日本の平均余命が伸びたいま、社会問題となっているのが福祉の分野です。孤立したお年寄
りの生活支援をするために社会全体で考えなければいけない問題としてとても重要です。その
ため菅生高校では毎年、福祉分野を目指す生徒に対して特別講義を実施しています。
今年は7月15日(木)に東京家政学院大学から西口教授をお招きしました。先生は大学で教え
る傍らソーシャルワーカーとして、現場でも活躍されています。今回は現場のようすも交えた講
義をしていただきました。
最初に虐待の現実についてお話がありました。先生は「子供の頃に虐待を受けたことのある親
が自分の子供を持つと、同じように虐待をする傾向にある。と長く考えられてきましたが、最近
の研究事例では虐待が連鎖することはないと言われています」とおっしゃいました。では何が
原因かというと、以下の2点に集約されるそうです。1つは親の社会的孤立。もう1つは貧困な
家庭が原因というものです。前者は、社会的に孤立した親は、子供をどのように扱って良いの
か周囲に相談できず、そのストレスを子供に向けてしまう結果、虐待を起こしてしまうタイプ。
後者は、日々の生活に追われ、なかなか子供の面倒を見ることができず、子供を虐待すること
でストレスを発散させるタイプ。と分けられます。西口先生は続けます「つまり社会的孤立や貧
困家庭といった環境の連鎖で虐待が続くと考えられるのです。これを無くすには、社会的支援
を充実させ、虐待を起こす親の生活環境を改善することです」そのために、高度な社会福祉の
教養を身につけた人材が必要となるそうです。
昨今、生活上の問題がより深刻化しています。虐待、引きこもり、ホームレス、貧困、DV、自殺、
高齢者介護の問題など沢山あります。こういった問題を、親身になって解決できる社会福祉専
門職が必要となるゆえんです。最後に10分ほど、社会福祉の現場で生き生きと働く先輩方の
ビデオを観て、生徒たちも福祉の現場で働く意義を見いだしたようでした。アンケートにも「若い
力で福祉分野に貢献していきたいと思います」といった積極的な意見がよせられました。
詳しくは… 菅生学園HPまで

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