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ぼくは、「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という本を選びました。ぼくはなぜこの本を選んだかというと、大統領がなぜ貧しいかが不思議だったからです。ぼくのイメージでは、ふつうは大統領はお金持ちだと思ったからです。だから「貧しい」という意味を調べてみました。調べてみたら、生活が苦しいや心が満たされていないなどが書いてありました。ぼくは経験したことがないことです。だから興味をもって読みました。本を見たときは、すぐに読めると思ったけれど、中身の内容はすごくむずかしかったです。だからけっこう読むのに時間がかかりました。

この本は、大統領がブラジルで開かれた国際会議でスピーチをした話が書いてあります。この大統領は南米の国ウルグアイからやってきた、ムヒカという名前です。どの大統領よりも質素で、給料の大半を貧しい人のために寄付したり、農場で奥さんとくらしています。古い車を自分で運転して、仕事に行っています。ぼくは、まずここまで読んで、大統領はやさしい人だなぁと思いました。日本と比べて、すごい差があると思いました。悪くなった地球のかんきょうを話し合う会議でした。色んな国の代表者が貧しさをなくすのにはどうしたらよいのかをスピーチしました。でもよい意見が出ません。ムヒカ大統領は、意見をする前にみんなに質問するように話し出しました。物をたくさん作って、売ってお金をもうけて、そのもうけたお金でほしい物を買うことはよいことなのか。今の文明はこのようにずっと続いています。みんなはいつも「心をひとつに、みんないっしょに」と言っているけれど、それを忘れて、自分だけのことを考えています。他人を思いやる気持ちを忘れてきています。

ぼくは、シンガポールに住んでいた時、ヘイズという大気おせんを体験しました。インドネシアで畑を焼くことです。これはインドネシアでは生活するには、とても大切だとお友達から聞きました。でもそのけむりでマレーシアの人とシンガポールの人はとても苦しみました。インドネシアはわざとやってはいないのに、みんなからいやがられました。でもどうしたらいいのかは、まだ解決していません。

ぼくは初めて気が付きました。貧しいは少ししか持っていないのがはずかしいことではなく、なんでもほしがる心があって、それでもいくらあっても満足しないことが本当の貧しいことだと初めて知りました。そして、他人を思いやる気持ち、みんながしあわせになることが一番大切なことも初めて知りました。どうしたら人にめいわくをかけないで、生きていけるのか、どうしたらしあわせが最も大切だということを知ってもらえるのか。ぼくたちが生き方や物のみかたを考えたほうがいいと思います。例えば、火薬は戦争に使う物ではなく、花火や色んな物に使う物で、みんなを喜ばせるために使ってほしい物と考えてほしいです。これはテレビで誰かが話していたのでよく分かりました。

この本は、ぼくに色んなことを気づかせてくれた本でした。ぼくは言われないと気がつかないので、こういう本がどんどんでたらいいなぁと思います。そして、ムヒカ大統領が言ったことをぜったいにわすれないようにしていたいと思います。

(小学部5年生 男子)

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彼らのバスケットボールは本当にかっこいい。スカイウォークからのスラムダンクを決めるマイケル・ジョーダン。ノールックパスのマジックなど、見ているこっちが夢中になってしまうプレーがNBAにはつまっている。

僕は今、バスケットボール部に所属している。バスケットボールを始めたきっかけは彼らのプレーだった。YOUTUBEの「あなたにおすすめの動画」の欄に出てきた「NBA神業プレー集」。最初は興味があってちょっと見てみるだけのつもりだった。最後まで見終えたとき、興奮が収まらなかった。自分が遊びでやったバスケットボールとは明らかに違った。プロとただの遊びというだけではない違いが感じられた。基礎だけでは到底できないインスピレーションあふれる数々のプレーは僕を感動させた。すぐに友達を呼んでバスケットボールをしにいった。まず彼らのプレーを真似してみる。もちろん失敗した。友達にも笑われた。仕方がないのでシュート練習から始めた。何本か打って1本入ったとき、快感を覚えた。そして気づくと基礎練習は楽しいものとなり、僕はバスケットボールが大好きになっていた。ドリブルのドラムのような音から、ボールが指に吸い付く感覚、そしてシュートが入るとクラゲのように動くネット。その全てがかけがえのないものに思えた。

