偉人の伝記に親しませよう(5)

 

第二次世界大戦は、我が国にとっても英雄輩出
の時代であった。 硫黄島における日本軍の抵抗
は、米軍をしてすら驚嘆と畏敬の念を抱かせる
ものであった。

水不足、食糧不足と、ガス、熱水の岩山で、
全滅することを覚悟の上で将兵は最後の一兵まで
戦った。それは抵抗が一日延びれば、その一日分
本土空襲が遅れる ことを彼らは熟知していたからで
ある。

一般に司令官は本部に残り、いかなる場合も
突撃しないのが原則だそうである。突撃すれば
敵弾に負傷し、捕虜になる可能性があるからで
ある。

しかし栗林中将は最後の突撃に参加した。

彼は部下にシャベルを持って随行する事を命じた。
自分の死骸を米軍に渡さないためである。おそらく
その軍曹は、中将が傷ついた場合には殺害する
ことをも命じられていたのであろう。今日に至るも
栗林中将の遺骨は発見されていな い。

 

その6に続く…

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