夏休みが始まって一週間ほど経った頃、学校に残っていた私は東北で行われるワークショップの事前研修会に参加した。東北の方でも、日本人の高校生で事前研修会を行っていたようだが、私が参加したのは立教英国学院で行われた英国人との研修会だった。
Briefing Weekendの日の午後になると、学校ごとに続々とイギリスの高校生が集まってきた。6時の夕食時には、20名以上のイギリス人がニューホールの席に座っていた。一足先に席についていた私は、次々と現れるイギリス人たちに圧倒されてしまった。彼らは同い年とは思えないくらいに背が高く、大人びていたからだ。そして、学校の食堂で何十人もの英国人との食事は初めてだったので、更に緊張してしまった。だが、そんな緊張を全く関係ないものにしてしまうほど、彼らはフレンドリーだった。事前研修の三日間は、初対面の生徒たちと同じ部屋に泊まったのだが、初対面とは思えないほど彼女たちの話は続いていて、楽しそうだった。自分は人見知りで、国際交流をしても、会話が続かないことがほとんどだ。私は、初対面でも人見知りせずに会話を楽しめる彼女たちがとても羨ましかった。
この三日間、英国人とそれなりに話すことはできても、彼らの輪の中に入るのは難しかった。東北では、英国人と一度顔を合わせたというアドバンテージを使って、東北の高校生よりも積極的に英語を使っていきたい。そして、今度は英国人の輪に入り、彼らとの会話を楽しみたい。

(高等部2年生 女子)

6日(土)に、空港から、またイギリス国内の自宅から生徒たちが学校へ戻ってきました。教員が、戻ってきた生徒へかける挨拶。それは「お帰り」という言葉です。この光景は、共に学び、生活している立教英国学院の雰囲気の温かさを象徴するものの一つであるように改めて思えます。

7日(日)、英国はすっかり秋の陽気で、少し肌寒く柔らかい日差しの中、始業礼拝が行われました。今学期は新たに7名の新入生を迎えました。(後に入学する生徒2名を除く)
生徒たちは長い夏休みに、いろんな友達と会ったり、旅行をしたようで、1学期の慌ただしさや疲れをすっかり忘れ、明るく爽やかな笑顔がたくさん見られました。
2学期は年間で一番長い学期であり、またオープンデイという1年で最も大きなイベントのある学期でもあります。長くてつらい学期ではあるけれども、その長い時間を生かして、勉強にもしっかり腰を入れ、また部活動やいろんなことにチャレンジし、友情をも深め、実のある学期となってくれることを願っています。

※当該校の生徒・保護者以外で参加をご希望の方はイギリス本校までお問い合わせ下さい。

 

9月16日(火)   アムステルダム日本人学校
9月19日(金)   デュッセルドルフ日本人学校
9月23日(火)   フランクフルト日本人学校

この夏休み、南米ペルーの山奥にあるインカ帝国の遺跡、マチュピチュを訪れた。
遺跡の入り口から急斜面の山道を登っていくと、写真で見たことのある同じ景色が目の前に広がった。
標高2400メートルの山頂に築かれ、ふもとからは全く見えないので、謎の空中都市として、新・世界七不思議の一つに数えられている。
マチュピチュの遺跡はそれぞれの石がきれいに合致するように切り出されている。
これは、見た目の美しさだけではないらしい。
ペルーは、地震が起きやすい国で地震の時にわずかに振動しながら動き、その後、元の位置にしっかりと戻るという。
また遺跡内には星を映して天体観測をしていたとされる水盤や、
冬至や夏至の太陽の位置を意識して作られたものがたくさんあり、
インカの人々の知恵と技術の高さに驚いた。
僕は今までヨーロッパや南米の世界遺産をたくさん見てきたが、このマチュピチュの遺跡を目の当たりにした時の感動は格別だった。
空に近いところへ都市を築いたのは、スペインの征服者から逃れるためだったのか。
それとも、太陽の神に近づくためだったのか。
文字を使う文化のなかったインカ帝国の遺跡は多くの謎を残し、そこがまた人々を魅了するのかもしれない。

(高等部2年生 男子 ブラジル在住)

7月11日、英国の高校生と先生方、約30名が私達の学校にやってきた。東北でのScience Workshopの事前研修を行うためだ。この日から3日間、私は彼らと寮生活を共にした。これほど多くの英国人と一緒に生活するのは初めてで、戸惑うこともあったが、この3日間を通して感じたことも多くあった。

