私はこの夏休みケンブリッジ大学で行われたサイエンス・ワークショップに参加しました。
文系の私が参加したのは、Science Communicationというプロジェクトで、私を含めて日本人3人と英国人3人のグループで、難しい科学を誰でも理解できるように説明するのを目標として一週間頑張りました。

このプロジェクトを担当しているケンブリッジ大学付属のthe Naked Scientistsの指導を受けて、今回のサイエンス・ワークショップから3つのプロジェクトを選んで、それぞれのpodcastを作りました。他のワークショップ参加者へのインタビュー形式のpodcastなので、質問をする前に失礼にならないように、それぞれのテーマについて事前に調べたり、内容が分かりやすいように色々と工夫をして、編集にも時間と手間をかけて完成させました。

以下のpodcastは、今回のワークショップの中から、センサー、細胞(DNA)、金属の3つのプロジェクトについて説明したものです。

Naked_Scientists_Materials.mp3
Naked_Scientists_FlyBrain.mp3
Naked_Scientists_Sensors.mp3

9月最後の土曜日、ロンドン日本人学校で秋の文化祭が行われました。立教英国学院の在校生には、ロンドン日本人学校出身者が多く、また弟妹や後輩たちがたくさんありますので、毎年ご招待を受けて、文化祭へ遊びに行っています。今年も午前中2時間だけ授業を受けて、11時前から出かけました。

コンサートや劇、展示を中心とした文化祭になっており、特に体育館の舞台で行われる劇やコンサートは溢れんばかりのパワーが漲っていました。小5~高3までが学ぶ立教英国学院では学年の高い高校生にパワーを感じやすいのですが、この小中学生の元気いっぱいの発表には、「いい発表だったなぁ」と思わず感嘆の声がもれるほどでした。アナウンスをつとめる小中学生たちは日本語でも英語でも、はきはきと説明を行い、進行もとてもスムース。それぞれが少しずつの担当だったかもしれませんが、きっと丁寧に練習してきたのでしょう。

最後を飾った中学生の劇「Long Road to Freedom ~自由への長い道のり~」は一段と活気に溢れていました。昨年亡くなったネルソン・マンデラ氏に敬意を表して、アフリカ系の人々に対する差別を扱ったもので、中学部3学年が力を合わせたお芝居。一人一人が情熱をこめて演じ、言葉も力強くてはっきりとしています。あいだあいだに入った、1学年ごとの合唱、そしてお芝居の最後をしめくくる中学部全員での合唱も、とても溌剌として一生懸命で、お芝居の内容もさることながら、一人一人が一生懸命に練習を積み重ねたのでしょう、その懸命さに心を打たれました。そのあとに校庭で行われた反省会を見ていると、生徒と先生が一丸となって臨んだ熱さと、互いの温かい信頼関係を感じて、見ているこちらがほろりとしました。久しぶりに家族や弟妹たちと顔を合わせた立教生たちでしたが、小中学生のパワーに高揚し「次は私たちのオープンデイ。」1ヵ月後の立教英国学院のオープンデイに向けて、エンジンがかかるというものです。

皆さんは因数分解というものを覚えていますか?

中3~高1ぐらいの年頃に、数学で学ぶもので、誰もが学習しています。高1で学ぶと、その後の進路に応じて因数分解を利用した、更にレベルの高い数学を学んでゆきます。
数学では単純な計算問題をたくさん解くものは数多く存在しますが、立教英国学院恒例行事の1つが、2学期の「因数分解コンクール」なのです。
60分で100題。同じ記号や数字をくくり出す簡単なものから、特殊公式を使う難解なものまで100題です。

対象は中3から高2。高3は数学選択の生徒のみのこともありますが、学年によっては意気が高く、私立文系の生徒も含めて全員で挑戦することもあるほど。
「わからない」「めんどくさい」「そのうちやる」…はじめは15歳前後の子供らしい言葉が聞かれるもの。

