僕は今回初めてアップルデイに行った。一昨年と昨年は部活動や英検で行くことができなかったので、今年こそはと心に決めていた。

話には聞いていたが、行ってみると、それは本当に地域のお祭りであった。芝生の広場に出店があるだけで、なんだか日本に住んでいた頃の三丁目祭りを思い出した。

ここで2時間も楽しめるのかと疑問に思った。しかし、豚肉を食べたりハンバーガーを食べたりしているうちに考えが変わった。リンゴジュースの試飲を勧めてくるおじさんや、手作りの人形や鞄を売っているおばさんを見て、人と人との距離が近いお祭りの良さを感じることができたからである。

走り回っているちびっ子や、お肉を貰いたそうにしている犬を見て、とても心が癒された。そして、ホストファミリーと会うこともできた。手作りの鞄を売っているおばさんが話しかけてきたと思えば、以前お世話になったホストファミリーのレベッカさんであった。最後には顔にスパイダーマンのペイントをしてもらった。

本当に今回アップルデイに行くことができてよかったと思う。おいしいものを食べることができたし、とても楽しかった。一緒に楽しんでくれた友人たちにもありがとうと言いたい。立教での思い出がまたひとつ増えた。

(高等部3年生 男子)

10月の第2日曜日。今年も近隣の村であるRudgwickでアップルデイという催しがありました。

その名のとおり、アップルデイはりんごのお祭り。会場に着くと大量のりんごをその場でつぶし、ジュースにしている様子が目に入ります。
芝生のグラウンドにはいくつかテントが建っており、そこでは手作りのお菓子や雑貨、村の農場で作っているチーズなどが売られています。
特に人気だったのはりんごあめ。日本の縁日を思い出し、「お祭りに来たのだ」という感覚が高まりました。
日本でもこの季節は収穫祭があるところが多いのではないでしょうか。収穫に感謝するというのは、国を超えて共通する感覚なのですね。

“Do you know Rikkyo School?”
中1の生徒が覚えたての表現で英国人に話しかけます。3週間後に迫ったオープンデイ(文化祭)のチラシを配るためです。
臆すことなく英語を話す姿は、1学期からの成長を感じさせました。
以前ホームステイをしたホストファミリーと再会し、話に花を咲かす生徒も見受けられ、どの生徒も村の人々との交流を楽しんでいました。
最後にはフェイスペイントで誰が誰だかわからなくなるほどすっかりお祭りを満喫した生徒たち。イギリスの文化をまたひとつ体験するいい機会になりました。

10月11日(土)・12日(日)と2日間にかけて英語技能検定が実施されました。

今回は4級が4人、3級が7人、準2級が14人、2級が34人、準1級が25人、1級が3人と、合わせて約90名、全校生の半数以上が受験に臨みました。またその内訳は、中学生6名が2級を、準1級は高1が9名、高2が6名、高3が10名、1級に関しては高1が2名、高2が1名と、どの学年を見ても、英語に対する高い志を持ち、日々英語学習に励んでいることがわかります。

生徒たちは、日々の授業とその宿題や復習に追われる中、部活動やオープンデイ活動をしながら、英語の技能をも向上させることに余念がありません。それぞれ中学部や高等部を終えるまでにどのくらいの英語力をつけておきたいのかという自分なりの目標を持って、一歩一歩着実に力をつけていく――そんな彼らの姿から、頼もしさと限りない可能性を感じます。
なにはともあれ、今回の英検で一人でも多くの生徒が合格することを願ってやみません。

10月10日(金)、今にも雨が降り出しそうな曇り空の中、気分を上げてコーチに乗りこみさあ出発。最初の目的地は貴婦人の城とも呼ばれるリーズ城です。
お城に到着する前に、まずはサービスエリアで昼食タイム。本当はお城の庭でピクニックをしたかったのですが、とうとう雨が降ってきてしまったので予定変更。降り出しても比較的すぐに止むのがイギリスの雨ですが、さてお城に着くまでに止んでくれるでしょうか・・・。

