私たちは立教英国でルールに縛られながらも、腐らず頑張る「忍耐力」と、人との価値観の違いを理解し、受け入れる「協調性」を学びました。大学卒業が迫った今、私たちはここでの生活で学んだ2つのことが、社会に出る上で、いかに大切であるかということにやっと気づくことが出来ました。
そして昨日、4年ぶりに帰ってきて、昔のまま変わらないルールで生活されている皆さんを見て懐かしく、また嬉しく思いました。在学中は立教英国が嫌だなと思うことも沢山ありましたが、振り返ると自分たちは胸を張って、これを学べた!成長できた!と言えることをそれぞれ見つけることができました。これから就職して社会に出ますが、ここで学んだことを忘れず頑張りたいと思います。また更に成長した私たちになって必ず戻ってきます!
ありがとうございました。

1月30日(月)、曇り時々雨の天気予報に少々の不安を抱えつつ、高等部2年3学期のアウティングが行われました。今回はロンドンにあるグローブ座の見学と、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の鑑賞を中心に、ロンドン市内を自由に散策する盛りだくさんの一日でした。

朝10時に学校を出発し、昼前にロンドンに到着。すぐに解散して昼食がてら自由行動です。学校では食べる機会のないものをたくさん食べようと、何件もハシゴしておなか一杯食べたと話す生徒が多くいました。学校では同学年で集まって食事をする機会はあまりないので、こうやって友達と好きなものを食べるのが楽しくて仕方がないといった様子です。

午後に再集合して、まずはグローブ座の見学に行きました。ここはイギリスの生んだ偉大な作家のひとり、シェイクスピアの作品を多く上演する屋外円形劇場です。大火による建て直しなどを経て、16世紀当時と同じ設計で再現された木造の劇場の中で、ガイドの女性が生徒の英語のレベルに合わせて、当時から現在までのこの劇場について、わかりやすく楽しく説明してくださいました。

夕食後の自由行動ののち再び集合して、ミュージカル鑑賞となりました。今回観たレ・ミゼラブルは世界的にも有名な作品なので、その名を耳にした生徒が多かった上、昨年度立教英国学院でも、ミュージカル同好会の生徒たちが自主上演したこともあり、興味を持って当日を迎えた生徒が多くいました。ストーリーはもちろん、キャストの演技、歌の迫力、舞台装置や音楽など、一つ一つに感動し、心から楽しんでいました。例え英語が苦手でも、本物に触れることができた喜びは深く心に刻まれたようでした。

終演後、帰校したのは23時55分。それでも興奮冷めやらぬ、思い出深い1日となりました。

今まで当たり前のように存在した高校3年生の先輩と別れを告げた2学期の終業礼拝。ぽっかりと穴があいてしまう気がした。別れを告げてから実感する先輩の偉大さと、その存在がなくなる不安が交錯して焦りを感じた。

私にとって高3の先輩は、いるだけで安心できるような暖かい存在だった。そして、私が目指すべき姿であった。そんな存在がいなくなり、私たち高2に求められることは多くなる。私にそれができるのか、と冬休みの間考えていた。私が高3に憧れていたように、私も憧れられる存在にならなければならない。高3の先輩は「私たちがいなくたってやっていけるよ」と言ってくれたが、今の私ではそうは到底思えなかった。

冬休みは、自分に何が足りないのかを考える時間でもあった。学力?思考力?影響力?といろいろと足りない点はあるが、結局答えは見つからなかった。そんな中迎える3学期は、高2にとって重要だ。もちろん勉強面で切り替えをするという面でもあるが、高3のシンボルである赤ネクタイはまだつけていないのに、最高学年として高3と同じ立場になる。焦りは感じているが、この学期は私たちが求められていることに対してどう応えていくかを模索する期間でもあると思う。目指すべきものを追いかけるだけではこの学校は動かせない。抜かす勢いで行こうと思う。

(高等部2年生 女子)

このお正月、私は祖母の家で過ごした。祖母は私が家を訪ねるといつも、やたらと日本らしいことを私にさせたがる。着物の着付けや、お正月になると書初めの準備を欠かさない。正直にいうと、今までは面倒だなと思ったこともあった。しかし、立教に通いイギリス人との交流が多くなると、海外の人から見れば、日本人は着付けや書初め(書道)が当然できるという印象を強く持たれていることを身をもって実感するようになった。実際には、現代の日本は洋服が主流で着物を着ることなどめったにない。書道も興味をもたなければ、小学校中学校の授業で少し習うくらいで、書道をする機会などなくなってしまう。

