お〜。手を止めて中一の教室を見回した。そこはいつものようなあの殺風景ないすと机だけの世界ではなくて、まるで絵本の中に入ったようなあざやかな魔法の世界のようでした。
みんなで力を合わせてやったクラス企画、それは決してすぐに出来る物ではない。ということは分かっている。実質、僕だって頭がいたかったし、鼻血も出た。けれども、もっともっとがんばれるような気がしてしょうがなかった。ものたりないような心のザワザワがおさまらない。そこには後かいもあったと思う。もっとがんばれたはずなのに、サボってしまった自分がいた。このクラスは僕にもっときれいにしてとさけんでいた。もしかしたら、僕がこの教室にかけたのは、魔法ではなくて、呪いだったのかもしれないと思うと現実がこわくて、現実から逃れたくて、でも逃げられなくて、心が力士にのられたみたいにペチャンコになってなにも言葉が出なかった。
クラスの企画は、そのクラスを表している、とよく耳にするが、それは本当のことだと思った。がんばればがんばるほどすてきな物になる。みんなオープンデイという名前の一日のためにがんばって教室に魔法をかける。一人一人ががんばれば、それはとてもすごいものになるが、毎日のつらい作業から逃げてしまう人がいれば、とてもショボイものとなってしまう。それはまるで子供のようなものだと思う。今回のオープンデイは僕に大切なことを教えてくれたと思う。人間はどこで、誰から「サボり」というものを教えられたのだろうか?
(中学部1年生 男子)

冬休み前の木曜日、クリスマスチャリティーコンサートが行われました。7時30分のコンサート開始時間前には近隣の方や保護者の方、たくさんのお客様がいらっしゃいました。このコンサートは音楽のプライベートレッスン、コンサートバンド、クワイヤー、音楽の授業などの成果の発表の場でもあります。

バグパイプの音色で始まったコンサート。会場が暗くなるとニューホールには毎年高校3年生が飾る大きなクリスマスツリーのライトがきれいに輝き、会場からは「おー」っという声が聞こえます。
さまざまな曲にいろいろな楽器や歌で登場する生徒、普段の学校生活からは想像できないような演奏をする生徒、たくさんの驚きや感動がありました。

インターバル後は中学部のクラスアンサンブルです。小学部、中学部1年生は”JOY TO THE WORLD”、中学部2年生は”WINTER WONDERLAND”、中学部3年生は”ANGELS FROM THE REALMS OF GLORY”と”SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN”を発表しました。どの演奏も1学期末のコンサートよりも子どもたちの成長を感じられるものでした。

舞台上に飾られたクリスマスツリー、たくさんのお客様、仲間の演奏を聞く生徒、演奏者…どれが欠けてもクリスマスコンサートは成り立たなかったでしょう。コンサートが終わると心が温かくなり、そして、クリスマスがもうすぐのように感じられました。翌日のキャロリングで訪問するElmbridge villageからのお客様からは、このコンサートで聞いた”SING LULLABY”を翌日もう一度歌ってほしいとのリクエストがありました。お客様から会場で集まった募金はShooting Star Chase and Christopher’s Children’s Hospiceに寄付されます。たくさんの方にすてきなクリスマスが訪れますように。

12月6日。立教英国学院は第2学期終業礼拝の日を迎えました。
透き通るように冷たい朝の空気はやさしく、どこまでも見渡せるように澄み切っていて、冬のにおいが切ない気持ちにさせます。今日は高校3年生の”卒業の日”。いつも通りの時間に起き、いつも通りに規律正しい立教の一日の始まりです。卒業式だからといって浮き足立つことなく…。高校3年生にとっての、最後の「いつも」から一日は始まりました。

終業礼拝、高3生はみなきりっとした表情でまっすぐ前を向いていました。ぴんと張った背筋には、後輩に何かを残したい、そんなメッセージがこもっているようでした。その背中には、それぞれの立教生活の思い出が詰まっている。でもそれだけではなくて、チャペルの中は、今日から始まる新しい人生への期待の気持ちで、エネルギーに満ち溢れていました。そのエネルギーを感じて、後輩たちもまた、大きな背中をまっすぐ見つめています。