サービスエリアを出発してお城の敷地に到着。ここからお城まで広大な庭を歩いていきます。傘をさしながら、黒鳥が泳ぐ池の上の橋を渡って、小人が雨宿りに使いそうな巨大な葉っぱの脇を通って進んでいくと、だんだん雨が止んで雲間から太陽の光がさしこんできました。お城に辿り着いた頃には青空に。目前に広がる緑の芝生と青い空の中に佇む白いリーズ城の姿はとても美しく、イギリスで最も美しい城のひとつと言われているのも納得です。

城内に入り、女王の部屋や王家の肖像画が壁一面に飾られたギャラリー、ヘンリー八世の最初の王妃の寝室などを見学しました。天蓋付きの大きなベッドを見て、生徒からおもわず「こんなベッドで寝てみたーい」の声。さすがに寝るのは無理なので、ベッドと一緒に記念写真を撮りました。

庭園には巨大迷路。誰が一番にゴール出来るか競争です。ですがこの迷路、なかなか難しく一筋縄ではいきません。「やったー!」と先にゴールした生徒の声を聞いて、悔しそうな顔をしながら走り回る生徒たち。ゴールの先には洞穴が。ここを抜けないと迷路の外に戻れないのですが、この洞穴、普通の洞穴ではありません。なんと錬金術や化石、貝殻、木を使って神話の生き物や不気味な造形物が作られていて、なんとも奇妙な地底世界が広がっているのです。「怖いー!」と叫びながら、皆で地底世界へ足を踏み入れたのでした・・・。

無事に全員外の世界に戻ってこられたので、さっそく次の目的地チャタム造船所へ出発。本物の大きな戦艦や潜水艦の中を探検しました。映画の中でしか見たことのない世界を目の前にして、生徒たちは大興奮。中でも、なぜか潜水艦のトイレがやたら興味を引いていました。トイレやキッチンなど私たちの生活の場にあるものと同じものを見て、なかなか想像しがたい潜水艦での生活も、ぐっと現実味を帯びて感じられたのかもしれません。

最後はブルーウォーターというショッピングモールで、買物と夕食を楽しみました。みなさん、一日お疲れ様でした。おやすみなさい!

ケンブリッジ大学--いわずと知れた世界でも有数の一流大学であり、またダーウィンやニュートンらを輩出した名門大学でもある。知性あふれる街並み、ケンブリッジ――そんなイメージを抱きながらアウティングに臨んだ。

着いた先は、落ち着いた、こぢんまりとした街であった。固く閉ざされた研究室、帽子をかぶり、本を片手に歩く人々、知識人が暮らす街――そんなイメージとは違い、小さな川が流れる、黄色いレンガの伝統ある建物に囲まれた親しみやすく、明るく、美しい街並みがそこにあった。そして、難しそうな本を片手に知的な学生がうろうろしている、なんてことはなく、自転車が狭い道を鳥のように駆け抜けていく、そんな街であった。

昼食を食べた後は、学年で3班に分かれ、英語のガイドツアーに参加した。街並みを歩きながら、ケンブリッジの歴史から始まり、さまざまな建物の由来など、1時間半ほどの説明を聞いた。昔、銀商人が商売をしていたSilver Street、ケム川のパント、Queen´s Collegeの由来、パブの落書きや怪談話まで、エピソードに富んだガイドの話は聞いていて面白く、新しい発見も多くあった。特にアラン・チューリングやホーキング博士などのケンブリッジと繋がりの深い人物については皆身を乗り出して聞いていた。

ガイドが終わった後は、待ちに待った班行動。ある班はショッピングを楽しみ、またある班はその美しい街並みでの散歩を楽しみ、またある班は食を楽しむなど、思い思いの時間を過ごしたようだ。

