「復興」とは何なのか

 

本校の高校生20名が、福島県浜通りで行われた研修に参加しました。生徒たちは、震災から15年となる3月11日をこの地で迎えました。

私は夜からの合流となりましたが、生徒たちはすでに相馬市内や双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館、浪江町の請戸小学校などを訪れ、震災や原子力災害について学んできていました。

宿舎では、一日の学びを振り返るワークショップが行われ、夕食後には起業家対話として「in the Rye株式会社」代表取締役の沖野昇平さんからお話を伺いました。

その中で、沖野さんから、「今日一日で感じたことを一文で表してください。しかも英文で」という課題が出されました。生徒たちは班ごとに話し合い、次のような文章をまとめました。

A. Include policies to ensure disasters do not fade from memory in an educational system.

B. Disaster prevention initiatives based on the experience of the Great Earthquake.

C. It’s important to be rational when in emergency, and we should tell our experience to the next generation.

D. Continuous training and oral tradition.

短時間でここまでまとめることができるのは、なかなか見事なものです。沖野さんからは、気になるフレーズを取り上げながらコメントをいただきました。

さらに続いて、「復興とは何なのか」という仮説を立てるという課題が出され、各班からは次のような意見が出ました。

A 進むべき道を切り拓くこと。
B 町が町として自立して未来に進めること。
C 再び人が住み、暮らせる環境があること。
D 人口を増やし、町の経済が自立すること。

これについて沖野さんはあえて「ノーコメント」として、「明日の見学を通して、この仮説が正しいのかどうかを自分たちなりに考えてほしい」と話されました。

今回の研修では、答えを教えるのではなく、「復興とは何か」という問いを生徒自身が考えることが大切にされています。

福島第一原子力発電所

翌日は宿舎を出発し、「東京電力廃炉資料館」を訪れました。ここでは、2011年に原子力発電所で何が起きたのかを映像などで確認するとともに、現在進められている廃炉作業についての説明がありました。

その後、専用バスで福島第一原子力発電所の構内へ向かいました。セキュリティのため、スマホ、カメラを預けてしまいましたので、この先の様子は写真がありません。放射線量計を身につけてバスに乗り込むと、発電所に近づくにつれて車内の線量計の数値が上がっていく様子を見て、少し緊張が走りました。

原子炉の1号機を目の前にすると、テレビで見ていた映像とは違って、何かが迫るような感覚に襲われました。「ホンモノ」の力が感じられた瞬間です。廃炉作業は少しずつ進められていますが、その現場を目の前に、事故の重大さをあらためて実感しました。

見学後には放射性物質の付着検査と被ばく量の確認が行われました。今回の被ばく量は約0.01mSvで、歯科用レントゲンと同程度だったようです。

実は私は浪江町の生まれで、生徒たちとともにこの地を訪れたことには、個人的にも特別な思いがありました。

新しい産業の挑戦

昼食は、大熊町にある「FUN EAT MAKERS in Okuma」でいただきました。ここでは土を使わない施設栽培によって、トマトやレタスが生産されています。温度管理されたハウスで育てられたトマトは糖度が高く、とても甘い味でした。

その後、大熊町の交流施設「Linkるおおくま」で、もう一人の起業家の方からお話を伺いました。

お話をしてくださったのは、株式会社ReFruitsの取締役、阿部翔太郎さんです。大学時代に大熊町を取材したことをきっかけに移住し、現在はキウイの栽培に取り組んでいます。震災前、大熊町の特産品であったキウイを復活させ、「果樹産業を次の100年につなげたい」と語っていました。

また、「ハードが整うだけでは地域は持続しない。地域に根ざした産業や文化があってこそ、本当の意味での復興につながる」と伺い、前日の「復興とは何なのか」という課題に頭の中でつながっていきました。

最後には生徒から多くの質問が出され、農業の将来や起業の資金、地域の産業などについて活発なやり取りが行われました。

震災から年月が経った今も、浜通りでは新しい挑戦が続いています。今回の研修は、生徒たちにとって「復興とは何か」を自分の言葉で考える貴重な機会となったことでしょう。

福島県浪江町生まれ
校長 岩本 正

校舎を歩いていると、教室は暗いのに、黒板だけが明るく光っている教室がありました。

「何をしているのだろう」と思い、そっと中に入ってみると、数名の生徒が黒板の前に立ち、発表を行っています。黒板に映し出されていたのは、英語で作成されたPowerPointの画面。円グラフや統計データが大きく映し出されていました。これは、だいぶ面白そうだな——そう思い、しばらく授業を見せてもらうことにしました。

