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【第2回】スーパーマーケットにて  女子チーム編
さて、スーパーマーケットにやって来た小学生達。
スーパーといっても、TESCOという、おもちゃやDVD、家電製品、衣類までそろった
英国ではおなじみの大型スーパーマーケットです。

女子チームは、リストに従ってあれこれ見ながら、決めるのにとても悩みました。

子ども用の歯ブラシにすると、かわいいし、子供の口サイズだからぴったりだけれど、
1ポンド以上もする。
大人向けの歯ブラシにすると、25ペンスで2本入りだけれど、ちょっとそっけない。
子供向け歯ブラシは3歳以下用だし…
大人向け歯ブラシにすると2本あるから長く使えるけど…
「色の組み合わせが赤と緑でクリスマスカラーだから、大人用にする」
生徒自身が考えて決定。

色鉛筆セットとぬり絵を買うときには、鉛筆削りで悩みました。
「色鉛筆なら鉛筆削りがほしいなぁ」
「でも鉛筆削りがついたものにすると、高くて他のものが買えない」
「クレヨンなら安いよ。クレヨンにしよう?」
「クレヨンは手が汚れない?」
「じゃあ、クーピーにしようよ。削らなくていいし、使いやすいし。」

9点買って、残り£1-60程度になった時、
「女の子だから、最後はクシを一本入れよう」と意見がまとまりました。
でもクシは2ポンドもする。
さて、どうしよう。
ちょっとしたお菓子でコイン型チョコレートの小袋を入れていましたが、
そこで先生の提案。
「50ペンスのチョコを返して、クシ1本を入れる、
もしくは、1ポンド程度ならボディシャンプーが買えるから、それでどう?」
悩んで悩んで、
「とりあえず、靴箱に買うものを入れてみよう」
と、スーパーの片隅で、申し訳ない気持ちにドキドキしながら買ったものを詰めると
箱一杯に。
「じゃあ、クシの方がいいよ。ボディーシャンプーは入らないし。」
「チョコレートは食べたら無くなっちゃうけど、
クシならチョコレートよりも長く使えるから、それがいい。」
と生徒たち自身が納得して、最後の1品が決まりました。

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【第1回】買い物に行くまで
皆さんは靴の空き箱につめた、クリスマスプレゼントというものを知っていますか。

教会のチャリティー活動のひとつに、それがあります。
靴箱はそこそこの大きさのものが入って、しかも角形で丈夫。
その靴箱に、様々なものを詰めて、クリスマスに贈るのです。
地元クランリー村には、Children’s Shoebox Appealという協会があり、
ルーマニアのあるまずしい村へ毎年多くのクリスマスボックスを贈っています。
そんなプロジェクトに、小学生も参加しました。

保護者の方達に連絡したあと、
子供たちに「靴の空き箱にプレゼントを詰めて、ある人に贈ろうと思うのだけれど」と切り出し、
村の人々の写真を見ながら、
どんな人達だろう?どんな生活をしているだろう?と
あれこれ意見を出して考えたら、
自然に、どのようなものを詰めると喜んでもらえるかなぁ?という方向へ。
「贈りたい」という気持ちが芽生えたところで、
贈る相手の性別と年齢を決めることにしました。
男子チームは「自分と同じ年代なら何がいいか分かる」ので、男の子に、
女子チームは「ちょっと小さい女の子なら、どんなものが欲しいか考えやすい」そうなので
7歳前後の女の子用をイメージして、準備することが決定しました。

気持ちが大切なので、
週末のスクールショップでお菓子が買えるぐらいのお小遣いを1人ずつ出しあって、
12ポンド以内、3人で1つのクリスマスボックスを作ります。
実際にTESCOスーパーマーケットに買い出しに行き、
予定の買い物リストと商品の値段を見比べながら、買い物カゴに入れるものの、
12ポンド以内で買うのはかなり難しい!
贈る意味と値段を比べて、考え込むことになりました。