それから半年以上が過ぎ、バスケットボールの試合で初めてシュートを決めたとき、心の底から叫びたいほど嬉しかった。
彼らの偉人伝には、天才は99%の努力と1%の才能で作られると書かれている。そして、彼ら自身がそれを体現している。僕が彼らから学んだのは決してバスケットボールのおもしろさや技術だけではない。努力して何かを摘み取った瞬間の喜びだ。
(高等部1年 男子)

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12月5日(土)に2学期の終業礼拝を終えましたが、中学部3年生はそこから13日(日)まで(1週間)補習期間があり、高等部入学試験を受けての帰宅となります。この1週間は朝の起床、ラジオ体操、礼拝などの係もすべて自分たちで行いました。

補習期間は、各90分の英語・数学・国語の授業が午後3時まで行われ、夜は自習を行います。もちろん目標は、高等部入試です。希望者には夜9時過ぎまで英語の特別授業もありました。これまで学習してきた中学校3年間の内容に取りこぼしがないか確認をし、弱点である分野に関しては、自習時間を使って徹底的に復習をしたり、教科の先生に質問をしたりして、克服していく姿が見受けられました。多くの生徒が、この補習期間を充実したものにできたようです。一人ひとりによい結果がでることを期待しています。

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【第3回】スーパーマーケットにて  男子チーム編  &仕上げ

男子チームは、買い物に出かける前に、
必ず入れるもの
金額的に可能ならば入れたいもの
役に立つもの
クリスマスらしく嬉しい気持ちになるもの
などを、細かく思いを計画にして出かけました。
が、
そのメモを持っていく担当が、スーパーには違う用紙を持ってきてしまいました…

でもそこは大丈夫!
よく話し合っていましたので、みんなが買うものをしっかり把握できていました。
なかでも、ニット帽子で買える金額のものを見つけたときには、
他のものと比べて高価だったのにもかかわらず、
迷いなく購入を決めていました。
長く使えて、役立つものを、という視点がはっきりしていたからですね。
感心しました。

買い物を終えた次の授業時間に、
贈る相手のことを考えながら、ていねいにクリスマスカードを書き、
箱に詰めてきれいに包装。
女子チームが入れたものは次の通り…
靴下2足
小さなぬいぐるみ
リンス・イン・シャンプー
歯みがき粉&歯ブラシ
ヘアゴム
クシ
クーピー12色セット
ぬり絵
男子チームは…
ニットの帽子
小さなジェンガ
リンス・イン・シャンプー
石けん
はみがき粉&歯ブラシ
色鉛筆24色セット
メモ帳
チョコレート
お菓子(SKITTLES)
12ポンド以内でうまく買いながら、ざくざく詰めました。

11月15日、クランリー教会での礼拝の前に、
担当の方に、生徒たちから渡して完了です。
渡したクリスマスボックスは、協会の方達が車でルーマニアまで届けに行きます。
輸送用の寄付2ポンド(1箱あたり)は、先生たちからの志。
「いいなぁ、こんなクリスマスボックス、私もほしいな」
小学生女の子の感想。
みんなの少しずつの気持ちが集まって、素敵なクリスマスボックスが出来上がりました。

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【第2回】スーパーマーケットにて  女子チーム編
さて、スーパーマーケットにやって来た小学生達。
スーパーといっても、TESCOという、おもちゃやDVD、家電製品、衣類までそろった
英国ではおなじみの大型スーパーマーケットです。

女子チームは、リストに従ってあれこれ見ながら、決めるのにとても悩みました。

子ども用の歯ブラシにすると、かわいいし、子供の口サイズだからぴったりだけれど、
1ポンド以上もする。
大人向けの歯ブラシにすると、25ペンスで2本入りだけれど、ちょっとそっけない。
子供向け歯ブラシは3歳以下用だし…
大人向け歯ブラシにすると2本あるから長く使えるけど…
「色の組み合わせが赤と緑でクリスマスカラーだから、大人用にする」
生徒自身が考えて決定。