しかし「いよいよ今週末は因数分解コンクール」となると、生徒達の表情が変わって復習から勉強スタート。クラスで行われる因数分解の小テストの点数がみるみる上がっていくのですから、大したものです。教員室にたびたび生徒たちが立ち現れ、「因数分解の解法の冊子(数学の先生達が用意したスペシャル冊子)を下さい」から「過去問題を下さい」「第20回台の過去問題はないんですか?」「この問題の解き方だけど…」などという会話が聞こえるようになってきます。友達同士で解法を教えあう姿も。前日の土曜日は、図書館に入って12時まで勉強時間を延ばして因数分解尽くし。どの生徒も随分勉強道具が少ないなぁと見ていると、冊子・過去問題・ルーズリーフと筆記用具の4点セットだけ。
すごい意気込みだ、頑張れよ、みんな。

因数分解コンクールは今日の19:30スタート!

毎年夏休みに、クリフトン科学トラストのアルボーン博士が主催し、共催団体としてケンブリッジ大学と立教英国学院が企画運営する日英サイエンスワークショップ。10年目を迎えた今回のワークショップは、イギリスのケンブリッジ大学と日本の東北大学の両方で行われました。またこれに伴い、8月11日には日本の英国大使館でレセプションも行われました。

British Chamber of Commerceで発行されているACUMENという雑誌にこの節目となる日英サイエンスワークショップの記事が掲載されましたのでご紹介致します。

(リンクはこちらです。)

日本の学校より一週間程早く始まった夏休み。僕は日本で夏らしいことをしたいなと思っていました。しかし、なかなかできず、しいて言えばおじいちゃんおばあちゃんの家でプールに入ったことでした。宿題をやったり出かけたりと自分の時間があまりありませんでした。

9月1日、夏休みが終わる頃、山梨県へ行きました。これは涼しい所へ行き暑い夏を乗り切ろうという計画でした。しかし8月の終わりから東京では平均気温25度程度で東京でも十分涼しかったです。8月の上旬から中旬の間に行こうと思っていても時間が取れず9月となってしまいました。

山梨では主に観光でなく避暑地でのアクティビティがメインでした。夏といえば川遊びで今回チュービングに挑戦しました。チュービングとは大きくて頑丈な浮き輪に乗り川を下るスポーツです。気温は20度ないくらいでしたが重装備で水に入っても暑いくらいでした。しかし初体験でインストラクターの方もとてもおもしろい方でいい経験になりました。それ以外にテニスや卓球もしました。ホテルからは富士山が見えました。とても間近で見れてうれしいです。

観光では忍野八海に行ったことが一番心に残っています。忍野八海は富士山の伏流水が湧き出た湧水池がかつてあったことから名づけられています。湧水池は水深8メートルの所や海のように深いところもあります。湧水なのでとても澄んでいて八メートル下の地面が見えてびっくりしました。よくみると携帯電話や眼鏡も水中に落ちていました。小さい湧水池はとても浅かったのですが一部分、底がまっくらの所があり、その下はとても深く地形が複雑らしくテレビの取材でそこをもぐった2人が帰ってこれなかったことがあったそうです。それは岩がたくさんあり、日光が差し込んでいなかったため上に上がってこれず酸素ボンベの中がなくなってしまったからと聞きました。遺体は当分発見されず何日も後にやっと見つかったそうです。そう思いながら湧水池を見ているととてもぞっとしました。

今回の夏休みは色々な経験をしたと思います。今後も立教でしかできないことをたくさん行ったり、色々な事に挑戦していきたいと思います。

(中学部2年生 男子)