17時からのキングスカレッジでの晩祷。入場できる数は多くはないので、希望者のみこの晩祷に参加した。

ヘンリー8世が建てたというキングスカレッジの教会は、ゴシック建築の白く複雑な模様が施された柱や壁に囲まれており、その壁一面にはステンドグラスが張り巡らされている。そしてその廊下の一直線に伸びる先には、ルーベンスの絵画。ため息がつきたくなるほどに荘厳で美しい教会の中で、晩祷が行われた。
教会の中はすでに薄暗く、ろうそくの灯の中で響き渡るクワイヤーの歌声。その美しすぎるほどに美しい歌声はまさに天使を思わせ、神に向かって歌い、祈ることがこんなにも美しく高く尊い行為であるのかと我々の心を震わせた。人間の矮小さや驕り、そのようなものを思い反省をし、また日頃のあわただしい日常生活から離れ、自分を見つめる聖なる体験であったように思う。

陽も落ち、街は夜になった。ところどころに光る街灯の明かりは、落ち着いた上品な夜のケンブリッジを演出し、パブからはゆったりと食事を楽しむ人々の温かい雰囲気が感じられた。そんな街を歩いているともう集合時間。コーチに乗り込み、2時間半かけて、学校に到着した。

2学期が始まって早1ヶ月。今年も写真を撮る季節がやってきました。
生徒証などに使われる個人写真、小学部6年・中学部3年・高等部3年の卒業クラスはクラス写真、そして全校生徒と教員・スタッフが集合して撮る全校写真を、毎年2学期に撮影します。

「明日は個人写真を撮ります」
と、担任の先生がホームルームで告げると、生徒たちの顔には少し緊張の色が。
「今年はかわいく撮ってもらわなきゃ!」
なんて意気込んで、朝からそわそわする生徒の姿も見られます。

メインはなんといっても10/7(火)に撮られた全校写真です。
総勢約200人が並ぶ、パノラマ写真。数段組まれた足場に生徒が上っていき配置につく、その姿は圧巻です。
前日には雨が降っており当日の天気も心配されていましたが、写真を撮る時間は見事に晴れました。
毎年写真の中央を飾るのは、高等部3年の生徒たちです。
ネクタイをきちんと締め、最高学年らしい頼もしさを感じさせました。
「最後の全校写真だ」—-そんな思いの表れかもしれません。
1年に1度の全校写真。爽やかな秋晴れの中、今年もいい笑顔があふれていました。

今年は例年よりも1週間早く、因数分解コンクールが開催されました。

今年の問題は難しかった!

例年よりも1割増し、難易度があがったのではないでしょうか。4枚から構成される問題冊子のうち、やさしいNo.1の問題から引っかけ問題があちこちに。緊張して必死に解いているので、平常心の時ならば何でもない問題でも、うっかり勘違いして間違えてしまいそうでした。

「西暦の数が因数分解で発問される」というのも恒例です。
今年の2014は
2×19×53
でした。そして問題の中での、2014の登場頻度が高かった。
おまけに素因数分解だけで発問されるわけではない。他の数を使って、掛けて足して引いて2014が出るようになっていたりと、なかなか頭をひねることになりました。

毎年必死になって解くたびに、そして工夫をこらした問題の数々を解くたびに、「うわぁぁ、数学の先生たちってば!」と思いながら、先生方を心から称賛する思いが湧き上がるのです。言うまでもなく、問題は100題を本校の数学の先生方が作っています。No.4に進むにつれて難易度は高くなるものの、No.2や3から散見される、精緻に構築された問題たちは本当に見事としか言いようがありません。高校生らをはるかに超える人知と数学の美しさに脱帽、感動すら覚えます。

そして学期始めから(ひょっとすると夏休みから)黙々と学習を積み重ね、難易さまざまな問題をパッパと解き、100問60分という体力勝負をもくぐり抜けて高得点をマークする生徒たちも見事です。

今年は例年よりもはるかに難易度が上がっていましたので、90点台後半は登場しませんでしたが、高3理系生徒が94点を叩き出し、トップを飾りました。続く86点をマークしたひとびとには、やはり高3理系生徒たちが名を連ねていました。これに高2の生徒(理系・文系が1人ずつ)、高1からも85点に躍り上がった生徒が1名登場しました。

