暗記の大切さ (14)

 

しばしば言うことだが、書き言葉は
話し言葉に百倍する豊かさを持っ
ている。

話し言葉 に習熟するだけでは、
国語の持つ本当の深さを知る
ことができない。

それは読書による以外に道がない。

それも まず最初は音読を中心とする
ところから出発しなければならない。

音吐朗々と音読を繰り返す中で、読み
言葉が話し言葉のように肉体化していく。

このよう に肉体化された豊富な語彙が、
実は読書を底深い部分で支えていくので
ある。

 

これもしばしば強調していることだが、
読書は面白さと難しさとの競争である。

難しすぎる本は直ぐに投げ出されて
しまう。面白さが難しさを追い越せば、
子どもは仕事を言いつけられても、
本を手に、読みながら移動するくらい
本に熱中してしまう。

要はどれだけ豊かな語彙を身につけて
いるか、どれだけ読書の底力が身につ
いているかなのである。

文章を書く上でも、音読の繰り返しによって
豊かな語彙が肉体化されていれば、筆は
すらすらと運ばれるようになる。

英語も同じである。近頃の高校生は、おそらく
中学生もそうなのであろうが、音読を避ける傾向
が強い。

英語も言語である。もともとは話し言葉から
発生したものである。その言語を、声に出して
反復することを怠れば、英語の力など決して
定着するものではない。

そのようにして豊富な単語知識が頭脳に定着
して初めて、大学入試のような難問にも対処
できるようになるのである。

その15につづく…

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