漢字コンクール。それは年に2回開催される漢字100問テストのことである。全校生徒と教員が一斉に夜の7限の時間に問題を解く。範囲は毎日取り組んでいる漢字小テストのテキスト一冊。毎日こつこつ勉強している人は日ごろの成果を一挙に発揮する日である。とはいえ、範囲は小テストに比べずっと広い。一度覚えた漢字も忘却のかなた、なんてこともあるだろう。さらに3学期の漢字コンクールは1学期に比べ難易度が高い。テキストの「読み」の範囲から「書き」問題が出題されるという。かるた大会、合唱コンクール、ミレースクール交換留学、アウティング、生徒会選挙…。多忙をきわめた3学期だったが、これが最後にしてもしかしたら最難関行事である。

時計の針が19:30を指すと、「始め」の合図。みんな真剣に漢字を書く。雑な字ではいけない。とめ・はねまでしっかりチェックがゆきわたる採点であることは事前に通知済みだ。いつもより丁寧に文字を書いていると、あれれ、いつもは書けるはずの漢字が書けない、なんてことも。いや、元から書けていなかったのか?もっと普段から丁寧に字を書かなくては。

毎回漢字コンクールでは「ウルトラC問題」があり、出題テーマが知らされている。今回は「海の生物」をテーマに難問が出題された。「猟虎」「水母」「烏賊」…事前に一生懸命に覚えた生徒はたくさんいただろう。実際に出されたのは「柳葉魚」「秋刀魚」「雲丹」など。こんな問題も出た。
問題97:オットセイは一夫多妻制だ。
「夫制」!?と一瞬考えてしまったが、これは勿論海の生物のオットセイ。書けた人は一体何人いたのだろう。

夜に行われた漢字コンクールの答案はすぐに採点され、夜中に成績優秀者が貼り出される。こんなに難しい問題でも、満点近い点数を出す生徒が多々いることに驚きである。毎年恒例の漢字コンクール。来年はもっと良い点数をとれるように、日々の小テストを真剣に取り組んでいかなくては、そう決意した夜だった。

3学期のギター部コンサートは高校1年生と2年生が一緒に演奏する1年で1度きりのコンサート。高校2年生にとっては最後のステージに、そして1年生にとってはデビューコンサートになります。
1、2学期同様、この3学期も学校行事が毎週のように入り、いつもは週末に行われるギター部のコンサートですが、今回は日程上、ウィークデイの放課後に行われることになりました。

授業が終わると早速ギター部の生徒達がホールに集まりステージ準備、そして観客である他の生徒達も徐々に集まり始め予定通り4時過ぎから演奏が始まりました。
最初は初めてステージに立つ高校1年生バンドが2組。緊張の面持ちながら堂々の演奏を披露。元気も初々しさも感動の演奏につながりました。そして次は高校2年生バンド。思えば1年前に同じようにデビューした彼らですが、今はすっかり貫禄と余裕が感じられる演奏で後輩達を魅了しました。
その後は高校1年生バンドと2年生バンドが何度か入れ替わって演奏を続け、約1時間半。最後の締めはなんと高校2年生の女子バンド。これまでのどの演奏よりも盛り上がって終わったのは流石でした。

大きな拍手はいつの間にか手拍子に変わり、何かを求めるシグナルに?… そして登場したのは高校2年生の男子バンド。最後を飾るのはやはりこのバンドだったか!と、きっと演出ではあるのでしょうが、素直に感動して終わった高校2年生ギター部のラストコンサートでした。

生徒会の代替わりの時期がやってきた。2月3日、生徒会役員選挙。
春の訪れより一足先に、高校2年生を中心とした旧メンバーから、高校1年生を中心とした新メンバーに自治活動の中心が移行する。

立教の生徒会は、高等部・小中学部を合わせた全学年から役員を選出し、組織される。
球技大会、オープンデイといった年間の行事の運営から、毎日の朝の体操まで、様々な形で学校生活に関わる。地味な仕事も多いが、全校生徒の活動の軸となる責任は非常に重い。

立会演説会は午後1時半より開始。全校生徒が見つめる中、壇上に立った立候補者が
それぞれの思いを語った。
「大好きな立教をよりよくしたい」「自分を変えたい」「皆の学校生活を支えたい」。
あの生徒が、こんなに情熱を持って学校のことを考えていたのか、と驚くこともあった。
演説を聴いていた生徒達も、きっと同じ驚きを感じる場面があったはずだ。
生徒同士、普段からよく知っている仲であっても、自分の考えや思いを伝える機会は意外と多くなく、とても勇気がいることである。
しかし、立候補者達は皆、堂々とした演説でその壁を乗り越えた。演説ごとに拍手が起こり、2時間を超える演説会が最後まで緩むことなく進行したのは、生徒全員が立候補者たちのそんな勇気をよく理解し、たたえていたからであると思う。