「いよいよ始まる…!」期待と緊張、そして少しの不安を胸に、私は新幹線へ乗り込んだ。発車のベルは、サイエンスワークショップ幕開けの合図だ。

7月31日、英国の高校生と先生方が無事に羽田空港に到着した。約3週間振りの再会を喜びながらそのままバスへ乗り込む。この日から3日間は、学校ごとのグループにわかれ、そこに日本人が1人ずつ付き添うといった形で、東京都内を観光した。この日は、午後から東京スカイツリーと浅草・浅草寺を訪れた。私はSeven Kings High Schoolの女子4人と先生1人とともに行動したのだが、彼女達は12時間の長旅を終えた直後とは到底思えないほどパワフルだった。何に対しても興味津々で、次から次へと質問が飛び出してくる。私も負けじとなるべく詳しく説明したり、おすすめのお土産を紹介したりした。そのおかげか、彼女達と早く打ち解けられたような気がする。

その翌日は、お台場の科学未来館を訪れたが、ここでも英国の高校生達の熱意が感じられた。真剣に研究員さんの話を聞き、メモを取る。無駄話をする人なんて1人もいなかった。「日本に遊びではなく学びに来ている」という意識をしっかり持っている。そのように感じた。そして夕方からは、お待ちかねのショッピングタイム。皆思い思いの時間を過ごした。私のグループの皆は、イギリスにはない100円ショップに行きたいと言っていた。実際にお店に行ってみると、「本当にこれが100円なの?」「100円とは思えないほど可愛い!」等と驚きを隠せないようだった。また、ある女子は自分の似顔絵を描いてもらい、その出来映えに感動していた。「折り曲げないように気をつけて持ち帰らないと!」とワクワクした様子で話してくれた。

そして東京研修の最終日。この日はグループごとの自由行動。グループの皆は、当初20カ所以上あった候補を何とか皇居・銀座・浜離宮庭園・渋谷の4カ所に絞り込んでくれた。私も、彼女達を案内するために慣れない東京の街を、ナビを片手に歩き回った。彼女達は日本の暑さに苦労しながらも、笑顔で観光を楽しんでくれた。皇居の古い城壁、銀座で見つけた浴衣や着物、浜離宮庭園で食べた抹茶と和菓子、どれも彼女達の目には新鮮に映ったようだった。その中でも特に興奮していたのは、渋谷のスクランブル交差点だ。イギリスでも有名な交差点を目の前にして、不思議そうな顔で一生懸命ムービーを撮っていた。こうして彼女達を見ていると、自分がイギリスの様々な街を訪れ興奮している姿も、英国人の目には同じように映っているのだ、と思い不思議な気分になった。海外にある学校に通っているからこそ感じたことかもしれない。

この3日間は、まさに「英語漬け」の毎日で大変なこともあった。言いたいことが上手く伝わらなかったり、一発で英文を聞き取れなかったりもした。それでも、大変なこと以上に自分の英語の上達を感じられる瞬間の方が多かった。そのことが何よりも嬉しくて、私の自信に繋がった。自分自身を試す良い3日間になった。

8月3日、この日はいよいよ福島へ移動。会津學鳳高校で開会式が行われた後、新たなグループに分かれて自己紹介タイム。このグループは、東北大でのワークショップ以外の活動を行う。私のグループは、英国人高校生が2人と日本人高校生が私を含め5人。顔と名前はすぐに覚えることが出来た。しかし、私が最も不安なことは日本人高校生と打ち解けられるかどうかだった。私は昔、重度の人見知りで、改善はしたものの今でも初対面の人と話すことに苦手意識がある。案の定、その不安は現実となった。自分からなかなか話しかけることが出来ず、さらに、グループ内に仙台出身の子はおらず地元トークも出来ない。正直、これから1週間やっていける気がしなかった。結局、この後の鶴ヶ城や磐梯山噴火記念館でも、彼らとはあまり話すことが出来なかった。しかし、その日の夜に行われたゲームや気さくに話しかけてくれた皆のお陰で、徐々に話すことが出来るようになった。不安が少し解消された。

