私は、12月24日から28日までフランスの「シャモニーモンブラン」という場所で、家族とスキーをしてきました。私はスキーを一度だけやったことがあるのですが、三年前のことなので止まることぐらいしかできませんでした。また、兄は今回が初めてだったので二人で一日だけ、スキー教室に入りました。
スキー初日、ゴンドラに乗って着いたゲレンデは見たことのないような絶景が広がっていました。雪はパウダーでとてもさらさらしていました。スキー教室に入ったら、フランス人の先生が丁寧に優しく教えてくれました。最初は、なだらかな坂をゆっくりと曲がったりしてコツをつかんでいきました。途中からは、やや急な坂も「ストック」などを使って滑ることができました。最後の方には、一度も止まることなく簡単なコースを滑ることができました。また、先生は思いっきり転んでも大丈夫だよということをとても急な坂を滑って教えてくれました。このスキー教室に入ったからこそこの旅行が楽しめたのではないかと思いました。
二日目は、簡単なコースとやや簡単なコースを滑りました。何回か滑っていくうちに慣れてきて、風も感じられるようになり、スキーがこんなにも気持ち良いのだと初めて知りました。午前中は、このような感じでとても楽しかったのですが、午後、父が簡単なコースだからといって滑りに行ったコースが上級者向きでとても難しく、でも気が付いた頃にはもう戻ることができず、大変な思いをしながら、滑りました。
三日目は、私と兄が簡単なコースを滑っている間に、父と母に私達が滑れるようなコースを見てきてもらい、午後滑りました。そのコースは少しこぶがあったり、谷や小さな山もありましたが、曲がったり、ストックを使い滑りました。このコースは距離が長いので、一回滑るのに疲れましたが、四回滑りました。このコースの最後の方はなだらかなため、真っ直ぐに立ち両手を上げて遊びながら滑ることができ、楽しかったです。
私は今回のスキーをしてまたやりたいと思いました。また、ほぼ初めてのスキーが絶景の場所だったので思い出に残ると思いました。日本では、あまり経験できないようなことができてうれしかったです。
(中学部1年生 女子)

私は23日、24日、25日と立教新座キャンパスにある聖パウロ教会で行われたクリスマス礼拝に行きました。私の両親はここ数ヶ月教会に通っていてこのクリスマス礼拝にも行くことは知っていたのですが、どんなものなのかわからず、すごく楽しみでした。23日はキャンドルサービスというたくさんのキャンドルに囲まれながら行なうとても幻想的(?)な礼拝でした。普通の礼拝とは違い、オルガンだけではなくオーケストラが聖歌を演奏してとてもすばらしかったです。そして聖歌の時にはクワイヤーの人たちの歌声もあり、一層すばらしい聖歌になっていました。次に24日は深夜ミサとその前にあったクリスマスコンサートに行きました。クリスマスコンサートでは立教新座中・高のクワイヤーの人達が30分程歌いました。立教英国のクワイヤーの人達もすばらしいですが、新座のクワイヤーの人達の歌声もとてもすばらしかったです。そして深夜ミサ。2011年前のイエス・キリストがお生まれになった時と同じ時に礼拝をしました。この礼拝でも新座の中・高生の楽器演奏が聖歌の時にあり、やはりクリスマス礼拝では豪華な演奏があるんだなぁ~と思いました。でもなによりイエス様がお生まれになった時間に誕生をお祝いできて本当に神聖な気持ちになりました。遅い時間でしたが行ってよかったです。そして最後の25日のクリスマス礼拝。この礼拝はいつもの日曜礼拝と同じような時間にありましたが、やはりクリスマス礼拝。例のごとく新座の人達の楽器演奏とクワイヤーがありました。25日の礼拝はクリスマス礼拝のしめとも言えるような礼拝だと思いました。
私はこの三回のクリスマス礼拝に行き、感じたことは、まず初めての私にいろいろ教えてくれた教会の人や信者の方のやさしさ、そしてやはりキリスト教への気持ちが変わったことです。今回の経験はとてもいい刺激になりました。これからもっとキリスト教について勉強していきたいです。
(中学部1年生 女子)

