テロと修学旅行(3)

ハワイでは、現地の大学生に案内さ
れた小グループが、市内に散らばり、
英語を実際に使う日を一日設ける。ダ
イヤモンドヘッドにも登る。「この木何の
木 気になる木」、あの大木は、何度
訪れても美しい。美しいし、魅力的である。

狭山ヶ丘高等学校付属中学校校長メッセージ

真珠湾も訪れる。昭和十六年十二月八日、
日本が奇襲攻撃し、アメリカの太平洋艦隊
の主力を撃滅したが、このことが、アメリカ
人の反発を招き、彼らは団結して日本と
戦うべく全力を尽くした。沈められた軍艦
は、今も、その甲板上に、戦死した米兵の
氏名を刻み、墓標として残っている。実際に、
この場所を訪れた時、高校生諸君は、どんな
感懐を抱くだろうか。

ハワイのあるオアフ島は大きい。驚くほどの
広さである。ある現地の人が私に語った。

「この島と、丁度同じくらい大きな島が
日本にはあるのですよ。どの島か
分かりますか。」

「それは、目下ロシアに占領されている
択捉島なんです。あんな大きな島を
ロシアが返したりするもんですか。」

ついでに書いておくと、歯舞・色丹・国
後・択捉という北方領土の島々は、合わ
せて沖縄本島の4・2倍の大きさを持って
いるのである。

ヒトラーが世界大戦を引き起こし、ヨーロッパ
を席巻した。ロンドンも風前の灯火という
状態であった。首相チャーチルは、
アメリカのルーズベルト大統領に、
ヨーロッパ戦線に参戦してくれと、
日に何十回も電話したそうである。

だが、ルーズベルトは動かなかった。
「ヨーロッパの戦争に、アメリカ青年の
血を流すな」というデモが、全国に溢れ
ていたためである。

そこへ、アメリカの主張によれば「宣戦
布告なしに」日本海軍がハワイ真珠湾
を急襲し、その太平洋艦隊を壊滅させた
のである。

帰りの飛行機で、疑問が私の頭を離れな
かった。択捉に集結した、空母六隻を含む
連合艦隊が、敵に発見されずに、ハワイを
奇襲する事が、本当に可能であったのか。

外務官僚は、何故、宣戦布告の通告を、
せめて電話で相手に通報しなかったのか。
真珠湾に、アメリカの空母が一隻も
いなかったのは何故なのか。

アメリカの言うs u r p r i s e attackは、
本当にsurpriseだったのか。百年先には、
はっきりさせなくてはならないと思うのである。
しかし、日米親善のためには、しばらく沈黙
しなくてはなるまい。

 

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