毎週木曜日はガールガイズの日。中学1年生以下の女子は夕食を早めに済ませ、近くのブロードブリッジヒースの町へ外出します。日本ではガールスカウトの名称で馴染み深いでしょうか。ガールガイズとは、青少年の健全な育成を目指す活動団体のメンバーのことで、英国では実に8歳の女子の1/3がガールガイズだという報告もあるほどポピュラーな団体です。

活動内容は縫物や調理、絵画など週によって様々。基本的に室内で活動をすることが多いのですが、夏には暗い山道をライトで照らしながら歩いたり、キャンプ場で火を起こしたりと野外活動も積極的に行っています。

今回のテーマは1グループにつき1品料理すること。リーダーを中心に食材を切ったり、パスタを茹でるなど早速用意してきた食材に手を加えていきます。初めは何をしたら良いのか棒立ちだった立教生も「何か手伝いますか?」と同じグループの子に声をかけるなど、食べ物となるといつも以上に積極的に。多少のミスはありましたが、どこのグループもおいしく仕上がりました。

毎週5~6人のグループで協力して活動をしていきますが、グループのメンバーは自分以外、全員イギリス人。何をするにも英語でコミュニケーションをとらなければならないという環境。「こんなことを英語で言いたい時はどうするんですか?」「あっ、今英語が通じた!」と、まだ英語の勉強を始めて間もない中学1年生以下の生徒たち、知っている単語を並べて口に出してみたり、授業で習いたての助動詞を使ってみたり、毎週英語と格闘しています。初めは日本とイギリスの文化・習慣の違いやお互いの意思疎通の難しさに戸惑ってばかりでしたが、今では自然とコミュニケーションを取って楽しんでいるようです。このような活動を通して英語がより身近に感じられるようになってきているのではないでしょうか。

 