因数分解コンクールは学習の済んでいる中3からの参加ですが、今年はなんと中2生も参戦していました。クラスの先生が初歩的な解き方を教えてくれ、4枚から構成される問題のうち、No.1には挑戦し、それ以上に挑戦した女子生徒が40点以上の得点をマークして、見事速報を飾っています。

速報に載らない生徒たちもずいぶん頑張っていました。去年から30点以上点数を高めた生徒、私立文系ながら果敢に挑戦し、70点以上をマークした生徒、個々の頑張りは速報だけに表れるものではありません。

ちょっと難易度があがった今年の因数分解コンクール。
皆さんもトライしてみませんか?
ぜひ下をクリックして下さい。
( 2014年度因数分解コンクール問題用紙.pdf)
解答時間は60分。
答えはこちらに。
(2014年度因数分解コンクール模範解答.pdf)
実は、解答用紙に書き写す時間さえも惜しい。ある程度のレベル以上の生徒ですと、問題を見て頭の中で計算し、直接解答用紙に書いてゆくぐらいの実力を備えています。そうしないと、時間が足りないのです!

イベントが多く、立教の一年の中で最も忙しい2学期。まだまだ先だと思っていたアウティングの日もあっという間にやってきました。勉強もしたいし、オープンデイの準備も忙しい…でもそんな日々の中でアウティングは、学校から離れて、息抜きをするいい機会。

高校2年生は今回オックスフォードへ行きました。立教からコーチで約2時間。こじんまりした大学都市に到着です。観光に一日あれば十分といわれるくらい小さな町ですが、その中には39のカレッジ(専攻ごとに分かれた寮と校舎の建物)があり、それぞれにホールや図書館が併設されているので、町全体が大学の中にあるといっても過言ではありません。それぞれのカレッジがそれぞれのエンブレムを持っており、ガイドさんによれば、オックスフォード大学の学生は、「University of Oxford」と書かれたトレーナーはけっして着ないとのこと。なぜなら、「オックスフォード大学の学生である」というアイデンティティよりも、「どこのカレッジに属しているか」というアイデンティティを強く持っているからだそうです。英国の大学は9月末から新学年が始まるため、町の中は新学期特有ののびのびとした雰囲気に包まれていました。

さて、オックスフォード観光はクライスト・チャーチからスタートです。今回高校2年生が選んだツアーは「アリスとハリー・ポッターをめぐるツアー」、「サイエンス・ツアー」、そして、「オックスフォードの歴史とステンドグラスツアー」の3つです。オックスフォード市公認のガイドさんが1時間半たっぷりとオックスフォードの歴史などについて、ゆかりの地をめぐりながら説明をしてくれます。

誰でも聞いたことがあるような有名な人の名前が出てきたり、建物の中に実際に入ったりすることで、授業では得ることができない「本物に触れる」体験に感動した生徒も多かった様子。女子生徒6人が参加した「ステンドグラスツアー」では、普段は通らないような裏道をゆっくり歩きながら一つ一つのカレッジにゆかりがある人物についてのストーリーを聞きました。それはまるで映画の中でその人の人生を一緒に歩んでいるような気持になります。すべての歴史は「人の人生」なんだなとしみじみと感じました。オックスフォードで最も古いといわれるステンドグラスを最後に見て、それが約1000年間、この町に大切に守られてきたのだという事実に、参加した生徒たちは思い思いの気持ちでゆっくりとそのステンドグラスをながめていました。

