参加校はLancing College、Michael Hall、St.Bede’s、Worth、Ardinglyの5つの現地校と本校の6校。
立教周辺の学校が試合の機会を増やすために集まったのがこのリーグ戦の始まり。
1校につきHOMEとAWAYの2試合を行い、勝ち点を競います。
今までは、各学期に2回の対外試合を行えれば良い方でしたが、このリーグ戦に参加することで、10月~2月までの期間に計10回もの試合を行うことになりました。
めったにないこのチャンス。外国人学生を相手にどれほどの力を発揮できるのか。

 

現在、すでに4校との試合を終了。
初戦のLancing Collegeには惜しくも敗退。
2回戦のWorth戦では、練習の成果を発揮することができ、初白星を飾ることができました。
3回戦のArdinglyとの試合では、終始接戦の末、50−59と悔しい結果に終わりました。
そして一昨日行われたMichael Hallとの試合。
HOMEであったため、応援の歓声が体育館中に響き渡る中、高さで劣っている分スピードで勝負に挑み、見事勝利を収めることができました。

 

今学期は2勝2敗という結果に終わり、試合を行う度に日々成長していくチームのメンバー。
さらに、このリーグ戦は技術だけの成長に留まらず、国際交流の場としても絶好の機会だったのです。

 

Lancing CollegeとWorth Schoolの2校との対戦では、試合後に夕食に招かれ、英国現地校の食堂で食事をする機会がありました。
生徒たちは中に入ると、「ハリーポッターみたい!」と広々とした食堂に驚き、バイキング形式での食事にも新鮮さを感じていたようでした。
また、本校でのArdinglyとの試合後には、相手校の生徒と保護者を招待し、一緒に夕食を摂りました。
普段は英国人との会話に緊張する生徒も、先ほど戦った相手ということもあり、食事の席では、
「立教の食事には寿司は出るの?」
「なぜイギリスの学校にいるの?」
といった質問に答えたり、お互いの学校や国について話をしたり、とても楽しく会話が弾みました。

 

スポーツを通しての国際交流。今、ここでしかできない貴重な体験をしている男子バスケットボール部。
まだまだ3学期もリーグ戦は続きます。この後もどれほどの成長を見せてくれるか楽しみです。

 

今回を含め、私は6回のオープンデイを経験して思ったことが一つあります。それは、初めの3回と後の3回の大きな違いです。

 

 私は中1の時のオープンデイから、中2、中3、高1、高2、そして高3と行ってきました。初めの3回、つまり中学の頃のオープンデイでは、オープンデイに”参加している”という気持ちが大きかったです。模造紙の線引きや消しゴムかけ、模型を作ったり、体育館で寒い中のペンキ塗り、フリープロジェクトに入ってニラを育てたり、ドミノを立てたり(チャリティーとドミノ企画でした)…。そんなことをやっていると、やはりオープンデイに”参加している”という気持ちを強く持っていました。

 

 しかし高1になって、私は展示本部に入りました。そしてそれを2年間行いました。すると、今まで”参加している”という気持ちが強かったのに比べて、オープンデイを”作っている”という気持ちが強くなってきました。今までの模造紙や模型作りではなく、模造紙チェックや物の貸し出し、体育館設営などをやり、本部の立場でオープンデイが出来ていく、そして終わって行くのを見ていると、不思議と”作っている”という気持ちが強くなってきました。

 

 そして高3になり、オープンデイの準備期間が始まって、去年自分達が教えた本部の後輩たちが立派に上に立ち、新しい後輩を率いているの見て感慨にふけったり、フリープロジェクトの後輩が今ではもうほとんどの生徒の先輩だということを改めて認識させられて嬉しくおもったりもしました。まるで老人ですね。

 

 長い立教生活最後のオープンデイでしたが、”参加する”のも”作る”のも面白かった。今の小・中学生には、高校生になったら”作る”を味わってみるのもお勧めしたいと思います。
(高等部3年 男子)

 

10月25日、世界的ヴァイオリニストの川畠成道氏が来校し、コンサートが催されました。私はその日、放課後に約30分弱レッスンを受けるチャンスを頂きました。世界で活躍するプロフェッショナルを前にして、初めは緊張したものの、折角の好機を無駄には出来ません。短い時間で、出来る限りたくさんのことを吸収しようとつとめました。