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私は今回初めてのオープンデイでフリープロジェクトのダンス企画に入りました。昨年のダンス企画の発表を見て、そのクオリティの高さに、私は厳しそうな企画というイメージを持っていて、希望用紙に丸をつけるのは少しためらいがありました。でも、挑戦してみたいと思った事を、始めからあきらめたらきっと後悔すると思い、挑戦することに決めました。

ダンス企画の活動は、思っていた通り厳しく感じられました。夏休みから準備が始まり、十月の初めには完全完成という予定は、長そうに見えても実際は全然時間が足りないという状況でした。二学期の初めから毎日、放課後はダンスで、最初は何度も行きたくないなと思う事がありました。

自由な時間がない。それが二学期の初めの私にとってとても苦痛な事でした。そんな時、迎えた高三の元ダンス企画の先輩の前での中間発表。自分のおどりは、とても見て頂くにはひどすぎる状態でした。おどり終えた時点で既に落ち込んでいたのに、これから先輩方に何を言われるかと心配でした。でもそこで先輩から話された事に、とても心を動かされました。

「ダンスの技術うんぬんの前に、まず自分でフリープロジェクトのダンス企画に入れて下さい、とお願いして入っているという事、やってもやらなくても良い企画に自ら希望して入っているという事に、自覚と責任を持って、これから先、みんなが目指すOPENDAYに向けて練習していってほしい。」

というお話でした。私は、練習が厳しいとか言ってめそめそする前に、ちゃんと自分と向き合っていかないとだめだと思うようになりました。そしていつからか、放課後のダンスの時間が一日の一番の楽しみになりました。

OPENDAY当日、私は後悔なく無事に終えることができました。最後にステージの上でおどって、中学1年までバレエを習っていた頃の事を思い出しました。昔から目立つ事が好きじゃなかった私が、ステージの上でおどるのだけは楽しみにしていた事を思いだしました。そして、私はやっぱりおどる事が好きだと思い、ダンス企画に入って良かったと思いました。長い時間をかけてみんなで創り上げたものだからこそ、味わえる達成感というものを知ることが出来ました。

(高等部2年生 女子)

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二学期が終われば、もうイギリスに戻ってこない私にとって、オープンデイはこっちで出来た友人と会える最後のチャンスだった。そのため、今まで会った人たちを誘ってみたのだが、人によっては立教から四時間以上かかる場所に住んでいて、来られない人も多かった。だが、そんな中でもオープンデイに来てくれたイギリス人がいた。

一組は、中学三年で短期交換留学に参加したときに泊めてもらった家族だ。高校三年になった今でも、ジャパニーズ・イヴニングやスクールコンサート、そしてオープンデイに欠かさず来てくれる。今年は例年と違い、食堂の手伝いで忙しかったため、ゆっくり話せないかと思ったが、空き時間に会えて様子を聞くことができたので満足だった。

もう一人は、そのホストファミリーと違って、一年以上会っていない人だった。去年の夏にサイエンスワークショップに参加したとき、三日ほど私の家にホームステイに来た女の子だ。たまに連絡はとっていて、とても会いたかったのだが、機会がなく今まで会えなかった。オープンデイのことを知らせたときは、是非来たいと言ってくれたが、具体的に話をしなかったので正直来てくれる確信が持てなかった。当日も、食堂が閉まり始める二時頃になっても姿が見えなかったので、来ないのだろうとあきらめた。しかし、クラス企画をまわっていると、私を探している英人がいると言われた。そこで、彼女と一年ぶりに再会できた。思い返してみると、オープンデイの時間を伝え忘れていたのだが、最後に彼女に会えてとても嬉しかった。

卒業してしまえば、かなり長い間イギリスで出来た友人たちには会えないだろうが、またヨーロッパに来るチャンスを掴めるように、今勉強を頑張ろうと思った。

(高等部3年生 女子)

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私は高校3年の夏休みを使って、まったく知らない文化に飛び込こんでみたいという思いから、受験生でありながら、母の許可を得てボランティアでペルーへと旅立った。ペルーまでの旅は、20時間ととても長く、不安と期待でウズウズしていた。着く飛行場ごとにヨーロッパから離れて行くのが感じられ、英語さえ通じなくなっていく。冒険感が増し、もうそれだけで胸がいっぱいだった。どんな人との出会いが私を待っているのだろう。どんな経験をするのだろう。空想ばかり膨らませて、私はそれまで行ったことのなかったアメリカ大陸のペルー第二の都市であるクスコへ着いた。

