私がサイエンスワークショップに期待することは、二つあります。

一つ目は、英人とのコミュニケーションによる、英語力の向上です。同じイギリス人の英語でも、同年代のイギリス人と、ECの先生方の英語は違います。私は、色々な年代の英国人と会話をし、リスニングや様々な表現を学んで行きたいのです。そのため、英国人高校生が参加するこのワークショップで、普段とは少し違う英語が聴けると期待しています。また、今年の夏は、二ヶ月という長い休みを日本で過ごすため、実際に英語を使ったり聴いたりする機会が少なくなってしまいます。休み中に、英語力が低下しないよう、日本にいる間もできるだけ英語を使いたいと思っています。

そしてもう一つ、サイエンス、という話題を通して、会話をしたいです。以前、英語を学びに留学するよりも、医療や文学など、語学以外を学びに留学したほうが、語学力が伸びるとききました。その教科を学ぶのに、英語など語学が必須になるからだそうです。ワークショップでは、英語をサイエンスを学ぶためのツールとして使っていけると考えています。

二つ目は、理科について知識を深めること。高2になり、私は文系のコースに進み、興味のある教科のほとんども文系科目です。しかし、それは理系科目をやらなくていいということとは、違うと思っています。文系、理系と分かれても、将来理系科目の知識が必要になってくるかもしれないし、私が将来なりたいと思っているものにも、生物の知識は必要です。サイエンスワークショップに参加し、将来への考え方が変わった生徒の話もききました。私は、このワークショップに参加して、サイエンスへの知識を深め、今までの考え方とは違う、新しい考え方をできたら、と思っています。

(高等部2年生 女子)

指が鍵盤から離れた途端、会場に拍手が鳴り響いた。ずっと想像していた光景が目の前にあった。

僕がピアノを始めたのは約12年前。母が小さい頃にやっていたこともあり、家にアップライトピアノがあった。わけも分からず、鍵盤を叩いていると、「ピアノを習ってみたらどう?」と母に勧められた。偶然、祖父の知り合いにピアノの講師がいたので、そこに通うことになった。初めてグランドピアノを見たときの衝撃は今でも覚えている。

それから十数年、何度もピアノをやめたいと思った。練習がつらい、先生のところへ行きたくない、部活との兼ね合いが…。実際に「やめます」と先生に伝えたことも数回あった。それでもずっと続けてこられたのは、曲が完成して思い通りに弾けたときのうれしさや楽しさが忘れられなかったからであると思う。

ピアノがある家から離れて数ヵ月後、立教で他人がピアノを弾いている姿を見て、またあの楽しさを思い出してしまった。そして生まれて初めて本当に「ピアノが弾きたい」と強く思った。次の学期からプライベートレッスンをとり始めたことは言うまでもない。

そして本番当日、緊張と興奮が織り交ざった不思議な気持ちでステージに向かった。弾いている間は、正直、頭の中が真っ白になってなにも覚えていない。が、弾き終えた瞬間の爽快感ははっきりと覚えている。ずっと練習してきたものが、100パーセント、いや120パーセント発揮できた瞬間だ。

次のコンサートでも、またステージの上に立ちたいと思う。拍手が鳴り響くあのステージに。

(高等部2年生 男子)

期末考査の答案返却が終了し、長い夏休みがやってきました。何年も立教で過ごしている生徒も、やっぱり帰宅は待ち遠しい様子。見送る側としては少しさみしい気持ちもありますが、はじけるような笑顔で空港へ向かう生徒たちを見ていると、また同じような笑顔で戻ってきてくれるといいな、という気持ちになります。

大部分の生徒が帰宅した7月6日の夜、立教には20名ほどの生徒が残っていました。7月7日から11日までの5日間、夏期補習に参加する高3の生徒たちです。あらかじめ希望する授業を選択し、1週間の集中講義に参加します。朝の8:45から90分の授業がはじまり、空き時間は図書館で自習をし、夜は12時に就寝をします。普段よりも長い授業は大変そうですが、生徒たちは集中力を切らすことなく真剣な眼差しで参加していました。主要5科目のみの補習ですが、同じ数学でも理系と文系は別々に授業を行っていたり、英語は和訳演習、語句の解釈、英作文、会話問題など細かく授業が組まれており、苦手を克服したり、受験に必要な授業を自ら選べるようになっています。日本の高校生よりも長い夏休みを有意義なものにしていくために、この1週間の夏期補習は高3生にとって夏休みのいいスタートダッシュとして機能しているようです。