続いて、生徒達からの質疑。
「生徒会は生徒の模範とならねばならない。その覚悟があるのか」「公約を果たせなかったらどうするのか」。
厳しい質問が投げられる。特に旧生徒会のメンバーからの質疑は重みがあった。彼らも、1年間の任期中にできたこと、やりたくてもできない、悔しい思いがあったに違いない。
その思いを、立教を本当にこの立候補者達に託して良いのか、真剣に定めようという姿勢が感じ取れた。

ある応援演説の生徒の言葉がとても印象に残っている。
「普段の彼のイメージから来る先入観ではなく、この場での彼の演説と公約によって判断してください」
民主主義が正しく機能するために必要なことのひとつだ。
学校は小さな社会である、と改めて感じる場面であった。
この立教では、小さな社会ではあるが、しっかりと機能していると、はっきりと言える。

夕食後、投票結果が教室棟に張り出された。第43期生徒会、新しい代の誕生である。
これからの1年が、彼らの情熱によってどのように形作られていくか、とても楽しみに思う。

1月24日から、地元ホーシャムにあるミレー・スクールの生徒10名が立教英国学院に短期交換留学にやってきた。これは立教生が春休みにミレー・スクールに短期留学する前に、まずミレー生が立教に来て一緒に寮生活を送るというものである。最初はお互いに緊張した様子のミレー生と立教生であったが、それもつかの間、みるみる距離が縮まっていった。

ミレー生には1週間、立教の日常をしっかり体験してもらった。「立教の日常」というのは外の世界の人からすると独特なものばかりであろう。毎日同時刻に全員が共にする食事や礼拝、早朝のラジオ体操、1ペニーまで大事にしたいスクールショップ、授業にブレイク。初めて立教に来た人は誰もが戸惑う「立教の日常」をミレー生たちは新鮮な気持ちで楽しんだようである。迎える側の立教生らは英語での説明に苦戦しながらも、上手にミレー生に立教を紹介していた。

ミレー生には特別に日本の文化を知るプログラムも用意された。茶道、書道、日本語講座、日本のポップミュージック紹介、抹茶クッキーづくりなど。どれも興味深々で活動するミレー生の意欲にこちらが刺激をもらうことが出来たように思う。

また、交換留学が行われた週は行事が盛りだくさんでもあった。立教に来た最初の夜は、全校かるた大会があった。上の句と下の句を記憶していないと札がとれないことを説明すると、ミレー生は驚いて、札をとる生徒に感心していた。その次の日の全校合唱コンクールでは、ミレー生も観客として参加し、審査員として特別な賞も用意してくれた。

交換留学の終盤では、ミレー生と立教生バディによる発表があった。ミレー・スクールと立教英国学院の違いについてのプレゼンテーションや、元気いっぱいのダンスのパフォーマンスが披露され、夕食後の食堂は大いに盛り上がった。発表している生徒達から、1週間の間にバディ同士が心通わせる仲になったことがひしひしと伝わってきた。

1週間はあっという間に過ぎ、さびしい別れの時がやってきた。最初は話題探しが必要だった仲が、今では共通の話題がたくさん出来て話し足りないほどになった。次に会う約束をしながらミレー生はそれぞれの場所に帰っていった。
春には、立教生がミレー・スクールへ行く番となる。ミレー生がくれたパワーを立教生もお返しできるように、残りの3学期を過ごしていけたらいいだろう。

私は、百人一首が好きです。決して歴史が得意な訳ではありません。しかし、歌の意味さえわかれば、作者と共感できたり、歌が詠まれた時代背景を知ることができ、面白いなと思ったのが興味を持ったきっかけでした。また、イベントでは人一倍負けず嫌いなので、どうせやるならたくさん覚えて、片っ端から札をとってやろうと思ったのです。

思い立ったら即行動に移そうと、暗記カードを作りました。最初は、インターネットで語呂合わせを調べようと思ったのですが、以前倉品先生から「何事も自分で考えた方法が一番やりやすい。」とアドバイスを頂いたのを思い出し、自分で頑張りました。極度の面倒臭がりの私が、ここまで努力するのは珍しく、勉強に対してもこれくらい真面目な態度で取り組めたらなと思いました。

