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ある日食事の席で一人の後輩が「オープンデイは時間も取られるし、学年同士で意見が割れたりするし、正直きつい」と言っていた。僕はその時その後輩に、オープンデイがいかにその学年にとって良いものになるか、そして、本気でやった後の達成感がどれ程のものかを伝えた。これは正直やり終えた後にしか分からない事だから仕方がないのも分かる。しかし、当日直前になると、後輩たちの廊下の方から急ぎ足の音や、声を張り上げて準備をしているのが聞こえてきて嬉しかった。
そして当日。どのクラスもそれぞれに頑張って展示を作り上げたのがよく分かる仕上がりだった。嬉しそうに展示物を説明する後輩を見て微笑ましかった。結果発表の時、会長が言っていた。「大事なのは結果じゃなくて、これまでにクラスが一丸となって積み上げてきた努力ややりがいだ」と。本当にその通りだと思う。僕は過去に一回も優勝したことはなかった。でもこの学校で一番心に残っている行事だ。後輩もこのオープンデイで何か心の中に残るものがあったらいいなと純粋にそう思った。僕は当日焼き鳥の当番だったが、その二日間の準備に全力をかけてしまった。きっとまだどこかにオープンデイへの熱意が残っていたのかもしれない。
やはりオープンデイは偉大だ。
(高等部3年生 男子)
私のクラスは5人しか生徒がいない。先生を合わせて7人である。7人で出来ること。がらくたミュージアムを開こう。ひょんなことから決まったこのテーマは今思うと本当に素敵なテーマだ。夏休み、とにかくがらくたをかき集めて2学期に持って行った。皆で整理したがらくた。見ているとどんどんイメージが膨らんでいった。少しずつオープンデイが近づいてくるにつれて活動することが増えていった。がらくたミュージアムでやるモノが決まり、あっと言う間にオープンデイの準備期間に入った。机と椅子が片付けられ、がらくたしかないがらんとした教室が残される。1週間で出来るか不安に駆られながら1日が過ぎていく。
私はがらくたミュージアムの中でからくりを作る係である。どんなものを作ろうか、パッと思いついたのはタワーブリッジである。目の前にあるがらくたをとりあえず手に取り、当てずっぽうに作っていく。なんとなく形が出来たと思った時、全然タワーブリッジに見えない、と言われた。2日間タワーブリッジしかやっていなかった私は、悔しくて悔しくてたまらなかった。どこが似てないんだろう。タワーブリッジの写真と作品を見比べて、少しずつ近づけていった。タワーブリッジと言われて分かるのではなく、すぐ見て分かってもらわなければならない。その難しさを実感した。
がらくたミュージアムは、シャドーアートをもう1つのテーマにしていた。暗いところで電気をつけると並べられたがらくたが何かの絵に見える、というものである。私は関わっていないが、そこで感じたのは、先生と生徒が力を合わせてオープンデイを作っていくことの素晴らしさである。生徒と先生が支え合って1つのモノを作っていく。これは当たり前のようでなされていないことだ。オープンデイ当日に先生と皆で作った作品を見て、来てくれた人が感激してくれた。感激してくれたのは、その作品に1週間の皆の思いが詰まっているからである。先生と一緒に、皆と一緒にとことん作って達成感で満ちることができた、という経験は、これから私の中でずっと生きていくと思う。
オープンデイの1日後、表彰式と閉会式があった。中2のがらくたミュージアムは沢山の賞を頂いた。本当に嬉しかった。自分たちが作ったもので見てくれた人が楽しんでくれたことが分かってとても幸せな気持ちだった。
これからも皆で作っていく大切さと喜んでもらうことの嬉しさを感じる事のできるオープンデイにしていきたい。
(中学部2年生 女子)
イギリスのお店というと、どこの町に行っても同じようなチェーン店ばかりが目につきます。個性的なお店を探すのは一苦労。ところがそんな珍しい場所が、学校から車で10分弱のところにあります。Smithbrookと呼ばれるちょっとしたビレッジのようなところですが、住居はなく、小さなお店が何軒も並んでいる不思議な場所です。
紅や黄に染まった葉が忙しなく枝々から落ちてカラカラと音をたてて小道を舞う中、数名ずつのグループに分かれた立教生がイギリス人の先生とお店からお店へまわっていきます。世界的に有名な動物画家の事務所兼ギャラリー、ダイビング関係の品物ばかりを揃えたアクアマリンショップ、オリジナルの陶器を製作できるポッタリーショップや本格的な炉を備えるガラス製品製作所、ウェディングドレスだけを売る店、家具屋、宝石屋に自転車屋さんまで、チェーン店はほぼ1軒もなく、シックな雰囲気の大きな窓ガラスのお店が迷路のような小道に一軒一軒しっくりと収まっています。
生徒たちはECの先生方が用意したワークシートの答を探しながらグループ毎に歩き回ります。「刺繍屋さんのオーナーの名前は?」「ダイヤモンドがついたプラチナ製の指輪はいくらから買える?」「MR WOODGERは何をする人?その人のお店の特徴は?」「SIMON PUREという宝石屋であなたの一番気に入ったものは?そのSIMONさん、どんな賞をとったことがある?」…etc. なかなか手強い問題もあります。そして今回の「お店訪問」の一番の目的は、実際にお店の人にいろいろな質問をしてみること。あらかじめECの先生方が事前にお店を訪問して、生徒たちが英語を使えるような様々な工夫をしてくれていました。例えば、David Shepherdという世界的な動物画家のOffice。併設されている小さなギャラリーでスタッフの方がミニプレゼンテーションをしてくれました。Shepherd氏の描いた絵を紹介しながら、虐待されている動物の現状をわかりやすく説明していきます。氏の作品はどれも写真で撮ったようなリアルな絵。「これ本当に絵ですか?」とまじまじと絵に見入る生徒たち。「このお店で一番高い絵は?」「この絵を描くのにはどのくらいの日数がかかったのですか?」「Shepherdさんは今はどこで何をしているのですか?」生徒たちの質問が続きます。恥ずかしがっている生徒にも、ECの先生が「1つは必ず質問してごらんなさい。」と励まし、お店のスタッフも「私のことでもいいのよ。英語の練習だから何でも気軽に聞いてね。」と協力的。英語が不得意な生徒でも思い切って質問できる雰囲気を作ってくれました。
今回の人気NO.1はJake Mee氏のGlass Blowing Workshop。小さなお店の約3分の2が作業場。真っ赤に燃える炉の中でガラスを熱し、柔らかくしたものを棒の先につけてクルクルと回しながら息を吹き込み、形を整えていきます。テレビで見たことのあるガラス作りを、学校からこんなにすぐのところで見る事ができるとは思ってもいませんでした。真っ赤なガラスの固まりを手際よく加工していくスタッフ、照れくさそうに微笑みながらいろいろな質問にユーモアたっぷりに答えてくれました。何が出来るのだろう?と見ていると、ガラスの固まりが突然鶴の形になったりして、「オーッ!!」と歓声。炉から漏れる熱でただでさえ暑い部屋でしたが生徒たちの熱気で室温は更に上昇していたようです。
この他にもポッタリーショップやアクアマリンショップなどスタッフの方達が好意的に生徒の英語学習に協力してくれたので、ほぼ1時間半の校外学習はあっという間に終わった感じでした。次回のECの授業では今回の外出について友達に英語のメールを書くのだそうです。そのうちのいくつかをこのホームページでも紹介できたらと思います。どうぞお楽しみに。
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