夏休み最後の週末となる8月28日3年生の引退レースとなる成田スーパーサイクルエンデューロに部員総勢17名が参加しました。今回のレースは初心者対象の90分耐久レースと実業団選手も参加する中、上級者対象の3時間耐久レースの二種類のレースが実施されました。ここ数年先輩達も挑戦してきた馴染み深いレースです。馴染みのレースながら未だに優勝を達成出来ない厳しくも走り甲斐のあるレースでもあります。

 午前9時スタートの90分レースには4組(1組2名で編成)8名の1年生が参戦しました。チーム編成は練習でのタイムを基準に決められます。90分間ふたりで襷となるタイム計測バンドを足首に巻いて闘います。エントリー総数70チーム以上のサバイバルレースです。1年生の事実上のデビュー戦は、序盤に先頭集団からジリジリと離される苦しいレース展開になりました。しかし、レース中もチーム毎にコミュニケーションをしっかり確立し(サインボードの採用やヘルパーは上級生が担当する等)ほぼノーミスのピットワークで参加4チームが全て同一周回でレースは進みました。中盤以降は全チームが同時ピットインしてもタイムロスが無いという離れ業のおかげで、正則トレイン(4人の選手がそれぞれ先頭交代をしてペースを維持する状態)をゴールスプリントまで走らせました。残念ながら、上位入賞は達成出来ませんでしたが、コーチも舌を巻くほどの成長を示してくれました。

そして、気温35度の猛暑の中3時間のレースは始まりました。90分レースの教訓を生かし、集団には正則全5チーム中3チームが残っています。1時間毎に発表されるレース速報を元に、各チームがスティント(各ライダーの走行割り当て)の確認と修正に集中します。暑さによる体調不良で起こる予想外のピットインにも、チームメイトを非難するのではなく、ピンチはチャンスという前向きな姿勢も随所に見受けられました。

前川、漆崎のAチームは序盤から続く厳しい3位争いに何とか食い下がります。レース残り30分の段階で大きな動きが起こりました。その時点で3位のチームがピットロード逆走の違反を犯し降格処分となったのです。その時点では裁定の詳細は伝達されず、前川、漆崎は前だけを見て走ります。

一方前回のレディースレースでは優勝も期待されながら、不運な集団落車に巻き込まれリタイアとなった正則初の女子部員土屋は普段の練習パートナーでもある関根とペアを組み男女ペア部門で闘っています。スタートから関根が好調を示し、先頭集団で土屋に襷を繋ぎます。1回目のスティントを安定した走りで駆け抜け、絶好調の関根はハイペースを維持し長目の2回目スティントを疾走します。1時間経過時で、部門3位を確認します。2時間経過時にはトップに立っていました。しかし、ハイペースの代償は大きく関根の脚が悲鳴を上げます。左大腿部を痙攣させながら、1年生の献身的なピットワークに支えられ、スティントを短くし、ライダー交代のタイミングを変更しゴールを目指します。

レース終了時には、選手全員がフィニッシュラインにならび、ライダー達を迎えました。正式リザルトには、奇跡の大逆転を果たした前川、漆崎が男子部門3位を勝ち取ったことが記されていました。

そして、不運な落車が続いていた女子部員土屋は関根と共に2位に2周差をつけるブッチギリの独走で悲願の初優勝を果たしました。彼女にとって長いトンネルを抜けた瞬間だったのでしょう。記念撮影で見せたとびきりの笑顔がとても印象的でした。

しかし、チームにとっては決してラッキーなことだけのレースではありませんでした。直前に3時間チーム部門からソロ部門に変更した3年生友末は不安もあったことでしょう。それでも彼は挑戦する決意を固めレースに臨みます。不運は続きそのレース序盤で友末は落車してしまいます。しかし諦めない強い気持ちで、傷ついた身体で何度も脚をつりながらもレースを完走した姿は、後輩達の眼に焼き付いていたことでしょう。

 とにかく、今年度前半の集大成となるレースは我々に多くの経験をさせてくれたことは間違いありません。

最後になりましたが、今回も、遠方にも関わらず朝から保護者の方々の心強い支援を戴きました。ありがとうございました。8月29日のミーティングを経て新チームになりました。今後も変わらぬご支援を戴けましたら幸いです。

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