1つは、自分から会話を始めることだ。初日に英国の高校生が立教に到着し、寮や校内を案内していたときのこと。私は自分から話しかけることが出来なかった。話しかけようと努力はするのだが、どうしても言葉が詰まってしまう。打ち解けた後は、会話を続けることが出来るのに、初対面だと上手く話せない。このギャップがもどかしく感じると同時に悔しかった。英語でのコミュニケーション不足というのもあるが、一番の原因は、最初に何から話していいのか分からないからだと思う。つい難しく考えてしまうのが私の癖である。しかし、簡単な文のほうが尋ねやすく、相手も答えやすい。「兄弟はいるの?」「得意な科目は何?」など中学一年生で習うような文章でも十分会話は弾むのだ。これは、相手が日本人であっても同じことである。そのことに気づき、Science Workshop本番では同じ後悔は繰り返さないと決めた。

もう1つは、日本についての知識だ。今回の事前研修のために、私たちは日本について紹介するパンフレットとパワーポイントを作った。その際、私は意外と日本について知らないと実感した。インターネットで調べて、初めて分かったことも多い。普段、当たり前に感じている”日本人は会話のときのジェスチャーが少ない””「すみません」には様々な意味がある”など、英国人に尋ねられてから意識するようになった日本の文化もある。日本について教えるよりも、気付かされたことの方が多かったかもしれない。もう少し自分の住む国や地域のことを知ろう、と思う良いきっかけとなった。

そして最も大切だと思ったこと。それは、意見を持ち発言することだ。英国の高校生のディベートに参加する機会があったのだが、皆、途切れることなく発言をし、自分の意見を伝えていた。これは私にとって新鮮だった。よく日本人は『意見を言わない』というイメージを持たれている。私も「〇〇と××、どっちにする?」と聞かれたら「どっちでもいいよ」と答えることが多い。しかし、彼らのディベートを見ていると、曖昧な返事をしている人は1人もいなかった。私には、皆、自分の意見や発言に自信と責任を持っているように思え、その姿がやけに眩しく見えた。今後は、物事をしっかりと捉え考える、自分の意見を相手に伝える、この2つを心がけようと思う。

新たな気付きをすることができた3日間は、私自身を大きく成長させ、とても貴重で充実したものになった。Science Workshop本番で、どれくらい力を発揮できるか楽しみだ。

(高等部2年生 女子)

14年ぶりに娘二人(7才、3才)を連れて立教に”帰って”来ました。
在学時と雰囲気の変わらない本館のドミトリーに足を踏み入れた途端中学時代の思い出が一気によみがえりました。
夏休み中で、制服を着た生徒の姿を見られなかったのが残念です。
お休みの日にあたたかく迎えていただき有難うございました。
立教英国学院の益々のご発展を祈念いたします。

Briefing weekend とは、サイエンスワークショップへの準備として立教で行われた交流会だ。いくつかの現地校から、合わせて20人ほどの英国人の生徒が来て、そこに立教生7人も加わり、3日間共に過ごした。一緒に食事をとり、寮も英国の女の子と同じで、普段立教生としか過ごさない立教で、英国の子と生活していることが不思議に感じられ、緊張した。

このBriefing weekendで立教に来た生徒達は、この後ワークショップで東北に行くためか、日本に興味を持っていて、とても気さくに話しかけてくれた。これまで交流した子達の中で最もフレンドリーだったため、多く話せて嬉しかった。

そうして会話する中で学んだことは、英語での会話で私に必要なものだ。

1つ目はあせらないこと。実際英国の人と話してみると、使う英語のほとんどはもうすでに文法上は習い、十分理解できるものであることに気付く。しかし、外国の人を前にすると緊張してしまい、分かる英語も分からなくなってしまう。落ち着いてよく聞くと、理解できると思った。2つ目は細かいところで気を抜かないこと。1つ目と共通するが、いざ聞き取って今度は自分が話すときに、焦りから3人称のsを忘れたり、aやtheを抜かしたり、過去形や未来形を間違えてしまったりする。そのような細かいところを正しく話そうと思った。

