夏休み中の少し静かな校舎の中、あまい香りが漂う。
どうやら、食文化部が何かを作っているようだ。
調理室を覗きに行ってみると、部員たちはチョコレートを溶かしたり、小麦粉をふるったり集中して作業を行っていた。
今回は、ガトーショコラを作るとのこと。
ガトーショコラとは、フランス菓子の一種でその名の通り、焼いたチョコレートのことである。
焼きあがるとチョコレートの香ばしい匂いが一層広がった。
このケーキは温かいうちに食べるとふわふわ感が、冷やすと固まって濃厚な味わいが楽しめるそうだ。
ケーキの端の方を少し切って味見をする部員たちは、にんまり笑っていた。