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1学期のアウティングが終了し学期も中盤に差し掛かった日曜日、午後3時からギター部のコンサートが開かれました。
例年は高校2年生バンドのみで行われるギター部のコンサートですが、今年は高校1年生が中心となる異例のコンサート。
中学部の時から熱心に練習に取り組んできた生徒達が、高校から入学した新入生とこの1ヶ月ほどの間に見事に意気投合して素晴らしい演奏を披露してくれました。真剣な演奏の合間に入る和やかなトークや、高校2年生バンドの雰囲気作りも手伝って、通常と構成は違っていても盛り上がり方はいつもの通り。入学してから間もない中学部1年の新入生から受験勉強で忙しい高校3年生まで、たくさんの生徒達がホールに集まって思い思いに演奏を楽しみ、穏やかな日曜日の午後を満喫していました。

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閉めきったカーテンの下からわき出てくる陽の光は、うす暗い部屋を照らす。段々と家具が現れ色が足されていくのを見ていると、昨日とは別の世界で目覚めてしまったような、知らない人になったような気持ちになる。
僕は春のこの時間が好きだ。夏でも秋でも冬でもいけない。春の朝が好きだ。

よくマラソンは人生に例えられたり、自分との戦いだ、と言われたりする。コースは平坦な道だったり、登り坂が続けば今度は急に下り坂になったりと、標高差の多いものだったりする。そんな事を思いつつ初挑戦の58kmを走っているのだが、走っても走っても次の給水所は見えずキリキリと音をたてている体の節々やすっかり乾燥してガサガサののどのせいで頭が真っ白になりかけている。周りを見渡せば、堂々としている木しかなくどこからかテレビでしか聞いたことのない鳥の鳴き声が聞こえる。いつかは終わるのだろう。まともに大自然を感じられない僕はこう考えるしかなかった。そう、いつかは何事も終わらせないといけない。例えばそれは楽しかった中学二年生だったり、がんばってきた部活だったり、そしてこのマラソンだったり。どんなに遠い所でも、いきたくない所でも、進んでいれば必ず着いてしまう。これがマラソンが人生とたとえられる理由のひとつだろう。

ゴールもスタートも全員決められている。コースが長い人、短い人。山ばかりの人、陸上トラックの人。走るのが好きな人、嫌いな人、速い人、遅い人。けれども走る事に精一杯だから人生というこのコースを楽しめと言われても楽しんだつもりになる事しか出来ないだろう。だから少しペースを下げてみると色々な物が目に入る。だから僕はゆっくりとしたあの春の訪れが好きなのだ。夏でも秋でも冬でもいけないなんともいえないちょっとしたスタートが。

給水所で水を飲むと水が食道を伝わり胃に流れていくのが分かった。ここからあと5km近く、つりっぱなしの足でこの冷えきった体を動かすのは僕が生きてきた中で一番きつい事だった。走った。歩いているのか走っているのか分からないスピードで走った。この5kmだけはどんなに足がつってもなぜか走れた。最後というものはあっけなく来てしまう。あと4km、あと3kmと数えているうちに突然あと500mでゴールなどというふざけた看板が目に入るのだ。

閉じたまぶたを無理矢理こじ開けて入ってくる陽の光は僕の目をこがすように照りつける。まぶしさのあまり寝返りをうちたいのだが体が痛くて思いのままに動かせずじれったくなる。初の58km挑戦の次の日、僕は筋肉痛のため、一日中動けずにいた。

(中学部2年生 男子)

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球技大会。僕たちの青春が終わる嫌な行事。
この球技大会が終われば僕たちはもう完全に受験生だ。後輩たちが頑張って1つのものを作り上げようとしている最中も、後輩たちが一生懸命歌っている最中も、僕たちはただひたすら夢に向かって全力疾走する。目標の大きさに脅えながら、少しでも近い道を手探りで探しながら、見えない敵とぶつかりあいながら、ひたすら目標に向かって突っ走る。そうやって夢をつかみに行く。それが高校3年生だ。