見学したのは、高校1年生の英語の授業でした。そこでは、データ分析をもとにした英語プレゼンテーションが行われていました。各班がイギリスの社会データをテーマに設定し、統計資料を読み取り、パワーポイントを用いて英語で発表しています。

扱っていたテーマは、次のようなものでした。

・Spending habits of UK families
・Age of employees in the UK (2015–2020)
・Ways of Watching Television Shows
・Use of Time for Adults

生徒たちは、グラフの変化や特徴を英語で説明していました。
流ちょうに話す生徒もいれば、原稿を見ながら慎重に言葉を選ぶ生徒もいます。しかし、どの生徒も、数字を自分の言葉に置き換えようとしている姿が印象的でした。

発表後には、英語のネイティブ教員から解説がありました。
黒板には、

■ Differences(違い)の説明
増加の「速さ(speed)」の違い
quickly / slowly
変化の「方向(direction)」
increase / decrease

■ 割合・概数の表現
a little over one-half
one-half
a little under one-half
approximation(概数)

と整理され、どのように英語で比較し、分析するかが具体的に示されていました。

単にプレゼンテーションを行うだけではなく、データをどのような英語で表現すればより正確に伝わるかまで踏み込んだ時間でした。
英語は、単なる教科ではありません。
数字を読み取り、比較し、変化を説明する。その思考の過程を英語で表現する力を育てることが、これからの学びにおいて重要であると感じます。

教室の灯りの向こうには、そんな学びの姿がありました。

 

2月15日に生徒が企画した歌会フィールドワークを実施しました。
天気にも恵まれ和歌を詠むには良い一日となりました。
今までの歌会では歌合せや物語の作成をしていましたが、今回は松尾芭蕉にゆかりのある江東区の清澄庭園からスタートし野外で歌を詠みました。石組みや松の配置、水面に映る空やカモなど、静かな庭園の空気の中で詠むことで、「写実」と「心情表現」について考える機会となりました。
実景をそのまま詠むのか、そこから感じた思いを中心にするのかなど生徒同士で意見交換も行われていました。
続いて万葉集の聖地、市川の真間に移動し一首詠み帰路につきました。

 

初挑戦!成城梅で梅干し作り!

校内の梅の木に、毎年、梅の実が実ります。昨夏も、約3㎏の大粒の梅を収穫しました。
職員室で、梅干し作りに挑戦しました。

梅雨明けからの梅干し作り

中1:ポスター発表

毎年、中学1年生では、理科の取り組みとして「身近な植物」をテーマにレポートを作成しています。
生徒たちは夏休み中に観察や調査を行い、その成果を A4・1枚のポスター にまとめました。現在、写真のように、理科実験室前の廊下に掲示されています。
今回も、理科の先生から 5枚のシール を受取り、気になった作品を5点選出してみました。
たくさんのポスターの中から選ばれるためには、まず人目を引く工夫が大切ですね。やはり、鉛筆のみで描かれたものよりも、色づかいがある作品の方が目にとまりやすいです。

1.身近な体験から

1つ目に紹介するレポートは、動機にオリジナリティがあり、目を引いた作品です。
臨海学校で見た海の光景から、「海岸には植物が少ない」という自身の体験を出発点に、塩分濃度の異なる環境で植物を育てるとどうなるのかを実際に検証していました。
何気ない観察をきっかけにして、新しい疑問や発見へとつなげていく姿勢は、とても大切な視点だと感じました。

2.テーマの独自性

2つ目に紹介するレポートは、「種子植物とシダ植物」の違いについて、実験を交えながら観察した作品です。
これまでにもさまざまなレポートを見てきましたが、この視点を取り上げたものは初めてで、オリジナリティを感じました。
考察では、種子植物の方が発芽しやすい理由について、自分なりの明確な見解が書かれており、理解の深さがよく伝わってきました。
見た目もカラフルで、作品全体が読みたくなるような工夫がされていた点も印象的でした。

3.地道な観察

3つ目に紹介するレポートは、さまざまな植物を丁寧に観察し、その特徴をまとめ上げた作品です。
動植物の観察では、どれだけ根気強く向き合えるかが大切ですが、その姿勢が作品全体からよく伝わってきました。
多くの植物を比べることで、違いだけでなく共通点にも気づいていく──これは理科の基本ともいえる視点です。
写真も添えられており、内容がすっきりと理解しやすい構成になっていた点も印象的でした。