今回の冬休み中には、休み前に行った担任の先生との個人面接での話し合いをもとに、英語の長文問題とリスニングのトレーニングを中心に行いました。長文問題については、中学生時代に通っていた塾の問題集やテキストが大量に眠っていたのを発見したので、(結果的に、通算一週間分ほどやり過ごしてしまったのですが)一日一問解くようにしました。リスニングのトレーニングに関しては、「勉強のため」と胸を張って堂々とテレビ部屋に籠り、イギリスのドラマや映画、スポーツ中継等を眺めました。テレビリスニングは急に成果があらわれるものではありませんでしたが、一ヶ月間で少しは力も伸びたと思います。学校で毎日小テストを行っている英単語帳も、一学期の範囲から全てをやり直し、次のレベルの単語も最後までやり終えました。冬休みがゆっくりと勉強できる最後のチャンスだということを念頭に置き、英語についてはよく集中して学習できたと思います。
また、三学期に全校生徒を対象に行われる漢字コンクールに向けて、漢字練習帳にも一通り目を通しました。同じく三学期に学校全体で行われる百人一首大会に向けて、百人一首も少しは覚えました。

この冬休みには、ロンドンの街に幾度か出かけていって、あてもなく旅をしました。クリスマスが近づいたイギリスの街の雰囲気を味わいたかったからです。日本では考えられませんが、イギリスでは25日にはどこのお店も早々と営業を切り上げ、残りの時間を家族とゆっくり過ごすのが一般的です。そのため、近所の商店街も25日にはがらんと静かで、寂しさを感じました。
また、元旦はポルトガルで過ごしました。海の近くの港町のホテルに泊まりました。新年早々旅行をする人もそう多くはないらしく、町もホテルの中も何の音もしないほどでした。今年の正月はとても静かに楽しく過ごすことができました。
(高等部1年生 男子)

日本より、立教学院の理事長で、本校の理事会議長を務める糸魚川理事が、本校東京事務所の橋場所長と共に先週末来校しました。丁度日曜日だったので、主日礼拝で生徒たちにお話をして頂きました。

「人との出会い、本との出会い、そして自然との出会いを通して人間性を高め日々成長していってほしい。」
ご自身も学生時代に寮生活をされていたとのことで、その日々が人生にかけがえのないものになっているというお話は同じ寮生活を現在進行形で体験している生徒たちにとって大変ためになるお話でした。

久しぶりの寒波でキャンパスには真っ白な霜が降りた朝でしたが、きれいに晴れ渡った青空のもと、文字通り「自然に溢れた」キャンパスを見て頂き、昼食前には先生方との懇談会も持つことができました。
日本とイギリスとの架け橋という本校設立の主旨を確認し、海外在留の方の子弟をお預かりすることはもちろん、日本からも広く生徒を受け入れ、イギリスにある全寮制の学校という恵まれた環境の中で「自分で考える」ことの出来る真の国際人を育てていきたいという思いを熱く語って下さいました。

本校は立教大学系属校として立教学院と教育連携を強め、立教女学院、香蘭女学校、立教小学校など関係各校とも生徒の相互受入れについての申し合わせを交わすなど、イギリスの地にある「立教学院関係校」としての可能性を最大限に生かす努力を続けています。

金曜日、高校3年生の担任の先生が日本に何本も電話をかけていました。この週末に日本では大学入試センター試験が行われましたが、その前に日本で受験勉強をしている高校3年生たちに励ましのメッセージを伝えていたのでした。毎年この時期になるとよく見かける光景ですが、同じくこの時期には全校でセンター試験「英語」を受験するというイベントがあります。小学生から高校生まですべての生徒が、日本で高校3年生の先輩達が受けたばかりの試験を実際に受けてみます。
「えっ!私達も受けるんですか?!」
今学期入学したばかりの中学校2年生女子生徒が、ホームルームで連絡があった時にびっくり仰天。するとすかさず、隣にいた生徒が、「そうだよ、私達も去年受けたもん。」
「K君とか、Tさんとかは中学生でもかなり取れるしね。」
先学期行われた全校TOEIC受験では中学生で900点をとった生徒もいたので、高校生も安心していられません。食事の席で中学生と高校生がその日の夜に行われるセンター試験について語り合うのも本校ならではの光景かも知れません。
採点はその日のうちにクラスの先生が行います。中学校1年生の担任の先生がおっしゃっていました。
「この子は随分伸びたね。去年小学生だった時は、マークシートだからもちろん当てずっぽうなところがほとんどだったけど、今年は90点以上とれているから、これは偶然じゃないね。本当に力がついてきたってことだと思うよ。さっきそのことをクラスで話したら、他の生徒も随分刺激されたみたいで、彼らのこれからの英語への取り組みが楽しみですね。」
高校2年生の担任の先生は採点の結果を見て興味深い発見をしました。
「おもしろいですよ、リーディングマラソンを毎日やっている生徒の答案。右側の長文読解の正答率が他の生徒に比べて圧倒的に良いです。これ、統計とると面白いかも知れませんね。やっぱり普段から文章を読み慣れているとこういう所で力が発揮されるんだなぁ…」
リーディングマラソンとは本校で6年ほど前から実施している速読奨励システム。ちょっと大げさに聞こえるかも知れませんが、要は毎日英語の新聞記事を読み続けよう!という全校的な取り組みです。成績とは関係なく参加したい生徒が参加したい時に行うものです。とは言っても小学生から高校生まで、毎日半数近くの生徒が参加しています。こんなところでもその成果が表れるというのは、きっと参加者にとってこれからの励みにもなると思います。
                            