生徒達がよく外出する町 Cranleighに行く道沿いに、”Elmbridge Village” と書かれた大きな案内板があり、そこを入っていくと、大きな敷地に点々と建物が散在する「村」”Village”に到着する。
ここは引退したご老人達が住む小さな村。でも老人ホームとは程遠い。そこここをゆったりと歩く人達、小さなメインストリートをスムーズに車で走り抜ける人達は皆、しっとりと落ち着いた雰囲気が漂うロマンスグレーの紳士、淑女だ。
生徒たちがミニバスで到着した時に迎えてくれたのもそんな感じの上品な女性だった。
「こんにちは、ようこそ。あちらのレストランで皆さんお待ちしていますよ。」
この日はEC (English Communication)の授業の一環で、本校の高校2年生がここに住むご老人達と懇談をすることになっていた。
少しだけ緊張した面持ちで、でもどこか期待しながらその建物に入って行った。開店時間前のレストラン。ナイフ/フォークこそ並んでいないが、大きなガラス越しにお洒落なテーブルがいくつも並んでいた。
「皆さん、今日はお忙しいところをどうもありがとうございます。生徒達がどんなことを質問するかは既にお知らせした通りですが、それは単なるキッカケ、話が進めばどんどん気の向くままお話し下さい。」
本校のEC主任のMrs Sharpが挨拶をした。
「生徒たちも最初はかなり緊張していると思いますが…」
「それは僕たちも同じことさ。日本人の子たちとこんな風に話をするなんて初めてだよ!」
思い遣りのあるセリフに皆んなで笑って、すぐに場が和んだ。
「それでは皆さん、各テーブルに分かれてお話を始めて下さい!どんなに話が弾んでも10分で打ち切りですよ!」
Mrs Sharpがそう言うと、ちょっと照れくさそうに挨拶を交わしながらそれぞれのテーブルに分かれて座っていく。
生徒2人にイギリス人の方1人、何人かの生徒は1対1で話をすることもできた。10分くらいを目途にどんどん相手を替えていって、出来るだけたくさんの人と話ができるようにというMrs Sharpのアイデアだ。
Break the ice(:「初対面の時に場を和ませる」の意)のに時間がかかるかと思ったが、スマートな自己紹介から始まり驚くほどあっさりとお互いの話に入っているようだった。用意していた質問原稿を読んでいるだけの生徒はまずいなかった。相手の目を見て話していた。英語の練習というよりは、むしろ本当にお互いに思っていることを伝えあうこと自体を楽しんでいるようだった。どのテーブルでも会話は途切れることなく進み、同じ質問から始まったはずの話は、それぞれのテーブルで全く違う方向に盛り上がっていた。日本の話、ホームステイの話、クラブの事や学校の先生の話…
「はーい、そこまで! 次の人達のところへ移りましょう。」
折角盛り上がったところに水を差すような…と思うが否や、次の相手と新たなる自己紹介、そしてお話… いくつものテーブルで生徒とご老人たちが話す姿はまるで集団デートゲームのようでもあった。表現の仕方は悪いが、とにかく終始笑顔で楽しそうに話す姿が印象的だった。これが本来の「英会話」だと思った。英語を使って話すことがおもしろい、自分の意志が伝わる、相手に自分の言うことを分かってもらいたい… そんな気持ちが心の底から不思議な勢いで涌き上ってくる… 生き生きと話していた生徒たち、その姿はどこか頼もしくもあった。
毎年恒例のJapanese EveningやOpen Day、各クラブの対外試合、地元の学校との交流、今年度から始まった英語科/社会科の校外学習、数日前までは短期留学のWolverhamptonの生徒7名が本校に滞在していたり… と、ここ数年確実に「生の英語」に触れる機会が増えている。その成果が表れたと見る事も出来るが、恐らくこの日の最大の功労者はElmbridge Villageのご老人たちだ。引退された後も、みな生き生きと充実した毎日を過ごされている。実際、今回の懇談会も、皆さんご多忙のため日程の調整に苦労したほどだ。念願叶って持てたこの機会は、子どもたちの何倍もの年月、豊かな人生を生きてきたご老人たちのリードでとても実り深いものになった。
「どうだった、今日の訪問?」
夕食の時に、隣に座った高2の生徒に聞いてみた。
「楽しかったですよ!でも、もう少し長く話したかった。丁度盛り上がったところで、いつも交代で… でも1時間で5人もの人と話せたのは良かったかな。」
「自信」を持って英語で話せる機会を与えてくれたElmbridge Villageの方々の巧みなリードと優しさにつくづく頭の下がる思いがした。

 

火曜日に来校して、水曜日の朝から学校生活に参加した短期留学生の皆さん。授業への参加と最終日のプレゼンテーションの準備、毎日早起きで忙しい日々を過ごしましたが、週末になってようやく時間に余裕ができてきました。といっても、日曜日にはもうお別れです。あっという間の短期留学。昨夏に立教から向こうへ短期留学し、今回お世話役にまわった女子生徒たちの企画で、彼女たちのために放課後の時間を使ってミニ・イベントが開かれました。
ひとつは剣道部・茶道部による伝統文化紹介の催し。
剣道部員はきちんと胴着を着て防具を着けて、実際の剣道の取組みを披露しました。臨場感迫る立ち会いはきっと興味深かったことでしょう。
茶道部の点前の披露と、抹茶を点てる体験。お菓子は羊羹のほかに、干菓子もあわせて用意してみましたが、やはり干菓子の方が味わいやすい様子。一人一人釜からお湯を汲んで、抹茶を点て、お菓子を味わいました。
もうひとつは高2で行ったかるた大会。
土曜の夜に行われた交換留学生によるプレゼンテーションの残り時間を使って、犬棒かるた(ことわざを使ったかるた)で遊びました。日本語を学んでいる彼女たちは、ひらがなは十分に分かり、漢字も書けます。高2ホームルームで行う漢字小テストでは、やさしめに用意したテストをかなり書いていたほどです。犬棒かるたは普通のかるたと同じで、取り札はひらがな50音の1文字ずつを区別するもの。共に遊びつつ、身につけた日本語力をいかしてのレクリエーション。熱心に取る彼女たちに段々負け始め、思わず本気になってやってしまう立教生。結果は交換留学生の一人が14枚を取って見事に一番。拍手に包まれ、一緒に夜ブレイクの飲み物・お菓子タイムに出掛けていきました。

