尊敬するから厳しく要求する(2)
参観日等で学校に行った折に、後ろで見ていると、
私語はし放題、いたずら、立ち歩きも珍しくない。
それでも先生は、注意するため、そばに行って、
ひとりひとりに 語りかけたりはするが、全体を静粛に
保つことはできない。
「参観日で、親たちがいるから、先生も遠慮なさって
いるのではないでしょうか 」とある母親は語った。
信じられないような話だが本当のようである。
小学生の子供のいる本校教職員に尋ねても、
そのようなケースは珍しくないという。どうやら
我が国の教育荒廃は、回復に向かいつつ
あるのではなく、一層深刻になりつつあるかも
知れないのである。
「狭山ヶ丘」で、そのようなことは全くない。
始業式、終業式等に際して、校長の話が20分を
過ぎることはしばしばである。 生徒は、水を打った
ような静けさの中で話に耳を傾ける。静粛である。
針を落としたら、一番後ろの生徒にまで聞こえるかも
知れない。
授業や、朝ゼミの折などに私語するケースは絶無では
ないが、それとても極めて稀である。私語する場合も、
勉強に関する話がほとんどのようである。
原則としてこれも禁止している。
生徒も実に良く協力してくれる。だから「時代が悪いからだ」と
は言えないと私は思う。おそらく生徒が悪いのでもあるまい。
生徒にき ちんとした態度を求める毅然とした姿勢が教師に
欠けているからではないかと思うの である。
その2に続く…