めちゃくちゃかっこいいだろ!
倒れても這いつくばって、もがいて、死ぬ気で欲しいものを手に入れる。それは球技大会で僕らが実際にやったことだ。僕はそういうのが大好きだ。
慢心せず、本気で挑んで、真正面からぶつかり、全力で負けて散り、最大級の悔し涙を流す。これも僕らが球技大会で実際にやった事だ。僕はそういうのが大好きだ。

誰かに言われたとかじゃない。自分がしたいことを全力でするのが球技大会だ。
球技大会。開催するために生徒と教員が協力し合う最高の行事。
球技大会。新入生と在校生の仲を簡単に作れる最高の行事。
球技大会。1つの目標に向かって全員が汗を流して練習する最高の行事。
球技大会。みんなが全力で楽しくぶつかり合う最高の行事。
球技大会。あいつらの笑顔が見れる最高の行事。
そして僕たちはスタートラインに立つ。後輩たちに情けない背中を見せやしない。来年の4月、またみんなの最高の笑顔が揃う瞬間を僕は見たい。

(高等部3年生 男子)

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1回戦目、4回裏、5点差。この回で5点を入れなければ負けてしまう。どうしよう。そんな時、キャプテンが言った。
「絶対大丈夫だから。みんな打てるから自信持っていこう!!」
私は、そんなキャプテンの言葉に救われた。確実にチームのみんなが塁へと進んでいく。私はその時三塁にいた。ホームには、
「小夏、帰っておいで!待ってるから。」
そう言ってくれる仲間がいる。そして次のバッターが打った。私はそんな仲間のために、ホームに帰って点を入れたい一心で走った。
「セーフ」
その言葉が聞こえた時、ホームで待ってくれていた仲間にハイタッチした。そして次は、私が塁にいる仲間たちにエールを送った。結局この試合は同点で終えることができ、引き分けだった。

2回戦目、4回裏、2点差。私たちのチームは守備についていた。1アウト、満塁。ここで止めなければ逆転されてしまう。そんな時も私はキャプテンの言葉に励まされた。相手チームが打った。ボールは空高く飛んでいき、3点入ってしまった。試合終了。9ー10でピンクの勝ち。だが私たちは全力でやり切ることができた。こんな接戦ができたのは、練習試合の悔しさをバネに、一生懸命練習したおかげだと思う。練習試合では、ボロボロに負けてしまった。だが、本番では、とても良い試合ができた。後輩たちが、試合が終わった後、
「勝たせてあげられなくてごめんなさい。」
と泣いてくれた。負けちゃったけど、それだけで満足だった。こんなにも、みんなで一生懸命戦ったこの2週間の最高の思い出を、これからも私はずっと忘れない。

(高等部3年生 女子)

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今年で12年目を迎えるJapanese Eveningが5/6(金)に行われました。
今年も130名を超える地元の方々が会場に足を運んでくださり、この日のために準備してきた生徒たちもとてもうれしそうです。
今回は和をイメージしたダンス同好会による創作ダンスでJapanese Eveningの幕開けとなり、着物をアレンジした衣装に、日本の楽曲、流れるような優雅な動きでお客様を魅了しました。

続いて地域交流委員会の日本の文化についてのプレゼンテーションでは寿司、コンビニエンスストア、日本の進んだトイレ、100円ショップ、温泉についての発表が行われましたが、日本に来た際に役立つ情報が盛りだくさんだったので、英国人の方々も楽しんでくださったのではないでしょうか。

プレゼンテーション後は各企画の発表、展示です。特にお琴の演奏では、滅多に英国では聞くことができない音色に多くの人が聞き入っていました。そして立教のお宝、古書、絵巻物、浮世絵などの展示もご好評いただきました。

剣道場でのデモンストレーション、茶室での茶道、折り紙、昔あそび、書道、あやとり、アニメ・漫画の各企画でも生徒が一生懸命英語で説明をしている姿が印象的でした。

楽しい時間はあっという間で、多くのお客様が笑顔で会場を後にしましたが、生徒も達成感に満ち溢れた表情をしていました。
英語で自分の国の文化を発信するということは、立教英国学院にいるからこそできることでもあります。この機会を生かして、異国の文化を理解し、自分の国の文化を発信できる、グローバル人材に成長してほしいと願っています。