着いた瞬間からこの国の独特な文化がとても衝撃であった。と同時に、生き生きとしていて好きになった。クスコには、カラフルな民族衣装を着ている人が多く、まるで犬の散歩をしているかのようにアルパカを連れている人もいた。毎日のように祭りが開かれていて、人々の信仰心が強く感じられる。街は様々な人情にあふれていた。そんな和気あいあいな感じのクスコはごちゃごちゃしていながら、美しいと感じられる独特な雰囲気を持っていた。

それに対して、田舎にはまた全く違う雰囲気が漂っていた。私が二週間ほど住んでいたクスコから車でおよそ6時間のヒューロという村は、誰もが想像する貧しい国で見かける風景であった。家の壁ははがれていて、落書もされており、屋根は鉄の板で、西洋から見ればそこに住むのはありえないような家が並んでいた。しかし、そう思えたのは初日のみだった。慣れるとむしろそのぼろぼろさに良さを見出せた。シャワーの水も山から流れてきたため太陽が照っていないと温かくならない。夜ボランティアの人達が全員集まってキャンプファイアーを囲むために木の枝を集めたりする生活は、自分が今生きていることを強く実感させてくれた。シャワーの流れを改良する為に小川の雑草むしりをしたり、家造りのための石を運ぶ時も、西欧みたいに全て備わっている環境に恵まれていないからこそ、自分の存在を強く感じ、自分の行動一つ一つがどれだけ自分と周りの生活に影響しているのかを感じた。

そんなペルーでの生活の思い出の中でも、最も良い経験となったのは地元のペルーの小学校との交流だ。小学校とはいっても、私達が想像するような、校門がある立派な建物、教室に机と椅子が当たり前のように備えられているような学校ではない。大前提として知っておかなければいけないことは、ペルーの教育制度は発展途上国の中でも最も悪いと評価されていて、学校に行くという事に対し、特に田舎では必要性が感じられていないということだ。多くの子供は学校に通っておらず、学校設備も教師も色々な面で不足している。そんな中でも学校へ通う子供は、本当にラッキーである。その上、学校に通わせてはくれても、毎日通う子はめったにいないといわれている。

そのような情報を持って初めて学校に行ったとき、私はもの静かで内気な子供たちを想像していた。しかし、皆予想以上に元気で、何よりも本当に人懐っこかった。最初は少しシャイではあったが、一時間も経たないうちにハグをしてくれるほど慕ってくれるようになった。サッカーをやったり、勉強に対しても向上心が強く、とても一生懸命だった。本当はわたしが彼らに教えるべき立場であったにも関わらず、そんな子たちと過ごして自分が今もっているものに満足するべきである事を学んだ。いっぱい笑う事ができ、言語も通じていなかったのにも関わらず、心で分かち合えている気がして楽しかった。

その他に二日間マチュピチュに行ったり、インカ帝国の発掘作業を手伝ったりして、私は初めて見るような世界に出会った。多くの刺激を受け、ボランティアをやる勇気と自信をもらった。この経験をいかして次はインドへ行きたいと思っている。

(高等部3年生 女子)

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高校ラストのオープンデイ。毎年高3は焼鳥やバザー、キッチンといった出し物のお手伝いをする。今回私は古本屋のお手伝いをした。実を言うと、私は最初から古本屋をしたかった訳ではない。第一希望のじゃんけんで負けて残っていたのが古本屋だったのである。みんな希望通りで、楽しそうな顔を見ていると、やるせなく、苦しかった。私のオープンデイは、こうした形でスタートすることとなった。