4.独創的な条件での実験

4つ目に紹介するレポートは、多くの生徒が題材に選ぶ「食虫植物」に関するものですが、これまであまり見られなかった条件で観察している点が印象的でした。
特に、食虫植物の中に「小石」を入れてみるという発想はユニークで、「アリ」を入れる場合とは異なる視点が感じられました。
結果として石が小さくなるという現象にも興味を引かれ、どのような石だったのか、なぜそのような変化が起きたのかを探っていけば、さらに探究が深まりそうだと感じました。

5.物理実験のような観察

最後に紹介するレポートは、植物の種子がどのようにして遠くまで広がっていくのかを、実験によって確かめた作品です。
植物が生息範囲を広げる方法の一つとして、種子をいかに遠くまで運ぶかという仕組みがありますが、進化の過程でその方法も多様に発達してきました。
このレポートでは、身近なタンポポの種子に注目し、条件を変えながらどれくらい飛ぶのかをデータとして集めています。
自ら条件を設定し、その違いを比較していく姿勢は、まさに科学実験の基本であり、探究心の高さが伝わってきました。

このような経験を積み重ねていくことで、少しずつ科学的なものの見方や考え方が身についていくのだと思います。
生徒一人ひとりが、身近な自然に目を向け、疑問を抱き、試し、確かめ、まとめていく、その積み重ねが、未来の科学者たちを育てる基盤になります。
これからも、生徒たちが探究心をもって学びを広げていってくれることを期待しています。

中1:ポスター発表

毎年、中学1年生では、理科の取り組みとして「身近な植物」をテーマにレポートを作成しています。
生徒たちは夏休み中に観察や調査を行い、その成果を A4・1枚のポスター にまとめました。現在、写真のように、理科実験室前の廊下に掲示されています。
今回も、理科の先生から 5枚のシール を受取り、気になった作品を5点選出してみました。
たくさんのポスターの中から選ばれるためには、まず人目を引く工夫が大切ですね。やはり、鉛筆のみで描かれたものよりも、色づかいがある作品の方が目にとまりやすいです。

1.身近な体験から

1つ目に紹介するレポートは、動機にオリジナリティがあり、目を引いた作品です。
臨海学校で見た海の光景から、「海岸には植物が少ない」という自身の体験を出発点に、塩分濃度の異なる環境で植物を育てるとどうなるのかを実際に検証していました。
何気ない観察をきっかけにして、新しい疑問や発見へとつなげていく姿勢は、とても大切な視点だと感じました。

2.テーマの独自性

2つ目に紹介するレポートは、「種子植物とシダ植物」の違いについて、実験を交えながら観察した作品です。
これまでにもさまざまなレポートを見てきましたが、この視点を取り上げたものは初めてで、オリジナリティを感じました。
考察では、種子植物の方が発芽しやすい理由について、自分なりの明確な見解が書かれており、理解の深さがよく伝わってきました。
見た目もカラフルで、作品全体が読みたくなるような工夫がされていた点も印象的でした。

3.地道な観察

3つ目に紹介するレポートは、さまざまな植物を丁寧に観察し、その特徴をまとめ上げた作品です。
動植物の観察では、どれだけ根気強く向き合えるかが大切ですが、その姿勢が作品全体からよく伝わってきました。
多くの植物を比べることで、違いだけでなく共通点にも気づいていく──これは理科の基本ともいえる視点です。
写真も添えられており、内容がすっきりと理解しやすい構成になっていた点も印象的でした。

4.独創的な条件での実験

4つ目に紹介するレポートは、多くの生徒が題材に選ぶ「食虫植物」に関するものですが、これまであまり見られなかった条件で観察している点が印象的でした。
特に、食虫植物の中に「小石」を入れてみるという発想はユニークで、「アリ」を入れる場合とは異なる視点が感じられました。
結果として石が小さくなるという現象にも興味を引かれ、どのような石だったのか、なぜそのような変化が起きたのかを探っていけば、さらに探究が深まりそうだと感じました。

5.物理実験のような観察

最後に紹介するレポートは、植物の種子がどのようにして遠くまで広がっていくのかを、実験によって確かめた作品です。
植物が生息範囲を広げる方法の一つとして、種子をいかに遠くまで運ぶかという仕組みがありますが、進化の過程でその方法も多様に発達してきました。
このレポートでは、身近なタンポポの種子に注目し、条件を変えながらどれくらい飛ぶのかをデータとして集めています。
自ら条件を設定し、その違いを比較していく姿勢は、まさに科学実験の基本であり、探究心の高さが伝わってきました。