翌日の8月4日。晴天が広がり心地よい風が吹く、絶好の登山日和だった。今回は、吾妻小富士をグループ皆で登った。吾妻小富士は、景色がきれいなところも足場が悪く登りづらいところも多々あった。しかし、お互いに声を掛け合い、記念撮影を重ねるうちに、私の最初の不安はどこかへ消え去っていた。午後から訪れた土湯温泉でも、高温の足湯に四苦八苦したり、ミラクルフルーツに感動したりと楽しい時間を過ごすことが出来た。そして、バスに揺られながら約2時間、宮城・岩沼のホテルに無事到着。新たなお部屋とルームメイトに挨拶をして、いつもより早く眠りに落ちてしまった。

そしていよいよ今回のメインテーマである東北大学でのワークショップ。8月5日〜7日までの3日間、私は「カドミウムが及ぼす植物への影響」について講義を受けた。講義は主に英語で、専門用語も多く聞き取るのは難しかったが、大学の先輩に日本語で補助していただき、完璧ではないが理解することが出来た。そして、普段の授業ではやったことのない数多くの実験も体験出来た。教科書の中の話だと思っていたことをとても身近に感じる良い機会であった。同時に、英語の力が伸びたと感じる瞬間もあった。プレゼンテーションの準備段階で、私は疑問があったら積極的に2人の英国人高校生に聞くようにしたのだ。作業もはかどり、英語の勉強にもなる。まさに一石二鳥だ。さらに、原稿の直しがだんだんと減っていったのだ。自発的に行動することの大切さも学んだ。

大学でのワークショップを終えた翌日は、宮城県内のフィールドワーク。午前中は、震災による津波の被害を大きく受けた閖上地区を訪れた。私も小さい頃によく遊びに来ていた。しかし、震災後初めて訪れた閖上は、私の知っている閖上ではなかった。住宅地の家々もお気に入りだった公園も全てなくなっていた。代わりに残されたのは、寸断された道路と瓦礫の山だけ。あまりの変わりように、しばらく言葉が出てこなかった。自分に出来ることは何だろう、深く考えさせられた時間であった。お昼を済ませ、午後はフェリーで松島へ移動。フェリーには何度か乗ったことがあったが、友達と乗るとなると気分は高揚した。写真を撮り雑談を交わしているうちに、約30分の海の旅は終わってしまった。そしていよいよ、私の地元・仙台へ。この日は七夕祭り最終日で、多くの観光客で賑わっていた。英国の高校生も、初めて見る七夕飾りに興奮していた。しかし、それ以上に驚いていたものがプリクラである。背景を自由に変えられたり、目が自動で大きくなったりすることにとても驚いていた。「私の写真じゃないみたい!」と言っていたのが印象的だ。その後も多少のハプニングはあったものの、仙台の街を英国人高校生に十分満喫してもらうことができた。

8月9日、東北大学でのワークショップで学んだことについて、グループごとに英語で発表した。大勢の人の前で話すことはとても緊張したが、本番直前まで何度も原稿を読み、練習したお陰でスムーズに言葉が出て来た。こんなに大きな達成感を味わったのは久しぶりだった。すべてのプレゼンテーションが終わり、待ちに待った夕食会へ。全員揃って食べる最後の晩餐だった。皆、残りわずかな時間を惜しむように、食べることより写真を撮ることに一生懸命だった。こうして笑い合えるのもあと少し、と思うと無性に寂しくなった。この日の夜はなかなか寝付けず、部屋でずっと友達と話し込んでしまった。

そして、最終日。10日間のことを振り返りながら、何度も涙がこぼれそうになるのを必死で堪えた。最初は不安ばかりで、こんなに皆と仲良くなれるとは思ってもいなかった。とても短い間だったが、大切な仲間達に出会えて本当に良かった。別れの瞬間は辛かったけれど、最後は笑顔で皆を見送った。

