肌を温め合う育児(5)
雌鳥と雛の関わりでさえこうである。
増して人間の母と子の間柄が疎遠で
あって良い訳がない。スキンシップと
いう言葉には、いかにも戦後アメリカ的
な意図が感じられて、 私は好きになれ
ないのだが、母と子の関わりにおいて
「肌を温め合う」ということの重要性は、
どれほど強調しても強調しきれない
ほどに重要だと思うのである。
どうも今日の育児政策、出産奨励政策は、
親と子を引き離すように、引き離すように
する傾向を有しているのではないだろうか。
病院が出産後、母と子を別々に「管理」
するばかりではない。ゼロ歳保育を
奨励する小泉内閣以来の「福祉政策」にも、
この気配が感じられてならない。
我々はどこかで道を間違えてしまったように
思えてならないの である。
(完)