 

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「ねえ諒子。この子はとてもアニメが好きなんだよ!」
ミレーからの留学生であるエリーが英語で私にベラという女の子を紹介してくれたのはクラスルームに初めて入ってすぐのことだった。エリーとは立教で交流したときに『アニメ』という共通の趣味があって仲良くなった。イギリスに日本のアニメがそんなに普及しているとは知らなくて驚いたのを覚えている。とにかく私はその時とても緊張していて、彼女が何を言っているのか全く聞き取れず、日本語で「ベラは アニメを すきです。」と説明を受けて初めて理解した。そして、とても嬉しかった。
最初は何を話して良いのか分からず、ベラとは二人でニコニコしているだけだったが、お昼ご飯の時に思い切ってお気に入りのキャラクターカードを見せると、目をきらきらさせて
「これ知ってる!!!」 「かっこいい!」とはしゃいでいた。ベラの好きなアニメは完全に私と同じで、好きなキャラクターについて語っているときは、あるはずの言語の壁なんて無くなっていた。

次の日からはお弁当も、パートナーとの授業もベラと一緒だった。ベラだけに限らず、もちろんクラスの子達とも沢山交流した。昼休みには、今流行しているという『スナップチャット』というスマホのアプリで写真を撮った。見ているとイギリスの子供は暇さえあればこれをやっている。日本で言うLINEのようなものなのだと思う。あとはスプラットゲームをした。イギリスのゲームで、ルールはけっこうややこしく説明するのは難しいがとても楽しかった。

こうして一週間の留学期間を終えてみると、友達という関係になるのに日本語も英語も関係ないなと思った。一緒に笑って、一緒に遊んで、そうしたらもう掛け替えのない友達だった。けど会話はやはり英語だから、聞き取れる文章が増えて、英語力も上がったなと実感した。
最後に、私にここまで仲の良い友達を作る手伝いをしてくれたエリーと、大好きなベラと、ミレーのみんなのことは絶対に忘れない。ここまで良い経験が出来て本当に良かったし感謝している。もう来学期からは日本の学校に戻ってイギリスに来る機会も少なくなるけれど、もしこれから、留学やホームステイが出来る企画があったら積極的に参加して、自分に刺激的な出会いが出来る時間を増やしていきたい。

(中学部3年生 女子)

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今年度初めてのガールガイズはキャンプ場での活動でした。最初にリーダーから、今日の活動内容が発表されました。ガールガイズは地元の活動ですので、すべて英語で行われます。「今日は最初に小屋の中、トイレ、芝生の上の枝を拾いきれいにします。それが終わったら、Fire Buildingをしてマシュマロを焼き、S’moresをつくりましょう」というような内容の話をリーダーがしてくれましたが、生徒たちは「これから一体何が始まるのだろう」という様子。

立教英国学院からの参加生徒は中学1年生3名、Patrolと呼ばれる班は3つに分かれていましたので、各グループに一人ずつ入りました。この4月から中学生になったばかりの生徒たちの表情は不安そのものでしたが、すぐに同じ班の子たちが名前を覚えてくれました。

最初に始まったのは、グループごとに小屋、トイレの掃除、その後みんなで芝生の上にある枝を拾い集めました。何をしたらよいのか、何を話しているのかもよくわからない状態で、周りの様子をよく見て自分のできることを必死に行う様子は英国での修行の始まりであるかのようです。みんなで協力すると30分ほどでキャンプ場はきれいになりました。

掃除が終わるとFire Buildingの活動に移りました。自分たちで拾った木の枝をきれいにならべ、その上に綿を置き、火を起こすFire Strikerという道具を使い、綿に火をつけます。マッチを使用するよりも安全ですが、使うのは難しそうです。協力して火を起こすことができました。最後にはマシュマロをFire Buildingで焼きそれをクッキーではさみ、S’moresをおいしく食べました。

