2016t2ygdessay 学校から帰ってきて日本に戻ると、家で待っていたのは段ボールに入った大量のうずらの卵だった。
聞くと妹がテレビか何かの紹介を見て、今年の自由研究はうずらの卵の観察にしたらしい。そういえば自由研究なんてものもあったなと懐かしく思うと同時に、本当に成功するのだろうかと不安にもなった。

卵はスーパーで買ってきた市販のうずらの卵を使う。その中にまれに有精卵が混ざっているそうだ。それを、タオルを敷いたダンボールの上にしきつめ、適度な湿度が保てるように水を入れたコップも段ボールの中にいれた。温度は常に30度以上に保つため、段ボールの下に電気カーペットを敷いた。さらに、卵の中でヒナがずっと同じ姿勢にならないように2時間おきに卵を45度ずつかたむけた。

本当にふかするかもわからない卵の面倒を見ること約2週間。加須港で旅行に行くときも旅行先に持っていった。そして、旅行から帰ってきた日の夜、卵の様子を見にいった妹が、かすかな鳴き声を聞いた。そこからは大騒ぎだった。ビデオの準備をしたり、冷えないようにしたりして見守っていた。しかしまだ時間がかかりそうだった。

次の日の朝、私より早く起きた妹が、私のベッドのところに何かを持ってきた。それは手の大きさの半分もない小さなヒナだった。
「本当にふかしたんだ。」
となんの世話もしていなかった私が感動するくらいだから、毎日かかさず世話をしていた妹はもっと感動したはずだ。

それからは買ってあったヒナ用のエサを1日に5、6回にわけてあげ、水を飲ませたりした。鳴き声は日に日に大きくなっていった。とてもかわいかった。しかし、ふかしてから4日目、急にぐったりとしてしまった。鳴き声も小さくなった。その次の日、見てみると足から血が出ていた。急いで獣医に見てもらった。骨折していた。包帯を巻いてもらって薬も飲んで前のように鳴くようになってほっとした。

翌朝、目が覚めると妹が泣いていた。まさか、と思ったがすぐにそれはない、とかき消した。きっと他のことだよ……。部屋の外で母と妹が何か話していた。気になるけど、聞きたくない。もし聞いてしまったらさっきのまさかが当たってしまうかもしれないから。私はそのまま寝たふりをした。しばらくしてから起きて歯をみがいていると母が来て首を横にふった。すぐになんのことかわかった。まさかが当たってしまった。私はわざと平気な顔をした。本当は泣きたかったがいつも私は素直に泣けない。
ふかしてから6日。家族は1人もいない知らない場所に生まれ出てきて、小さな体にいろんな傷を負って、とても辛かっただろうなと思った。

6日間だけなのにこんなに悲しいなら犬や猫みたいに何年も一緒にいたのに突然死んでしまったらきっともっと悲しいだろう。今までただの憧れで犬を飼いたいと言っていたが死んでしまった時のことを考えていなかった。
人間も一緒だ。どんなに大切な人であっても特別な人であってもいつかは必ず死んでしまう。そのことを考えるととても怖くなる。でもだから一人ひとりとの時間をもっと大切にしようと思う。そんな夏休みだった。

(中学部3年生 女子)

 

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At the end of the summer term the primary, middle school and high school 1 students attended an English/Science workshop presented by Zoolab. The topic of the event was ‘Evolution’. Our students listened to a talk on the habitats, eating habits and evolution of a number of different creatures. There was a variety of animals/insects for the students to see, touch and hold: a giant African snail, a corn snake, a giant millipede, stick insects, a tarantula spider and a very cute rabbit. It was a great success. Many of the students were extremely brave and were very happy to touch and hold everything, others were happy to watch, but not touch!