私は何のためにイギリスで学び、交流をしているのだろうか。生きた英語を学ぶ為、イギリスの文化に触れるため……。理由は様々だが、私が一方的に学んでいるだけでは、私が日本人である意味がないと感じる。私がなりたいのは、イギリスの文化を熟知した日本人ではなく、日本という国を外国の人に発信できる日本人だ。だから、最近では、祖母の勧める日本文化をとことんやってみることにしている。私が立教生でいる間、日本に触れられるのは長期休暇のときしかない。その時だけでも、思いきり日本に触れたいと思った。国際的な異文化よりも、日本の伝統的な文化に。そして、他のどの国よりも、日本に恥じない日本人になりたいと強く思っている。

この立教で生活し、日本では感じることもなかったことに気付かされたこと、そして、理想とする自分を見つけられたことは、私がイギリスにある立教に通っていることの意味であると感じ、残り一年になった立教生活をもっと意味のある有意義なものにしたいと思う。

(高等部2年生 女子)

第74回漢字書き取りコンクールが日曜日の夜に行われました。小学生から高校生まで全校生徒が参加する毎年恒例のイベント、数日前から食事の席でも話題にのぼることしばしば、ホームルームでは毎日このコンクールに向けて小テストが行われ、日一日と当日に向けて準備が進んでいたようです。

出題は全部で100問、昨年から出題される練習帳がグレードアップして難しさも増しましたが、各クラスの先生方もしっかり対策を練って応戦、我がクラスの子ども達に少しでも善戦してもらいたい、そういう思いが様々な形で3学期のホームルームを盛り上げていたのかも知れません。

今回は、最後の数問が「ウルトラC」と称する超難問ではなくなり、練習帳の巻末にある「同音異字・同訓異字」となりました。努力次第で満点が目指せることとなり、さらに気合いを入れて取り組む生徒達もいたことでしょう。

コンクール当日はバドミントン部とバレーボール部の生徒達が現地校との対外試合で半日ほど外出しなければなりませんでしたが、学期最初からコツコツとホームルームの小テストで練習してきた生徒達にとってはなんのその。学校でもいつも通りの部活動が行われていると思いきや、バスケットボールの練習に向かう中学校1年生が、片手に漢字練習帳を持ちながら「練習の合間にちょっと見るんですよ。」と言って足早に体育館に向かっていく姿には感銘を受けました。

コンクールが終了すると教室やホールに模範解答が張り出され、そこここでしばしの人だかり。指折り自己採点をしながらニヤニヤと悦に入る者、歓喜の声をあげてガッツポーズを取る者、模範解答を見て見ぬ振りをして密かに後悔をする者…などなど。それぞれの思いを胸に、次の漢字コンクール目指して一人でも多くの生徒が更なる挑戦をすることを願っています。

実話だと知ったとき、すごく驚きました。
最初は現実味がないなと思いながら見ていて、
「どうせミュージカル用に作られた話だろうな。」
と考えていたからです。

出演者全員、歌唱力が並みではなく、ただただその衣装といい、歌声といい、全てに感動しました。特に、女装した男性方の脚が綺麗すぎてびっくりしました。抜群のスタイルで最後のランウェイに登場したときは拍手をし続けました。

色々な深いメッセージにも考えさせられました。誰かを受け入れること、やっぱり人生においてそれは大事だなと改めて納得させられました。またクラスで観たことにより、よりミュージカルを楽しめました。皆にとってもサイモンは格好良かったようで、途中のブレイクのときに共感し合うことが出来ました。1回チャーリーが全てを失ったところで私は「ここからどうせ立ち直るんだろう。」とわくわくしていたら、まさかのダンが約束を守ったというオチで「チャーリーは良い人に恵まれたな。」と思いました。

これを観て、私もこれからどんな困難にぶち当たっても頑張ろうと思えました。どんなに忙しくても、どんなに先が不安でも、諦めず明るく生きたいです。来年のレ・ミゼラブルも楽しみにしています。ミュージカルで学ぶことはすごく多いので、これからもたくさんのミュージカルを観たいです。

(高等部1年生 女子)

