フルシチョフさんにご馳走になった貴腐ワイン(4)

 

ナポレオンがモスクワに攻め込んだとき、必死に
なって探したが、ついに発見することが 出来なか
ったワインがこれだったのだそうです。

このワインがいわゆる「貴腐ワイン」だということを
知ったのは、大学を卒業し、就職して可なり後の
ことであったように思います。  

貴腐とは「王者の腐れ」とも言われるそうです。
何十年かに一度、この「貴い腐れ」が葡萄に付着
する場合があります。この菌は葡萄表面の皮だけ
食い尽くします。

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一見するとただの腐敗に見えるのですが、皮を
失った葡萄の果肉からは水分が蒸発し、極めて
エキス分の高い果肉が生まれます。

この「腐敗」部分を取り去った果肉でワインを作る
のですが、この世の物とは思われないほど美味な
貴腐ワインはかくして作り出されます。

自然相手ですから、五十年に一度、百年に一度と
いうような幸運の所産であったようです。

その5に続く…

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