 

今学期のバドミントン部は例年より多くの対外試合があった。まず、1月21日にブライトンのRODEAN SCHOOLとの女子の試合。昨年は久し振りに立教で対戦したが、今年は立教が訪問する形となった。そして、31日に今度はLANCING COLLEGEでの試合。これは初めてで、しかも女子の部員が数名しかおらず、全て男子が相手であった。立教が、男子を相手にトーナメント以外の対戦試合を行うのは初めてであった。
さらに、例年参加している、HAYWARDS HEATHでのMID SUSSEX TOURNAMENT。これは、U14(14歳未満)が29日、U16&U18が2月5日に行われた。
2週間ちょっとの間に、4回も試合が組まれたので、部員は忙しかったようだ。特に、2月5日のU16とU18のTOURNAMENTは、前夜からの雪に見舞われ、出場できなかった選手もいたため、女子ダブルスが変則的な形となってしまった。力不足から各試合とも、勝利に結びつけることは難しく、改めて試合経験を踏むことの重要性を認識する結果となった。しかし、試合に参加した部員の多くは技術的には他の選手に圧倒されていたが、試合会場の雰囲気を心ゆくまで味わって帰校した。
これからも、RODEAN、LANCING COLLEGEとの交流を毎年継続しながら、MID SUSSEX TOURNAMENTにも積極的に参加出来ればと思っている。

道行くイギリス人に英語でインタビューをする中学部1年生の英語校外学習。今学期は更に大きな町でのインタビューに挑戦。それぞれの町で行ったインタビューの集計結果をまとめ、レポートにしました。
私達のグループは2つの班に分かれて次の質問を道行く人にしました。
質問内容
1 How often do you come to Horsham?
どのくらいホーシャムに来ますか?
2 What is the main reason to come to Horsham?
どうしてホーシャムに来ますか?
3 Where is your favorite place in Horsham?
ホーシャムでお気に入りの場所はどこですか?
結果は以下の通りです。
【A班】
1の答え 毎日来ている  住んでいる  2週間に1回 2年に一回 1年に一回 1ヶ月に一回
2の答え 友達と買い物 レストラン Marks & Spencer
3の答え 夫が働いてるレストラン 教会 カフェ コーヒーハウス
質問に答えてくれた人   10人
答えてくれなかった人    10人
私たち3人の感想
先学期の校外学習より多くの人に質問できて私も周りの友達も慣れてきたかなと思います。
しかしまだまだ全然質問できなかった人もいたので次回こそグループのみんながたくさんの人に質問できたらいいと思います。
そしていろいろなことを発見したいと思っています。
【B班】
私たちは合計で16人の人にアンケートをしました。
(すべての人がすべての質問に答えてくれたわけではないので人数に多少ずれがあります。)
答えてくれた人:12人
1の質問に答えた人の回答
・1ヶ月に4回ぐらい 7人
・1週間に1回ぐらい 5人
2の質問に答えた人の回答
・Food Shopping 2人
・Shopping 8人
・Walking 1人
3の質問に答えた人の回答
・ローラアシュレイ Laura Ashley
・スターバックス Starbucks
・コスタ 2人 Costa
・TKMAX TK Maxx
・CarFax Carfax
・M&S Marks & Spencer
答えてくれなかった人:4人

1学期、2学期と学校から近くの町に出て街頭インタビューに挑戦してきた中学部1年生のメンバーたち。最終学期は2時間続きの授業を利用して更に大きな町へ行き、より沢山の人たちにインタビューをしています。
これまで訪れたのは立教をよく知っている人たちが多い地元の町でしたが、今学期訪れるのはその何倍も大きな町ばかり。学校から車で30分近くかかるところですから、立教のことを知っている人たちも当然少なくなってきます。
今回はそんな町でのインタビューに挑戦するとあって、先生方も3人が引率につき、それぞれ小さなグループを作って数カ所に分散してインタビューを行いました。忙しそうに闊歩する人で溢れた町の様子にいささか戸惑いを感じながらも、少しずつ先学期の感覚を取り戻して「体当たり」インタビューをする生徒たちのレポートは【各教科レポート】に順次掲載していく予定です。
第1回目は1月19日(木)、Horshamという町に行きました。第1弾は倉品先生の引率したグループのレポートです。【各教科レポート】のこちらのページでご覧下さい。

