今年の入学式は、去る四月八日土曜日に行われました。
中学校も高等学校も一緒です。中学校47名 高等学校406名
計453名が入学しました。中等部は、受験者が殺到し、極めて
厳しい競争となりましたが、今年は入学試験において 60点取得を
原則としたので、最終合格、入学者は、この数に留まったわけです。
高等部 中等部 共に未来に向ける志を燃やして、熱気に溢れる
スタートを切りました。
本校への受験生に申し上げたいこと
人間に生まれついての能力差はありません。あるとすれば、
「集中力」と「持続力」くらいのものでしょうか。でもこれは、
自分の努力で身につけることができます。
正直な話、私は、この「集中力」と「持続力」に恵まれておりま
せんでした。今でもそう かも知れません。他人のせいにしては
いけないのですが、ひとつには、家が転々と引っ越ししたせい
ではないかと思います。常に貧しかったわけではないのですが、
父の仕事が不安定で、引っ越しが何度も何度も続いたのです。
事情があって、豊かな農家に半年ほど生活することになりました。
美しい田園にあるオープンな家です。縁側からはぶどう園が望まれ、
取って食べる事も許されました。そこの家のお父さんは、学校の先生
だったのですが、肺結核のため、四十前でなくなりました。家族は、
畑から上がる収入と、自分で栽培する米で生活していたようです。
当時米は、今とは比べられないほど貴重な物でしたから、それで立派に
生活して行けたのですね。
お父さんの書斎には、沢山の本が残されていました。私は、それを自由に
読ませて頂くこともできました。大塚さんと言いましたが、その家に置いて
頂いている間に、私の成績、特に英語は、ぐんと向上しました。集中力
持続力は、田園的な環境の中で身につくものなのかなあと思ったりもします。
本校を目指して下さる受験生諸君、他校を目指している受験生諸君は、
兎に角何よりも、 この集中力、持続力を身につけなくてはなりません。
なかなか身につくものではありませんが、それを獲得できるかどうかに、
貴方の未来 がかかってきます。これは、現在、本校中等部 高等部に
在籍している生徒にとっても 同様です。学問であれスポーツであれ、
芸術活動であれ、人間が、この集中力、持続力 を身につけることなく
大きな成功を収める事は絶対にできないのです。
努力すれば集中力、持続力を獲得することができます。
苦労を恐れず頑張ってみま しょう。
(平成29年4月15日 狭山ヶ丘通信 狭山ヶ丘学園 第149号)