高校生といえば、実力テスト・中間試験・期末考査、また模擬試験と、テストに追いまくられた記憶はありませんか。立教英国学院でも、日本の高校らしく次から次へとテストがやってきます。但し中間試験はなし。昨年はウサギのごとく追い駆けられ、今年は滝を昇る鯉のごとく前へ前へ立ち向かい、節目節目の試験でまとめと実力評価、新たな目標設定を行います。

 

3学期も始業礼拝を終えてその日から、高1・高2で実力テスト〈数学〉が行われました。翌月曜日は英語と国語、高1ではこれにG.C.S.E.生物と化学で「英語で学ぶ理科」を一度総復習。なんといっても今年の5~6月にはいよいよ本試験ですから。高2では主要3科目のほかに、文理コース別に理社の選択科目受験しました。

 

実力テストの目的は「学校だけの勉強に終わらないこと」。学期中は授業と予復習と宿題と試験勉強とで学習が成り立ちますが、本当に大切なのは、自分自身で「更に学習を昇華(消化)させること」ではないでしょうか。寮生活ゆえに日本の学校より長く取られた長期休暇中、自分なりに努力を続けてこそ、成長があります。それをはかるのが実力テストです。

 

高1は来るG.C.S.E.本試験へ向けて、また高2を目前にして高1の総まとめが近づいています。中学と大きく異なる高校の勉強はどうだったでしょうか。

高2は大学受験の年の幕開けです。本番までいよいよ1年。冬休みは受験勉強を始めよう-その努力はどこまで実感できたでしょうか。

 

2012年は昇龍の年。

大きな飛躍があることを心から願っています。テストの結果は、まもなく発表されます。

夏至は6月下旬、冬至はクリスマスが近い12月下旬にやってくる。周知の通り、夏至は最も日が長くなり、冬至は日が短くなる。カレンダーのなかった頃は日の長短や日没の位置を見て時季を読みとって古くから人々は種まきや収穫などを行ったし、時には地図のない時代の道しるべともなり、人間の活動が行われてきた。イギリスはオックスフォードを訪ねると、中世から続くあちこちのコレッジ(学寮)でそれぞれに美しくデザインされた古い日時計を見掛ける。いつも日の光が様々な恵みと知識を与えてくれ、私たちの生活は連綿と続いてきたと言えるだろう。

ところでロンドンは北緯おおよそ52°である。
北緯52°というのがどれくらいの位置かというと、東京がだいたい36°、北海道の北方の町稚内で45°くらいであるから、それよりももっと北ということになる。大雑把な言い方をすれば、稚内を出発して、北へ北へ東京-福岡ぶんをそのまま移動すれば、ロンドンになるだろうか。首都ロンドンといえどもイギリスの中ではかなり南にあるから、もっともっと北のスコットランド地方へゆき、北の先っぽの町になると58°くらいになる。
稚内よりも緯度の高いここで生活していると、一日の日の長さに、しみじみとありがたみを感じる。

冬真っ盛りの今は、寮生活の始まりである7時に起きると、外は真っ暗闇である。ささっと支度して体操や食事に向かうのも闇の中。食堂を出るとようやく空が白み、礼拝に向かう8時ごろ太陽が顔を出す。14時ぐらいには「夕方かな?」と思う西陽がさし、日没は16時ぐらいである。冬至のころだと15時には薄暗くて、室内の電気をつけなければならないほどだ。日照時間が短いと、なんとなく気持ちが平坦な、おだやかでも盛り上がるでもない変化の少ない気分が続く。

