5月11日(金)、毎年恒例の行事であるJAPANESE EVENINGが行われました。
南英にある立教英国学院は、近隣の村や町の方々の温かい支援なくしては成り立ちません。
JAPANESE EVENINGは、地元の学校の生徒たちやイギリス人の方々をお招きして、日本の文化を紹介し、楽しみながら交流しようという趣旨で始めた行事で、あやとりや剣玉、折り紙、茶道、剣道などの日本の遊びや文化を紹介します。
夕食が終わった19時頃から、お客様が次々に来校しました。この日、来てくれたお客様は約100名にのぼりました。
最も印象に残ったのは、地域交流委員による日本についてのプレゼンテーションでした。
海外の方が、「日本」と聞いてイメージするものはなんだろう?と日本人が考えたときに挙がるものはおそらく、寿司、花見、着物、花火・・・・などの、古くから日本に存在するものではないでしょうか。
今年のプレゼンテーションは、それら昔ながらの日本をあらわすものとして和服や花火を紹介しただけでなく、現代の日本をあらわす、日本の技術力にも焦点をあてました。
紹介したモノは、芯がくるくると回ることで書きやすいシャープペン「クルトガ」、針のいらないホッチキス「ハリナックス」の2つです。
技術大国、日本を象徴するこれらの商品を紹介し、実はこの日のパンフレット自体が、「ハリナックス」を使ってとめられていることに気づいたお客様たちは大盛り上がり!!
プレゼンの最後に、「インターネットで買えますよ!」としっかり宣伝したため、プレゼン終了後「amazonで買えるの?」などというお客様の問い合わせがちらほら・・・。
英語でのプレゼンテーションでしたが、パワーポイントを作ったり、お客様によく聞こえるよう大きな声で話したり、身振り手振りをつけたりと、地域交流委員の努力が実った瞬間でした。
プレゼンテーション終了後、この日の目玉企画のひとつである茶道のデモンストレーションが行われました。
毎年行っているこの企画、今年はヴィクトリア&アルバート博物館から譲って頂いた茶室を使っての実演ということもあり、生徒たちは緊張気味でしたが、30名程の客席は立ち見が出る程満員となりました。着物を身に纏い、気合を入れて、練習の成果を存分に発揮することができたようです。
さらに今年は、新しい企画として「日本語」、「かるた」、「福笑い」が加えられました。
「日本語」では、簡単な挨拶、電話による会話、食事に関する会話の3つを教えることにしました。
どの生徒も、海外の方に日本語を教えた経験などないため、どうやって教えたらわかりやすいか、とても悩みました。
当日は、いきなり近くの村の小学生たち20名程がこのブースにやってきて大混乱!
ですが、イラストを使って説明をしたり、「もしもし」「ちょっと待ってください」などと簡単な会話を一緒に練習して楽しむことができました。お客様が帰る際、「ありがとう」「さよならー」と言ってくれたのが嬉しかった、との感想が出ました。
その他、毎年恒例の各企画も無事にお客様を迎えることができました。剣玉やあやとり、折り紙の折り方などを一生懸命に英語で説明する生徒の姿をあちこちで見ることができました。
いい思い出ができたことも勿論、伝えたいことがあるのに英語でうまく伝えられなかったという思いをしたこともきっと素敵な経験となることでしょう。この一年間の勉強につながっていくことを期待します。

 

試合に出るのも初めて、立教での行事も初めて、高校の「ノリ」も初めて。知らないことばかりの球技大会だったが、本当に楽しくて仕方ない1日だった。
私は赤組女子バスケに出た。練習が始まった時は、自分の技術に自信がなくて試合で動けるか不安だった。けれど高3の先輩はじめ、チームの人達に励ましてもらい、私もチームの為に動くようにしたので、2週間のうちに自分を信じてプレーできるようになった。そして同時に、飛野先輩が練習初日におっしゃったように、「楽しんで勝ちたい。」という気持ちが強くなった。だから、絶対に「勝つ気だけは無くさない」ようにした。
今日、私は4試合をフルに走り切った。自分でも信じられないけど、それよりも全試合自分を出して下さった先輩方に大きな感謝を感じる。赤組として、赤バスケとして試合に出れて本当に嬉しかった。すごく楽しかった。試合が終わって、チーム全員とハイタッチした喜びはずっと忘れないと思う。
ただし、この楽しい1日があったのは、敵の青組や体育委員、先生方など、たくさんの人のおかげだと思う。生徒全員、学校全体で盛り上がれて素晴らしい時間だった。
立教に入ってからの、高校生としての、沢山の不安が無くなった1日。今日はすごく印象的で、忘れられない思い出になった。
バスケの先輩方ありがとう。
赤組の一員になれて本気で嬉しかった。
(高等部1年新入生 女子)

 

