漢字コンクールを2回経験した中学生の答案を採点しつつ、しみじみと感じた。点、画、ハネの一つ一つをおろそかにしない気概とでもいうようなものが答案の背後に漂っているようなのだ。
2月12日(日)夜7時30分から、第64回漢字書き取りコンクールが実施された。64回目ということは、ざっと32年間である。小学生から高校生までが同じ漢字練習帳を使って覚えこんだ漢字を競い合おうという、お祭りに近い試みからの出発だった。1番から92番までは、それぞれの学年に配当されている常用漢字からそのままの出題、中学生以下には学年に応じた換算点が設けられており、中には百点を越える生徒も出てくることとなる。93番からはウルトラCと名付けられたもので、前もって知らされたテーマから5題、今回のテーマは「調味料に関する言葉」、ラード、ミリン、ワサビ、シナモン、マスタードが出た。そして最後の3題は思わぬ漢字、妖怪ヌラリヒョン、ネジ、チョンマゲだった。もう何年前になるのだろうか、秘密のノートを大切に作り続けていた中学生がいて、彼のノートにはウルトラC対策がびっしりと集められていて、ブリキ、エキス、コンクリート、ポンプ、ミイラ・・・etc見せてもらうだけで愉快だった。
漢字学習の楽しみが、お祭りでありながらも一画一画おろそかにしない中で培われていくとすれば、大いなる意義があることと思われる。
今回の最高得点者は、高等部2年S君93点でした。換算点で中学部1年Kさんが105点、2年Mさんが107点を出しました。ちなみに先生方の最高得点は、何と数学科のK先生の98点でした。、素点平均1位は高2の65.8、2位は中3の64.9でした。

 

勝てた。奇跡が起きた。
女子バスケットボール部が2学期にMichaelhallという現地の学校と対戦したときは、手も足も出なかった相手。その悔しさをバネに3学期限られた時間の中で練習を重ね、遂に念願の勝利を収めることができた。
海外にある学校のため、日本の部活のように厳しくトレーニングをするわけでもなく、地域の大会が開かれるわけでもない。目標の定め方が難しいため、下手をすればただなんとなくやってしまったり、サボってしまうこともできる。けれど立教の生徒は放課後の短い時間を使って一生懸命に取り組む。特に今回の試合は前回大敗した相手とあって、自分たちの弱点を克服するために練習を重ねてきた。
その甲斐があって、自分たちのプレースタイルで、身長のはるかに大きい相手に挑んでいくことができた。全員で一丸となって戦った。今までの試合の中で一番、自分たちの力のすべてを発揮できたのではないだろうか。その陰には最高学年である高2の想いが込められていた。新チームになってから一年間、初めは頼りない部長に小さい子たちが集まった、まさに弱小チーム。だからこそやらねばならないと皆が思えたのかもしれない。今回で高2は最後の試合となる。部長が試合前に言ったことがとても印象的だった。「絶対に負けたくない。」今までやってきたことを全部出し切るんだと高2全員が思っていたに違いない。
やはり試合に勝つということは楽しいし、嬉しい。この勝ったという経験をもう一度味わいたいためにまた練習をする。少しずつではあるが成長していく彼らは輝いて見える。
以下は女子バスケットボール部の部長から
今回の試合は高2の私たちにとって最後の対外試合で、先学期負けた相手ということで、いつもより勝ちたい気持ちでいっぱいでした。試合が終わった瞬間、自分の中での目標を達成できなかった悔しさと、勝つことができた嬉しさで涙が止まりませんでした。今まで女バスの一員として、皆と一から始めた練習の成果がやっと現れてきたと思います。まだまだこれからも部員全員で成長していきたいです。

 

毎週木曜日はガールガイズの日。中学1年生以下の女子は夕食を早めに済ませ、近くのブロードブリッジヒースの町へ外出します。日本ではガールスカウトの名称で馴染み深いでしょうか。ガールガイズとは、青少年の健全な育成を目指す活動団体のメンバーのことで、英国では実に8歳の女子の1/3がガールガイズだという報告もあるほどポピュラーな団体です。

活動内容は縫物や調理、絵画など週によって様々。基本的に室内で活動をすることが多いのですが、夏には暗い山道をライトで照らしながら歩いたり、キャンプ場で火を起こしたりと野外活動も積極的に行っています。