班ごとに昼食をとった後は独自の「ウォーキングラリー」。あらかじめ示されたヒントをもとに、街を歩いて4人の先生がいるポイントにたどり着くという企画です。今回のポイントは、「アインシュタインが相対性理論の講義で実際に使用した黒板を探してみよう」、「2009年にできたばかりのガーゴイルはどこにいるか探してみよう」、「17世紀にモーリシャスで絶滅した’ある鳥’の剥製を探してみよう」、そして、3つのポイントでそれぞれキーワードを教えてもらってから探す、最後のポイント「不思議の国のアリスにゆかりの小さな扉を探してみよう」の4つです。1学期のロンドンの時よりも町の規模が小さいため、4つのポイントすべてにたどり着いた班もたくさんありました。

しかし、町の中心から少し外れた「ある鳥の剥製」ポイントには少々苦労した様子。「先生!見つけるのが大変だったよ!」と不満げな生徒も多かったのですが、その鳥、「ドードー鳥」の剥製がある大学付属の自然史博物館には、珍しい動植物の剥製の展示がずらり。ガラスと鉄で作られた天井の高い建物に入った途端、「こんなにおもしろいところがあったなんて!もっと早く来たかった!」と言ってくれる生徒もたくさんいました。ドードー鳥は「不思議の国のアリス」の物語にも登場します。乱獲が原因で(敵がいなかったために飛べなくなり、人間に捕まりやすかった)17世紀には絶滅してしまい、いまや「伝説の鳥」ですが、その愛らしい姿から、現在でもオックスフォードのいたるところでシンボルとして描かれています。

ウォークラリーを終えた班から待ちに待った自由行動の時間。買い物をしたり、高い塔に上って街を眺めてみたり、普段は食べることができないハンバーガーを思いっきり食べたり…それぞれ楽しい時間を過ごした様子でした。

帰りのコーチの中では、気が付いたらみんな眠ってしまっていました。充実した一日を過ごせた証拠です。普段、立教生は決められた予定に沿って規則正しく過ごしています。アウティングは、そんな学校生活の中に、学期に一度だけあるからこそ、思いっきり楽しもう!と思えるイベントなのです。明日からまた忙しい日々が始まります。高校2年生の皆が大人になってまた訪れた時、きっとオックスフォードは変わらない姿で皆を迎えてくれることでしょう。みなさん、今日はお疲れ様でした!


私は、今年の夏期休暇に北欧や東欧などの10カ国を旅行しました。オーストリアの壮大できらびやかなシェーンブルグ宮殿に魅了されたこと、スイスの澄み切った空気の中でアルプスをハイキングしたこと、チェコでホテルを探して父が街灯もない真っ暗な道を運転し続けたことなど、思い返すと旅の中で多くの感動やハプニングがありました。その中でも特にポーランドにあるアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れた経験は、忘れることの出来ない、いや、忘れてはならないものとなりました。

アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所は第2次世界大戦中に百万人以上のユダヤ人やポーランド人などが虐殺された場所で、現在は「負の遺産」として世界文化遺産に登録されています。私がそこを訪れた日は、まだ8月下旬だというのに気温が15度以下で冷たい雨が降る寒々しい日でしたが、多くの人が訪れていました。

私はまず第一収容所を訪れました。ここには貨車などで運ばれてきた被収容者が生活するバラックが広大な土地にずらりと並んでいました。そして収容所の真ん中には、大量虐殺が行われたと言われるガス室に続く一本の真っ直ぐに伸びた線路があり、まるで死へ続く道のようでした。被収容者たちが、有刺鉄線のフェンスで囲まれ自由を奪われた環境の中で、過酷な労働を強いられ、十分な食事も与えられない日々を何を思いながら生きていたのか、亡くなっていったのかを思うと胸が苦しくなりました。同時に、当たり前だと思っていた今の生活が、何よりも幸せなのだと実感しました。そして、一日中何もしないでベッドでゴロゴロしたりする私をとても恥ずかしく思いました。罪無き子供や大人の命がこのような形で奪われることは、二度とあってはならないと強く思いました。

