尊敬するから厳しく要求する(1)

校長 小川義男

 

PTA の会合の折に、生徒達(今年の一年生)が、
この学校は良い学校だと口々に語る という話を
聞いた。

教師として嬉しからぬ筈がない。

理由は色々あるのだが、その一 つに「授業中
騒がしくないから」というのがあった。実はこれが
最も多かったのであ る。

すべての中学校ではないのだろうが 「自分は 、
勉強したいと思っても、仲間がおし ゃべりを
し続けるので先生の話が聞き取れない」のだそうで
ある。

授業は、もともとそれほど魅力的なものではない。
私など、この歳で大学院に通い、水曜日の六時から
九時までの演習に参加している。しかし、一番嬉しい
のは演習が終わったときだし、 その途中でも、時々
時計をのぞき込んだりする。

勉強、学問とは、もともと面白くてたまらないという
ようなものではないのである。

ある生徒は 「あんなに騒がしくても、一応理解できるのは、
自分が塾に通って、学 校で教わるところを前もって勉強
しているからで、塾に行っていない人だったら、ほとんど
分からないのではないだろうか」と語っていたそうである。

驚いた私は、居合わせた保護者にいろいろとお尋ねして
みたが、多くの学校で、そのような騒がしさが放置されて
いるという声がほとんどであった。

さらに驚いたこと に、小学校でも騒がしいのだそうである。

そこに居合わせた保護者のほとんどが、そう語った。

 

その2に続く…

 

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