5日間の集中補習も終了し、他の生徒から1週間遅れて本日高3生も全員帰宅しました。まずは1学期の疲れをしっかりと癒し、充実した夏休みを過ごせるよう願っています。

待ちに待った一学期最後の行事「ウィンブルドン」。テニス一筋で中学・高校と過ごしてきた僕にとってこの行事に込める思いは人一倍強かった。聖地ウィンブルドンに行くのは今年で3回目。色々な新しい体験をし、たくさんのことを感じた。

・日本テニス界のスーパースター錦織の試合を観戦し、握手をしてもらった。
・ウィンブルドン名物の「イチゴ」を食べた。
・王者ロジャー・フェデラーのサインも手に入れた。

まだまだ他にも貴重な体験をしたが、一番心に残った貴重な体験は「イギリス人の優しさ」を改めて実感したことだと思う。一つ目は、どちらかと言えば心の大らかさかも知れないが、雨が降ったときのイギリス人の態度にあった。試合観戦中、2回ほど2、30分雨が降ったのだが、彼らは何一つ文句を言わなかった。代わりに、”Finger crossed” と笑顔とともに言っていた。大会の雰囲気を盛り下げないように、という思いがこもっていたのか皆が雨を楽しんでいるようだった。

二つ目の出来事は試合を立って観戦している時だった。少し離れたテニスコートの観覧席から二人の女性がこちらを向いて手を振っていた。初めは見知らぬ人から手を振られたため、自分に対してなのかと迷ったが、一応その人達の所に行った。すると「ここの席空いてるわよ」とわざわざ教えてくれたのだった。それは、日本人の僕としては不思議な気持ちだった。しかし、彼らの行動はとても心温まるものだと感じた。その後も、その人達と会話をし、仲良くなり、なんだか「新しい友達」ができたような気がした。

どちらの体験も日本では決してできず、かつ海外で生きていくためには必須なことだと思った。立教英国学院で3年間過ごし、英語の実力もしっかり付いてきた今、「真の国際人」になるために、新たなことをまた一つ吸収できて良かったと思う。

(高等部3年生 男子)

7月5日、天気に恵まれた土曜日に私たちは終業礼拝の日を迎えました。4月から立教英国学院に来た生徒たちもすっかり「立教生」になって、入学式の時とは違うリラックスした表情で礼拝堂の椅子に座っていました。

1学期はとても忙しい、充実した学期でした。行事の面では球技大会、ジャパニーズ・イブニング、ロンドン外出、ウィンブルドン、ミュージックコンサート等があり、学習の面では日々の小テスト、朝から晩まである授業があり、更に模試や資格試験やクラブ活動、プライベートレッスンにも挑む、振り返ると本当に色々なことに精を出した学期だったのではないでしょうか。

立教英国学院に初めて来た生徒たちは、日々のテーブルマナーから新しく迫りくる行事までありとあらゆることに慣れるのが大変だったことでしょう。立教歴の長い生徒も、新しいクラスやドミトリーメンバーと出会い、楽しいことも苦労も両方あったかもしれません。

終業礼拝での林チャプレンのお説教の中で「vacationはもともと『空っぽにする』という意味がある。」というお話がありました。2学期には我が校のメイン行事であるオープンデーがあります。林チャプレンの言葉のように、疲れた体をよく休めて、夏休みに一度自分をからっぽにして(=リセットして)、それぞれが万全な状態で2学期を迎えられたらと思います。

7月3日(木)夜、校内ホールにて恒例の学期末スクールコンサートが催されました。
勉強詰めだった期末期間が終わり、授業も部活も終了した後の、つかの間の休息の時。
ピアノ、フルート、ヴァイオリン、コーラスなど多彩な演目があり、
順に登壇する友の奏でる美しい音色に、皆が心を満たされていました。