 

このワークショップで印象に残ったのは、教えて頂いたことのすべてが、基本的で当たり前のことだったことです。しかしそれは、基礎の基礎から直されたということではなく、少し工夫するだけで魅力的な演奏に変わる、最高の裏技でした。

 

ヴァイオリンを演奏する、というのは何か。それは、ただの自己満足ではなく、人に聴かせるということです。これではあまり目立たない、もう少し速くした方が良いなど、曲作りをする上でのアドバイスは、お客様に発表することが前提の物なのだと気づくことが出来ました。常に人前で音楽を披露している演奏家だからこその視点で、貴重なご意見を頂きました。

 

基本事項であり、重要なこと。練習→レッスン→練習→レッスン…を繰り返す毎日では滅多に気付かない、大切なことを学べたと思います。

 

この日に頂いたアドバイスを活かし、どんな時も人前で演奏することを考えて、1曲1曲を仕上げていこうと思いました。
(高校1年 女子)

 

オープンデイに来校したお客様もお帰りになり、先ほどまでの慌しさは嘘のように、いつもの立教生活が戻ったかのように見えました。でも、まだ生徒の面持ちも、雰囲気も何かが違っています。
そう、それは、夕食の後に待ち受けている「後夜祭」と呼ばれる、生徒たちがとても楽しみにしているイベントが待ち受けていたからです。昼間それぞれのクラスや係の仕事などで、ゆっくりとステージを見ることが出来なかった生徒のために、全校生徒と教員の前でのショータイムの始まりです。

 

まずは、剣道場に集合。トップバッターはダブルダッチ企画。衣装もバッチリ用意し、生徒全員を巻き込んで、次々繰り広げられる技に会場は大盛り上がり。最後には、観客だった生徒も参加し、高3の先輩との再結成もありました。
次は剣道企画。顔は防具で隠されていますが、その緊張がこちらまで伝わってくるようでした。立教に来てから剣道を始めたという生徒も多い中、その真剣な立ち合いは、これからを楽しみにさせてくれました。

 

続いてホールに移動し、エンターテイメント企画。今年初めての企画で、今までになかった、パントマイムやジャグリング、ボイスパーカッションなど、それぞれの個性を生かしたパフォーマンスを見せてくれました。

 

お次は格好良い衣装に着替えて、ダンス企画。笑顔でステージに立ち、気持ちよく揃ったダンスは、よくここまで練習し、準備してきたと思わせる、見る人を楽しませてくれるステージでした。踊り切った後の達成感に満ちた顔が印象的でした。
ステージの最後を締めくくったのは、劇企画。台本から大道具・小道具・音響・照明・そして役者。全てを自分たちで考えてやってきました。堂々と台詞を言い、演じる姿は、今まで見たことのない生徒の一面であり、一つのものをみんなで作り上げようという思いがよく伝わってきました。

 

これら全ての企画に言えることは、学年の枠を超えて、それぞれの得意分野を生かし、協力して準備・計画・練習を一緒に行ってきたこと。そしてその中で、他人との意見のぶつかり合いなども経験しながら、「成功」の二文字のために時間をかけて取り組んできたこと。そこで生徒たちが学んだことは、クラス企画とはまた別の貴重なものだったのではないでしょうか。
興奮冷めやらぬ中、翌日は各企画への投票が待っていました。クラス企画の展示を、改めて全員で見て回り、評価を付けていきます。さあ、どのクラスが良かったのだろう、自分のクラスが入賞して欲しいな、そんな思いを抱きながら、表彰の時を待ちます。

 

そして迎えた閉会式。生徒会長の山口君が述べた、オープンデイへの思い、そして今まで経験してきた数々のオープンデイの思い出。そんな思い出を、みんなにも持って欲しい。誰よりも頑張ってきたであろう彼の、素直な気持ちが生徒の心にも響いたことでしょう。
各部門ごとに、1位から3位が発表され、毎回大きな拍手と歓声と共に、その部門を引っ張って頑張った生徒が、誇らしげに舞台に上がっていく姿は、自信でいっぱいでした。そんな中で、クラス企画の最優秀賞に選ばれたのは、H1-1の「Alice in Wonderland」、フリープロジェクトの優勝は、「劇企画」でした。生徒会が作成したくす玉を、クラス全員で引っ張り、舞台の上でお祝いしました。

