ひとりで行った入学式(4)

 

私の場合、衆に流されて行動するということは
ほとんどなかった。人に好かれないという方
でもなかったが、仲間と行動する以外に、
私には絶対にひとりで行動するという側面が
あった。

学校を隠れ休みする時にも、「不登校仲間」と
群れて行動することはなかったし、悪さをする
ときも、絶対に仲間と一緒に行動することは
なかった。

当時の子どもの悪さの代表としては、農協の
鰊カスの「窃盗」がある。鰊カスと言っても、
今の方には分かるまい。当時留萌や増毛の
浜には、湧く程に鰊が捕れた。

とても食いきれるものではない。そこで鰊を
五右衛門釜のような釜で煮て、加圧器で
絞るのである。そこから魚油が豊富に取れたし、
絞りカスは乾燥し、それを円形に整形 して
乾燥させる。真ん中に子どもが入れる程の穴
の空いた、厚さ30センチくらいの固まり、それが
鰊カスである。完全に乾燥しきっている。これを
崩して畑の肥料にする と、トマトでもイチゴでも、
素晴らしくうまいものが取れた。

その5につづく…

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