そのかわり、夏は明るい時間がとにかく長い。5月くらいから暑くなり、夏を迎えた人々は解き放たれたかのように薄着になり、外出が多くなり、夜遅くまで屋外でビールを飲み、食事をし、おしゃべりをして過ごす。極端な変化である。
実際、夏の夜は21時ぐらいまで明るい。スコットランドだと22時すぎまで明るいのではなかろうか。19時ぐらいに暗くなる日本の感覚で、「暗くなってから、夕食食べてゆっくりして、家族で過ごして」などとやっていると、あっという間にシンデレラ時間をすぎてしまい、夜更かしの始まりだ。夜更かしといっても朝は3時ぐらいには空がしらみ、気の早い鳥達が朝のさえずりを始めてしまう。筆者の自宅は寝室が北にあり、越した当初は、寝室は西側という日本の常識が邪魔をしてとても理解に困った。なぜなら寒いのである。とても寒い。しかし夏を過ごして納得した。寒さは暖房でどうにでもなるが、夏の陽射しはカーテンの工夫如きで遮れない。それが4時から始まり21時まで続くとなれば尚更だ。家の構造というものは、やはり気候と地理環境に影響されて成立するのである。なるほど、異なった文化背景の考えを、頭から否定してはいけないはずである。感覚も風習も、そして考え方の基盤にあるものも、環境が人の社会を作ってゆくものなのである。

鏡開きも近い1月11日の朝は、朝焼けがとても美しかった。西の空には乳白色の月が霞をかかえてにじみ、東はステンドグラスのような鮮やかさだった。日がのぼれば、機密性が高いお屋敷(立教の女子寮)の中はぽかぽかと温かい。太陽光が窓ガラスをとおって部屋がぬくめられる。日がのぼる光景を見ると、知らぬ間に胸の中にわくわくする気持ちがひろがっている。「天気がいいと気分もいいね」-自然に言葉が口をついてでる。

                
1月14日土曜日、生徒会の主催でショッピングに出かけました。普段は最寄りの街であるギルフォードに出かけることが殆どですが、この日は初めてブルーウォーターという大型ショッピングセンターに出かけることになりました。ブルーウォーターはケント州にあり、立教からは片道1時間強とやや遠めの場所にあります。アウティングでここを訪れたことのある生徒の声により実現した、今回のショッピング。今学期が始まって最初の大きな行事に、期待が膨らみます。

コーチがブルーウォーターに到着し、まず驚いたのは駐車場に並ぶ車の数。アウティングでは、平日の夕方に訪れることが多かったため、土曜日の人の多さには圧倒されました。さらにこの日は私服での外出であったため、広報担当の教員はカメラを片手に、人ごみから懸命に以下の立教生を見つけました。

立教生その1:この日はSALE品がわんさか!かなり安くなっている雑貨を手にとりはしゃぐ高校2年生の女子グループ。

立教生その2:ブルーウォーターでのショッピングが実現し、嬉しそうな生徒会長を含む高校2年生の男子グループ。

立教生その3:ディズニーのお店で、おそろいのTシャツを購入している中学3年生全員。

立教生その4:スクールショップでは売っていないお菓子を購入でき、嬉しそうな中学1年生男子グループ。

立教生その5:ファストフード店で長蛇の列に並び、一生懸命に英語で注文をしていた中学1年生女子グループ。

など、楽しそうな姿をたくさん見かけることができました。ECで使うための英単語帳も全校生徒が購入できたようです。新入生にとっては、初めての英国でのショッピングとなり、日本にはないお店や商品の違いを見ることができたのではないかと思います。
学期が始まってすぐの楽しい行事は、無事に終えることができました。これをエネルギーにして、今学期も勉学や部活動に励んでいってほしいと思います。

                 

僕の2011年の大晦日は、こたつに入ってチャンネルを紅白に合わせて、あまり興味のないアーティストをぼーっと見ながら、頭の中ではこの一年を振り返る。そしてその中でも楽しかったことばかりを思い出しながら、年越しそばを食べつつ、好きなアーティストが出演するのを待つ。そんな年越しだ。もしくは、年越し気分も置いておき、録画しているにも関わらず「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」を見て、笑ってはいけないというルールに縛られながら悶える画面の中の芸人達をよそに、大爆笑をする。そして早いうちから気にしていた時計のことも、丁度十二時を回る頃には忘れ、気づけばさらっと筋肉痛を伴う笑顔と共に新年を迎えている。そんな年越しのはずだった。イメージトレーニングは完璧だった。しかし、現実はそうもいかない。実際の我が家では、父がテレビのリモコンを独占したまま新年を迎えた。コロコロ変わって自分が何を見ているのかも分からずテレビを眺めていた。極めつけに、僕の故郷の地域には、僕の厳かな年越し気分をどこかへ連れ出すイベントがある。なんと、おせち料理を31日に食べてしまうのだ。おせち料理は新年を祝って食べるものではないのだろうか。なぜ31日に食べてしまうかは、後日父に確認してみたいと思う。