 

みんなで頑張ってきたからこそ、得ることが出来た1位というのは、また格別であったに違いありません。また、たとえ1位ではなかったとしても、全員の力で今日まで頑張ってきたこと、そしてそれをたくさんのお客様に見て頂けたということ。それは、クラスの団結をより強め、彼ら自身の大きな自信につながったことでしょう。
普段見ることの出来ない生徒の新たな一面を見ることが出来たオープンデイ。ここで見せてくれた彼らのパワーを、これからの学校生活の様々な場面でも生かしていってくれると信じています。

 

高校3年生として立教英国での最後のオープンデイ。当日の二日前から参加した私達は、限られた時間の中で精一杯のおもてなしを計画した。各教室、テントのデコレーションからキッチンお手伝い用のエプロンまで、9人分のエプロンを半日で作り上げることができたのは、クラスの団結力としか考えられない。

 

 そして迎えた当日。起きた瞬間に聞こえた雨の音に私は嫌な予感を感じた。礼拝を終えても降り続く雨、テントでの販売を担当していた私は、室内への移動を覚悟していた。すると、オープンデイ開始時刻の10時になった途端に雨が止み、虹が出た。これは、私達へのエールなのだと受け取り、外での販売チームは保護者の方々と共に外での販売を続行した。途中風にテントを壊され、骨組みの折れた部分を補強するなどしながら協力して、どうにか完売までたどり着いた。悪天候の中にも関わらず来て下さった、たくさんのお客様が喜んで帰っていかれるのを見て、達成感と喜びを感じた一日だった。

 

 とにかくめまぐるしく過ぎて行った3日間、下級生の頑張りを影でそっと見ながら、ほほえましく思ったり、もどかしく思ったり、自分達の頑張りをなつかしく思ったりしているうちに卒業が近くなってきていることを実感した。

 

 立教のオープンデイ期間は、フリープロジェクトで優勝した劇企画のテーマにあったように、泣き笑いを共にする仲間との時間であると思う。高校3年生は、直接の活動は少なくても、後輩を見てそのことを改めて実感させられ、またその立場になってこそ真に仲間の大切さを知るのだろうと思った。

 

 あっという間に片付けてしまった静かな教室棟に一つだけ明かりがついている。また静かな戦いがはじまった。
(高等部3年 女子)

 

澄み渡った青空の下、わたしは荘厳なゴジック建築に出会った。
伝統的な建物の多い英国の例に漏れず、なかなかに魅力的なCambridgeの街。その中でも一際目を引いたのは、King’s collegeの壮大な構えであった。たとえ周りの建物が風雨にさらされ歴史に埋もれたとしても、ここだけは世の終わりまでどっしりと建っているのではないか、そう思った。

 

そんな堂々としたカレッジには、わたしの興味をそそる素晴らしい催しがあった。夕方の礼拝–即ち、晩祷だ。King’s collegeのチャペルは男声のみの聖歌隊が特色で、これはクリスマスになるとキャロルが英国全土に放送されるほど有名なのである。(実はわたしは、アウティングのしおりを見るまでこのことを知らなかったが。)当日までいろいろな先生方が、生で聞く価値があると勧めてくださったものだ。通常は有料のKing’s college内部に入り、礼拝にも参加する、またとない好機を、逃すわけにはいかなかった。

 

 笑顔で「Join us.」と迎えられてチャペルの中に入ると、わたしはその空気に圧倒された。まだ日は暮れていなかったが、燭台の蝋燭には既に火が灯っていた。高い天井と壁にはさまざまな彫刻が施されており、正直外から見たときの想像をはるかに超えていた。こんな素敵なところで礼拝ができるなんて幸せだと思った。

 

