ロンドンのランドマーク、ビッグベン。何度見ても飽きない美しい建物だ。中三のときにも国会議事堂を見学する機会があった。当時の私は世界史を習っておらず、英語の説明もわからず、退屈だと思いながらツアーに参加した。もったいないことである。高校生になり、世界史を習い始めるとヨーロッパ史に興味が出てきた。ロンドンには大英博物館やナショナルギャラリーといった博物館や美術館が多数あり、授業で習った人物の肖像画や美術作品、遺跡などを実際に見ることができる。国会議事堂もその一つだ。あの時もっと真剣に話を聞けばよかったと後悔していたため、今回また見学する機会ができてとても嬉しかった。

一言も漏らさず説明を聞こうと思い、ガイドさんの横にはりついて見学した。ガイドさんの説明はとても詳しく、わかりやすかった。中三のときは素通りした肖像画や絵画も一つ一つじっくり見た。知っている人名をいくつも見つけた。国会議事堂はこんなに面白い所だったのかと思うぐらい楽しかった。また、建物の内装にも感動した。外見も美しいが、中も豪華な装飾やたくさんの絵や彫像があり、まるで美術館のような部屋もあった。

ビッグベンもそうだが、イギリスには長い歴史を持つ建築が本当に多いと感じる。もちろん日本にも歴史的名所はたくさんあるが、都会の外観は今と昔とではずいぶんと違うだろう。しかし大都市といわれるロンドンには、ビッグベンやウエストミンスター寺院など、昔から変わらず存在する建築物が多く存在する。私が大人になってからイギリスを訪れる機会があっても、今と変わらぬロンドンの街を見ることができるのだろうと思う。

(高等部3年生 女子)

11月2日はOpen Day。学校外からお客様をお招きし、Rikkyo Schoolを知っていただく、立教の一年間で最も大きなイベントです。天候はあいにく雨でのスタートでしたが、今年も近隣に住む英人の方々を中心に多くの方にご来場いただき、校内は大賑わいでした。バザーや古本市をはじめ、和菓子、焼き鳥、手作りパンなど、キッチンや店舗を支えていたのは父母の会の方々と高校3年生です。高校3年生は、短い期間で店舗の設営をしてくれました。忙しい中本当にお疲れ様でした。

Open Dayはたった一日で終わってしまうのはもったいないと思えるほど、生徒たちの思いと情熱が詰まっているイベントです。この1日の為に、1学期や夏休みから構想を練り、何度も話し合いを重ね、そして当日1週間前からは朝から晩まで一日中を準備に費やします。完成した展示を目の前に、達成感で言葉にならない生徒も多かった様子。ここで、各クラスの企画を紹介いたします。

小学生「みんな大好きドラえもん」
日本を代表するアニメ「ドラえもん」を紹介する企画です。少人数にもかかわらず、私たち日本人も知らなかったドラえもんの魅力がたっぷり詰まった展示でした。紙粘土で作った「ひみつ道具」にはイギリス人のお客様も興味津々の様子でした。

中学部1年「猿蟹合戦」
日本の民話「猿蟹合戦」のストーリーを、モザイクと模型で紹介。名前を聞いたことはあっても、どんなストーリーだったのかを知らない生徒もいた様子。壁いっぱいに書かれた背景と、紙粘土で作られた模型で、教室に入るとまるで絵本の中にいるような気持ちになりました。難しかったであろう英訳もきちんと書かれており、イギリス人のお客様も楽しめるように工夫されていました。

中学部2年「ゲゲゲの鬼太郎」
中学2年生はゲゲゲの鬼太郎を紹介しました。教室の中では照明をうまく調節し、鬼太郎独特の不気味な雰囲気を上手に表現していました。展示の最後では実際に日本で売られている鬼太郎のキャラクターグッズを展示し、日本で長い間親しまれてきたアニメを上手に紹介していました。全校投票では看板部門に入賞しました。

中学部3年「自然からのメッセージ~The message from the nature~」
2011年の東日本大震災を扱った展示です。事実をただ記述するだけではなく、「震災を忘れてはいけない」というメッセージがこめられた力作でした。新聞紙を背景に使ったり、背景の中を覗くと被災地の様子が映し出される工夫は高校生も顔負けです。当時の映像など、視覚的な効果を上手に使っていました。投票では模造紙部門で高校生を抑えて1位入賞。難しいテーマに果敢に挑戦していく姿に感動しました。