悪い空気にしたくなかったし、何よりも周りに悔しい気持ちを見せたくなかったから、早く気持ちを切り換えて明るくいこうと心に決め、作業に取り組んだ。意外と古本屋の作業は大変だった。本の仕分けや値段貼り、ざっと300冊ある本を全てロフトや図書館からハットに運ぶ事は、細かい作業でもあり、力仕事でもあった。この作業を終わらせてから、次に装飾の作業に取り組んだ。最初の苦しかった気持ちはいつの間にか消え、みんなを驚かせるような古本屋を作りたい!そう思うようになっていった。他の係の力も借りて、一から装飾作りを始めた。久しぶりの装飾作りにてこずり、初日にもかかわらず5時半に解散をすることとなった。残り1日。私にできる最大限のことをしようと思うと、たくさんのアイデアが浮かんできて、その日はすぐに眠れなかったのを覚えている。

次の日も朝から晩まで作業をして、ついにオープンデイ当日を迎えた。オープン15分前にもかかわらず、古本屋のあるハット前にはもう何人か列ができていた。オープンと同時にたくさんの方々が足を運んで下さり、クローズも1時間遅れとなった。何よりも、みんなが笑顔だったのが本当に嬉しかった。

どんな場所に置かれたとしても、その場所で自分がどれだけ頑張れるか。それが全てだと気付いた。
“置かれた場所で咲きなさい”
これが、今回のオープンデイが私に教えてくれた事だ。

(高等部3年生 女子)

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私にとって、今回は二回目のオープンデイでした。
去年は、初めてだったので、分からないことばかりでとても大変でした。でも今年は、私以外はみんなオープンデイを体験したことがなかったので、私がひっぱらなければいけない、と思いました。
今年の小学生企画のテーマは「クリスマスツリー」です。みんなで話し合い、調べる内容、分担を決めました。私は、クリスマスツリーに付ける飾りについて調べました。私もとてもくわしく調べたし、みんなも頑張ってくれたので、とても良い展示になりました。

今回のオープンデイでは、達成感のあることをしたい、と思っていたので、私は看板を描くことにしました。
何も描かれていない大きな板を目の前にしたとき、初めはとても緊張しました。でも、描いているうちにどんどん楽しくなっていきました。初めは真っ白だった板にどんどん色をぬっていき、やっと完成したときには、本当に気持ちの良い達成感を得ることができました。

オープンデイが終わって、後夜祭も終わって、閉会式を迎えました。審査の結果発表で「お客様の第三位はP5P6クリスマスツリー企画」と言われたとき、まさか自分たちが呼ばれるとは思っていなかったので、びっくりして泣きそうになりました。
お客様からも、たくさんうれしい言葉をいただきました。

今回のオープンデイは、私にとって、最高のオープンデイになりました。

(小学部6年生 女子)

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英国では寒さも厳しくなり、街や学校では、クリスマスに向けたイルミネーションが夜を彩りはじめました。
そんななか、立教英国学院の生徒たちはキャロリングを行いました。
立教英国学院のキャロリングは、しばらくの間、学校の中庭に集まり、生徒だけで行っていました。しかし、7年前からElmbridge Villageという学校の近くにある老後施設のコミュニティーのホールで歌を披露するようになり、地域の方々とともにクリスマスをお祝いすることができるようになりました。
“KON NICHI WA! GENKI DESU KA?”という地域の方々からの言葉に、生徒たちが「元気です!」と答え、今年のキャロリングが始まりました。

今年は日本語の曲と英語の曲、あわせて12曲を立教生全員で合唱します。
この日のために、聖歌指導員の高校3年生たちは、楽譜の用意や練習指導など多くの準備をしてきました。
OPEN DAYが終わったあとの毎週日曜日には、礼拝の後にキャロリングの練習をする時間が少しありますが、集中して練習ができるのは期末テストが終わってからです。
そのため、パートごとの練習はテストの直後からはじまり、入退場や全体での練習は本番前日に行います。
そんな短い期間の練習でも、小学生から高校生までの全員が自信を持って合唱ができるのは、聖歌指導員の3年生が中心となり、先輩たちが後輩たちを導いていくからでしょう。