各担任からの祝辞では、高3生の立教生活が振り返られ、思い出に温かい気持ちになりました。ここにこれからもずっといたい。そんな気持ちがないといえば嘘になる。それでも、新しい人生に向かって、ここを飛び出していかなくてはいけない。そんな決意の最後の一押しをするようなメッセージに、気丈にふるまっていた高3生の多くの目から涙がこぼれていました。

4月には、いつもと違うネクタイの色に、自分も、周りも、違和感を覚えていたかもしれません。でもいつのまにか、立教生であることを毎日少しずつ実践していく中で、そのネクタイは自分の一部になっていく。いつの間にか、青ネクタイが似合わなくなっていく。そして今日、今までで一番似合う赤ネクタイを締めた高3が、それを外す時が来ました。

3学期からは、高校2年生がテーブルマスターやアコライトなど、高3生が務めていた仕事を引き継ぎます。ただし、最高学年だからといって、まだ赤ネクタイは付けられません。1学期間、高3生の意志を受け継ぎ、最高学年としての決意を固める”期間”が与えられます。

3学期の始まる日、新しい立教に帰ってきた生徒たちはどんな顔をしているのでしょうか。新しい立教がまたスタートします。

ハァ。行きのバスの中でため息をつく。サッカー部という理由で来てしまったサッカー観戦だが、プロ、ではないから、あまり見る気がしない。プロとアンダー21は違いすぎる。それはプレーというものもあるかもしれないが。まず施設、それからなんといっても観客数だ。なぜプロのサッカーは見ていて楽しいのか、それは、観客の数が物を言うと思っている。あの声、そしてあの盛り上がりは全部人がつくっている。だから”人”が少ないと当然賑わわないで、応援しているチームがシュートを決めても全然感動しない。と思っていた。

チェルシーのスタジアムに着くと、その大きさにびっくりした。チェルシーだから、すごいだろうなと思っていたが、実際に行ってみるとすごい。でっかい建物が適当に、ボン、ボン、と置いてあるようだ。そのスケールに僕は口が閉じなかった。そしていよいよアンダー21のチェルシーとマンチェスターユナイテッドの試合だ。観客は思っていたよりも少なく、僕が小学生のころにやっていた地元の少年サッカーのチームの練習試合のようだった。しかし、プレーがすごい。チャンスはのがさず、シュートをバンバン打ったり、しかしあまりハデなプレーではなくて、見ていてもあきなかった。

プロとは少し違っていたが、プロ同様に気付いたら応援していた。最初はあまり行きたくなかったが、行ってみるとやはり違った。なるべく文句を言う前にやるということを意識して冬休みを迎えたい。

(中学部2年生 男子)

人見知りな僕にとって、とても大きなチャレンジだった。突然会った人と一週間も一緒に過ごすなど、昔の自分では考えられなかった。
チャレンジしようと思ったきっかけは、イギリスの同じ年頃の生徒がどんな風なのかとても気になったから。人をみれば、これからの自分の将来を考えてゆく上でなにかヒントがえられるのではないかと思いこの交換留学に参加しようと決めたのである。
もちろん、語学の学習のためでもある。実際にネイティブスピーカーとコミュニケーションをとるということは自分の英語の習熟度を上げ、自分の体に英語というものを覚えさせる上でとても大きな役割を果たしたように思える。
交換留学において大切なこと、それは信頼関係の構築である。異文化の中で何もわからず生活するのだ。自分の相方への信頼は絶対的に必要不可欠となってくる。
しかし、人間、突然会ってもすぐにうまくゆくものでもない。流れをつくって、徐々に会話量を増やし、相手について情報を集める。
積み重ねてゆくことが大事なのである。
しかし、一つ気を付けねばならないこと、それは、相手の生活習慣、文化、違いを受け入れ、いかにこの普段と違う生活の中で困ることのないように暮らせるかに気をくばることである。
とても骨の折れる作業だが、改めて自分達の生活がどのようなものであるのか、再認識することができた。自分達が当たり前のようにやっていること、行動、考え方について自分自身を顧みる良い機会であった。
この交換留学を通して感じたことが一つある。今自分達のやっていること、そのすべてが正しいわけではないのかもしれないということだ。
バディの子に学校生活の違いをきいた。全く違ったものだと話していたのを覚えている。
それは国が違えばカリキュラムも、教育についての捉え方も違うかもしれない。だがどちらの方が正しいなどということはなく、それぞれにそれぞれのメリット、デメリットがあると思う。
したがってそれぞれの良いところを採り入れてゆくのがより良い方法ではないかと思った。
これはつまるところ、日本、イギリス両文化においても言えることである。
違いを理解し受け入れ、協力することによってより良いものへと昇華させてゆく。
今、世界各国の国際協調性が重視される時代である。
異文化を受け入れる、これこそがまさに必要とされているものではないだろうか。

