今回のアウティングでロンドンにある帝国戦争博物館に行きました。目的は過去の失敗を学び、現代にその失敗を繰り返さないことです。その博物館の4階はナチスがユダヤ人を虐殺した「ホロコースト」についての展示でした。そこで新しく知ったのは、ナチスは知識の統制のために本を焼いたこと、「国のために働くナチス」を印象づけるポスターをばらまいたことでした。
私の好きな本・映画に「図書館戦争」があります。この話の内容は、ナチスが第二次世界大戦当時に行ったことと似ています。政府が国民を思うがままにしたいために、国民が知識を持たないように本を焼くのです。それではいけないと立ち上がったある登場人物の言葉に「本を焼く国は、いずれ人も焼く」と言うものがあります。この言葉はナチスがやったことそのものです。ナチスは最初本を焼き、最後には人を焼きました。私はこの言葉を思いだし、その意味を改めて実感しました。
私はここで過去の失敗について学びました。では私たちがその失敗を繰り返さない、つまり第三次世界大戦を起こさないためにはどうすればいいのでしょうか。それは一人ひとりが自分自身の知識を使って、情報をしっかり判断し、どうすれば失敗を繰り返さないか考えることだと思います。例えば身近な選挙などです。まず選挙のしくみを理解する。次に各政党の政策が自分の考えと合っているかを判断し、考えることです。
大切なのは、学び、考えること。「ホロコースト」の学習を通じて、私はそう考えました。

今回は理系に関する多くの場所へ訪れました。その中でも一番関心を持ったのはチンダル教授が筒を使って子供や女性などの一般市民に「なぜ空が青く見えるのか」という疑問の答えを教えたことです。チンダル教授はイギリスの物理学者で、ファラデーの後を継いで王立研究所の教授になり、大気中の太陽光線の現象、熱輻射の研究を行い、1868年に微粒子が光を散乱するチンダル現象を発見し、空の青色を説明し、熱現象の分子論的見解を支持し、マクスウェルが唱えた分子運動としての熱の理論を普及させた人物です。「なぜ空が青く見えるのか」という疑問の答えは、チンダル現象の光の波長程度の大きさの微粒子が浮遊している透明物質に光を照射して側方から観ると、その微粒子によって光が散乱され、光の通路が濁って見える現象によるということです。この現象を教養のない子供や女性に教えるためには理解できるように簡単な言葉を用いたり、簡単でわかりやすい実験をしなければならず、かなり高度な知識が必要になると思います。この実験に用いた筒は肩幅くらいの小さな実験器具で、その中に煙を入れることによってチンダルは教養のない一般市民にもわかりやすく現象を説明してくれました。
この他にも日常には様々な疑問が隠れていると思います。何気ないようなことにも関心をもって、さらに化学への興味がもてるようになればいいなと思いました。

人の嫉妬は怖いと改めて感じた。私は今回のアウティングで帝国戦争博物館へ行った。この博物館には第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦、ホロコーストに関する展示があった。戦争の恐ろしさについては授業で習ったことがあった。だから全く知らなかった訳ではなかったけれど、リアルだった。兵器、軍服、当時の生活の全てがあった。授業では観たこともないような残酷な写真もたくさんあった。なぜこんなにもたくさんの国が戦い合うことになってしまったのだろうか。
アウシュビッツがわかりやすい理由のひとつだと私は思う。当時のユダヤ人は裕福な人が多く、仕事もうまくいっていた。それに対し、ヒトラー率いるドイツ人は第一次世界大戦で負け、不景気で多額の借金があり最悪な状態だった。ここに私はドイツ人からユダヤ人への大きな嫉妬があったのだと思う。ヒトラーのことを最初は誰も止めなかったのだから。人の嫉妬は怖いと思った。小さな嫉妬も集まれば大きなものとなり、そしてこのような大量虐殺につながった、そう思ったからである。
本当にこんなことがあったのだろうか?信じられない写真もたくさんあった。実際に当時の写真を観ると、前にも増して、「もうこのような過ちがない世界を」そう思うことができた。

(高等部2年生 女子)

高等部2年生のアウティングは、これまでとはひと味違いました。

まず、行き先は進路選択に合わせて二通り。文系コースの28名は帝国戦争博物館。理系コースの9名は王立研究所です。どうしても生徒に観て欲しかったもの、でも専門性があるので全員が興味をもってくれないかもしれないもの、それを見に行くことにしたのです。結果は大成功でした。