当日は、生徒たちは練習以上に大きな声で楽しそうに歌い、聴いている方々も生徒たちの歌を聴きながら自然とリズムをとってくださいました。
曲が日本語であろうと英語であろうと、クリスマスキャロルのもつ「クリスマスを祝う」という想いを共有できた時間だったように思います。
最後には、聴きにきてくれた方々から”ARIGATO”の言葉とお菓子のプレゼントをいただき、学校に戻りました。

立教英国学院では、キャロリングをおこなった日の夜にクリスマス礼拝を行います。
夕方には地域の方々と共にクリスマスの喜びを分かち合い、夜には生徒と教職員でクリスマスを祝うことで、今日までの日々を共に過ごした人や、これまで守り支えてくれた人のことを想い、感謝する日となるのです。
期末テストを終え、長かった2学期が終わりに向かっていくなかで、これまでの日々を振り返り、新しい学期、そして新しい年へと気持ちを切り替えていく日となったのではないでしょうか。

20151203concert112月4日(木)に立教英国学院ではCHRISTMAS CHARITY CONCERTが行われました。定期試験が終了して、数日しか経過していないにもかかわらず、出演者は一人ひとりが最高のパフォーマンスをし、観客を大いに魅了しました。

立教で行われるコンサートでは、幅広い学年がステージに立ちます。高校生によるPIANOやEUPHONIUM, SAXOHONE, VIOLIN, VOCAL SOLOがあったり、小学生・中学生による合奏があったりします。美しい歌声をホールいっぱいに響かせたり、様々な楽器を自由自在に操り、音を奏でたりする姿は、普段と違って正に「演奏者」です。つまり、ただ単に歌をうたう、楽器の演奏をするというような表層だけをなぞったものではなく、曲の理解に努め、深層にまで入り込み、表現をしているということです。そうした姿勢があったからこそ、聴衆の感動を得られたのでしょう。前回のコンサートで、高校3年生は引退をしてしまったので、やや不安のある中での開催でしたが、高校2年生をはじめ、出演者全員が堂々と役割を果たしきりました。

今回の出来栄えも非常に高い評価でしたが、これからまた生徒たちは各々の技術に磨きをかけるべく、練習に励んでいくことでしょう。新たな曲にもチャレンジし、さらに、自分たちの可能性を広げ、次のコンサートにつなげてくれることを期待しています。

光陰矢の如し。高校一年で入学した私も、もう高校三年である。来る受験に向けての受験勉強の合間、一瞬勉強から距離を置けるのがオープンデイ準備期間である。

補習後、準備ができたのは僅か二日間。その間、如何に高校三年生として良いものを創るかという事が重要であった。私は古本を販売する事になった。自ら望んだ役職では無かったが、自分なりの最善を尽くす事を目標に、本の分類、内装の飾りつけ、掃除、模型製作など、前年までとほとんど変わらない事を、前年よりもより熱意を持って行った。高校三年ともなると、生徒同士の関わりは三年にも及び、互いの主張や意見、考え方も理解できるようになり、協調性が生まれ、また対立する意見の表面化を、中庸の考え方を出す事により、防ぐことが出来るようになっていた。この事には皆気付いていただろうと思う。

なんの障壁も無く、無事にオープンデイを迎える事の出来た私達だが、本番になると流石に皆緊張を隠し切れない様子であった。客が来ないと、二日間の努力は、完全にとは言わないが、水の泡となってしまう。今年は霧という生憎の天候故に、客は少ないだろうと考えている私を、私は見出した。

ところが、私の予想は良い方向に裏切られた。客足は途絶える事は無かった。それは閉店時間を三十分延長せざるを得なかった事にも表れている。何とも形容し難い、達成感のようなものを感じた。

高校三年生はオープンデイにおいては、あまりアクティヴに活動する事もなく、しばしば「縁の下の力持ち」と形容される。それは確かに事実であるが、今回のオープンデイは私がその言葉に持っていた印象を変える事となった。たとえ脇役であっても満足感と達成感は、主役と同程度、いやもっと大きいものであると思った。そういった意味でも、今回のオープンデイはとても有意義であった。

(高等部3年生 男子)

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