次に第二強制収容所を訪れました。現在は博物館になっており、被収容者から押収した大量の鞄や靴の展示や第2次世界大戦中の写真の展示などがありました。特に、絞首刑を受けた後の首が落ちた人々の写真や銃を向けられて怯えている男性の写真などは衝撃的で、目の前に「死」が迫ってくるような恐ろしい気分になりました。私は、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れて初めて、人と人とが殺し合う本当の戦争の恐ろしさを感じました。

私は現在フランスに住んでいるので、BBC WORLDやSKY NEWSといった海外情報番組をよく見ます。そこでは、ガザ紛争やウクライナ問題、アフリカの内紛、イスラム国などの話題でもちきりでした。宗教問題や民族問題、経済的利害などで対立し、大きな争いへと繋がってしまうのです。そして今もなお、死と隣り合わせで暮らしている人が多くいるのです。日本は太平洋戦争後、他国と多少の揉め事はありますが、平和が続いていると私は思います。だから、なんとなく戦争は「他国の争い」や「過去」のものという気がしていましたが、決してそうではないと強く実感しました。

私がこうしてフランスに住んでいること、多くの国を旅行できることは、世界全体が密接に繋がっているという証拠です。だから、どんなに離れている国の小さな争いでも、関心を持つことは、これから国際社会を生きる上で、とても大切だと思いました。
この夏期休暇で得た貴重な経験を忘れずにこれからの日々を過ごしていきたいです。

(高等部2年生 女子)

9月27日の土曜日、立教英国学院にスカウト隊がやってきました。彼らは来年の夏に山口県で行われる第23回世界スカウトジャンボリーに出席する選ばれしイギリスのメンバー達。日本訪問前に、彼らに日本のことを少しでも知ってもらうおうと、今回我が校の高校1年生と交流の機会が設けられました。いつもなら午前中には授業のある土曜日ですが、この日は一日かけてスカウト隊と楽しい交流の時間を過ごすことが出来ました。

最初の自己紹介はお互い少し緊張気味でしたが、アイスブレイクでStuck in the mud(日本でいう氷鬼)をすると一気に距離が縮まりました。その後はグループに分かれて色々なアクティビティに挑戦しました。

まずはロープと木だけで鳥居を作るアクティビティ。普段からキャンプなどでロープの扱いに慣れているスカウト隊のメンバーや大人のリーダーからロープの結び方や木の組み方を教わりました。このようなアクティビティをスカウトではPioneeringというそうです。未開拓の地でも生きていけるような術をPioneeringでは学ぶわけです。

次にチームワークが要求されるゲームをしました。円にしたロープ1本をみんなで引っぱり、その上を一人が歩く遊びやボールを使った遊びなどです。みんな大はしゃぎで(童心に帰って?)このゲームに臨みました。人が揃えば、シンプルな道具でこんなにも楽しい遊びができるのかと感心しました。

午前中のプログラムを終えると、この日は特別に外の芝生の上で昼食を食べました。写真を撮ったり話を深めたりして、いつもとは違った土曜日の昼食を美味しくいただくことができました。

午後は、まずロープと木で担架を作るアクティビティをしました。完成した担架の上に人をのせて、チームレースも行いました。チームによっては途中で担架が壊れる所も…。良い思い出となりました。

そして最後に立教生からスカウト隊へ、来年の日本訪問に備えて、日本について英語でプレゼンテーションを行いました。この日のために準備をしてきた、日本の食べ物や電車の乗り方、お風呂の入り方など、同年齢の生徒たちの視点から見た日本紹介に、スカウト隊のメンバーは興味深々で聞き入っていました。日本文化について詳しく書かれた手作りの冊子をもらったスカウト隊のメンバーは「来日の際に必ず持っていく!」と喜んでいました。

別れの前のお茶の時間にはスカウト隊と立教生がお互いにお土産を交換しました。スカウト隊からもらったバンドには日本語で「仲間」と書いてありました。
良い刺激となる時間を彼らと過ごすことができ、スカウトとの交流は思い出に残るイベントとなりました。今回出会った「仲間」達が来年日本でよい時間を過ごすことが出来ますように。

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