まず、文系コースの生徒達。帝国戦争博物館には、第一次世界大戦以降の世界の戦争に関する展示が多くあります。世界の戦争の中心にいたイギリスだからこそ集まる資料がたくさんありました。世界最初の戦車、毒ガス爆弾、実物大の塹壕の模型、原子爆弾。大切な命を簡単に奪う兵器の数々に生徒達はショックを隠せません。つい最近までイラクにいたという報道用の車の展示物は銃弾でボロボロ。悲惨な戦争が現在進行形で行われていることを如実に物語っています。そして最後に皆で訪れたのは最上階にあるホロコーストの展示。ヨーロッパでいかに凄惨なことが行われていたか。そしてそれをヨーロッパの人々はどれだけ反省し、後世に伝えようとしているか。それらが分かる貴重な展示です。生徒達は今まで教わった知識と目の前の展示を真剣に繋げようとしていました。教科書だけでは読み取ることができない「生きた歴史」を感じ取ることができた訪問でした。

理系コースの生徒達が訪れたのは王立研究所。電気分解の世界的な研究の中心であった場所です。10種類の元素が発見されたといった研究における貢献だけでなく、科学者と一般市民が初めて対話をしたところとしても有名です。「空がなぜ青いのか」という市民の疑問に、チンダル教授が丁寧に、わかりやすい言葉で答えました。科学者と一般の人々との架け橋となったこの研究所は、科学が人のためにあり、また人の交流が科学を発展させるのだということを思い出させてくれます。様々な実験道具や科学の発展に関する展示を見て、生徒達はさらに興味を深めたようです。

集合地点までは電車で移動。初めて乗るロンドンの地下鉄は日本の電車と比べ、とても狭く感じられたようです。
集合後は友達との思い出作り。文理・1組2組織り交ぜてのグループで買い物と夕飯を楽しみ、無事帰校しました。

翌日にまとめとして書いた作文の中には、良い作品が多くありました。このイギリスの地で学んで欲しかったことを学んでくれたアウティングは、きっと将来に生きる経験となるでしょう。

「ピッ」始まりの合図と共に宙に舞いあがったボール。みんなの視線が一気にそこに集中した。

昨年に引き続き、2回目のポートボール。けれど、昨年とは1つ違うことがある。新入生としてではなく、在校生としての球技大会なのだ。先輩から教えてもらうのではなくて、自分が教える。そう思うと、なんだかちょっとうれしかった。

初日の練習は、自己紹介で始まった。その次にちょっとしたボール慣れ。そして、最後に雑談だ。雑談をすることで一気に仲を深めて、初日の練習は終わる。雑談が結構楽しくて20分ほど話していた。そのおかげで、新入生のことをよく知ることができたと思う。
次の日の練習は、相手の名前を呼んでパスする練習をした。この練習は、みんなの名前をおぼえるためのものでもある。最初は、名前をきいてパスしていたが、途中からはみんな名前をきかないでパスできるようになっていた。
それからの練習は、チームに分けておこなう事になった。ドリブル練とパス練をして、雑談。これは、自分のチームの人と仲を深めるためのものである。これでもう、完璧に仲が良くなったといえるようになっただろう。
その後は、チーム対抗の練習試合をしたり、パス練・ドリブル練をしながら作戦を立てたりした。そのようにして仲を深めながらの練習を毎日していくうちに時間はどんどん過ぎていき、ついには前夜祭になっていた。前夜祭では一人一人の名前を呼ばれてTシャツを渡された。最後に、みんな片手にTシャツを握りしめ、円陣を組んでかけ声をかけ、前夜祭は終わった。

「ピッ」始まりの合図と共に宙に舞いあがったボール。みんなの視線が一気にそこに集中した。試合開始だ。午前の部での試合。前半は、勢いをつけて点数をたくさんとった。が、後半は相手にまさかの逆転をされてしまい、敗北。その後、午後の試合にむけて作戦を練り直した。その作戦は、午前の部とは違い、私がゴールをすることになった。ボールを受け取れるか不安な気持ちを残したまま時間は過ぎていき、午後の部に。あっという間に試合は始まり、私は椅子の上に立ってボールを待っていた。すると、私の名前を呼ぶ声と一緒にボールが飛んできた。気づいたら、先輩からの力強いボールを手に持っていた。ボールを受け取ることができた時のうれしさ、それは昨年に味わうことのなかったものだった。私はその時に、今まで知らなかった試合での別のうれしさを知ることができた。結果は負けだったけれど、この試合から素敵なプレゼントをもらったので、良い試合だったと思う。

人によって、このうれしさを感じる時は違うと思うけれど、きっと誰だってこのうれしさを感じる時は来る。その時が、その事にハマる瞬間じゃないだろうか。

今回の小学生アウティングは3本立て。かの有名なヘンリー8世のお妃、アン・ブーリンが住んでいた「ヒーバー城」、ブルーベルの森の中を走る蒸気機関車「ブルーベル鉄道」、そして海の町・ブライトンに昨年お目見えしたイギリス第2の高さを誇る「i360」タワーだった。