 晩祷は、とても特徴的だった。詩編の応答は司祭と聖歌隊とのア・カペラによる歌の形式で、中世に逆戻りしたような、不思議な感覚を味わった。薄闇と肌寒さと蝋燭のもとで、一瞬、アウティングで来ていることを忘れそうになったほどだ。噂に名高い聖歌隊の声はあまりにも耳に心地良く、思わず溜め息が出た。

 

チャペルに入ったのは、晩祷開始時刻ぎりぎりだった。そのため、わたしが座った席は、中央にある巨大なパイプオルガンよりも後ろにあった。礼拝が終わったあと、オルガンの下の通路を抜けたわたしが目にしたものは、ルーベンスの名画「東方三賢士の礼拝」だった。そこでわたしが新たな感動を覚えたのは言うまでもない。加えて、落書きをされたり、絵を保存するため床暖房を入れたりしながらも、伝統的な建物を保ち続ける英国人の心にも深い感銘を受けた。

 

結局、晩祷に参加したのは、先生方と、生徒はわたし一人だった。友だちとあの素晴らしい時間を共有できなかったのは少し残念な気もするが、同時に嬉しくもあった。一人占めの愉しみとでも言おうか。小学生時代、学校の裏に秘密の場所を見つけたときに似ていた。
(高等部1年生 女子)

 

先日、川畠成道さんというバイオリニストのコンサートがあった。彼は幼少時より視力障害を患い、目がほとんど視えなくなってしまった。その時、私達の想像を絶する苦しみが彼にあっただろう。しかしコンサートでの演奏からも、彼自身からも苦しみや悲しみといったものは伝わってこなかった。それどころか彼からは、自信とバイオリンへの真剣さが伝わってきた。いったい何が彼を立ち直らせ、何が彼をこれまで導いてきたのだろうか。それは夢見ることだと私は思う。

 

 『Let Freedom Ring. 自由は鳴り響け』という演説を知っているだろうか。これはMartin Luther Kingという牧師が、彼の携わっていた黒人公民権運動で行った演説だ。着目してもらいたいのは自由ではない。演説の始めの一説を紹介したい。『I say to you today, my friends, so even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream. 今日は同志に言おう。私たちは今日、そして明日の困難に直面しているが、私にはまだ夢がある。』そして彼は「I have a dream. 私は夢見るのです。」と言い、その後に彼の夢を言い、これを何回も繰り返した。この演説が黒人公民権運動に同調した人々を立ち上がらせたのは「I have a dream.」という言葉だと思う。彼らも異なるものでも、夢見たからではないだろうか。川畠成道さんも夢見たからこそ視力障害に屈することなく、今日のようなすばらしいバイオリニストになれたのではないだろうか。

 

 私たちはどんな状況だろうと常に今日、明日に夢見なくてはいけない。どんな小さい夢でもあるからこそ、先に進めるのではないだろうか。私も最後にMartin Luther King牧師みたいに夢を書きたいと思う。「I have a dream that I have a dream at all the time.」
(高等部3年生 男子)

 

10月10日水曜日、僕たちはオックスフォードにアウティングに出かけた。しかし、僕はもともとオックスフォードに住んでいるから、ほとんど案内役であった。けれども、父の帰国が決まり、この冬からは家族で日本に帰ることになった。だから、このアウティングが僕にとって、ラスト・オックスフォードだった。いざラストと言われても、やり残したことは何なのか、何を最後にやれば良いのか、全く分からなかった。だから、僕はとりあえず、町をまわって知らない道、知らない店を探した。探しても探しても、知らない道、知らない店はあまりない。僕は、オックスフォードに住んでいた五年間、人一倍オックスフォードを楽しんでいたんだと改めて実感した。

 

 オックスフォードに行くことが決まった五年前、僕はオックスフォードに住んでいる自分を想像することが出来ず、辛いことしか考えられずにただただ泣いていた。その頃の自分に、このオックスフォードの街並みを見せてあげたい。
 オックスフォードは、僕にたくさんの思い出をくれた。たくさん英語を教えてくれた。だから、僕はオックスフォードが大好きだ。そして、今後一切オックスフォードを嫌いになることはないだろう。
 ありがとう、そして、さようなら、オックスフォード。

 

(高等部2年生 男子)

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