色鉛筆セットとぬり絵を買うときには、鉛筆削りで悩みました。
「色鉛筆なら鉛筆削りがほしいなぁ」
「でも鉛筆削りがついたものにすると、高くて他のものが買えない」
「クレヨンなら安いよ。クレヨンにしよう?」
「クレヨンは手が汚れない?」
「じゃあ、クーピーにしようよ。削らなくていいし、使いやすいし。」

9点買って、残り£1-60程度になった時、
「女の子だから、最後はクシを一本入れよう」と意見がまとまりました。
でもクシは2ポンドもする。
さて、どうしよう。
ちょっとしたお菓子でコイン型チョコレートの小袋を入れていましたが、
そこで先生の提案。
「50ペンスのチョコを返して、クシ1本を入れる、
もしくは、1ポンド程度ならボディシャンプーが買えるから、それでどう?」
悩んで悩んで、
「とりあえず、靴箱に買うものを入れてみよう」
と、スーパーの片隅で、申し訳ない気持ちにドキドキしながら買ったものを詰めると
箱一杯に。
「じゃあ、クシの方がいいよ。ボディーシャンプーは入らないし。」
「チョコレートは食べたら無くなっちゃうけど、
クシならチョコレートよりも長く使えるから、それがいい。」
と生徒たち自身が納得して、最後の1品が決まりました。

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【第1回】買い物に行くまで
皆さんは靴の空き箱につめた、クリスマスプレゼントというものを知っていますか。

教会のチャリティー活動のひとつに、それがあります。
靴箱はそこそこの大きさのものが入って、しかも角形で丈夫。
その靴箱に、様々なものを詰めて、クリスマスに贈るのです。
地元クランリー村には、Children’s Shoebox Appealという協会があり、
ルーマニアのあるまずしい村へ毎年多くのクリスマスボックスを贈っています。
そんなプロジェクトに、小学生も参加しました。

保護者の方達に連絡したあと、
子供たちに「靴の空き箱にプレゼントを詰めて、ある人に贈ろうと思うのだけれど」と切り出し、
村の人々の写真を見ながら、
どんな人達だろう?どんな生活をしているだろう?と
あれこれ意見を出して考えたら、
自然に、どのようなものを詰めると喜んでもらえるかなぁ?という方向へ。
「贈りたい」という気持ちが芽生えたところで、
贈る相手の性別と年齢を決めることにしました。
男子チームは「自分と同じ年代なら何がいいか分かる」ので、男の子に、
女子チームは「ちょっと小さい女の子なら、どんなものが欲しいか考えやすい」そうなので
7歳前後の女の子用をイメージして、準備することが決定しました。

気持ちが大切なので、
週末のスクールショップでお菓子が買えるぐらいのお小遣いを1人ずつ出しあって、
12ポンド以内、3人で1つのクリスマスボックスを作ります。
実際にTESCOスーパーマーケットに買い出しに行き、
予定の買い物リストと商品の値段を見比べながら、買い物カゴに入れるものの、
12ポンド以内で買うのはかなり難しい!
贈る意味と値段を比べて、考え込むことになりました。

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私は今回初めてのオープンデイでフリープロジェクトのダンス企画に入りました。昨年のダンス企画の発表を見て、そのクオリティの高さに、私は厳しそうな企画というイメージを持っていて、希望用紙に丸をつけるのは少しためらいがありました。でも、挑戦してみたいと思った事を、始めからあきらめたらきっと後悔すると思い、挑戦することに決めました。

ダンス企画の活動は、思っていた通り厳しく感じられました。夏休みから準備が始まり、十月の初めには完全完成という予定は、長そうに見えても実際は全然時間が足りないという状況でした。二学期の初めから毎日、放課後はダンスで、最初は何度も行きたくないなと思う事がありました。

自由な時間がない。それが二学期の初めの私にとってとても苦痛な事でした。そんな時、迎えた高三の元ダンス企画の先輩の前での中間発表。自分のおどりは、とても見て頂くにはひどすぎる状態でした。おどり終えた時点で既に落ち込んでいたのに、これから先輩方に何を言われるかと心配でした。でもそこで先輩から話された事に、とても心を動かされました。

