体罰「絶対」禁止への疑問(1)

校長 小川義男

誤解しないで頂きたい。私は生徒を殴って良い
などと考えているのではない。

代用教員をやっていた頃の「弟子達」に会うことが
あるが、彼らの言によると、四年の在勤期間、私は
生徒を絶対に殴らなかったそうである。

私はもともと暴力否定論者なのである。

だが昨今の教育委員会や校長、さらには文部科学省
の役人達の言動に接していると、この「体罰絶対禁止」
の原則が、異常なまでに強調され過ぎているように思う。

昔、小学校長を勤めていた頃、教育委員会のある指導室長の
講演に接することがあった。彼は教育相談の「大家」である。

私はもともと、こ の「教育相談」なるものに大きな疑念を抱いて
いる。そもそも「相談」 とは、誰と誰の相談なのか。親と教師の
相談なら十分に理解できる。しかし、いわゆる「教育相談」は、
親と教師のそれではなく、教師と生徒との相談を意味するもの
らしいのである。

しかし、教育とはそもそも相 談であろうか。 実はこの「相談」は、
「押しつけではなく、威圧ではなく、生徒に理解させ納得させ
共感させる方向で指導がなされなくてはならない」との前提に
立つものらしいのである。

 

その2につづく…..

 

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