僕たち高校2年の4人は岡野先生の引率でリンネ学会を訪れました。入り口には最近よく会う立教大学の庄司先生が待っていました。
リンネ学会の一階ではダーウィンについての話などを聞きました。その話の中にはリンネ学会に飾ってあるダーウィンの絵がオリジナルで、美術館に飾ってあるものはコピーだ、というような衝撃的な話もありました。
ダーウィンの話の後に僕らは地下に下っていき、鍵が三重にも掛けられている部屋に入りました。部屋の中にはリンネが調べたものや書き表したものが大量にありました。その中でも一番重要なのはリンネが書いた生物の分類分けの本です。本には世界で初めて書き表した生物の分類分けが書いてありました。そこでは人間がほかの動物たちと同じように分類されていました。キリスト教では人間は神によって作られた特別な生き物なのでほかの動物と同じように分類することに当時は批判があったそうです。
僕がその本の中で驚いたのは分類分けの中にヒドラやフェニックスなどの幻獣という分野があったことです。日本だと幻獣などは無理矢理鳥類や爬虫類に分類してしまうか書かないかのどちらかだと思うのですが、あえてよくわからないものとして書き表しているところがイギリスらしいと思いました。
ほかにも地下の部屋の中には蝶や魚の標本がありました。魚は骨だけでなく皮まで残っていてどのようにして保存しているのかが気になりました。たくさんの標本があったので次に行く機会があればほかにどのような標本があるのか見てみたいです。
世の中のことを説明しようとするとまずは分類分けから始めます。その基準を作ったリンネと現在と過去を比べる基準を作ったダーウィンが同じ場所で発表したことはとてもすごいことだと思います。リンネによる横で比べる方法とダーウィンの縦で比べる方法という、物事を比べる中で絶対に必要なことの基準がリンネ学会に集まっている、つまり物事を比べる上で必要な基準が作られたリンネ学会はすばらしい場所だと思いました。

(高等部2年生 男子)

 私はこの補習が始まってから多くの英国人の友人を作りました。その友人達との出会いは、7月の8〜10日に立教で行われたBriefing Weekendというワークショップでです。これは、名古屋大学と東北大学のサイエンスワークショップに参加する英国の子達が、事前に立教で日本の文化やマナーなどを学ぶ二泊三日の研修会です。

Briefing Weekend には、40人ほどの英国人が参加しました。その中に混じった私は最初、多くの英国人に囲まれ緊張と不安で胸がいっぱいで、また何を話せばよいかわからず石像のように固まってしまいました。それでも「笑顔が重要」と思い、固まりながらも目があったらニコッとするように心がけました。私たちが立教に招待したというよりは、ひとりで交換留学にきたような気分でした。

参加者は私より1、2歳年上の人が多く、私があまり英語はうまくないんだと告げると「大丈夫!わたしも最初イギリスに来たときはしゃべれなかったから!」や「助けてあげる!」といってくれ、優しさをじかで感じ、また、出来の悪い妹ができた気分なのかなとひそかに思いました。

話し下手な私がみんなとどのように仲良くなったかというと、それはフリータイムでのみんなとのスポーツです。
点数が入ったらイエーイとハイタッチ、うまく行ったら笑い、ミスしたら皆が覚えた日本語で「すいませーん!!」。本当に楽しくて、イギリス風のドッチボールやバトミントン、バスケットボールなどなど、色々なものをやりました。さりげなく、名前を聞いてみたり、一緒にやってみない??と誘ってみたり、「スポーツは言語の壁さえ越える!」と本当に思った瞬間でした。そして、スポーツ好きで良かったな、と思う瞬間でもありました。

また今回、私は仲の良い友人を作る事ができました。その子とは、一回他のところでも会ったことがあり話しかけやすく、また猫の趣味が合ったからだと思います。連絡先を交換したので早く連絡を取りたい、そして関係を続けて、いつか、日本で会ったりイギリスで会ったり出来たらいいなと思いました。

今回のBriefing Weekendでは新しい友人が出来、日常では体験できない色々なことをやり、自分をレベルアップさせる事ができたなと思いました。もっと、もっといろんな人に出会い色んな経験をしたいと思いました。

(高等部2年生 女子)

約2年ぶりの立教!!すごく懐かしい感じがして、生徒だった頃はそんなに気にしていなかった礼拝もすごく大切な時間になりました。またいつか戻ってきたい!!!
(金子さん)