 

立教には『ブレイク』がたくさんあります。『朝ブレイク』『午後ブレイク』『夜ブレイク』 ただの『ブレイク』。聞き慣れない単語かもしれませんが、要はティーブレイクと同じ、『お休み』『休憩』の意味で使われます。朝ブレイクや夜ブレイクは立教生活ではお馴染みの、授業や自習の合間の、ビスケットや果物とお茶やジュースの休憩時間ですが、昨年から始まった3学期の『ブレイク』は、学期半ばの4日間のお休みのことです。
今年のブレイクは、立春を迎えた2月4日(土)に始まりました。前日の金曜日の夜、夕食後にも1時間だけある授業が終わった高校生からは「さあブレイクだー!」と喜びの声。文系理系に分かれた勉強に、部活に、個人レッスンに多忙な高2、G.C.S.E.の実験レポート作成に奔走している高1など、それぞれ毎日忙しい3学期を過ごしています。授業のない4日間は、オアシスのようなお休みです。ブレイク期間中は起床は8時で朝もゆっくり。日中の自由でゆったりとした時間と共に、たっぷり睡眠をとり、体調を整えることができます。
初日の土曜日は礼拝が終わると、自由な時間が目の前に広がっていました。
「先生、この間授業で使ったDVDを貸してくれませんか?」
「テニス部はテニスコート集合!テニス大会をするぞ!」
あちこちでブレイク企画が立てられていました。日直の先生が校内を回ると、ベッドで本を読む者、ここぞとばかりに楽器の練習をする者、運動を楽しむ者、おしゃべりをして過ごす者…様々でした。
この日の朝はマイナス5度。夕方から雪が降り始め、夕食時には校内がうっすらと雪化粧していました。気になるテニス大会は?--部長が優勝してフィニッシュ。部長が自分のおやつ代を使って用意した景品のお菓子は彼に返ってしまったようです。
ブレイク期間は遅れていた勉強に追いつく機会でもあります。すでに受験へ意識が向かっている高2は夜の自習時間になると机に向かって勉強。窓から見える外は、真っ白な綿雪がしんしんと降り積もって「蛍の光、窓の雪」のよう。
思わぬ雪に翌朝は、雪合戦や雪だるまづくり、カマクラづくりを楽しみました。暖かい女子寮では、午後一杯ラウンジで、小学生から高校生まで映画鑑賞を楽しむ姿も見られました。
月曜日はロンドンへ遠足。
小中学生はサイエンス・ミュージアムへ。中3と高1はナショナル・ギャラリーで絵画鑑賞。高2は大英博物館で大英帝国誇る展示品を堪能しました。今年は、情報の授業やクラスの取組みを通して、見学場所の下調べを行い、掲示板で全校に紹介したり、高2が薦める絵画を中3や高1でプレゼンしたり、一層関心をもってイギリスを見ることができたと思います。
あけて火曜日は、昼食後に生徒会選挙が行われました。高1、中1からそれぞれに立候補者が立ち、立ち会い演説会と共に質疑応答が行われ、生徒一人一人が一票を投じました。当日夜に結果が開票され、翌朝の礼拝時に任命式。昼食の前に、旧生徒会長が最後のスピーチを行いました。校内意見のとりまとめ、行事の立案と進行、毎朝の鐘鳴らし、1年を通して行ってきた彼らの頑張りを思うと、感慨深い気持ちに。挨拶を終えると、だれからともなく大きな拍手が起こり、食堂は彼らを労う雰囲気に包まれました。
生徒会選挙を手始めに、当直、各クラブ部長、委員長など高2が1年間負ってきた役割がこれから高1へと引き継がれようとしています。3学期のブレイクは、高1が次の執行学年として自覚を求められ、また先輩から立教の精神を引き継ぐ時でもあるのです。

 

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