朝鮮人の思いで2(3)
相手は今は「外国人」である。駅員も警察官も
たじたじとなった。
朝鮮人に正当性は全くない。しかし彼らは、
朝鮮人としての一体感から、炎のような激しさで
抵抗した。
私はこれを見ていて 「なるほど、喧嘩はこうで
なくてはならぬ。 この場合、君が 『間違っている
などと、したり顔でいたりしてはな 』 らないのだ。
一度戦いが始まった以上、 良い悪いの問題で
はない。仲間を守ることこそ何物にも優先する、
私はそう感じた。
先輩たちは、朝鮮人がいなくなってから、口々に
朝鮮人を批判したが、私はそうは思わなかった。
むしろ彼らの、筋も道理も離れた仲間意識に、
ある種の精神的昂揚を感じ、 「喧嘩は朝鮮人の
ようにやらなくてはならぬ」と胸中深く思い固めた
のである。
その4につづく…