雄鳥のごとく(1)
狭山ヶ丘高等学校長 小川義男
鷹を保護するなどとやかましい昨今であるが、
北海道の開拓当時、鷹は大変な害鳥であった。
人間の隙をねらって雌鳥や雛を襲い、巣に
運んで食うのである。
鷹は高空を旋回しながらチャンスを狙う。
それに気づくと雄鳥は、必ず雌鳥を縁の下などに
隠し、自らは切り株の上に上がって、けたたましく
叫び声を上げる。
鷹の注意を自分に集めようとするのである。
当然鷹は襲ってくるが、「一族」を守るため、
毛を逆立てて 雄鳥は捨て身の抵抗を試みる。
そのけたたましい叫び声に、人間が駆けつけて
くるのだが、時には力つきて雄鳥が犠牲になる
こともある。
この情景を目の当たりにして私は、
「男はこのようでなければならない」
と感じつつ大人になった。
その2につづく…