(高等部2年生 男子)

今回のオープンデイでクラス企画は最後だということを念頭に置いて私は夏休み前のクラスの話し合いに参加しました。話し合いではクラス企画ができる最高学年としてお客様たちの印象に残るような奥の深いテーマがいいという意見が多数派で、「愛と生命について」という高2らしいテーマになりました。

「愛と生命」というテーマが少し広すぎるため、私たちは内容を「脳死について」「なぜ人を殺してはいけないのか」「デザイナーベービー」など具体的な5つのテーマに分け、班を作って夏休み中にある程度調べてくることにしました。

2学期に、班ごとに調べてきた内容をクラスに発表し、全員で話し合いをしました。なので、今回のオープンデイの模造紙はクラスみんなの意見の入ったすごく良いものになりました。テーマについて話し合っていると、生命の尊さや自分たちが今どれだけ恵まれた環境で育っているかを改めて感じることが出来ました。「生命」について話し合っていただけに時には重い話もありましたが、学級委員を中心に上手くクラスの意見がまとまったと思います。

オープンデイの準備の段階でちょっとしたトラブルはあったものの、立教では珍しい模造紙重視のちょっと斬新なクラス展示が出来上がりました。総合優勝には届かなかったけれど、お客様賞1位、模造紙賞2位と、欲しかった賞は取れたのではないかと思います。

当日クラス展示の出口の白板に設置した真っ白なマインドマップ。訪れたお客さんに自由に記入していってもらいましたが、それが徐々に埋まっていくように、クラスの団結が少しずつ感じられたオープンデイでした。

(高等部2年生 女子)

11月中旬に、今年から新たに交換留学提携校として加わったThomas Hardy School の生徒5名と引率のガラハー先生が本校に5日間滞在しました。本校の生徒5名がバディとしてペアを組み生活を共にした訳ですが、初めての日本人学校での体験は彼らにはとっても刺激的だったようです。
その一部始終を綴った「立教英国学院体験記」がThomas Hardy School のホームページに掲載されていますのでご紹介します。

リンクはこちらです

私にとって最も印象に残ることになった5回目のフリープロジェクト。中1のころはダンス企画で、中2から高2まで劇企画であった。どの年の練習風景も多少なりとも思い出すことが出来る。しかし、今年は一味違った。何せ、高2というのは企画の中で最高学年である。そして私は企画長でもあったからだ。
劇やダンス、ダブルダッチといったお客様に楽しんでもらう事を中心とした企画は、企画員皆で成功を目指さなければならない。全員が一つにまとまるというのは想像以上に大変なことであった。高2の劇企画は全員で6人だったのだが、何度もめたか分からない。皆一様に自分が正しいと思っているので、どのように意見をまとめたら良いか幾度も悩んだ。しかし、私も自分の意見が正しいと思っていたので、意見をまとめるのはより難しくなる。自分が部長であっていいのかという自問自答を幾度も繰り返した。パソコンで「部長の在り方」を調べたりもした。検索結果は様々であり、演劇部で同じような境遇に悩んでいる人がいるということも知ることができた。もちろん、高3の元演劇部長に相談するということもしたのだが、演劇部自体新しいものであり、先例が1人しかいない。パソコンには「部活がまとまらない場合は」といった内容のアドバイスがたくさんあり、幾つか参考にしたりもした。

結局オープンデイ前日まで自問自答は続いた。しかし、その時の友達の存在とはおおきいもので、無条件に聞いてくれた友達は、いつもの友達ではなく、頼り甲斐のある友達へと変わっていた。

