に追いつきます。今度は立教が,そのまま勢いに乗って振り切りたいところです。しかし相手もさるもの,なかなか引き離すことができません。
こうして迎えた第4クオーター,試合終了まであと僅か。Waldingham が1点のリードで最後の攻撃を仕掛けます。残り6秒で放ったシュートがリングに弾かれ,リバウンド勝負,取ったのは立教。残り4秒から,立教もこれが最後の速攻をかけます。ドリブルで運んだボールを,そのままレイアップシュート。時計は残り時間1秒を切っていました。シュートが綺麗に決まり,土壇場の逆転が起きました。「残り0秒のシュート」,この鮮やかで劇的な出来事に,立教チームからは勿論,Waldingham からも感嘆の声が上がりました。
スポーツマンシップ溢れる試合でした。どちらのチームも全力で試合に臨み,フェアプレーに溢れ,試合が終われば互いに相手校のファインプレーを褒め,和やかなリフレッシュメントの一時をもちました。部活動を通じて,英国に触れる,英国と交わる,立教英国学院の生活ならではの1コマでした。

6月13日(火)、立教大学国際センターの小圷守様、同ロンドン事務所長のグレゴリー与子美様にお越しいただき、本校の高等部全生徒を対象に立教大学の説明会を実施しました。

説明会では、まず立教大学の成り立ちから、カリキュラムの特徴や他大学と異なるプログラム、大学として力を入れている分野、就職の状況など、立教大学の全般にわたる説明をしていただきました。その後、各学部がどのような研究をしているかについて、詳細を丁寧に説明していただきました。

特に印象的だったのは、充実した留学制度や国際交流プログラムなど、グローバル教育に力を入れているという点です。常にグローバルな場で学んでいる本校の生徒にとって、日本の大学でも本校での経験が活かすことができるので、とても魅力的に思えたのではないでしょうか。

本校から毎年多くの先輩達が進学している立教大学ですが、大学での学問や生活というのはなかなか想像しにくいものです。特に1、2年生にとっては少々先の話になりますが、この説明会を通じて、より大学への進学、進路に関心をもつことを期待しています。充実した説明会となりました。

目をあけたら、カーテンのすき間から光が漏れていた。鳥の元気な鳴き声を聴いて、自然と口角が上がる。大当たりの天気予報。眠気はもうどこかへ飛んでしまったようだ。
「晴れたね!」
「ね!」
その日は海に行く日。ロンドン外出のなくなったハーフタームの中、唯一の大きな外出だった。
十分な睡眠時間からか、いつもよりすっきりしている頭のおかげでてきぱきと支度を済ませることができた。嬉しいことにホームステイ先の方が車で送ってくださるらしい。自分たちだけで出かけるのもまた楽しそうだが、あいにく英語が不得手な二人である。もし二人だけならば海に着くのに一体何時間かかっただろう。
1時間も経たないうちに車が止まる。かもめを見つけ、見えてもいない海を感じた。
ステイ先の方に簡単に街の案内をしていただいた後、二人で海を目指して歩いた。暑くて途中でアイスクリームを食べた。地図通りに歩いていくと道の先に少し水平線が見えた。太陽の光を反射したそれは、波のリズムに合わせて輝いている。
久々に見る海に感動した。浜辺の店で一緒にお土産を買ってそれから海を背に写真を撮った。もう一度改めて海を見る。海に人の心を晴らす効果があるというのは本当のようだ。悩み事や心配事が特別あるわけではないけれど、何だか気分が晴れていく。
ひとしきり海を楽しんだ後、いつの間にか傾いていた太陽が夕方を示す。焼かれた肌が熱を含んで軽くしびれるような痛みを感じ、今さらながら不十分だった日焼け対策を後悔した。
明日はゆっくり休もう、という提案に友人からの同意が返ってきた。

5月27日(土)、「ハーフターム」が始まりました。

4月の入学式から2ヶ月弱、日毎に日が長くなり、イギリスではジューンブライドという言葉どおり、ベストシーズンを迎えます。この頃には、朝は5時頃には太陽が昇り、夜9時を過ぎてもまだ空の明るさが残っています。

イギリスの学校には、学期の半ば頃にハーフタームという1週間ほどの休みがあり、立教英国学院でも学校生活から離れ、親元に帰ったりホームステイをしたりして、心身ともにリフレッシュします。立教生は普段の様々な活動を楽しみながらもハーフタームを心待ちにしています。

5月27日、午前の2時間の授業とホームルーム後の昼食時、みな明るい顔で会話を弾ませていました。午後、遠方へ帰るものは空港に向かい、国内に住む児童生徒は家族の迎えの車に、100人以上のホームステイをする児童生徒はホストファミリーの方々の迎えの車に乗り込みます。ホームステイが初めての子は、英語でコミュニケーションがとれるか、少し緊張しているようですが、それ以上に期待に胸を膨らませているようでした。

 5月21日、今年も全校一斉漢字コンクールが実施されました。毎年2回行われるこのコンクール。各学年ともHRでの自習時間などを使い、練習を積み重ねてコンクールに臨みます。本番が近づくに連れて食事の席でも自ずと漢字コンクールが話題にのぼり、児童生徒たちの興味関心の高さが伺えます。「今回は自信がある」「まだ勉強していないから、今日の自習時間から勉強しよう」「今年は最後だからちょっと本気」「化学の小テストが終わったら漢コン対策をする予定」など、それぞれの思いや戦略がある模様。今年度のウルトラCが明治・大正時代の作家であることがアナウンスされると、生徒会は早速「生徒会予想」を各クラスに配布。樋口一葉や森鴎外、国木田独歩などの名前をそれぞれのノートに写して、各自一生懸命に覚える姿が見られました。

さて漢字コンクール当日。50分の試験に臨む教室は静まり返り、真剣な様子が伝わります。試験終了後のにぎやかな休み時間には国語科の先生たちが答案を抱えて採点作業に入り、成績優秀者は速報の形で即日発表されました。掲示板に貼られた名前を見て歓声が上がります。今年も高校3年生から多くの優秀者が発表され、最上級生の貫録を見せていました。最後の漢字コンクールに向けてよい成果を残したい、という気持ちが現れた結果でしょう。その3年生も昨年度までは先輩の姿を見ていた下級生だったのです。一つひとつの行事に向き合う姿勢や思いは上級生から下級生に確かに引き継がれていく。そして伝統は形だけでなく姿勢や思いに現れるもの。今年の漢字コンクールもそのようなことを再確認させてくれました。

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