成立学園では、ナショジオの取り組みを始め、読書や論語講座などさまざまな体験などを通じて、「教養」を広げます。

そのことで、生徒たちの器を大きくする、別の言い方をすれば知的好奇心を目覚めさせることができ、そのことが、「見えない学力」をつけ、そしてテストなどにあらわれる「見える学力」が培われると考えています。

11月25日(土)、中学校ナショジオ発表会が実施されました。

ナショジオの魅力の一つは、写真の持つ力です。毎号素晴らしい写真が数多く掲載されていますが、それらの中からこれという写真を選び、そこからインスパイアされたことについて、各学年それぞれのチームが、中1:食、中2:環境、中3:科学というアース・プロジェクトのテーマに沿って、内容はもちろんのこと、スライドや発表方法などに工夫を凝らして発表しました。

各チームのテーマ一覧です。
《中1》
「食と人との関わり」、「「VR」と「食」」、「5秒に1つ消える命」、「食べ物が持つ物質の効果と影響」、「象の減少の理由と人はなぜ象を食べるのか」、「ガラパゴスの生物たちの運命」

《中2》
「環境汚染」、「コロラド川はなぜ干上がったか」、「南極の氷はなぜとけるの?」、「押し寄せる海ゴミ」、「タバコと環境について」、「環境の変化と人類の進化」

《中3》
「宇宙開発」、「屋久島の固有種」、「宇宙の不思議」、「火星までの有人飛行は可能か」、「ロケットの垂直着陸について」、「無駄なものを再利用する科学」、「屋久島と自然の問題」

講評は中村尚哉さん(日経ナショナル ジオグラフィック社社長)からいただきました。中村さんには、本校がこの取り組みを始めた最初の年からずっと発表を見ていただいています。

 


今回の講評として、

・グループの中で個人が調べたものが、うまくチームとして1つにまとまっているかということがポイント。
・中1はいい意味で発表会デビュー感がなく、しっかりと落ち着いて発表できていた。
・中2・中3は発表自体には慣れた感じがあったが、深く調べられていてさすがだった。

などの言葉をいただきました。
そして、各学年の最優秀チームを選んでいただき、ナショジオ賞として貴重な書籍(『PHOTO ARK 動物の箱舟』)を贈呈していただきました。この書籍は、1人の写真家が世界の動物園・保護施設で飼育されている生物をすべて一人で撮影しようという壮大な挑戦の記録だそうです。
中1 「食と人との関わり」


中2 「押し寄せる海ゴミ」


中3 「無駄なものを再利用する科学」


となりました。どのチームも自分たちで考え、調査し、しっかりと発表していました。

 

実は、今年は最後に中3の女子生徒がぜひ発表したいことがあるということで、1人で「戦争から学ぶ私たちの価値」というテーマで、第2次世界大戦において尊重されなかった人権と、終戦後も隊員たちを苦しめた精神障害について発表してくれました。

つい2週間ほど前にアース・ツアーで訪れた「知覧特攻平和会館」で見た特攻で亡くなられた兵隊さんの手記(遺書)を読んで感じたことを、穏やかではありましたがとても力強い言葉で伝えてくれました。

 

今回から、生徒1人ひとりが自分のiPadのロイロノートを使って各グループの発表についての意見を提出するということをやってみましたが、みんなしっかりとコメントを書いてくれていました。

まさに成立学園が目指している「見える学力」と「見えない学力」を共に育てる教育の成果の一端が垣間見えたイベントでした。

 

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