路傍の花に
~友を求めて友に頼らず、
友情を求めて孤独を恐れず~
花壇に植えられた草花は、さまざまな
意味で人間の恣意的な操作を受けて
育てられています。
一方、野原や路傍や土手に咲く植物は、
太古の昔から生活環境と自らの都合とを
擦り合わせながら、その植物に適合した
生き方をしてきたのでしょう。
野草と呼ばれる道端の草花を鑑賞する
心の余裕とちょっとした知識があると、
より一層季節の移ろいを楽しむことが
できます。
私達の身近に生え出て、時に雑草として
摘み取られ、また踏みしだかれてもたくましく
可憐に咲いている路傍の草花を愛でる
心の余裕を持って生きていきたいものです。
入学直後に私は、「孤独に耐えよ」と教える。
たとえ友達が一人もいなくても、空が青く晴れ、
白い雲が流れ、木々の葉を風が渡っていくとき、
それだけで人生は生きるに値する。
内容豊かな孤独は、なまなかな友情に勝ること
数等である。
友とは有り難いものではあるが、それがなければ
生きられないと言うものではない。孤独を恐れるな、
と私は教える。
「友を求めて友に頼らず、友情を求めて孤独を恐れず」
私が折あるごとに生徒たちに語ってい る言葉である。