高校1年生にとってアウティングのメインイベントは、昼のUCLロンドン大学見学と、夜のミュージカル「キンキーブーツ」鑑賞であった。UCLとはUniversity College Londonの略であり、世界有数の名門大学である。UCL見学は本校がUCLのファウンデーションコースと提携を結んでいるため、高校1年生のうちに将来の選択肢の1つとしてUCLについて知ろう、という趣旨である。
「キンキーブーツ」は歌唱力があって元気な高校1年生に合いそうなミュージカル、ということで今回観ることになった。

昼のメインイベントのUCL見学では、大学の大沼教授が近代日本とUCLの関係を詳しく話して下さった。伊藤博文を始めとする多くの人々がUCLで勉強し、多くの刺激を受け、政治、教育、産業、と様々な分野で日本の近代化に貢献したわけである。その中で非常に印象的な言葉があった。

「当時、外国に出て行った皆と同じくらいの年齢の武士達は、とても大人びていてしっかりしていたらしい。外国に行っても物怖じせず堂々と接していたらしいよ。」

当時、日本を離れて外国に行くという選択をした勇気は計り知れない。今でも海外に出て行くことは、けっして簡単なことでは無いが、19世紀終わりに比べたら大したことでは無いはずだ。当時の十代に負けないように、恵まれた環境でしっかり勉強して立派な大人になりたいものである。UCLでの講義でモチベーションを高めた生徒も多くいることだろう。

さて、夜は少し雰囲気を変えてミュージカル「キンキーブーツ」へ。迫力満点の歌とダンスに魅入られて、楽しいひとときを過ごした。このストーリーでは人生・家族・仲間・ジェンダー・恋愛・友情、と様々なテーマが描かれており、舞台は思わず元気になってしまうような、迫力溢れるハッピーが爆発したようなものであった。ミュージカルが初めてという人もそうでない人も一緒に手をたたいたり踊ったりして過ごし、最後は拍手喝采のスタンディグオベーションで終了した。笑いが溢れる中に名言も多いこのミュージカル、登場人物の台詞から何か人生のヒントを得た人もいたのではないかと思う。

大学見学とミュージカル。全く異なるイベントだったが、個性豊かな人々の生き様に触れた点が意外にも共通していたように思う。アウティングで膨れ上がった壮大な気持ちを、日々の努力の積み重ねに替えて、残りの3学期の日々を頑張って過ごしてもらいたい。

本校には軽音楽部がある。ずっとギター部という名称だったが、2016年に名称が正式に軽音楽部に変更された。本校の軽音楽部は「ハット」と呼ばれる(つまりは「小屋」)活動場所で日々練習に励む。軽音楽部のメンバーは6限目が終わるやいなや走って教員室に来て、ハットの鍵を借りる。そして放課後終了間際にまた走って鍵を返しに来る。彼らを見ていると、限られた場所と時間を目一杯使って練習している様子がよく分かる。

去る1月29日、そんな軽音楽部によるコンサートが開かれた。日曜日の午後。主に現在日本で流行っているような、長いバンド名の長いタイトルの曲が歌われる。たいてい筆者(20代後半)の知らない曲ばかりであるが、思わずリズムをとってしまうようなノリの良い曲が多く、聴いていて楽しい行事である。

いざコンサートの開始。1曲目は高校1年生の男子生徒らによる演奏。奏者も観客も大変楽しそうであった。続いて2曲目、3曲目…。どうやら生徒達にはよく知られた曲ばかりのようだ。観客はステージの前まで来て妙な振り付けを開始している。ブレイク期間の開放感が感じられる空間であった。

高い音も見事に歌ってみせるボーカル、何曲もこなしていてすごいなと感じさせるドラム、余裕の演奏のギター、動き回るベース、そして曲に飾りを添えるようなピアノ。「毎日の放課後の練習はこれだったんだなあ!」と感じた。放課後のハットから聴こえて来るものの正体が分かって嬉しいような気持ちがした。

思えば、軽音楽部のコンサートは普段の練習、会場設営や諸々の準備、照明に至るまで生徒の力で運営される行事である。教員の手はほぼ入らない。会場の雰囲気を作るのも奏者と観客の生徒たちの手にかかっている。これからもハットでの練習を積み、生徒のパワーを見せつけてもらいたい。

生徒会役員のメンバーは、生徒会長が1名、高等部副会長が2名、中学部副会長が2名で構成されています。
今年は生徒会長に2名、高等部副会長に2名、中学部副会長に2名が出馬しました。
それぞれの候補者には応援演説がなされます。
そしてそれに続いて候補者は、立候補表明と抱負を述べ、さらに自分が選ばれた場合の公約を全校生徒に伝えます。