2年ぶりの立教は、なつかしくて知っている後輩たちの顔や、先生方と話す事ができて、すごく嬉しかったです。またいつか戻ってきます。
(竹中さん)

2016T2Ueskessay日本大使館で僕たちはノーベル物理学賞を受賞した梶田先生のお話を聞いた。

会場はおしゃれな雰囲気で、そこにいる人たちもそれぞれの分野で活躍中の人に見えた。特に研究職の人が多く見られた。僕たちは前日にニュートリノについて調べ、できる限りの準備をしていた。それでもやはり、梶田先生が目の前で話し始めると、なんともいえない感動が身を包んだ。

お話が終わると、質問タイムが始まった。僕たちはこの日、直接聞きたい質問がいくつかあった。しかし、緊張のせいで結局その場で質問することはできなかった。後ろで質問している人たちをうらやましく思うことしかできなかったのだ。

梶田先生を囲んでサイエンスワークショップに参加する日英の高校生が記念写真を取った後、少しだけ梶田先生に直接質問できた。しかし、そこでもすべての質問をすることはできなかった。少し心残りがある中で、三人でしゃべっているときだった。クイーンメアリー大学で物理を教えていて、梶田先生の研究チームに入っている香取先生に話しかけてもらえた。僕たちはわからなかったことをすべて質問することができた。僕たちの聞きたかったことがすべてが解決したのは、その人のおかげだ。

最後、帰る間際になっていろいろな人たちに話しかけられた。その中には、立教からとても近いクランレイという村に住んでいる方もいた。UCLロンドン大学の学生らしき人もいた。これだけ多くの種類の人が集まったことで、改めて梶田先生の行ったことのすごさを実感した。

今回何よりも驚いたことがある。それは想像以上に多くの人が、海外で仕事をしていて、梶田先生は、そんな人たちの中に身をおいて研究しているということだ。そして同じ国の人でも、さまざまな考え方をしていることに改めて気づかされた。グローバル化とはただ海外との交流をするのではなく、いろいろな考えを理解することから始まるのだなと思った。

(高等部2年生 男子)

2016T2kamdessay一学期も無事に終わり、二ヶ月もある長い夏休みが始まった。あと数日で八月となるが、そんな中僕は母と弟二人の四人で日本に帰った。

僕はイギリスに来るということで、まず「英語」にたくさん触れて、少しでも英語を上達させようと決めていた。これは英語圏の国に住むということになった人なら誰でも思う事であろう。また逆に日本に住んでいる人達はこういった留学している人や英語圏の国に住んでいる人は皆英語が話せるようになると思っている。そのため、よく聞かれるのがこの言葉。
「英語話せるようになった?」
実に痛い言葉である。

実際にはどうなのか。四ヶ月前に比べると単語や英熟語の数は多くなっていると思う。しかしそれは日本の人達も一緒。イギリスにいるからこそ養えるのは「耳」と、もう一つ「話しかける勇気」である。特に二つ目の事に関しては大きく進歩した、と自分では思っている。学校で英語にふれる事が多かったり、もちろん日常で使うこともあったからである。日本人はよくシャイだと言われるが、こっちではそんな事はかまってもらえない。また友達にイギリスの事を聞かれると、「自分てイギリスに住んでいるんだな」としみじみ感じる。英語ももちろん少しでもみんなの思っている理想に近づけるように頑張りたい。

長々と英語のことを書いたが、英語は目的ではないと思っている。あくまでも手段。英語ともう一つ、英語を使って何か別のことをする。それが僕の目標である。

(高等部1年生 男子)

私はこの夏休み、一週間携帯を使わずに過ごした。親戚の家で過ごしている間に故障してしまい、修理するまでに時間がかかったのだ。私は特に自分が携帯に依存しているとは思っていなかったし、少しの間くらいなくても困らないだろうと思っていた。けれど、それは間違っていたようだ。

