今年もサイエンスワークショップの季節がやって来ました。年を重ねる毎に内容も充実し、今年は7月6日(土)〜11日(金)まで、立教からの参加者(高校2年生男女7名)のための事前準備学習会が、立教英国学院で開かれました。それに加え、7月11日(金)〜13日(日)には、東北大学日英サイエンスワークショップに参加する英国人高校生とその引率教員による事前研修会が、立教英国学院で行われます。主催は日英の文化交流に長年にわたり尽力されているMary-Grace Browning先生 (Country Upper School; Clifton Science Trust)で、生徒と引率教員、ゲストスピーカーMr&Mrs Purvis (Japan Society)、Prof R. Cashmore(UK Atomic Energy Authority)、Dr E. Albone (Clifton Scientific Trust) を含め合計32名のイギリス人が立教英国学院へ来校し、立教生と一緒に寮に滞在しながら3日間のプログラムに参加します。

今回の事前研修会の目的の一つは、東北大学日英サイエンスワークショップに参加するため日本へ行くイギリス人生徒達に、出発前に少しでも日本のことを知ってもらい、ワークショップをより実りあるものにすることです。Mary-Grace Browning先生によるアイスブレイクや、立教生による日本の文化紹介のプレゼンテーションの他、Mr & Mrs PurvisによるGanbare! What real help has there been? Tohoku and its recoveryと題したプレゼンテーション等が行われます。

そしてもちろん、サイエンスワークショップ主催のDr E. Alboneからのお話や、英国原子力エネルギー機構会長で英国王立協会シニアフェローのProf R. Cashmoreのプレゼンテーション等、未来のサイエンティスト達にとっては大変貴重な機会の数々が詰まった3日間となりそうです。

 

ウィンブルドンのテニス選手権は毎年6月の、立教のメダマ行事の1つです。
入場券は当日券を買いますので、起床は早朝4:30。7時頃には現地に着いて、長い当日券の列に並びます。起床はとっても早い上、バスにも乗るので朝ごはんは朝食パックを持ってゆき、列に並びながら、のんびりと友達とお喋りしつつ朝ごはんを摂ります。

この朝食パックを作るのは高校2年の女子生徒たち。ずいぶんと長い間、その年の高2女子たちが前夜に時間を割いて用意し続けてきています。毎年毎年の、立教のならいのひとつです。
用意といっても、サンドイッチやおにぎりを一から作るほど難しいことはしません。パンやドーナツを1つ1つナプキンに包み、数種類のパンとフルーツジュース、ミネラルウォーターのペットボトル、蜜柑や林檎といった果物などと、個別のセットを作ります。
作ったものは、翌朝ウィンブルドンへ向かうコーチごとの人数に合わせて振り分けます。どのように詰めてゆくか、流れ作業だの、やり方の工夫だの、それぞれがパッパと判断し、互いに声を掛けて協力し合いながら行います。高校生らしい機知と行動力に富み、ビニルやダンボール箱の片づけまでも、彼女達自身でどんどんと進めてくれる姿は頼もしい限りです。

立教にはこういったシステムが少しずつあります。
翌日の朝食のナイフやフォーク、皿、シリアルやパンなどをテーブルにセッティングするのは生徒の仕事。生徒会が学期始めに、学年ごとの当番日程を決めて毎日の準備がなされ、朝食が気持ちよく食べられます。
スクールコンサートや学期末のランチョンなど、行事ごとに食堂にあたるニューホールのテーブル・椅子を並べ替え、目的に合わせて使えるようにするのは、毎年の高校1年生の仕事です。
毎朝の起床や食事を知らせる鐘鳴らしは高2生の仕事。
さり気なく、学校生活がスムースに流れてゆくよう、あちこちで生徒達が少しずつ役割分担を持っています。

ふだん何気ないことも、お互いの役割分担のお陰。
どこかで必ず自分自身が支える側になります。自らの裏方仕事への誇りと、それを行ってくれている学年への感謝の気持ちも少しずつ育っているものと思います。

指定校推薦枠一覧(2014年度現在 高等部3年在籍数 43名)

立教大学(20名)
関西学院大学(5名)
立命館アジア太平洋大学(3名)
同志社大学(2名)
千葉工業大学(2名)
聖心女子大学(2名)
立教女学院短期大学(2名)
早稲田大学(1名)
東京理科大学(1名)
*南山大学(1名)
*法政大学(1名)
桃山学院大学(1名)
聖路加国際大学(1名)
上智短期大学(1名)