今回の百人一首大会に向けて頑張ることで、一つ自信につながりました。目標を立ててそれに向かって進み、やり遂げた時の達成感はものすごく気持ちが良いです。ですから、もっといろんなことにチャレンジしてみたいと思いました。

あとわずかな立教生活で私ができることは何か。やり残したことはないか。じっくり考えなければならない時なのだと、つくづく感じています。私の今の理想は、しっかり者の後輩から頼られる最上級生になり、胸を張って卒業することです。まだまだ長い道のりですが、いつかはそうなれるように努力します。
とりあえず、次は漢字コンクールで良い成績が修められるように頑張ります。

(高等部2年生 女子)

1年間の中で最も短い3学期。ですが、行事は盛りだくさん。この日のために、H.R.で小テストを行ったり、休み時間に練習をしたりする姿も見られました。しかし、翌日に控えた合唱コンクールに向け、学校中に響きわたるきれいな歌声。百人一首大会へ臨む準備はできているのでしょうか。

そんな心配は必要ありませんでした。剣道場に集まった生徒たちは真剣そのものです。1枚でも多くの札をとるため必死です。独自の覚え方を復習する、絶対に自分がとると決めた札の位置を確認する、チームで自分のとる範囲を決めチームワークで戦う、作戦はさまざま。

百人一首が始まると喜びや悔しさで会場は大盛り上がり。2回戦と3回戦の間には30分のブレイクがありましたが、休み時間中も先生が札を読み上げると、友だちや先生と百人一首の周りに集まり、真剣な表情でかるた取りを楽しみました。百人一首をとるだけでなく、休み時間の後半になると、先生からマイクを借りて読み手で活躍する生徒も登場しました。堂々とした節回しで百人一首を読みあげる姿には、いつどこで練習をしていたのだろうと感心させられました。

他の行事の準備や部活動、勉強で忙しくとも、全力で百人一首という目の前の行事に取り組む子どもたちの姿はとても輝いて見えました。「来年はもっと頑張る!」「来年は絶対に○○に負けない!」と次回への強い意気込みも感じられます。2015年の良いスタートとなりました。

1月25日(日)、立教英国学院に素敵な歌声が響きました。全校合唱コンクールです。
先学期の最後に曲決めを行い、新学期が始まったその日から本番当日まで、どのクラスも毎日一所懸命練習してきました。その甲斐あって、学年、人数を問わずすべてのクラスがとても素晴らしい合唱を披露してくれました。

P5,P6,M1,M2は皆で一緒に卒業の定番ソング「旅立ちの日に」を元気いっぱいに披露し、M3はJ-popでGreeenの「キセキ」を、ラップも入れて歌い上げました。H1-1は「時の旅人」をパフォーマンスも入れながら楽しく歌い上げ、H1-2は情感のこもった「栄光の架け橋」で聴いている人の心を震わせました。H2-1は「明日への扉」を感情豊かに歌い上げ観客の涙を誘い、H2-2はほろ苦い青春の思いを「青いベンチ」の歌にのせて客席へ届けました。高校生たちは、流石としか言いようのないくらい素晴らしく完成度の高い合唱を披露し、どのクラスも本当に甲乙つけがたいものでした。そして何よりも、歌っているときの生徒たちの表情がとても生き生きとしていたのが印象的でした。

合唱コンクールは生徒会主催の行事です。合唱コンクールがこれからも、生徒達自身の手で自分達が生き生きと輝ける場をつくりだす、そんな行事であり続けていってほしいと思います。
生徒の皆さん、素敵な歌声をどうもありがとうございました!また来年も素晴らしい歌声を聴けるのを楽しみにしています。

1月18日(日)にセンター英語試験が校内で行われました。
センター試験が実施された次の日の夜7限の時間に、小学生から高校生までの全学年がセンターの英語問題を解きます。
これも英語技能試験などと同様、自分の英語の到達度を見るため、また、入試を意識させる目的で、早い段階から行っているものです。

現時点での高等部2年の平均は、約6割弱と言ったところ。
最高点は高等部1年生で194点、続いて高等部2年生が190点を出しています。
立教生の武器はやはり英語です。日ごろの主にイングリッシュコミュニケーションを通して得られる高いリスニング、スピーキング力だけでなく、きちんと日本の入試にも対応した勉強ができているといえると思います。
来年の実際のセンター試験では、英語を武器に、他の教科も高い得点を目指し、難関大学に合格していってほしいと願っています。