高等部1年1組「The mystery hidden in the deep sea~残された手紙~」
クラスで考えたオリジナルのストーリーに沿って、深海の中を旅する展示です。祖父が残した「手紙」を入り口で受け取り、進んでいくにつれて、まるで主人公になったような気持ちにさせられます。1年1組の魅力は、なんといってもその模型です。海底に沈む遺跡や、深海に住む生物はまるで本物のようでした。大きなストーリーと細部にこだわった模型によって、非常に完成度の高い展示となっていました。準備期間中は学級委員を中心に学校の備品や道具を効率よく使用し、4部門で入賞しました。

高等部1年2組「WE LOVE YU」
タイトルからも想像できるように、1年2組は日本の「銭湯」を紹介するという一風変わった企画で先生特別賞をはじめとする多くの部門で入賞。立体的に作られた「ゆ」の文字をあしらった看板は1位を獲得しました。模型は湯船をはじめ、富士山の絵や洗面器、そして牛乳瓶の冷蔵庫まで! スペースをうまく使い、日本のお風呂がもつ「癒し」を上手に表現した、わくわくする展示でした。

高等部2年1組「LIFE」
クラス企画最高学年としてふさわしい「命の大切さ」を様々な視点から考える展示です。生まれてくる赤ちゃんを思い通りにデザインできる「デザイナーベイビー」の是非、世界各国で発表されている「幸福指数」を立教で測ってみたら何%になるか、臓器提供の技術に伴う倫理的問題、そして、「なぜ人を殺してはいけないのか」についてとことん考えてみる、など。展示の方向性で何度も悩み、たくさんの話し合いを重ねた結果、「17歳の、今の、私たちはこう思う」ということを表現することにしました。それは説得力のあるメッセージとしてお客様に伝わった様子。来場者アンケートでお客様賞を受賞しました。

高等部2年2組「Villains~The journey through villains~」
多くの部門で入賞し、総合優勝を果たしたのは2年2組。いつもは疎まれる「悪役」を主人公に置いた異色のテーマで人々の心を奪いました。準備期間中から、いったい何がテーマなのか、全く想像がつかず、たくさんの生徒の注目を集めていました。展示は、背景と模型の完成度が非常に高く、独特の世界観を表現し、Impact部門も受賞しました。

クラス企画とは別に、多くの生徒は、剣道、ドミノ&エレクトロニクス、チャリティー、ダンス、エンターテイメント、ダブルダッチ、茶道、フラワーアレンジメント、劇の9つの企画からなるフリープロジェクトを一つ選んで参加します。各企画はステージや教室で発表をしたり、作った作品を展示、販売します。Open Dayは日曜日の夕方に終了しますが、係の仕事で忙しかった生徒たちの為に、後夜祭でもう一度フリープロジェクトの発表が行われます。今年は生徒の投票によりダンス企画が優勝を果たしました。

立教生のOpen Dayは翌日一日を使って校内をきれいにし、次の日から通常通りの授業が行えるようになるまで続きます。各係の生徒を中心に、効率よく解体・設営作業を進める姿には感動しました。

Open Dayを通じて見えた、立教の生徒の素晴らしいところ。それは、人を受け入れ、人に受け入れられる自分になる努力を生徒みんなが自然にできるところです。Open Dayの準備は、そんなに簡単なものではありません。話し合えば意見の対立や衝突が起こります。思い通りにならない時に、泣いてしまったり、自分が言ってしまったことを後悔したり、反省したり、そんな毎日だったかもしれません。しかし、立教の生徒は「話し合うこと」が上手です。自分の意見を言いつつ、他人の意見もしっかりと聞き、誰かを退けるのではなくて、最もいい方法を探そうと努力をする。それは決して効率がいい方法ではないかもしれない。でもそれは、海外で暮らし、海外で活躍していくために最も大切な「技術」でもあります。Open Dayは1年に1度の特別なイベントであると同時に、毎日の生活で少しずつ培われている「立教生らしさ」の集大成でもあるのだと感じました。生徒の皆さん、本当にお疲れ様でした。
遠くから来校し、お手伝いをしてくださった皆様、本当にありがとうございました。

卒業後、25年ぶりに訪問させて頂きました。
今も変わらない風景を見て懐かしい気持ちで一杯になりました。
そして改めて素晴らしい環境で学生時代を送っていたのだと感慨にふけっています。
このまま、いつまでも変わらない英国立教であり続けて欲しいです。
ありがとうございました。