このスクールコンサートは、普段の音楽活動の成果を示す場でもあります。
発表する生徒達は皆、忙しい学校生活の中、部活動とレッスンを両立させてきました。
レッスンが無い日でも、放課後や空き時間に練習する姿をよく見かけます。
ある生徒は、ピアノが無かったらこんなに勉強に集中できてない、
と笑って話してくれたことがあります。彼らにとって、
音楽は立教の生活になくてはならないものになっています。

このような立教のスクールコンサートの完成度はとても高いです。
特に高校3年生は最後のコンサートとあって、これまでの数年間の集大成を
見事に表現してくれました。
コンサートを鑑賞するため、毎回外部から100名以上のお客様がいらっしゃいます。
会場は一曲終わるごとに大きな拍手に包まれていました。

期末試験終了後の月曜日、立教英国学院の生徒たちは朝4時30分に起床しました。例年は期末試験期間に行っているウィンブルドン観戦ですが、今年は期末試験が終了してからです。前日の夜はいつもよりも早い時間の就寝でしたが、朝のホームルームに集まる生徒たちは「さすがに4時台に起きるのは辛いですよ」とまだまだ眠たそうです。

学院から約1時間バスに乗り到着した会場の前には、長蛇の列ができあがっていました。チケットを買って会場に入るためにはこの列に長い時間並ばなくてはなりません。長時間並ぶというとなんだか退屈そうですが、「列に並んでいる間が一番楽しい」と楽しみにしている生徒もいます。ウィンブルドンの列に並ぶ人達は、お話をしたり、寝そべったり、キャッチボールをしたり、思い思いの時間を過ごしているのです。今年は4時間程の待ち時間で入場することができました。「もっと並びたかった」という生徒もいたほどです。

この日は2日前に日没順延となった錦織圭選手の試合も行われました。入場して、帰りの集合場所を確認した後は、多くの生徒たちが錦織選手の試合が行われるコートへと向かいました。しかし、ここはイギリス、コートの周囲で試合を待つ人たちの背が高いのです。その様子を見てあきらめてしまう生徒もたくさんいましたが、あきらめずに観戦した生徒たちは錦織選手の勝利を観ることができました。低学年の子の中には、親切な方に「前に入っていいよ」と譲ってもらい、前列から試合を観戦できた生徒もいました。

午後からは雨が降り試合が一時中断となることもありました。審判が試合中断を判断するとスタッフたちはコートにすばやくカバーを掛けます。こんな様子を見られるのもウィンブルドンでの貴重な経験の一つです。雨が降ったり晴れたり、イギリスらしい天候の変化の激しい一日でした。

学校に帰ってからは、この日のもう一つのお楽しみ、日本食メニューのうどんをいただきながら、いつもの食卓で「○○くんは○○選手にサインもらったよ」「選手に握手をしてもらった」「いちご10パック以上食べた」などとウィンブルドン話に花を咲かせます。期末試験に向けて毎日一所懸命に勉強した生徒たちにとって、仲間との楽しい一日でした。

私がこの学校へ留学しなければ一生でウィンブルドンへ行く機会はなかったと思います。前日の就寝は9時前、そして起床は4時半という立教生だけでなく学校全体が力を入れている気合が入っている行事なんだと実感しました。私もここに来る前からテニス好きの友達にウィンブルドンのことは聞いていたので、まさか私がその場に行けるとは思ってもいなかったので、とても楽しみでした。
いつもだったらまだ起床すらしていない時間から、長い列に小5から高3の先輩までがそろって並び、前日に高2の先輩が詰めて下さったパックドランチを食べたり、アイスを買いに行ったりなど、並んでいる時間は思ったよりも早く過ぎてゆきました。
校長先生がおっしゃったように今回は雨の影響で日程がずれ、見ることができないはずだった錦織の試合が延長され、私たちが行った日に見ることができました。いつもテレビで見ている錦織選手を間近で見ることができ感動しました。昼食は芝生で食べ、天気が良かったのでとても気持ち良かったです。
午後は天気が崩れ、試合が中止になったりと予想外なことが起こりましたが、全然知らなかったテニスのことを知る良い機会になりました。期末試験が終わり日本へ帰る日が近づいてきました。日本にいる家族や友達に良いお土産話ができそうです。

