日本的思想の深さを(2)

 

十七世紀、産業革命が始まった。次第に人々は
豊かになり、やがて家々に電 気洗濯機、電気釜、
掃除機、テレビが普及するようになった。

「豊かなことは 良いことだ」「便利なことはよいことだ」

これが、産業革命以来の人類の合い言葉だった
のではないだろうか。 自動車が普及して若者は
歩かなくなった。小学校以来大人になるまで、
人間の歩行の絶対量は著しく減少している。体位は
向上したが体力は衰えたと言われる。 何しろ移動の
ほとんどが車かバスなのだから、人々が吹く風の
心地よさを味わい、空を流れる雲の美しさに見とれる
ことも少なくなった。

私は人生の素晴らしさの大部分は、自然の美しさに
あるのではないかと思う。 豊かさも大切だし、友達と
のつきあいも大切である。しかし我々が身辺のすべてを
失ったとしても、風のさわやかさや、行く雲の美しさが
失われることはない。

その3につづく…..

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