卒業以来、実に6年振りに立教に帰ってきました。Open Dayに乗じての訪問でしたが、細かいところはともかく、変わらない「空気」に安心した1日でした。後から思えば、自分の根幹を形成した7年でした。入り口の看板を見た時から色々な思い出・記憶が押し寄せて来て、懐かしさで一杯になり、自分でも驚いています。
ただそこにあってくれるだけでホッとする場所です。
また来たいと思います。

高校3年生、学院生活最後のアウティングはロンドン。今年は予約の都合で2回に分けていくことになりました。その分楽しみも2倍です。

1回目は10月10日(金)、グループ行動が中心で、ロンドンで昼食を食べるところから始まりました。急ぎ足で観光名所をめぐるグループ、のんびりショッピングを楽しむグループ、ひたすら食べまくるグループと様々です。最後のロンドンを楽しんでやろうと、それぞれのグループは前日からああでもないこうでもないと計画を立てていました。アウティングやホームステイで何度も訪れたロンドン、計画なら任せてといった調子です。自由時間を無駄にすまいとロンドンを文字通り「駆け巡った」班もあったとか。「あんなに走ったのは生まれて初めて!」と、疲れたけれど満足そうな顔を見せていました。

昼食後、最初の集合は大観覧車、ロンドンアイ。この日は10月のロンドンにしては珍しくいい天気で、予約はしてあったものの順番待ちは長蛇の列。他愛のない話で盛り上がりながら順番を待っていると、いよいよロンドンの街並みを一望できる空中へ。一つのカプセルは30人乗りなので、贅沢に1クラスで1つ貸切です。360度大迫力のパノラマに、生徒の間から自然と歓声がこぼれます。
「ヒースロー空港はどこかな?」「あの建物、去年の夏に行ったな」これまでの思い出を振り返りながらロンドンの街並みを一望。18歳になっても素直に感動してくれるのは嬉しいもの。満面の笑みで記念写真を撮りました。

夜は皆でミュージカル、『オペラ座の怪人』を鑑賞。演目はもちろん全て英語ですが、ストーリーを理解できるあたりはさすが高3生。内容には賛否両論、昨年見た「レ・ミゼラブル」と比較しながら、「あそこのセットは……」「いや、あの演出が……」などと、帰りのバス内は白熱の論議が繰り広げられていました。みんながすばらしいミュージカルの世界に浸り、ロンドンを巡った疲れなんてなんのその、帰りの2時間にわたって話はやみませんでした。

2回目は10月29日(水)の国会議事堂見学。あの有名なロンドンの目玉、ビッグ・ベンを擁する国会議事堂内部に入れる貴重な機会です。イギリスで育った身として、イギリスの政治を理解していなければ大学で笑われてしまいます。ガイドはもちろん英語。聞き慣れない政治用語に真剣に耳を傾けていました。

世界史を学習している生徒にとっては、勉強した歴史が目の前に現れる機会。ガイドさんの話は、1066年のノルマンディー公ウィリアムによるノルマン・コンクエストから始まり、1834年の大火によって焼け落ちてからの国会議事堂の再建、第二次世界大戦、その後から今に至るまでの話…。建物の話から政治の歴史まで、ちょっとした小話も交えながら話してくれました。
今回は下院は閉まっていたので、上院のみの見学でした。上院は赤と金、下院は緑と木の色を基調とした部屋になっています。豪華な金色の装飾に赤色のソファはさすが貴族院といった豪華さでした。見学の道すがら、テーブルを囲んで話し込む上院議員の姿も目にすることができ、イギリスの政治を身近に感じたひと時となりました。

その日の昼食はクラスメイトと行く最後のロンドン。指示は無かったのですが、クラス全員で食べることを事前に決めていたそうです。幹事は大変でしたが、予約から注文まで自分たちでこなしていました。いつの間にか、こんなにも頼もしくなっていたのですね。

