存在感とは、愛情豊かで必要なときには

不正に厳しく対処することのできる教師である。

 

子供を深く愛するとともに厳しさのある教師である。

狭山ヶ丘高等学校付属中学校校長メッセージ

(ロンドン・パリへの修学旅行に引率した時のこと)
バスガイドさんが、イギリスの歴史、フランス革命のエピソードなど、
興味深く話を進める中、まるで聞いていなかったり、がやがやと
しゃべり立てたりするクラスがある一方で、話が少し低調になって
きたように感じられる場合でも、しっかりとその話に耳を傾け、
絶対に私語しないようなクラスもある。

「同じ時代、同じ学校に生活しながら、この違いはどこから生まれるのか」

「優しい先生」のクラスは概してマナーが悪く、「厳しい先生」のクラスは、
きちんと話を聞くことができる。生徒に丁寧で、その「人権」を極度に
尊重しているような先生のクラスが、意外にも他人の話に耳を傾けることが
できない。

厳しい先生の育てた生徒は、その表情に抑制が効いていて人間らしい
顔をしている。ところが「優しい先生」に育てられた子供の表情には、
抑制が働いていない。「獣のような顔」をしているケースが少なくない。

「厳しい先生は人間らしい生徒を育て、優しい先生は獣のような生徒を育てる」
ずいぶん乱暴な言い方だが、それが50年に及ぶ教壇生活から得た私の実感
である。

私も、自分の学生時代を振り返り、そう思います。

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