( *は昨年度実績)

小学生の授業では、昨年から小学5年・6年合同で、週に1時間、自由テーマの社会の授業をおこなっている。去年は世界史の先生がイギリスについて教えてくれた。今年もイギリスについて学んでいる。

といっても、授業時間の4分の1くらいは、都道府県と県庁所在地の教養を身につけるべく、毎回小テストに臨んでいる。はじめは文句を言っていた小学生たちも、1学期が終わる今は、すっかり頭に入ってしまったようだ。2学期は何をしようかな。世界の国名だね。先生は計画を立てている。

4分の3を使ってイギリスについて学んでいる。
最初は「イギリスのイメージって何?」から始めた。フィッシュ&チップス、ビッグベン、エリザベス女王…様々な意見が出た。それぞれ小さい紙に1つずつ書いてもらってから、みんなで見せ合って種類分けをした。「観光」「食事」「地理」「歴史」イメージは様々だ。

これをもとに、いろいろなことを調べてもらおうと思ったが、最初に国名や人口、地域、日本との関係などの基礎事項を学んでいると、たくさんたくさん質問とコメントが出て、様々な話をし合っているうちに1学期の終わりが見えてしまった。小学生でもいろいろ知っている。知っていることを新しいことに繋げてゆく。プリントを使いながら学んでいるけれど、合い間合い間に交わした話の方が貴重だ。教科書はないけれど、ちょっと違った、その場で出たテーマをもとに知識を広げている。学校の中やイギリスの街の中で見かける何気ないできごとやものごとを、理解とともに知識にかえてゆきたい。

6月15日(日)、今日は学校から車で30分ほどのところにあるギルフォードという街へショッピングに行きました。天気は生憎の曇り空でしたが、いつもの制服から私服に着替えてコーチに乗り込む生徒たちの顔は晴れやかです。
12時半頃ギルフォードに到着。班ごとに分かれて自由行動です。「お昼何食べるー?」マクドナルド、日本食、タイ料理にバーガーキング。皆にとっては久しぶりの外食なので、色々な食べ物に目移りして、入るお店を決めるのも大変です。
お昼のあとはいよいよショッピング。洋服や靴、お菓子など、買いたいものを求めてあっちに行ったりこっちに行ったり・・・。皆両手に袋をいっぱい抱えて集合場所へ帰ってきました。
期末テストに向けて毎日遅くまで勉強に励んでいる生徒たちですが、今日だけは良い息抜きとなりました。もちろん、夜は気分を切り替えてテスト勉強。今学期も残り僅かとなりました。夏休みに向けてのラストスパート、皆さん頑張ってくださいね!

私宛てに、一通のメールが届いていた。それは私の母からのものだった。「ハーフターム中の火曜日に、レ・ミゼラブルのミュージカルのチケットがとれたよ。」という内容だった。私はその時、早く火曜日が来ないかな、とハーフタームが待ち遠しくなった。
私はレ・ミゼラブルの映画とミュージカルを既に見たことがあったので、内容は分かっていたから今回は内容を理解するだけでなく、細かい所までしっかり見よう、と決めた。

ついにその日がやってきた。私は劇場へと向かった。7時半からの公演で終わったのは10時20分くらいだったろうか。その間に15分から20分くらいの休憩があるため、見ていた時間は2時間半。私にとってはこの2時間半がものすごく短かったように思えた。ミュージカルは熱気のこもった大熱演。すばらしい演技と歌、演奏であり、劇全体を通して、とても心を打たれた。特に強く心に残っているのはエポニーヌだ。自分の感情にとても素直に生きているエポニーヌだが、彼女は悪い事をしていた両親に育てられた。でも、彼女はマリウスに対する愛を持ったことで、成長したのだと思う。

こんな風に考えられるのは、事前に映画を見ていたおかげだと思う。
「あっ、この場面見たことある。」「たぶんこういう意味なんだろうな」と考えながら見るのは私にとっては、とっても楽しかった。
ミュージカルを見終えて私は日本にいるおばあちゃんに、
「昨日レ・ミゼラブルを見てきたんだよ。」
とビデオ通話で言った。
「どうだった?楽しかった?」
と聞かれ、私はこう答えた。
「すごく良かったよ。歌声がすごくきれいで、迫力のある演技で・・・・・・」