劇の練習は、発声から始まり演技へと移っていく。最初の方は、台本無くしてはセリフを言えない不安定な状態であったが、練習を重ねるにつれ、「演ずる」ではなく「役になる」ということを心がけて練習できるようになった。練習自体は辛いこともあったけれど、出来るシーンが増え、繋げていける喜びは大きいものであり、辛さを柔げてくれるものであった。リハーサルは、皆一様に緊張して早口になることもしばしば。当日は、私たちの集大成を見せることが出来たように思う。後夜祭の盛り上がりはさすが「立教生」と言ったところ。歌うシーンでは、自然と手拍子がとられたり、笑い声も大きかった。笑いが中心の劇であったので、会場に笑いが起こると、舞台裏で待機していた人たちの顔は自然と綻び、舞台上の人たちはきっと心の中の気持ちを必死に抑えていただろう。ハイな会場は私たちにとっては心地良く、普段よりも演じやすかった。
1時間の劇はあっという間に終わり、その日の夜は結果発表だった。1位を取ることは叶わなかったものの、最後は笑顔で終わることができたのが何よりも嬉しかった。これで私の企画長としての任務は終わり、部長としての大仕事が終了した。この後は引退公演に向かうことになる。結局部長とは、このオープンデイという大仕事を越さなければ真に理解することはできないように思えた。皆が一番辛いと感じるオープンデイ準備期間中に、部長として全員のモチベーションを上げることが出来たのなら、自然と部活はまとまるように思える。まだまだ、学ばなければならないことは沢山あるが、私が部長兼企画長としてこの1週間で学んだことはそれである。
(高等部2年生 女子)

爪についていた色とりどりのペンキも、すっかりきれいになり、準備期間中はこの洗っても消えてくれないペンキたちにムカついていたが、こうやってきれいになった手を眺めているとなんだか寂しい今日この頃。

私の文章力では伝えきれないほど、本当にたくさんの感動が詰まったオープンデイだった。クラス企画に劇企画… 色々なことが毎日のように起こったけれど、振り返るとどれも良い思い出となっている。

「命」について考えるテーマだった高2ー1のクラス企画。重いテーマだったがために、クラスでは皆で何時間も話し合った。どのテーマをとっても、答えがあるのかもわからない難しいテーマだったが、それぞれのグループがきちんと意見をまとめ上げていたのは、さすが高2。高1では無理だったと思う。賞よりも「伝える」ということを意識してやってきたお陰か、当日は、受付をしていると大勢のお客様から、「すごいね、」「考えさせられたよ。」など、沢山の声を頂いた。頑張って良かったな、… その時に一番強くそう思った。

最後のクラス企画、何より楽しめて良かった。そして、ずっとクラスを支えてくれた学級委員の2人に感謝したい。2人とも、ありがとう!
来年のオープンデイまであと1年。高3になっている訳だが、またうずうずしながらオープンデイを待つことにする。

(高等部2年生 女子)

先日校内で実施された日本の英語検定試験に続き、今度はケンブリッジ大学の英語検定試験が本校で行われました。期末考査が始まる直前でしたが、例年通り多くの生徒が挑戦しました。

本校では中学生はKey English Test (KET)、中3から高校の最初でPreliminary English Test (PET)、そして高校を卒業するまでにFirst Certificate in English (FCE)の取得を目標に学習を進めています。このFCEは日本の英検で言えば準1級にあたるもの。大学進学にも通用する上級試験です。例年は6月にしか受験できませんが、今年度は日程上11月にも挑戦することが出来ました。特に今年は6月の試験で高校3年生を中心に沢山の生徒がこのFCEに合格したため、それがよい刺激となってか、多くの生徒が受験しました。

週に4時間ある英会話の授業ではSpeakingやListeningを中心に日頃からイギリス人の先生に鍛えて頂き、さらに夜の自習時間にプラクティスブックなどを使って自主的に勉強を進めます。中にはプライベートレッスンのイギリス人の先生に頼んでずっと練習を積み重ねてきた生徒たちもいたようです。

そして試験当日。まずはペアの相手との会話やその場で読んだり見たりしたものを英語で表現することを通して英語運用能力が試されるSpeaking試験。そして次に、日を改めてReading、Writingの筆記試験とListening試験が行われます。上級試験のFCEの場合は朝9時から夕方4時過ぎまでほぼ丸1日をかけて行われるので受験生たちも試験後はクタクタだったようです。

今回が初挑戦だった人、前回のリベンジで再挑戦の人、一つ上の試験に挑戦する人と目標も思いも様々でしたが、期末試験直前にもかかわらずこれだけの試験を受ける意気込みは皆共通。努力の成果が、クリスマスプレゼントとして知らされるのを待ちつつ、今度は学期の締めくくり、期末試験に挑みます。

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