朝は生憎の雨模様、目的地に着くころには止むだろうという仄かな期待も裏切られ、シトシトと小雨の降る中ヒーバー城の門をくぐった。楽しみにしていたアスレチック施設は雨に濡れ、遠くに霞むお城もお昼までは開館せず、仕方なくまずはお土産屋さんで買物。どうなることやら… と気を揉んでいたのも束の間、子供達はとっても面白いことを見つけた。お土産屋さんの隣で売っていた鳥の餌を買って近くにいた水鳥にあげ始めたら、どこからともなく沢山の水鳥達が集まってきた。すぐ近くを流れる小川沿いを散策していたグループからは「おーーい、こっちに大きな白鳥がいるよー!」との報告、川にかかった小さな橋のたもとでは大きな鯉を見つけて餌をあげているグループがあったり、向こう岸に行って白鳥をバックに写真を撮り合うグループもあった。 閑散としていたお城の庭がいつの間にか賑やかになって、子供達の顔もほころび始める。小雨なんか全く気にせず生垣でできた大きな迷路を歓声を上げながら走り回った。お城の前ではクラス皆んなで集合写真を撮って、その後のお昼ご飯は片言の英語を何とか駆使して一人ずつ注文した。
そんなこんなで、あっという間に時が過ぎ、気がつくとお城の中を見学する時間。前日に担任の先生からもらった英語のワークシートは既に予習済みで、お城の中で見つけるべきものはすでに頭に入っていたものの、お城の中の説明が全部英語表示! これには少々困惑模様… 班対抗でポイントを競うことにしていたから、容易に他の班に答えが漏れないようにしなくてはいけないし、先生にも聞けないし… で、どうしたのかというと、勇気のある子達が係員のおじさんやおばさんに英語で聞き始めた。これにはビックリ。英語の授業で習ったセリフだけでは足りないはずなのに、何とか答えを聞き出そうという熱意には脱帽だった。
熱心な子供達の作業は予想外に時間がかかり、次の場所へ行く時間も迫ってきた。「ハイ、そろそろコーチが出発する時間なので、ワークシートはこの辺で終わりにしましょう!」とアナウンスするも、「先生ーっ!この問題の答えはどの部屋にあるんですかぁーっ?」小学生達のこういう探究心は大切にしなければ… と思いつつも何とか切り上げて次の目的地、ブルーベル鉄道へ向かった。

まるでハリー・ポッターに出てくるような蒸気機関車のコンパートメントに入ると、車掌さんに「ここはファーストクラスだから君たちはあっちの車両ですね。」と言われいそいそと移動。でもテーブルを囲むようなボックス座席に皆んな座れたのでまずは満足。シュッ、シュッ、シュッ… 車窓の向こうの景色が動き始めた。時々汽笛を鳴らしながらゆっくりと進みだした車両の中では、テーブルを囲んでそれぞれのグループで楽しそうなお喋りが始まった。盛りを少し過ぎてしまったブルーベルの薄青色の絨毯は、この楽しそうな子供達の注意を引くには少々力及ばなかったようで、それよりも子供達の気をひいていたのは、隣の座席に座っていたイギリス人の小さな男の子と女の子の兄妹… 彼らと時々お互いに目で合図をしながら楽しそうに言葉にならないメッセージを交わしていた。隣に座ったおばさん達に英語で話しかけられていたグループもあった。何とか会話を成立させようと果敢に挑戦! 少しだけ先生のヘルプも借りたけど情報はちゃんと伝わったぞ!! ここでもまたイギリスの人達とのコミュニケーションに成功!

コーチに乗って、ブルーベル鉄道に乗って… そして最後はBritish Airways(英国航空)の運営するi360に搭乗 (!)した。
コーチがこのブライトンの町に入ると、まるで子供たちを待っていたかのように見る見るうちに晴れ間が広がった。そして眩しく光る海と高い高いi360のタワーが歓迎してくれた。CAの制服を着た女性にボーディングパスを見せて、その後はセキュリティチェック ー 本当に飛行機に乗るような手続きをした後、いよいよガラス張りの巨大ドーナツのような機内へ入った。 広〜い空間の中央にはオシャレなバーカウンターもあった。ちょっとドキドキしながらお友達と話していると、スーッと明るくなって、巨大カプセルが静かに上昇を始めた。キラキラと眩しい海岸線がゆっくり下の方へ移動していく不思議な感覚。気がつくとガラス張りのカプセルは空高く宙に浮き、周りは広く長く続く海岸線と緩やかな緑の大地、そしてそこに散らばるジオラマのようなブライトンの町に包まれてキラキラと輝く不思議な空間に変わっていた。
はしゃぐわけでもなく、怖いわけでもなく、退屈なわけでもない。ただ、ゆったりとした気分でボンヤリと遠くの海と大地、そして眼下に広がる喧騒の町をみんなで静かに見ていた。一番高いところで5分ほどそんな時間を過ごした後、カプセルはゆっくりとグランドに着陸、はたと現実に戻り、約30分の不思議なフライトが終わった。