日本語だったらまだいい。大迫力で、とか歌声が会場全体に響き渡っていた、などと表すことができる。私は、フルートのプライベートレッスンの時に先生と少し話す。今日は何をした、とか来週は何がある、とか。その時に、マンマ・ミーアのミュージカルを見たことがある、と私が言った。やはり、「どうだった?」と聞かれた。私は、「It was so good.」と言った。本当はもっとすごかったのに、語彙力が乏しくてうまく伝えられなかった。ものすごく悔しかった。もっともっと語彙力が欲しい。私はそのようなことがよくある。だから、もし英人の先生に何かの良さを伝える時には、思った通りに伝えられるよう、頑張りたいと思う。そしてさっそく立教に帰ったら、プライベートレッスンの先生にレ・ミゼラブルの迫力を、今私が持っている語彙力を最大限に生かして伝えたいと思う。こんな決意をしたハーフタームであった。

(高等部1年生 女子)

ステイ先に着き、物がぎっしり詰まったスーツケースを、ホストファミリーに手伝ってもらってどうにかこうにか部屋まで運び入れた。一段落したところで、リビングのソファに座って紅茶を飲んでいると、一人の小さな男の子が母親に連れられて挨拶をしに来た。

私が
「ハロー」
と言うと、その男の子も恥ずかしそうに口を開いて自己紹介をしてくれた。辛うじて聞き取れたのは、
「ボンジュール」
だけだった。

フランス語だということは分かるが、何を言っているのかは全くわからない。ホストマザーのアンさんに、彼が甥っ子でフランス語しか話せないこと、次の日にはフランスに帰ってしまうこと、彼の名前がアレクサンドロだということを聞いた。正直その時は、私も英語すらよく話せるわけでもないのに、英語が全く通じない相手とどう接したらいいか分からなかった。

アレクサンドロは最初とてもシャイな男の子のようだったが、次第に私たちに心を許してくれたようで、いろいろなものを見せてくれたり、一緒に遊んだり、次の日の朝には起きたばかりの私たちのベッドの上で暴れまわった。犬が「シャン」、猫が「シャ」、蝶が「パピヨン」だということも、彼が教えてくれた。文章で話されると、終始彼が何を言っているのかわからなかったが、それでも私はアレクサンドロとコミュニケーションをとっていた。フランスに帰る時、私たちともっと遊びたいと駄々をこねたのは、仲良くなれた証拠だと思う。

アレクサンドロに会って、私はお互いに言葉が通じなくてもコミュニケーションはとれるし、仲良くなれるのだということに気づいた。私は、英語の中でスピーキングが大の苦手だ。通じなかったらどうしよう、文法を間違えたら恥ずかしい、と考えてしまい、どうしても口数が少なくなっていた。でも、フランス語の相手とここまでコミュニケーションがとれたのだから、きちんと勉強している英語ならもっと簡単なはずだと、今回のホームステイで自信を持つことができた。これからはもっと積極的にコミュニケーションをとってみようと思う。

(高等部3年生 女子)

“ジャパニーズ・イブニング” 我々生徒達が英人のお客様に、日本の文化を知ってもらおうというものだ。今年私は、剣玉・独楽の企画長になった。正確に言えば、なってしまった。

最初私は、英会話がそこまで達者ではないので、なにか英人と一緒に楽しめるものがいいと思い、この企画を選んだ。企画長は他の高2がやってくれるだろうと考えていたのだが、高2が私一人だけだったので、企画長になってしまった。

私は普段人前に出て何か物事を仕切ることが苦手だ。しかも剣玉・独楽は得意ではなかった。この企画をうまくやっていける自信が全くなかった。前回のジャパニーズ・イブニングで独楽をした人が多くいたので、私は特に剣玉の係りになった。大皿にのせるぐらいしか出来ず、とてもあせった。

その日から私は、放課後に少し時間があったら剣玉をするようにした。そのおかげで、基本的な技と少し難しい技が出来るようになった。剣玉企画の昔の資料があったので、それを参考にし、剣玉の部位を写真と名前つきで作ったりして、少しでもわかってもらえるようにした。