今回のテーマは1グループにつき1品料理すること。リーダーを中心に食材を切ったり、パスタを茹でるなど早速用意してきた食材に手を加えていきます。初めは何をしたら良いのか棒立ちだった立教生も「何か手伝いますか?」と同じグループの子に声をかけるなど、食べ物となるといつも以上に積極的に。多少のミスはありましたが、どこのグループもおいしく仕上がりました。

毎週5~6人のグループで協力して活動をしていきますが、グループのメンバーは自分以外、全員イギリス人。何をするにも英語でコミュニケーションをとらなければならないという環境。「こんなことを英語で言いたい時はどうするんですか?」「あっ、今英語が通じた!」と、まだ英語の勉強を始めて間もない中学1年生以下の生徒たち、知っている単語を並べて口に出してみたり、授業で習いたての助動詞を使ってみたり、毎週英語と格闘しています。初めは日本とイギリスの文化・習慣の違いやお互いの意思疎通の難しさに戸惑ってばかりでしたが、今では自然とコミュニケーションを取って楽しんでいるようです。このような活動を通して英語がより身近に感じられるようになってきているのではないでしょうか。

 

生徒達がよく外出する町 Cranleighに行く道沿いに、”Elmbridge Village” と書かれた大きな案内板があり、そこを入っていくと、大きな敷地に点々と建物が散在する「村」”Village”に到着する。
ここは引退したご老人達が住む小さな村。でも老人ホームとは程遠い。そこここをゆったりと歩く人達、小さなメインストリートをスムーズに車で走り抜ける人達は皆、しっとりと落ち着いた雰囲気が漂うロマンスグレーの紳士、淑女だ。
生徒たちがミニバスで到着した時に迎えてくれたのもそんな感じの上品な女性だった。
「こんにちは、ようこそ。あちらのレストランで皆さんお待ちしていますよ。」
この日はEC (English Communication)の授業の一環で、本校の高校2年生がここに住むご老人達と懇談をすることになっていた。
少しだけ緊張した面持ちで、でもどこか期待しながらその建物に入って行った。開店時間前のレストラン。ナイフ/フォークこそ並んでいないが、大きなガラス越しにお洒落なテーブルがいくつも並んでいた。
「皆さん、今日はお忙しいところをどうもありがとうございます。生徒達がどんなことを質問するかは既にお知らせした通りですが、それは単なるキッカケ、話が進めばどんどん気の向くままお話し下さい。」
本校のEC主任のMrs Sharpが挨拶をした。
「生徒たちも最初はかなり緊張していると思いますが…」
「それは僕たちも同じことさ。日本人の子たちとこんな風に話をするなんて初めてだよ!」
思い遣りのあるセリフに皆んなで笑って、すぐに場が和んだ。
「それでは皆さん、各テーブルに分かれてお話を始めて下さい!どんなに話が弾んでも10分で打ち切りですよ!」
Mrs Sharpがそう言うと、ちょっと照れくさそうに挨拶を交わしながらそれぞれのテーブルに分かれて座っていく。
生徒2人にイギリス人の方1人、何人かの生徒は1対1で話をすることもできた。10分くらいを目途にどんどん相手を替えていって、出来るだけたくさんの人と話ができるようにというMrs Sharpのアイデアだ。
Break the ice(:「初対面の時に場を和ませる」の意)のに時間がかかるかと思ったが、スマートな自己紹介から始まり驚くほどあっさりとお互いの話に入っているようだった。用意していた質問原稿を読んでいるだけの生徒はまずいなかった。相手の目を見て話していた。英語の練習というよりは、むしろ本当にお互いに思っていることを伝えあうこと自体を楽しんでいるようだった。どのテーブルでも会話は途切れることなく進み、同じ質問から始まったはずの話は、それぞれのテーブルで全く違う方向に盛り上がっていた。日本の話、ホームステイの話、クラブの事や学校の先生の話…
「はーい、そこまで! 次の人達のところへ移りましょう。」
折角盛り上がったところに水を差すような…と思うが否や、次の相手と新たなる自己紹介、そしてお話… いくつものテーブルで生徒とご老人たちが話す姿はまるで集団デートゲームのようでもあった。表現の仕方は悪いが、とにかく終始笑顔で楽しそうに話す姿が印象的だった。これが本来の「英会話」だと思った。英語を使って話すことがおもしろい、自分の意志が伝わる、相手に自分の言うことを分かってもらいたい… そんな気持ちが心の底から不思議な勢いで涌き上ってくる… 生き生きと話していた生徒たち、その姿はどこか頼もしくもあった。
毎年恒例のJapanese EveningやOpen Day、各クラブの対外試合、地元の学校との交流、今年度から始まった英語科/社会科の校外学習、数日前までは短期留学のWolverhamptonの生徒7名が本校に滞在していたり… と、ここ数年確実に「生の英語」に触れる機会が増えている。その成果が表れたと見る事も出来るが、恐らくこの日の最大の功労者はElmbridge Villageのご老人たちだ。引退された後も、みな生き生きと充実した毎日を過ごされている。実際、今回の懇談会も、皆さんご多忙のため日程の調整に苦労したほどだ。念願叶って持てたこの機会は、子どもたちの何倍もの年月、豊かな人生を生きてきたご老人たちのリードでとても実り深いものになった。
「どうだった、今日の訪問?」
夕食の時に、隣に座った高2の生徒に聞いてみた。
「楽しかったですよ!でも、もう少し長く話したかった。丁度盛り上がったところで、いつも交代で… でも1時間で5人もの人と話せたのは良かったかな。」
「自信」を持って英語で話せる機会を与えてくれたElmbridge Villageの方々の巧みなリードと優しさにつくづく頭の下がる思いがした。