初めての活動でしたが、現地の子たちとたくさんのコミュニケーションをとることができました。活動中に地元の子から木の実をもらい「What’s this?」で聞いてみたら、「I don’t know」って言われた。同じ班の子が重そうな荷物を持っていたので、手伝う?とジェスチャーで伝え、協力して荷物を運ぶことが出来た生徒、火をおこすときに使用する道具は角度が大切だと気付いた生徒は周りの子が言っている「angle」という単語の意味を知ることができました。綿に火をつけるときには「Catch catch catch ……」、catchってこういうつかい方もあるのですね。

活動する班は毎週同じです。今日は同じ班の何人かの子の名前を覚えることができました。来週は同じ班の子全員の名前を覚えられると良いですね。英語やジェスチャーをつかいながら、お互いの思いや考えを伝え合うことが少しずつ増えていくことを願っています。今後も前向きな姿勢で多くのことに挑戦していきましょう。

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ヨーロッパ各国の日本人学校で説明会を実施します。

当該校の生徒・保護者以外で参加をご希望の方はイギリス本校までお問い合わせ下さい。

6月1日(水)      ロンドン日本人学校
6月15日(水)    デュッセルドルフ日本人学校
6月17日(金)    パリ日本人学校
7月6日(水)     ミュンヘン日本人学校
7月12日(火)   ブラッセル日本人学校

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ベネッセ進学フェアに本校もブース参加します。

英国から本校教員が参加し、個別面談にも対応いたします。

場所:東京国際フォーラム B2F 展示ホール1・2(東京都千代田区丸の内3-5-1)

日時:5月29日(日)  10:00 – 16:00

→詳細はこちらをご覧下さい

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「あっけないな。」
高校3年生である僕にとって最後の球技大会、思っていた終わり方とは、少し違っていた。

高校1年で立教に入ってきて、まず初めの行事が球技大会。球技種目には、小学校からやっていたバスケットボールを選んだ。鮮明に覚えているのが、先輩の後ろ姿である。自分のチームの高校3年の先輩が、残り2秒で逆転スリーポイントを決めた時だ。僕はその時、先輩の背中が、僕に何かを訴えかけているような感じがした。

高校2年になり、その年もバスケットボールを選んだ。このときの球技大会で僕は、去年の先輩の背中が言ったことをはっきりと理解できた。
この年の試合も接戦だった。残り10秒、僕らのチームは、2点差で勝っていた。残り10秒、相手の高校3年のキャプテンがゴールに向かって切れ込んできた。マークしていた僕は、相手の動きを完全に読んでいた。よし、抑えた。思った通り、放ったシュートはリングにきらわれ、リバウンドを取ろうと思った瞬間、目の前が黒くなった。僕はその黒いものに空中であたり、コートに着地した。
「ピー。」
ホイッスルが体育館に鳴り響いた。目の前が明るくなった僕の目に映ったのは、ボールがゴールに吸い込まれているところだった。
バスケットカウント。つまり3点プレイだった。フリースローをしっかり決められ逆転。その時だった。フリースローを打った先輩の姿と去年の先輩の姿が重なった。
その時、僕は、先輩の強さ、自覚というものを先輩の背中から感じとった。

今年の球技大会、高校3年生となり、バスケットボールのキャプテンとなった。試合は、2試合とも勝った。そしてMVPも取った。結果としては、最高のものだったと思う。だが、球技大会が終わって落ち着くと、ふと2人の先輩の背中を思い出す。
「背中で語れる先輩か。」
後輩からどう自分が映ったかは分からない。しかし、自分は、背中では何も語ることができなかったと思っている。自分自身で一杯だった。
試合には勝った。しかし、先輩としての自覚という壁には勝てなかったということだ。
最上級生となり早1ヵ月。なんとなくだが自覚は芽生えてきた。背中で語れる先輩、そして、最終的には背中で語れる学年ができればと思う。
残り少ない立教生活、先輩として後輩に何を残していけるか考えていきたい。

(高等部3年生 男子)

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