今回の冬休み、家族で初めてハワイに出かけた。海の色は日本の海と全く違うエメラルドグリーン色、サラサラのパウダーサンド、心地よい貿易風。世界中からたくさんの観光客が足を運ぶのも納得の、きれいな浜辺だった。

街中を歩いている時、たくさんの異国の人を目にした。アジアの人、オセアニアの人。皆英語で会話しているのを見て本当に英語は世界共通語なんだと強烈に感じた。いつもはイギリスでイギリス人が英語(母国語)を話すのは当たり前、私は日本人なのだから話せなくても当たり前だと思っていたが、それがちょっと言い訳がましい考えだったと思えるくらい、その光景はインパクトがあった。自分も英語をもっと勉強しないといけないなと焦る気持ちを覚えた。

現代は交通の発達や貿易などによる経済のグローバル化や国際協調により、どの国でも外国から来た異民族がいるので、ほとんどの国が多民族国家である。英語力が求められることが多くなってきている。そんな中、日本は珍しく単一民族国家に近い。

単一民族国家だと何が問題なのか。例えば少子化が進行している日本では国内でモノが売れなくなる。消費人口が減ればそうなるのは当然のことだ。これからお金を使う世代、つまり子供の数が減るということは、学校をはじめ、衣食住全てにおいて消費が減る。そうなればお金が流通しなくなり、経済そのものが縮小していくと考えられる。そうなってくると国内だけでは経済が成立しない。だから企業が海外の市場に目を向けていくのはごく自然な流れだと思う。

国内のヤマダ電機に行けば、そこにあるのは日本企業の製品ばかりだが、海外の市場に多く並んでいるのは韓国製ばかり。日本の製品は良いと言っている人が多い中、韓国製品を買う人が増えているのはなぜか。原因のひとつに、売り方に問題があるらしい。日本人の売り方の下手さ、英語の下手さが原因のひとつだ、と批判されているのはなんとも耳が痛いことだ。

ユニクロや楽天が社内公用語を英語にしたというニュースを聞いた。その時点では正直その取り組みについてその有用性を実感できなかった。しかしこれは、
「世界で通用しない従業員はいらない」
と言ったのと同じ事であると気づいた。将来自分が求められる人材になるにはどうしたらよいか。それは技術や知識も大切だが、世界共通語となった英語でしっかりと自己主張できることであると思う。

もちろん自分にとって、今の時点で英語で会話する事は簡単ではない。しかし今私はイギリスに留学していて、日本人学校ではあるが、日本の学校に比べたら英語を話す機会や授業は多い。だからこの環境を有効に活用出来るように工夫をしなくてはと思う。自分の取り組み方と気持ちを変えれば大きなリターンを得ることが可能なはずだ。

これからは英語の勉強にもっと積極的に取り組んでいこうと真剣に思える冬になった。

(高等部1年生 女子)

先週末に日本英語検定協会の実用英語技能検定が行われました。
土曜日は準1級に14名、1級に2名が挑戦。そして翌日曜日には、準会場となっている本校で、2級28名、準2級9名、3級4名の生徒が受験しました。

毎学期校内で受験出来る英検ですが、ここ数年毎回数十名の生徒達が挑戦しています。前回合格したのも束の間、早くも次の級に挑戦する強者もいれば、しっかり時間をかけて勉強し準備万端で臨む者、前回惜しくも合格出来なかった級に再挑戦する者などその内訳は様々。いずれにしても本校で英語学習を進めていく上でひとつの大きなモーティベーションになっていることは確かです。本校ではこの他にケンブリッジ英検も受験出来るので、生徒達はそれぞれの目標を設定して計画的に英語資格の取得を目指しているようです。

折しもその週末から地元の現地校生徒10名が短期留学プログラムで本校に滞在しています。正に「生きた英語」に触れ、習った英語を実際に試すことが出来る貴重な機会ですが、参加生徒達がよく言うことは「言いたいことが思うように言えない。もっと語彙を増やして普段の勉強もちゃんとやらなきゃ…」というもの。

ただ片言で英語が話せるだけではダメ。自分の主張を英語で伝え、お互いの文化について語り、協力してさらに大きなタスクをこなしていける英語力を身につける為には地道な努力と勉強がやはり大切であることを実感するそうです。
その一つの目安になり、目標にもなる資格試験は、「生きた英語」習得を目指すステップとして大いに役立っているようです。

ページ
TOP