「ダンスの技術うんぬんの前に、まず自分でフリープロジェクトのダンス企画に入れて下さい、とお願いして入っているという事、やってもやらなくても良い企画に自ら希望して入っているという事に、自覚と責任を持って、これから先、みんなが目指すOPENDAYに向けて練習していってほしい。」

というお話でした。私は、練習が厳しいとか言ってめそめそする前に、ちゃんと自分と向き合っていかないとだめだと思うようになりました。そしていつからか、放課後のダンスの時間が一日の一番の楽しみになりました。

OPENDAY当日、私は後悔なく無事に終えることができました。最後にステージの上でおどって、中学1年までバレエを習っていた頃の事を思い出しました。昔から目立つ事が好きじゃなかった私が、ステージの上でおどるのだけは楽しみにしていた事を思いだしました。そして、私はやっぱりおどる事が好きだと思い、ダンス企画に入って良かったと思いました。長い時間をかけてみんなで創り上げたものだからこそ、味わえる達成感というものを知ることが出来ました。

(高等部2年生 女子)

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二学期が終われば、もうイギリスに戻ってこない私にとって、オープンデイはこっちで出来た友人と会える最後のチャンスだった。そのため、今まで会った人たちを誘ってみたのだが、人によっては立教から四時間以上かかる場所に住んでいて、来られない人も多かった。だが、そんな中でもオープンデイに来てくれたイギリス人がいた。

一組は、中学三年で短期交換留学に参加したときに泊めてもらった家族だ。高校三年になった今でも、ジャパニーズ・イヴニングやスクールコンサート、そしてオープンデイに欠かさず来てくれる。今年は例年と違い、食堂の手伝いで忙しかったため、ゆっくり話せないかと思ったが、空き時間に会えて様子を聞くことができたので満足だった。

もう一人は、そのホストファミリーと違って、一年以上会っていない人だった。去年の夏にサイエンスワークショップに参加したとき、三日ほど私の家にホームステイに来た女の子だ。たまに連絡はとっていて、とても会いたかったのだが、機会がなく今まで会えなかった。オープンデイのことを知らせたときは、是非来たいと言ってくれたが、具体的に話をしなかったので正直来てくれる確信が持てなかった。当日も、食堂が閉まり始める二時頃になっても姿が見えなかったので、来ないのだろうとあきらめた。しかし、クラス企画をまわっていると、私を探している英人がいると言われた。そこで、彼女と一年ぶりに再会できた。思い返してみると、オープンデイの時間を伝え忘れていたのだが、最後に彼女に会えてとても嬉しかった。

卒業してしまえば、かなり長い間イギリスで出来た友人たちには会えないだろうが、またヨーロッパに来るチャンスを掴めるように、今勉強を頑張ろうと思った。

(高等部3年生 女子)

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私は高校3年の夏休みを使って、まったく知らない文化に飛び込こんでみたいという思いから、受験生でありながら、母の許可を得てボランティアでペルーへと旅立った。ペルーまでの旅は、20時間ととても長く、不安と期待でウズウズしていた。着く飛行場ごとにヨーロッパから離れて行くのが感じられ、英語さえ通じなくなっていく。冒険感が増し、もうそれだけで胸がいっぱいだった。どんな人との出会いが私を待っているのだろう。どんな経験をするのだろう。空想ばかり膨らませて、私はそれまで行ったことのなかったアメリカ大陸のペルー第二の都市であるクスコへ着いた。

着いた瞬間からこの国の独特な文化がとても衝撃であった。と同時に、生き生きとしていて好きになった。クスコには、カラフルな民族衣装を着ている人が多く、まるで犬の散歩をしているかのようにアルパカを連れている人もいた。毎日のように祭りが開かれていて、人々の信仰心が強く感じられる。街は様々な人情にあふれていた。そんな和気あいあいな感じのクスコはごちゃごちゃしていながら、美しいと感じられる独特な雰囲気を持っていた。