他愛無い会話の数々、たくさんの写真、どれも忘れられない思い出。
いつかまた会う日まで、この思い出は大切に心のアルバムにしまっておこう。

(高等部2年生 女子〉

2014年 海外での学校説明会

当該校の生徒・保護者以外で参加をご希望の方はイギリス本校までお問い合わせ下さい。

6月11日(水)        ロンドン日本人学校
6月17日(火)        ブラッセル日本人学校
6月20日(金)       パリ日本人学校
7月9日(水)         ミュンヘン日本人学校校
7月16日(水)       プラハ日本人学校
9月16日(火)       アムステルダム日本人学校
9月19日(金)       デュッセルドルフ日本人学校
9月23日(火)       フランクフルト日本人学校
10月30日(木)     ブダペスト日本人学校

※日本での開催などその他の学校説明会のスケジュールはこちらをご覧下さい。

http://www.rikkyo.co.uk/info/post.html

私がこのワークショップに参加した主な理由は英語力のためだ。小さい頃から海外に住んでいて、そこで勉強してきた私は、英語が苦手というわけではない。しかし、英語なら誰にも負けない、と言えるほど自信があるわけではない。そのため、夏休みの間に日本で英国人と共に学べる機会があると知り、参加することにした。英語力を向上させたかったのもあるが、日本の高校生と比べたとき、自分の英語力はどれくらいあるのか知りたかったこともある。
けれども、私が実際にワークショップに参加して得たものは、英語に関するものだけではなかった。その中で、かなり印象が強いのは、地震や津波についてのものだ。今回東北を初めて訪れた私は、被災地の様子を何一つ知らなかったのだと思い知らされた。地震が起こったとき、私は既に国外に住んでいて、ただ日本で地震がおきた、とニュースで情報を得ただけだった。そのため、”地震がおきた”とは知っていても、”実際日本はどうなっていたのか”はこの夏まで全く知らなかった。実際に、閖上を訪れたときは、壊れたガードレールや地震の時刻で止まった時計、津波の被害にあった中学校をみて、とても考えさせられた。東北からきた高校生に、3月11日、何をしていたか、その後どうなったか、なども個人的に聞いて、初めて災害について真剣に考えた。

ワークショップ中の夜は、東北の高校生により、地震や津波、原子力等について発表が毎日行われた。そこでも、被災地などについて考えたが、同時に彼らのプレゼンに驚いた。ジョークを飛ばしたり、原稿を完璧に覚えていたり、それらは彼らにとって当たり前のことなのかもしれないが、少なくとも私は事前研修会でプレゼンテーションを行った時、そこまでの努力をしなかった。そして、東北の高校生の、英語を学びたい、という気持ちの強さにも驚かされた。皆積極的に英国人に話しかけ、伝わらないことを臆していないように見えた。自分にもそのような気持ちがないわけではないが、現在イギリスにいるためか、英語に対する気持ちが弱い気がした。そのような面では、東北の高校生からいい刺激を受けたと思う。このまま何となくイギリスで英語を学んでいても、きっと彼らに負けてしまうだろう、と思った。今は海外で学んだ分の貯金があっても、その貯金を使っていくだけの私は、それをどんどん積んでいく彼らにはいずれ抜かされてしまうのだ。私は、海外で学んだからと言って、英語に絶対的な自信があるわけではないと述べたが、少しでも自信が持てる努力をしていきたい。これは、日本の高校生ではなく、立教英国学院にいるからこそ感じたことだ。

ワークショップが始まったときは、英国人と話しているとき、どうしても自分が欲しい単語が出てこなくて、つかえてしまうことがたくさんあった。また、冗談を言われてもうまく反応できない、ということもあった。あとから振り返ってみて気づいたことだが、数日経った頃から、そのようなことがなくなっていた。比較的苦手なスピーキングで、英語がすらすらと特になにも考えなくても出てきていた。たった10日で、このように進歩しているのだから、自分がもっと積極的になれば、きっともっと英語は伸びる。このワークショップでの経験や、日本人、そして英国人の高校生からもらった刺激を忘れずに、イギリスで学びたい。こんなにも何かを得ることができた夏休みは初めてだ。いつも持て余し気味な二か月の休みを、こんなに充実させることができ、ワークショップに参加してよかったと心から思う。