まず、暇な時間を潰すものがない。時間を潰そうという考えは良くないのかもしれないが、電車で一人の時などに、周りの乗客がスマートフォンをいじる中、本を持ち歩いている訳でもなく広告を眺めているのは何となく虚しく感じた。今ではすっかり本を読まなくなってしまった私だが、今思えば小学生の頃は本が大好きで、毎日読むのが楽しみな程だった。高校生だし勉強など色々あるから、と思っていたが、考えてみれば本を読まなくなったのはスマートフォンを使うようになってからだ。

また、誰かから連絡が来ていないかも少し気になってしまった。今時の中高生は急ぎの連絡ではなくてもすぐに返信することが多いので、あまり遅れると相手も気にするかな、などと考えていた。SNSが普及してから出来た友達は電話番号もメールアドレスも知らないことが多く、普段はアプリで済み便利なのだが、こういう時に連絡手段がなくなるのは盲点だった。

携帯に依存していないというのはただの思い込みだったのかもしれない。とても便利なので使うのを辞めようとは思わないが、本を読む習慣がなくなったことやアプリで全てを済ませていたことを考えると少しやり過ぎだったのだろう。便利な機械だからこそ、程よく頼れるように自分で調整することも必要なのかなと思った。

(高等部2年生 女子)

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立教を離れてから9ヶ月、1年も経たないうちに戻ってきましたが、とても懐かしく感じました。2学期の最初に来たので、このまま12月までいるような気がしますが、この何も変わらないところが良いと思っています。知っている立教生が沢山いる間に来れたのが嬉しかったです。次はいつ来れるか分かりませんが、また来る日を楽しみにしています。ありがとうございました。

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ブレザーの校章

イギリスの学校では新学年のスタートは9月。夏休みも後半になると「Back to School」という文字が文房具や洋服を売るお店のあちこちに現れます。でもなぜか、イギリスでは「入学式」というものがありません。なんとなく新しい学年が始まってしまいます。

イギリスにある立教英国学院は日本の学校と同じ4月始まり。桜の開花とともに入学式が行われ沢山の初々しい新入生たちが入寮します。遠方からわざわざ式に参列される保護者の方もたくさんいらっしゃって、皆で新しい門出を祝います。

そして、2学期。夏の高い空はどこへやら。すっかり涼しくなって秋の気配が漂うキャンパスは「入学式」とは程遠い雰囲気ですが、本校では2学期といえどもたくさんの新入生が入学します。今学期も中学部1年から高等部2年まで、計16名の生徒が本校での新たな生活をスタートさせました。

全寮制の本校に入学することは、学校や学習環境が変わることだけではなく、生活そのものが全く新しくなることを意味します。緊張の面持ちで学校の門をくぐったのは始業式前日の土曜日。ロンドンヒースロー空港から大型バス3台と数台のタクシーで、日本やヨーロッパはもちろん、世界各地からたくさんの生徒達が帰寮しました。新入生の保護者の方も心配そうな面持ちで付き添って来られますが、担任の先生と面接をしたりキャンパスを案内されたり在校生と昼食をともにしたりするうちに、本校の様子が少しずつ分かってきたようで、少し安心した様子でお帰りになりました……  そして新入生にとって初めての立教生活がスタート。ナイフとフォークを使ったテーブルマナーを教わりながら夕食をとり、持ってきた沢山の荷物を部屋で整理し、初めての夜を友達と過ごし… 長い一晩が明けて始業式となった訳です。

始業式では校長先生が新入生一人一人にブレザーの胸につける校章を手渡します。「先学期の新入生は37名でしたが、もう君たちは立派な立教生。今度は新入生に教えてあげる立場です。しっかり生活していきましょう。新入生諸君、最初の1週間は新しいことばかりで大変かもしれませんが、一つ一つしっかりやっていけば大丈夫ですよ。」校長先生からの励ましの言葉に、生徒一人一人が入学した時のことを思い出し、身を引き締めたことだと思います。

2学期は一番長い学期。学校行事のメインイベントであるオープンデイ(学校祭)もあります。それぞれがまた新しい自分の力を見出して一回りもふたまわりも大きくなれるような、そんな学期になることを期待しています。

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