「休みはどうだった?」そんなことを聞かれても僕は困ってしまう。というのも、僕は長野県に住んでいるのだ。それに加えて田舎だし、東京に行くのにも4時間もかかるのだ。こんな不便な所に住んでいる僕だから家にいるより学校に早く帰りたいという気持ちの方が強いわけで、春休みはとても楽しい!ということはほとんど無いのだ。日本にいるのに海外に住んでいるのとあまり変わらない。一言で書くとつまらない。ホントつまらなかった。
普通にいつもと変わらない日。その日はとても天気が良かった。いつもお昼過ぎに起きている僕が、カーテンから差し込む朝日に起こされた。窓を開けると、涼しい風が部屋中に吹き込み、とても清々しい気持ちでいっぱいになった。こんなに天気の良い日は長野でもめったに無いと思い、散歩をしに町へ出た。春といっても僕の住んでいる所はまだちょっと肌寒い。だがそんな寒さも気持ち良かった。特に目的も無く歩くだけ。まわりの景色に目をやると、都会では味わえないような、ビル一つない大きな青い空と、雲が少しかかった山々。そして行き着いたのは、昔よく来た公園だった。のども渇いていたので自動販売機でお茶を買いベンチに座った。桜も咲き始めでちらちらとピンク色の花びらを見せていた。桜を見ようと立ってみた。言葉にならないほどの美しさ。桜が背景になってしまうほどの美しさ。山の雪化粧。ただ、きれい。当たり前の景色に感動させられてしまっていた。自分の気持ちがこんなにも穏やかだと、見えるものも変わってくるのだと。うっとりと時が止まったかのように見とれてしまった。すごくヒマな長野の田舎のくせに、こんな景色を改めて見せられると、春休みに帰って来ても良かったなと思う。
(中学部3年生 男子)

 

春休み、さまざまな人々に別れを告げました。涙がこみ上げてくる時もありましたが、しかし別れがあっての出会いもあるのだなということもしみじみと感じました。
初めは別れは悲しいものだ、つらいものだという考えにとらわれていましたが、小学校を卒業し、心も体も成長したせいか、別れは成長するために大切なものなのだなということを考えるようになり、ものを違う視点から見て考えられるようになりました。
また、私には支えてくださる人々がたくさんいるということに気付きました。親、祖父、祖母、友達など私の力になる人がたくさんいて、こんなにも私のことを思ってくれていたんだと胸がいっぱいになる時もありました。そして、支えてくださる人がたくさんいるということに感謝し、その恩を返していかなければならないということを学びました。
さらに、別れを告げるとき、「あの頃はきびしくしていたけれど、立派になったね。」と言ってくださる先生方などからも学んだことがあります。それは、先生方からの注意を怒っていると感じずに相手としっかり向き合っていくことです。
このように、これまでの十二年間さまざまなことを学び、一歩一歩前へ歩んできましたが、これからは出会いと別れで学んだことをはじめ、今までの経験を生かし、人とのつながりを大切にして生きていきたいです。
(中学部1年 男子)

 

立教の森を抜け、その奥に広がる高い木々に囲まれた林には、この季節、人知れずひっそりと広がる紫色の絨毯があります。紫色の小さなベルの形をした花が一面に広がるブルーベルの林です。毎年入学式前後に一斉に咲き始めるのですが、今年は連日雨模様の寒い日が続いたため、林がうっすらと紫色になりかけたのが5月に入ってから。新入生を迎える恒例のブルーベル散策も延び延びになっていました。しかも今年はほとんど毎日降り続く雨で林の中の小道はぬかるみばかり。少し雨が止んだところでとても全校で歩ける状態ではありませんでした。ここ数十年、一度も欠かしたことのないブルーベル見学が今年は本当になくなってしまうかも知れない… 毎日空とにらめっこの日々でした。
そして、5月8日火曜日。午前中から珍しく雨がやみ、曇り空ながらうっすらと明るくなると、校長先生が「このまま天気が持てば、放課後にブルーベル散策に出掛けましょう」と先生方に連絡。最後の授業の先生方が生徒たちに連絡をして、「放課後靴を履き替えて中庭に集合!」の伝言が伝わりました。
「えーっ、泥だらけですよー!」「本当に行くんですかぁ??」と前からいる生徒たち。
「ブルーベリー?」(ブルーベルです!)「とってもきれいなんですよね!!」とちょっと目を輝かせる新入生達…
思いは複雑ですが、とにかく例年通り、まずは立教の森に向けてスタート!
いつの間にか空は晴れ渡り、久々の日差しが木々の間に降り注いでいました。水分をたっぷりと含んだ林の中はどこかしっとりとしていて、鳥達のさえずりも嬉しそうに響き渡ります。そしてその中で、立教生達の悲鳴?!と歓声もこだましていました。水をたっぷり含んだ道はもちろん泥だらけ。平らな道を歩くのも慎重に行かないとすぐに転んでしまいそうなほどのぬかるみです。履き替えてきた運動靴もすでにどろどろ。一歩進むのにいつもの3倍ぐらいの時間がかかるぬかるみを、長い列を作って進んでいきました。半分大はしゃぎの小中学生、童心に戻って同じようにエキサイトする高校生、そして苦笑いしながら子ども達と一緒に歩く先生方。いつもの写真スポットにつく頃には皆泥まみれの靴に泥の跳ね返りがたくさんついたジャージ… でもいつもと同じ笑顔で記念撮影ができました。
ある新入生が、その日の学級日誌に書いていたコメント:
ブルーベルも凄かったけど、あの泥の中を行ってしまう立教も凄いと思った…
かくして今年もブルーベル見学が終わり、生徒たちも全員無事?帰校。森を歩いていた頃から急に広がった青空は久々にキャンパスを美しく彩り、帰寮後に生徒たちが必死に洗っていた運動靴が寮の玄関前のあちこちに並べられて午後の低い日の光にキラキラと輝いていました。

 

ページ
TOP