(高等部2年生 女子)

夏休み、楽しみにしていたサイエンスワークショップに参加した。サイエンスワークショップとは、世界トップクラスであるケンブリッジ大学の様々な分野の研究室にお邪魔して、研究を体験するものである。日本人と英国人の生徒がそれぞれ20人程度参加するため、文化交流の場にもなる。私はgenetic、遺伝についての研究に、英国人、日本人2人ずつの4人で参加した。
geneticの建物の中には研究内容によって10ほどのチームがある。そのなかで、ショウジョウバエを使って細胞分裂を観察しているチームに私は参加させていただいた。そこでは日本人の方がトップを務めていて、他にイタリア、ドイツ、シンガポールの方で成り立っている、国際色豊かなチームだ。私達4人が体験させてもらったテーマは、ハエの脳(生体内)と培養細胞(生体外)の細胞分裂を可視化すること。1台1700 万円する特殊な顕微鏡で、中心体、DNAなどを観察する。

まず、ハエの幼虫の脳を取り出すことに挑戦した。見たことない細さのピンセットを使い、直径およそ3mmのハエの幼虫を顕微鏡を見ながら2つにちぎった。その後小腸などの、口と脳以外の器官を取り除く。ここまで細かい作業はしたことがなくて、目が痛くなった。初めの1匹目は上手くいかず、とても自分がこの作業を成功させられる気がしなかったが、何匹か作業していくうちに、コツをつかみできるようになってきた。研究室ではこの作業は一番基本のステップだ。毎日こんなに細かい作業をしているのだと思うと、研究者は忍耐強さが必要だと思う。細いピンセット、高性能の顕微鏡、使い捨てのピペットなど見たことない器具を多く使えて、楽しかった。

細胞分裂を可視化するにはいくつか段階をふむ必要がある。まず、観察したいDNAや中心体などは透明で目に見えないため、色をつけたい。そのために、紫外線をあてると反射して色がつく、ウサギやネズミの抗体をそれらにくっつける。何度も細胞を洗ったり、抗体をつけたりしながらようやく観察できた細胞分裂はとても美しかった。染色体はもちろん中心体や細胞骨格まで、赤や青の色がつき分裂の過程をとても詳しく見ることができた。

このチームは、細胞の分化の長さの違いを調べているそうだ(説明が複雑で詳しくは分からなかった)。それがどういうことに役に立つのか聞くと、普段「これはこれに役に立つ」と意識しながら調べることはない、と言われた。けれど強いていうならば、それはガンの治療法に役立つ可能性もあるし、他のことに使えるかもしれない、と言っていた。私は教えられることに慣れすぎていて、研究者の様に分からないことを自ら調べていくことは初めてで、難しさを感じた。と同時に、知らないことを知ろうとする、本来あるべき勉強の仕方を学ぶことができた。

geneticのチームのメンバーは先ほど触れた様に、様々な国から来ているがとても仲が良かった。昼食はいつもみんなで原っぱで食べて、最後の日の私達の夕食にはチーム全員で参加してくださった。国籍の壁はこれっぽっちもないチームを見て、とても嬉しかった。私は英語が難しくて多くは話せなかったけれど、暖かく迎えて教えてくださったチームの皆さんに心から感謝した。