学院生活最後のロンドンを満喫し、それぞれの進路に向けて猛チャージです。

紅葉が深まる立教キャンパス。どの教室を覗いても、皆せわしなく活動している。
オープンデイ(文化祭)のクラス企画は、自分たちでテーマを決めた展示発表である。
当日のサプライズ性を高める粋な計らいなのだろう、慣例的に互いの展示内容を教えないことにしているようだ。
先生も全員が全クラスの内容を把握している訳ではない。
背景、模型、文章構成など、生徒の役割は様々だ。時には作品の出来不出来をめぐって衝突が起こる。
それは決してマイナスなことではなく、皆が真剣によりよいものを目指しているからこそだ。
立教英国学院のオープンデイ準備期間は1週間。この間、授業は一切無い。
イギリスの学校では学期に一週間、ハーフタームという中休み期間があるが、立教ではこれをオープンデイの準備期間に当てている。
だから日本の一般の高校より遙かに長く、密度の濃い準備期間になる。
夕方になると、今度はフリープロジェクトの練習が始まる。
こちらは学年関係なく有志が集まって発表をするもので、演劇やダンスなどがある。
その他に剣道部や茶道部の部活動発表もあるから、授業がないとはいえ、とても忙しい。
クラス企画で服をペンキまみれにした生徒が、体操着に着替えて小走りでフリープロジェクトに向かっていた。
その表情は焦ってはいたが、とても充実しているように見えた。
真剣に取り組めることは、立教の生徒たちの大きな長所であると思う。
そしてその経験は財産として残っていく。
生徒の成長を感じつつ、当日を楽しみに待つ準備期間である。

卒業後初めて訪問させて頂きました。
20年以上前からは大きく変わり、新しい建物も増えていましたが、ドミトリーの中など変わっていないところも多く、とても懐かしかったです。食堂に当時のコンサートの写真があって驚きました!
学生だった頃は毎日当たり前に見えていた景色がとても美しく見え素晴らしい環境で勉強できたことに改めて感謝しました。
ありがとうございました。

私が一押しするのはOxfordのHarris Manchester Collegeのステンドグラスです。このカレッジはオックスフォードで最小のカレッジで最も寄付が少ないカレッジだそうです。街の中心に位置しています。主な出身者は酸素の発見者ジョセフ・プリーストリー、物理学者のジョン・ドルトンがいます。
ここには10代の若者から70歳のおばあさんまでが学んでいるそうです。そしてこの教会のステンドグラスです。これは1893〜1898年にかけてモリス商会によって制作されたそうです(イギリステキスタイル界の父、ウィリアム・モリスが作った)。

イエス様のデザインは首に子羊を巻いたものです。この図柄はバーン・ジョーンズという人の大ヒット作のようで、たくさんの教会で見ることが出来ます。いわゆる「良き羊飼い」ということで、歩けなくなった迷える子羊を背負って歩くイエス様のことだ、とガイドの人が教えて下さいました。
このステンドグラスには基本的な聖人は全て登場していて、関係のあるものと一緒に描かれているので、礼拝でも彼らの関係を迷うことなく聖書の内容も聞けることでしょう。
左右もステンドグラスで埋め尽くされていて、右は地球創造の話、左は「Justice」といった言葉に関係のある絵と聖書の一文が記されています。

小さいけれど三方からのステンドグラスを通した温かな光。飾りすぎではないけれど印象的なイエス様たち… 心に響く聖書の言葉の中で何か祈りを捧げられることは幸せなんだろうな… そう感じました。

皆さんも是非この教会を訪れ、やさしい光のなかでゆっくり過ごしてみてください。

(高等部2年生 女子)

僕がオックスフォードへのアウティングを通して一番印象的だったのは、アインシュタイン博物館です。僕は理系なので特にこの博物館に置いてあるようなものに興味がありました。中でも一番見て感動したのはアインシュタインのブラックボードという、アインシュタインが昔、宇宙の膨張について考察した数式が書かれている黒板です。僕は高校1年の時に宇宙に興味を持ち、ネットや本からよ く物理学についてのことを調べていました。特に記憶に残っているのが、アインシュタインの相対性理論でした。そんなアインシュタインの自筆を見たときは、鳥肌ものでした。
そこからはアインシュタインがどんな気持ちでこの数式を書いていたのか伝わってくるようでした。この数式を見て、僕もこんな風に宇宙のあり方とか、そんな深いことをじっくり考えて、単純かつ明確な唯一つの数式を自分の手で導けるようになりたいなと感じました。
また、同じ部屋にあった世界最初の地球儀にも感動しました。日本の北海道がなかったりとある程度の誤差はあったものの、人工衛星がなかったり科学の発展が乏しい時にあそこまで正確な地球を作れたことには感動しました。
僕もあんな風に、世界で「最初 の」なんて言われるものを想像できるアバンギャルドな人になりたいなと思いました。

(高等部2年生 男子)

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