 そんな風に、例年と同じく僕の想像とは少し外れた大晦日を過ごしたわけだが、年が明けてからは楽しいことが沢山あった。まず、一日は親戚の家へ新年の挨拶をしに行った。そしてそこで得た戦利品を手に、翌日は福袋を入手すべく、長野から名古屋へ向かう。わくわくしながら福袋を抱えて会計のレジに並んでいると、そこで偶然ながらも同じような表情の先輩を発見した。仲が良いと行動が似てくるのか?と驚きながらも、年明けから思わぬ出来事に喜びながら、先輩と昼食を食べた。

 四日の夜には、パッキングを終えて東京へ向かった。この日の雪は物凄い勢いで降っていて、高速道路ではチェーン規制がかけられているほどだった。雪には慣れているはずの僕ですら、夜道の豪雪にはほんの少し恐怖を感じた。自然が美しいのは、恐ろしさも兼ねそなえているからかもしれない。東京に着いた翌朝は、先輩と一緒に神田明神へ初詣に行った。これぞお正月というような気分で、普段よりも人が多いのだろうな、と思える境内を歩いた。お祭りほどとはいかないが出店も少し出ていて、寒空の下で人混みの中を進みながら、ベビーカステラのふんわり甘くほんのり暖かい食感を思い出した。どうしても食べたくなったが、残念ながら屋台は出ておらず、お正月早々夏のお祭りが少し恋しくなった。そんなことを考えていたら、今年も楽しみなことが沢山あるな、とどんどん頭の中が膨れて、とても幸せな気持ちになっていった。今年もいい年になりますように、皆が笑っていられるようにと願いながら、家族や親せき、先輩など沢山の大切な人々に囲まれて新しい年を迎えられたことに、感謝した。
(中学部2年生 男子)

今回帰国してみると、祖母が外出先で転び右腕を骨折しており、痛々しい姿で腫れ上がった右腕を吊っていることに驚かされました。知らせてもらっても何か出来る訳ではなかったのですが、祖母は心配を掛けるから連絡はしなくていいと言ったそうです。離れて住んでいるため年に数回しか会わない祖母がそんなに私を思ってくれた心遣いに胸がいっぱいになりました。また、高齢のため普段はあまり外出しない祖母ですが、私がお正月に来ることを楽しみにしていて私の好きなお菓子を買いに行った際の出来事だったことを知り、さらに胸がいっぱいになりました。
そんな私を大切に思ってくれている祖母に何か出来ないものかと考え、毎年母が作ってくれている御節料理を習い、祖母の分を作って届けることにしました。
でも、いざ習い始めると暮れの特番は見れないし、長時間キッチンには立ちっぱなしだし、友達にメールする時間もなく、自分で言い出したにも関わらず、後悔気味になっていたのですが、そんな私を見ていた母が私の気持を知ってか、知らずか、せっかくの機会だからと、まず日持ちのするものからと、田作りとナマコ酢、黒豆煮からと作る順番を教えてくれたり、黒豆はマメに暮らせるように。数の子は子宝に恵まれるように。ごまめは五穀豊穣。伊達巻は華やかさ。きんとんは金を呼ぶ。紅白なますはお祝いの水引きから。焼き物にはめでたいタイを尾頭付きで。そして、煮物の昆布はよろこぶ。御節料理の中身は、すべて日本ならではの言い伝えや縁起のよい語呂合わせで選ばれているなどと言った豆知識や、祖母の姿を思い浮かべながら左手でも食べられるように黒豆も一粒一粒櫛にさしたり、栗きんとんをスプーンにのせスプーンごとお重に詰めてみたりと、色々工夫しているうちに大変だと思っていたお節作りはいつしか楽しいものに変わっていました。
そして出来上がったお節を祖母に届けると、
「こんなに心がこもっている御節は今まで生きている間に食べたことがないよ。」
と喜んでもらえました。
この手伝いを通し、祖母との温かい心の結びつきを感じられた上に、日本の伝統や心を込める大切さを教えてくれました。
(中学部3年生 女子)

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