私がこの経験から得たもので最も大きなことは、知的刺激を多く受けられたこと。一緒に参加した英国人や京都の生徒、自分と同じ年齢でもバイリンガルの通訳さん、研究所の先生、大学の教授、、、。世界トップクラスのケンブリッジ大学だからこその多くの優秀な方達に1週間囲まれて、自分の無知が恥ずかしかった。今まで知らないことを恥ずかしいと感じたことは一度もなかったため、自分でも初めての感情に驚いている。もっと様々な分野のことを知りたいと思えて、多くの本を読みたいと終わってから強く思っている。ワークショップで出会った方で、飛び級でケンブリッジ大学の医学部に入学したという方がいるのだが、彼が「たくさん勉強したんですか」と聞かれて、「知りたいことを調べただけ」と答えているのを聞いて、勉強は本来そうあるものだよな、と納得した。そして私はその本来あるべき勉強の仕方の、最初のステップに立てたと思う。知りたい、と思えたから。多くの人に出会って、科学だけでなく、知的好奇心を刺激されたことが1番貴重なことだった。

(高等部2年生 女子)

ケンブリッジ大学と東北大学で行われるサイエンスワークショップに向けて、イギリスの現地校から英国人生徒21名が立教英国学院に来て、立教生7名と、三日間プレワークショップを行いました。

その三日間は今まで経験したことのないような新鮮な日々でした。普段なら日本人生徒の笑い声で溢れている校舎に、耳を澄ますとネイティブが話す英語が必ず聞こえてきて、余りにも見慣れない風景なので三年間も過ごして来た校舎が一瞬なじみのないものに感じられました。しかし、初日の夜に女子寮で英国人の女子全員と一つの部屋に集まって、自己紹介や色々な学校の話を聞いて、お互いジョークを言い合えるようになり、新しい仲間とまたいつもとは雰囲気が違った立教を楽しめるようになりました。特に同じ部屋の子はとても優しい子で気が合い、色々と英語で交流できた事がとても嬉しかったです。

二日目には、時間をかけて準備してきた日本の文化と東北についての二つのプレゼンテーションを、立教生が英語で発表しました。自分たちが作った文章が相手に思い通りに伝わっているか、最初はとても不安でしたが、英国人からの反響がとても良く、質問も沢山してくれて興味を持って真剣に話を聞いてくれたのでとても嬉しかったです!
そして発表が終わった後、英語を褒めてくれる人が何人かいて、そのお陰で英語の自信もつきました。

しかし、このプレワークショップにおいて反省点もあります。それは、講義に貢献できなかった事です。せっかく相手が英語で話している内容が分かるのに、自分に自信がなくて、一回も自分から発言しなかったことです。その理由は、自分が思っている答えが間違っているのではないかと自信を持てなかった事と、間違っていたら恥ずかしいという気持ちを乗り越えられなかったからです。小学校の頃から間違える事と質問をする事を恐れるなと言われていたので、悔しい気持ちは募るばかりでした。またいつか、このようなチャンスが与えられたら、英国人のように自分が思った事をためらわず、自信を持って言えるように成長したいと思いました。

(高等部2年生 女子)
*   *   *   *   *
正直、何をしたらいいのか、自分に何が出来るのか、不安でいっぱいだった。最初はとにかく名前と顔を覚えてもらう事を意識した。
しかし、いざとなるとものすごく緊張して挨拶すらろくに出来なかった。
話せるきっかけとなったのは、寮の部屋の中だ。寝る前の自由時間に同室の友達が、彼らの「日本人」のイメージについて話してくれた。そこで彼は私に「英国人」のイメージについて質問してきた。私は大きく途惑った。
私には、彼らのように明確なイメージがないからであった。私は相手のことを知っているつもりで、本当の意味ではあまり理解してはいなかった。そこで私は、もっと相手の事を知りたくなった。質問は不思議とどんどん湧いてきた。そこから会話も増え、上手くコミュニケーションもとれた気がした。
これを自信にして、これからは最初からガンガン喋っていきたいと思った。また、この後の東北で行われるワークショップでも自分の英語力が成長できるよう、より努力していきたいと思った。

(高等部2年生 男子)

ページ
TOP