(中学部3年生 女子)

今年もサイエンスワークショップの季節がやって来ました。年を重ねる毎に内容も充実し、今年は7月6日(土)〜11日(金)まで、立教からの参加者(高校2年生男女7名)のための事前準備学習会が、立教英国学院で開かれました。それに加え、7月11日(金)〜13日(日)には、東北大学日英サイエンスワークショップに参加する英国人高校生とその引率教員による事前研修会が、立教英国学院で行われます。主催は日英の文化交流に長年にわたり尽力されているMary-Grace Browning先生 (Country Upper School; Clifton Science Trust)で、生徒と引率教員、ゲストスピーカーMr&Mrs Purvis (Japan Society)、Prof R. Cashmore(UK Atomic Energy Authority)、Dr E. Albone (Clifton Scientific Trust) を含め合計32名のイギリス人が立教英国学院へ来校し、立教生と一緒に寮に滞在しながら3日間のプログラムに参加します。

今回の事前研修会の目的の一つは、東北大学日英サイエンスワークショップに参加するため日本へ行くイギリス人生徒達に、出発前に少しでも日本のことを知ってもらい、ワークショップをより実りあるものにすることです。Mary-Grace Browning先生によるアイスブレイクや、立教生による日本の文化紹介のプレゼンテーションの他、Mr & Mrs PurvisによるGanbare! What real help has there been? Tohoku and its recoveryと題したプレゼンテーション等が行われます。

そしてもちろん、サイエンスワークショップ主催のDr E. Alboneからのお話や、英国原子力エネルギー機構会長で英国王立協会シニアフェローのProf R. Cashmoreのプレゼンテーション等、未来のサイエンティスト達にとっては大変貴重な機会の数々が詰まった3日間となりそうです。

 

ウィンブルドンのテニス選手権は毎年6月の、立教のメダマ行事の1つです。
入場券は当日券を買いますので、起床は早朝4:30。7時頃には現地に着いて、長い当日券の列に並びます。起床はとっても早い上、バスにも乗るので朝ごはんは朝食パックを持ってゆき、列に並びながら、のんびりと友達とお喋りしつつ朝ごはんを摂ります。

この朝食パックを作るのは高校2年の女子生徒たち。ずいぶんと長い間、その年の高2女子たちが前夜に時間を割いて用意し続けてきています。毎年毎年の、立教のならいのひとつです。
用意といっても、サンドイッチやおにぎりを一から作るほど難しいことはしません。パンやドーナツを1つ1つナプキンに包み、数種類のパンとフルーツジュース、ミネラルウォーターのペットボトル、蜜柑や林檎といった果物などと、個別のセットを作ります。
作ったものは、翌朝ウィンブルドンへ向かうコーチごとの人数に合わせて振り分けます。どのように詰めてゆくか、流れ作業だの、やり方の工夫だの、それぞれがパッパと判断し、互いに声を掛けて協力し合いながら行います。高校生らしい機知と行動力に富み、ビニルやダンボール箱の片づけまでも、彼女達自身でどんどんと進めてくれる姿は頼もしい限りです。

立教にはこういったシステムが少しずつあります。
翌日の朝食のナイフやフォーク、皿、シリアルやパンなどをテーブルにセッティングするのは生徒の仕事。生徒会が学期始めに、学年ごとの当番日程を決めて毎日の準備がなされ、朝食が気持ちよく食べられます。
スクールコンサートや学期末のランチョンなど、行事ごとに食堂にあたるニューホールのテーブル・椅子を並べ替え、目的に合わせて使えるようにするのは、毎年の高校1年生の仕事です。
毎朝の起床や食事を知らせる鐘鳴らしは高2生の仕事。
さり気なく、学校生活がスムースに流れてゆくよう、あちこちで生徒達が少しずつ役割分担を持っています。

ふだん何気ないことも、お互いの役割分担のお陰。
どこかで必ず自分自身が支える側になります。自らの裏方仕事への誇りと、それを行ってくれている学年への感謝の気持ちも少しずつ育っているものと思います。

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