 

火曜日に来校して、水曜日の朝から学校生活に参加した短期留学生の皆さん。授業への参加と最終日のプレゼンテーションの準備、毎日早起きで忙しい日々を過ごしましたが、週末になってようやく時間に余裕ができてきました。といっても、日曜日にはもうお別れです。あっという間の短期留学。昨夏に立教から向こうへ短期留学し、今回お世話役にまわった女子生徒たちの企画で、彼女たちのために放課後の時間を使ってミニ・イベントが開かれました。
ひとつは剣道部・茶道部による伝統文化紹介の催し。
剣道部員はきちんと胴着を着て防具を着けて、実際の剣道の取組みを披露しました。臨場感迫る立ち会いはきっと興味深かったことでしょう。
茶道部の点前の披露と、抹茶を点てる体験。お菓子は羊羹のほかに、干菓子もあわせて用意してみましたが、やはり干菓子の方が味わいやすい様子。一人一人釜からお湯を汲んで、抹茶を点て、お菓子を味わいました。
もうひとつは高2で行ったかるた大会。
土曜の夜に行われた交換留学生によるプレゼンテーションの残り時間を使って、犬棒かるた(ことわざを使ったかるた)で遊びました。日本語を学んでいる彼女たちは、ひらがなは十分に分かり、漢字も書けます。高2ホームルームで行う漢字小テストでは、やさしめに用意したテストをかなり書いていたほどです。犬棒かるたは普通のかるたと同じで、取り札はひらがな50音の1文字ずつを区別するもの。共に遊びつつ、身につけた日本語力をいかしてのレクリエーション。熱心に取る彼女たちに段々負け始め、思わず本気になってやってしまう立教生。結果は交換留学生の一人が14枚を取って見事に一番。拍手に包まれ、一緒に夜ブレイクの飲み物・お菓子タイムに出掛けていきました。

 

今学期のバドミントン部は例年より多くの対外試合があった。まず、1月21日にブライトンのRODEAN SCHOOLとの女子の試合。昨年は久し振りに立教で対戦したが、今年は立教が訪問する形となった。そして、31日に今度はLANCING COLLEGEでの試合。これは初めてで、しかも女子の部員が数名しかおらず、全て男子が相手であった。立教が、男子を相手にトーナメント以外の対戦試合を行うのは初めてであった。
さらに、例年参加している、HAYWARDS HEATHでのMID SUSSEX TOURNAMENT。これは、U14(14歳未満)が29日、U16&U18が2月5日に行われた。
2週間ちょっとの間に、4回も試合が組まれたので、部員は忙しかったようだ。特に、2月5日のU16とU18のTOURNAMENTは、前夜からの雪に見舞われ、出場できなかった選手もいたため、女子ダブルスが変則的な形となってしまった。力不足から各試合とも、勝利に結びつけることは難しく、改めて試合経験を踏むことの重要性を認識する結果となった。しかし、試合に参加した部員の多くは技術的には他の選手に圧倒されていたが、試合会場の雰囲気を心ゆくまで味わって帰校した。
これからも、RODEAN、LANCING COLLEGEとの交流を毎年継続しながら、MID SUSSEX TOURNAMENTにも積極的に参加出来ればと思っている。

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