そして最も大事だと思った3つ目は、話を続けることだ。これは英語でなくても、全ての会話に成り立つ。例えば「どこから来たの」と聞かれて、「日本」とだけ答えるのではなく、「日本の静岡で、ちょうど真ん中あたりに位置します。富士山がある県ですよ。」と、出来るだけ多くの情報を話す。すると会話は続き、楽しいものになる。私は日本語でも会話が続かないことが多いなと気付き、最近は普段から質問を自然に続けるよう気をつけている。「会話はキャッチボールだ」とECの先生がよく言われるが、そのように自分が受け取ったら、相手に返すものだと意識しながら会話したい。

この3つが私に必要なものだと思った。これらに気をつけてコミュニケーションしていこうと思う。

またこのBriefing weekendの期間には、東北の被災地について学んだり、原子力発電所について専門家の方からお話をうかがったりした。その中で、日本が大好きで住んだこともあるという英国人の夫妻が日本人について話をしてくださった。その夫妻は日本人は丁寧で、礼儀正しくて、優しいと日本にとても良い印象を持っているようだった。しかしあえて悪いところを聞くと、「個人で行動しないこと」と言われた。自分はどう思っているのかもっと大事にしてほしいそうだ。福島の事故についてもそうだが、例えば周りが福島産の食べ物を買っていないから、自分も買わないとか、政府に対して個人の意見を発さないことに驚いたらしい。確かに日本人に「あなたはどう思う?」と聞いてもすぐに答えが出てこないことが多い。集団での行動に慣れてしまって、自分がどうしたいのかはっきり分からないところが私達の悪いところだ。もっと自分の意見を持ち、発信する必要があると感じさせられた3日間だった。

(高等部2年生 女子)

もう既に夏休みに入って結構たってしまいました。
ブラジルに帰った時はワールドカップムードでした。
ブラジルが試合の日は家でピアノも弾いてはいけないし、店は全て閉まってしまいます。
ブラジルが点を決めた時は街中が携帯ラッパという楽器の音で包まれていたと聞きました。
僕が帰宅してからはブラジルは勝てなかったので聞けなかったのですが…
それどころか、ドイツに7点決められた時はブーイングがあちこちから聞こえてきました。
今はそのムードもすっかり冷め、いつもの街に元通りです。

7月9日水曜日。サイエンスワークショップに参加する6人の仲間と、先生と共にロンドンへ出発した。普段のアウティングとは違い、移動は主に電車を使う。持ちなれていないトラベルカードを手にしながら、私の心は高鳴っていた。
電車に揺られて約1時間、ロンドンに到着した私たちは、まずお昼を食べるために中華街へ。おいしい小籠包を求めてお店をはしごしたり、1つの料理を8人でシェアしながら食べたりと楽しいお昼となった。その後、女子4人でピカデリー周辺を散策していたとき、日本人の同年代の女の子達や、旅行中の老夫婦に声をかけられた。学校のことや寮のこと、何年イギリスにいるのか等を聞かれ、必ずといっていいほど「すごいね。」と言われた。サイエンスワークショップに参加する日本の高校生も、同じことを思うのだろう。少なからずハードルは上がって当然なのだ。ふとこんな思いが頭をよぎった。そのハードルを越えなければ私は成長しない、と。

午後からは、ロンドン・リンネ協会を訪れた。私は授業で生物を選択しており、「リンネの二名法」についても学んだことがあった。そのため、ガイドさんの英語があまり聞き取れなくても、なんとなく意味は理解することができたのだ。私たちは地下の倉庫も見せて頂くことが出来た。そこには、リンネが使用したとされる600年前の本や、様々な動物の標本がきれいに保存されていた。どれも心を躍らせるものばかり。1時間半のガイドはあっという間に終わってしまい、教科書の世界をとても身近に感じる良い時間を過ごすことができた。

ファラデーの王立研究所も訪れたが、やはり「凄い」としか言葉が出てこない。英語の解説を読まずとも、沢山の展示品を見ているだけで伝わってくるものがある。知らぬ間に化学の世界に引き込まれてしまった。

その後、地下鉄でタワーブリッジまで移動。歩きながら交わした他愛ない会話や、橋の上で撮った写真も忘れられない記念だ。美味しい夕食を食べ、駅で見つけたどら焼きを頬張りながら再び電車で1時間。学校に着くころには、身も心も満たされていた。一味違ったアウティングを楽しむことが出来、サイエンスワークショップに参加してよかった。と心から思った。
夏の本番に向けて、更に期待が大きく膨らんだ。

(高等部2年生 女子)

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