当日、独楽・剣玉は少ししかスペースがもらえず、端の方だったので、少し地味に見えた。それでもお客様は来てくれた。下手な英語と身振り手振りで、やり方を教えた。伝わりにくかったと思うが、大皿に玉が乗ったときのうれしそうな顔を見ると、素直にうれしかった。

今回私が英人の方に教えたのは、日本の文化のほんの一部だ。しかし、ここから少しでも日本に興味を持ち、もっと日本のことを知ってもらいたい。そういうことから日本とイギリスとの心の距離を少しでも縮められたらと思う。

(高等部2年生 男子)

今年は私にとって2回目の球技大会だった。去年に続いて、女子ソフトボールを選択し、熱いプレーを繰り広げた。高校1年生の時は、球技大会が一体どんなものなのかも分からず、技術面もまだ未熟で、チームについて行くので必死だった。だから、一瞬で練習も本番も過ぎ去り、ほとんど記憶がない。だけど今回の球技大会は高2として心に余裕があったのか、とても熱く胸に刻まれた球技大会となった。

女子ソフトボールの練習は、最初はチーム混同でキャッチボールやバッティング練習をし、球技大会の2、3日前にはチームごとに分かれて練習を行った。強い日差しの中、練習は毎日行われ、その中で一人一人が自分の実力を磨き上げていった。

ついに練習の成果を出す本番当日がやって来た。全体種目が終わった後、まず軽い練習試合があった。結果は相手チームの打線が波に乗り、私達のチームは負けてしまった。だけど、この練習で私達のチームに火がついた。
「絶対負けない!負けてたまるか!」
この気持ちが本番の試合に繋がり、午前の試合はサヨナラ勝ちをすることができた。

午後の試合の前、私達は午前の反省を活かし、守りの位置を変えるなどの作戦会議を行った。そして、今から試合が始まるという丁度その時だった。相手チームが、
「1、2回はチームの1人が試合に出られないので、そちらも1人減らして下さい。」
と突然言った。私達はこの状況を理解できなかった。この言葉は、練っていた作戦が全てなしになること、そしてチームの誰を減らすかを決めなければならないということだった。チームに長く重たい空気が漂った。

結局、外野手を一打ごとに交代制で減らすことに決まった。しかし、心の乱れはプレーに響き、私達のチームは絶不調のまま1、2回を終えた。
だが、相手の選手が試合に出られることになり、私達のチームに光が差し込んだ。3回が始まる前、キャプテンの菜七子先輩がこう言った。
「ここからが私達のチームだ。気合い入れていこう!」
この力強く頼もしい言葉でチームが一丸となり、3、4回は1人も欠けることなく本来の私達の力を発揮できた。

試合は逆転できず負けてしまったけれど、決して悔いはない。そしてこのチームでプレーできて本当に楽しかった。

来年も今年のように大声で応援して、来年こそは引き分けでなく2勝して絶対勝つ!

(高等部2年生 女子)

ハーフターム開始日は、太陽が燦々とし夏らしい天候であった。けれど、ハーフターム中は生憎の天気であると予報では言われていた。

私達は、ホーシャムへ5人でホームステイをしに行った。5人という大人数を受け入れてくれた人は、なんと一人暮らしのお婆さんであった。立教生5人に対してホストファミリー1人であっては、食事中に日本語が出てきてしまう。部屋は広いし、気軽ではあったけれど、本来のホームステイの目的は、休息を取る事だけではなく、英人の方々と会話し、その文化に触れる事だと思う。そこで私は、夜お婆さんのところへ行き、「時間はありますか?」と聞いて、「はい。」という答えが返ってきた時には一緒に話してもらうことにした。最初は、「どうしたの?」と心配してくれていたが、私がただ英語の練習をしたいという旨を伝えると、快く引き受けて下さった。

お婆さんは絵画が好きなようであった。絵のことは全くわからない自分は、ナショナル・ギャラリーへ行ったときのアウティングの栞などで学んだ知識をフル活用して話した。それから話は飛び、家族の事や日本の事、ある日には政府の話まで出てきた。政府の話は、民主的だの何だのと難しい単語も多かったが、辞書を使い何とか理解する事が出来た。お婆さんとの話は、30分という短い時間の時もあったが、自分から話す事も沢山あった。
時にアクセントや文法が違えば親切に教えて下さり、学ぶこともたくさんあった。とても楽しく充実したハーフタームであった。

(高等部2年生 女子)

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