それに対して、田舎にはまた全く違う雰囲気が漂っていた。私が二週間ほど住んでいたクスコから車でおよそ6時間のヒューロという村は、誰もが想像する貧しい国で見かける風景であった。家の壁ははがれていて、落書もされており、屋根は鉄の板で、西洋から見ればそこに住むのはありえないような家が並んでいた。しかし、そう思えたのは初日のみだった。慣れるとむしろそのぼろぼろさに良さを見出せた。シャワーの水も山から流れてきたため太陽が照っていないと温かくならない。夜ボランティアの人達が全員集まってキャンプファイアーを囲むために木の枝を集めたりする生活は、自分が今生きていることを強く実感させてくれた。シャワーの流れを改良する為に小川の雑草むしりをしたり、家造りのための石を運ぶ時も、西欧みたいに全て備わっている環境に恵まれていないからこそ、自分の存在を強く感じ、自分の行動一つ一つがどれだけ自分と周りの生活に影響しているのかを感じた。

そんなペルーでの生活の思い出の中でも、最も良い経験となったのは地元のペルーの小学校との交流だ。小学校とはいっても、私達が想像するような、校門がある立派な建物、教室に机と椅子が当たり前のように備えられているような学校ではない。大前提として知っておかなければいけないことは、ペルーの教育制度は発展途上国の中でも最も悪いと評価されていて、学校に行くという事に対し、特に田舎では必要性が感じられていないということだ。多くの子供は学校に通っておらず、学校設備も教師も色々な面で不足している。そんな中でも学校へ通う子供は、本当にラッキーである。その上、学校に通わせてはくれても、毎日通う子はめったにいないといわれている。

そのような情報を持って初めて学校に行ったとき、私はもの静かで内気な子供たちを想像していた。しかし、皆予想以上に元気で、何よりも本当に人懐っこかった。最初は少しシャイではあったが、一時間も経たないうちにハグをしてくれるほど慕ってくれるようになった。サッカーをやったり、勉強に対しても向上心が強く、とても一生懸命だった。本当はわたしが彼らに教えるべき立場であったにも関わらず、そんな子たちと過ごして自分が今もっているものに満足するべきである事を学んだ。いっぱい笑う事ができ、言語も通じていなかったのにも関わらず、心で分かち合えている気がして楽しかった。

その他に二日間マチュピチュに行ったり、インカ帝国の発掘作業を手伝ったりして、私は初めて見るような世界に出会った。多くの刺激を受け、ボランティアをやる勇気と自信をもらった。この経験をいかして次はインドへ行きたいと思っている。

(高等部3年生 女子)

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高校ラストのオープンデイ。毎年高3は焼鳥やバザー、キッチンといった出し物のお手伝いをする。今回私は古本屋のお手伝いをした。実を言うと、私は最初から古本屋をしたかった訳ではない。第一希望のじゃんけんで負けて残っていたのが古本屋だったのである。みんな希望通りで、楽しそうな顔を見ていると、やるせなく、苦しかった。私のオープンデイは、こうした形でスタートすることとなった。

悪い空気にしたくなかったし、何よりも周りに悔しい気持ちを見せたくなかったから、早く気持ちを切り換えて明るくいこうと心に決め、作業に取り組んだ。意外と古本屋の作業は大変だった。本の仕分けや値段貼り、ざっと300冊ある本を全てロフトや図書館からハットに運ぶ事は、細かい作業でもあり、力仕事でもあった。この作業を終わらせてから、次に装飾の作業に取り組んだ。最初の苦しかった気持ちはいつの間にか消え、みんなを驚かせるような古本屋を作りたい!そう思うようになっていった。他の係の力も借りて、一から装飾作りを始めた。久しぶりの装飾作りにてこずり、初日にもかかわらず5時半に解散をすることとなった。残り1日。私にできる最大限のことをしようと思うと、たくさんのアイデアが浮かんできて、その日はすぐに眠れなかったのを覚えている。

次の日も朝から晩まで作業をして、ついにオープンデイ当日を迎えた。オープン15分前にもかかわらず、古本屋のあるハット前にはもう何人か列ができていた。オープンと同時にたくさんの方々が足を運んで下さり、クローズも1時間遅れとなった。何よりも、みんなが笑顔だったのが本当に嬉しかった。

どんな場所に置かれたとしても、その場所で自分がどれだけ頑張れるか。それが全てだと気付いた。
“置かれた場所で咲きなさい”
これが、今回のオープンデイが私に教えてくれた事だ。

(高等部3年生 女子)

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