フライトの締めは、アフタヌーン・ティー。タワーのすぐ下にあるガラス張りのオシャレなレストランで3段重ねのプレートにあふれんばかりに載ったケーキとサンドイッチとスコーンをおなかいっぱい食べた。腹ごなしに海岸でしばし波と戯れ、砂利浜で追いかけっこをしたり、海に向かって石投げをしたり… 夕暮れ近い海岸で子供達の遊ぶ様子を写真に撮ったら予想外の逆光効果でとっても良い写真が撮れた。顔の表情は見えないのにどこかとっても幸せそうなシルエットだった。

2017JapaneseEvening5月5日金曜日の夜、Japanese Eveningが行われました。これは地域の方々をご招待して、日本の文化を紹介する機会として行われ、今年で13年目を迎える行事です。
今年も90名近い方々が会場に足を運んでくださり、この日のために準備してきた児童生徒たちもとても嬉しそうです。
日本を紹介するプレゼンテーションで始まり、琴の演奏、剣道のデモンストレーション、茶室での茶道の実演、盆踊り、箸の体験、折り紙、昔あそび、書道、あやとり、そろばんとフラッシュ暗算の各企画でも生徒が一生懸命英語で説明をしている姿が印象的でした。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、多くのお客様が笑顔で会場を後にしましたが、児童生徒も達成感に満ち溢れた表情をしていました。
英語で自分の国の文化を発信するということは、立教英国学院にいるからこそできる特別な体験の一つです。特に、新入生にとっては直接自分の言葉でコミュニケーションを取る楽しさを感じることのできた最初の機会でした。このようなチャンスを生かして、異国の文化を理解し、自分の国の文化を発信できる、グローバルな人材に成長していってほしいと願っています。

 自分の高校生での目標は、「継続」です。自分は今までサッカーや塾、卓球など様々な事をやってきましたが、どれも共通して細く、短く、あまり熱中して取り組んできませんでした。それは、自分の短所である、「何ごとにも熱しやすく、冷めやすい」という性格が原因だからでしょう。
自分の、この立教英国学院に入学した理由は、自分を大きく変えたかったからです。全寮制で今まで世話になってきた親からも離れ、新たな環境に自分を置き、自分の事は自分でやるという、本来なら当たり前の事を、心を入れ替えて一から始めようと思ったから、というのも大きな理由の一つです。
具体的にここでやりたいことは、今までいちばん長くやってきたので、サッカー部に入ることと、ギターを始めること、そしてもちろん勉強に力を入れていきたいと思っています。今までの反省を生かし、高校では更なる成長をしたいと思っています。そして英語の勉強に特に力を入れ、この学年中に英検二級をとりたいです。それと自分が中学校で学んだ「友達の大切さ」を改めて理解し、ここでは一生の友達になれるよう互いに支えあい、競いあい、切磋琢磨してよりよい人間になろうと思います。

 僕は将来外国人と一緒に仕事がしたいと思っています。この仕事がしたいとはっきりしたものはないのですが、外国人と仕事をするということに漠然とした憧れがあります。それには、まず英語力が必要だと思いこの学校に入りました。なので、この英語力を高めることができる環境の中で、努力をして、三年間の中でまずは海外の大学に行ける程度の力を身につけたいと思っています。もう一つの目標が人間性を高めることです。約170人もの生徒が一緒に生活をしているこの学校で、皆が楽しく共存していくには、他人への思いやりや礼儀等をきちんとしていくことが、とても大事だと僕は思います。普通に日本の学校に進み、そこでもし誰かを嫌いになったら今の僕はたぶんその人の嫌いな部分だけを見てしまうと思います。しかしそれでは、何も楽しくはありませんし、ずっと自分自身も成長しません。その人にも良い所はたくさんあるだろうし、その人の友達はその人の良い所を見つけて、友達になっているのです。なので僕はこの大家族体験ができる立教を楽しくするために、また自分も成長するために、嫌いな部分があっても、そこだけを見るのではなく、良い所も見つけ、認められるようになりたいと思います。この学校は自分が成長するのに、とても素晴らしい環境なので、むだにしないように頑張っていきたいと思います。

ページ
TOP