立教の生徒会役員に求められるものとはどんなものでしょうか。
それは生徒の代表となり行動すること、
また行事の縁の下の力持ちとなること、
そして生徒の代表として、教員に生徒たちの声を届けることです。
それには、誠実さや生徒をまとめる能力、
仕事を素早く、そして確実にこなせる能力、
また立教をより良いものにしようとする情熱が求められます。

全校生徒はそれらの素質が候補者にあるのかを見極めるため、演説に続く質疑応答の時間には、それぞれの候補者に鋭い質問がなされ、およそ2時間半にも及ぶ白熱した選挙となりました。

そうして選ばれた新しい生徒会が結成。
前の生徒会は引継ぎを行い、引退をします。
より良い学校作りのために、生徒の代表となり頑張ってほしいものです。

1/21(土)から1/28(土)までの一週間、Horshamにある女子校、Millais Schoolから9名の生徒が本校の寮に滞在しました。9名の生徒には立教生のバディ(パートナー)が付いて、立教生活をサポートします。

バディになる立教生は立教生活を楽しんでくれるのか、バディとしてうまくサポートできるのか、そして仲良くなれるのかと不安と期待が入り混じる中、迎えた初日。続々とMillaisの生徒とその保護者が到着して、教員室がとても賑やかになりました。「はじめまして、一週間よろしくね。」恥ずかしがりながらも挨拶を済ませて、特別な一週間が始まりました。

寮のこと、食事のこと、授業のこと、立教生活をすべて教えることはとても大変ですが、それもすべてバディの役目です。彼女たちが宿泊するガーデンハウスを案内すると、「ホテルみたい!眺めも最高!」など歓声が上がりました。

食事の席では、明るいMillaisの生徒の笑い声や楽しそうな英語の会話が聞こえましたが、やはり立教生は少し緊張している様子です。

初日の夜は全校新春かるた大会です。クラス対抗で戦いますが、Millaisの生徒はひらがなのかるたに挑戦しました。翌日のイベントは合唱コンクール。各クラスが一生懸命練習した歌を披露します。Millaisの生徒も審査員になって特別賞を選びました。英語の歌を歌うクラスや、ポップソングを合唱曲にアレンジしたものなど、どのクラスにもそれぞれのカラーがあります。イベント続きの週末が過ぎるといよいよ通常のスケジュールが始まります。

Millaisの生徒たちは月曜日からそれぞれのバディのクラスに参加してシャドウィングをしたり、ECの授業に出たり、特別講座に参加したりしました。Millaisの生徒にとって、日本語で行われている各教科の授業を受けるのははじめてです。交換留学生の姿に立教生はどことなくそわそわしている様子。夜の時間はアイスブレイキングのアクティビティーや、ホームルームで日本語の歌の練習をしたり、コモンルームで一緒に映画を見たり、おしゃべりをしたりと交流を深めました。中でもMillaisの生徒たちの反応が良かったのは、浴衣の着付です。時季はずれになってしまいましたが、日本の浴衣を着てモデル気分で写真をたくさん撮っていました。特別講座では書道に挑戦。自分の名前に合う漢字の当て字を探して、多くの作品を仕上げました。「先生、この言葉はどういう風に書くのですか。」次から次へと質問が続き、黙々と書き続け、生徒たちは満足そうに作品をお土産として持って帰っていました。

楽しい時間はあっという間で、彼女たちが帰る前日の夜には、中学部三年生の生徒と「扉を開けて」という日本語の曲を披露して、Millais schoolと立教を比較したプレゼンテーションを日本語と英語を使って発表してくれました。発表の前はとても緊張していた生徒たちも、全校生徒の前で堂々と最後の大きなタスクを終えてリラックスした表情を浮かべていました。

とうとう迎えた帰宅日、Millaisの生徒たちは口を揃えて帰りたくない、立教にいたいと別れを惜しんでいました。最後のお別れの時間は、ハグや挨拶の言葉を交わして、お見送りです。春休みには今度は立教生がバディの自宅に宿泊して、Millais schoolに通います。

Millaisの生徒も立教生も、言葉の壁や文化の違いがあったとしても友達になれること、気持ちは伝わるということを学ぶことができました。次は立教生がMillais schoolにて新しい、よき学びがあることを願っています。

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