このような経験を積み重ねていくことで、少しずつ科学的なものの見方や考え方が身についていくのだと思います。
生徒一人ひとりが、身近な自然に目を向け、疑問を抱き、試し、確かめ、まとめていく、その積み重ねが、未来の科学者たちを育てる基盤になります。
これからも、生徒たちが探究心をもって学びを広げていってくれることを期待しています。

11月15日(土)、「グローバル教育公開シンポジウム」を開催しました。本校の保護者や他校の教員など100名を超える方が参加しました。

第1部では、本校前校長の栗原卯田子氏が、「グローバル研修の立ち上げについて」として基調講演を行いました。2015年の海外でのグローバル研修開始の前史から話を説き起こし、「グローバル教育とはなにか」「教育目標とグローバル教育」などに及ぶ骨太な講演でした。

第2部では、松本浩欣氏(東京外国語大学)、山﨑直也氏(帝京大学)、佐藤幸久氏(岩手県立盛岡第一高等学校)がそれぞれ講演ののち、三者によるパネルディスカッションを行いました。

松本氏は、グローバル教育には「課題解決」と「人材づくり」という2軸があり、それが「グローバル教育」を分かりにくくしていると指摘したのち、オーストラリアで研修を行う意義について話されました。

山﨑氏は、ご自身が代表理事を務めるSNET台湾(日本台湾教育支援研究者ネットワーク)の活動について紹介され、「台湾を学ぶ」「台湾で学ぶ」という2つのアプローチを示しました。

佐藤氏は、盛岡一高の海外派遣事業が半世紀近く続いているのはなぜかに言及されました。そのカギの1つが、日常の探究活動の延長線上に海外派遣が位置づけられていることを指摘されました。

パネルディスカッションでは、参加者の事前アンケートをもとに議論を進めました。

Part1では、教育関係者対象のアンケートにもとづき、教職員の協力体制の構築、教育目標や教育計画とグローバル教育の関連付けという、多くの学校が課題感を持っているテーマについて意見を交わしました。

Part2では、保護者対象のアンケートをもとに、留学や子どもに望むこと、親としての関わり方などについて議論を行いました。

最後は、講師の先生方からのメッセージで締めくくりました。複数の先生方が、「安全圏(コンフォートゾーン)」を出ることの大切さについて述べられました。

当初3時間の予定だったシンポジウムは、気が付けば4時間近くに及びました。多くの方が最後まで残り、講演や議論に耳を傾けていました。

シンポジウムは学びと示唆に富む、とても豊かな時間となりました。本校のみならず、他校のみなさまとも成果を分かち合いたいと考えております。講師の先生方、ご参会のみなさま、ありがとうございました。

以下の展覧会に本校美術部ならびに写真部が参加いたします。

【第53回 東京私立中学高等学校 生徒写真・美術展】
・期日:11月19日(水)〜24日(月)
・会場:東京都美術館ロビー階第1展示室
・時間:9:30〜17:30(最終日は12時まで)
・入場:無料

ぜひ生徒たちの作品をご覧ください。

主催:一般財団法人 東京私立中学高等学校協会

11月8日(土)、調理室で、東京韓国学校との合同キムチ作りを行いました。両校の生徒約30名が参加しました。家庭科の山田先生と、東京韓国学校の保護者の方6名が指導に当たりました。本校の師親会役員や教職員有志も指導補助として参加しました。

生徒は、各校2~3名ずつ6グループに分かれて調理に取り組みました。本校で栽培している内藤唐辛子を使い、カクテキ、白菜、ニラのキムチを作りました。内藤唐辛子は辛みが強く、それを押さえるために工夫を施しました。

東京韓国学校のPTA(学父母会)会長の方は、生徒にキムチ作りを指導するかたわら、おでん風のトッポギ料理を作りました。チーズを加えたマイルドな風味の汁物で、寒い時期にぴったりでした。

キムチの完成後、生徒の炊いたご飯に合わせて試食を行いました。両校の生徒は初対面でしたが、共同作業と〝同じ釜の飯を食う〟ことで、急速に親しくなりました。

今後も東京韓国学校と様々な交流活動を行っていきたいと思います。

1 / 14212345...102030...最後 »

ページ
TOP