かざぐるま今週の手作りの時間は、紙コップで風車を作りました。紙コップをハサミで切り開き、羽を同じ方向にねじって作り、虫ピンで割りばしにつけるだけ。作るのは簡単でした。紙コップの色塗りに時間はかかりましたが、作り始めてから10分もしないうちに「先生、できたから、中庭に行っていいですか?」の声が聞こえました。手作りは遊びながら学ぶ時間ですから、早く完成した子はたっぷり遊びに時間をかけられます。

教室に残っている子を手伝っていると、「まわらなーい!」と、A君がしょんぼりした表情で戻ってきました。どれどれと一緒に中庭に行き、見ていると、なるほど。A君は風車を上に向けて走っていたのでした。「よく回っている友達を見てごらん。」とアドバイスすると、Aくんはじっと友達を見ていました。それに気づいた友達が「前を向けて走るとよくまわるよ。風が来るから。」と教えてくれました。それを聞いて、A君は風車の向きを変え、前を向けて走り出すと風車はクルクルと回りました。戻ってきたときには、A君はニコニコでした。

しばらくすると、「こっちを向いて立ってるだけで回るよ!」「おもしろいな~。」と教えてくれた子がいました。この日は風が強く、走らなくても風車が回ったのでした。授業の最後には「風に向かって走ると風車はすごくよく回る!」と「発見」していた子もいました。教師が教えなくても、子どもたちは風車での遊びを通して、風の向きや強さと風車の回り方の関係について理解していました。

幼児教育の中でも子どもたちは同じ遊びをしていますが、形を変えながら何度もこのような遊びを繰り返すことで、「発見」は確信になり概念となって、科学的な見方や考え方の礎となっていきます。

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